令和5年度活動内容
令和5年度 徳島県SSH生徒研究合同発表会について
3月16日(土)に徳島県SSH生徒研究合同発表会が教育会館にて行われました。5年ぶりの参集開催であり、県内SSH校を中心に、9校285名が一堂に会し実施されました。午前中は13グループの口頭発表、午後からは59グループのポスター発表が行われました。また、今年度は本校が幹事校であり、司会や運営等本校生徒がしっかりと務めてくれました。
本校からの参加は、応用数理科の全員28人、9グループで、2グループが口頭発表、7グループがポスター発表を行いました。
結果は、口頭発表の部では「バネを用いた振り子の動きについて」が最優秀賞、ポスター発表の部では「魚類消化管内に存在するプラスチックの検出方法とその結果」が優良賞に選出されました。
今回参加したすべての発表が面白く、SSH校を中心に、年々レベルが上がっていると感じました。今後、県内各校でますます課題研究への取り組みが促進され、探究的な学習が発展していくことを期待します。本校でも歩みを止めず、研究への取り組みを進めていきたいと思います。
課題研究最終発表会
応用数理科208HRが、1年間理数探究の授業で取り組んできた課題研究の最終発表会が2月21日(水)5限目~7限目に行われました。9グループ28人が、1年間の成果を発表しました。どの班も上手くまとめられており、3時間が一瞬で過ぎるほど、とても面白い発表ばかりでした。さすが城南高校 応用数理科です。1年生も発表見学を行い、積極的に質問を行っていたことが印象に残っています。2年生は来年度、AdvanceScienceの時間で追実験を行い、論文にまとめていく作業に入ります。1年生は、いよいよ理数探究の授業で、課題研究を行っていきます。目の前の現象に課題を見つけ、検証実験を考え、考察に至る。ぜひ、深い学びを行ってほしいと思います。
発表のタイトルは次の通りです。
1 海部刀の原料はどこから来たかⅡ(化学分野)
2 電磁誘導を用いた波高観測装置の開発(地学分野)
3 空気砲で輪を遠くまで飛ばすためには(物理分野)
4 シリコンに物をくっつける(化学分野)
5 ゼブラフィッシュの不安行動の定量化とその個体の割合(生物分野)
6 魚類の消化管に存在するマイクロプラスチックの検出方法とその結果(生物分野)
7 ばねを用いた振り子の動きについて(物理分野)
8 レンズフードを用いた場所と時間による光害の影響の観測(地学分野)
9 プラナリアが咽頭伸長を行うための条件(生物分野)
第二回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研修会について
2月10日(土)の午後,第二回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研修会が徳島大学総合科学部3号館で開催されました。この会は第一回の課題研究のテーマ決めの研修会の後、各校で実際決めてきた課題研究のテーマ並びにその検証方法についてポスターセッションの形で実施し、大学の先生や高校の先生に意見をいただくと共に、生徒同士でお互いの内容を確認・意見交換をし、刺激をもらう会となっています。今回は、本校含め3校(城南・富岡西・海部)の参加があり、発表数は27グループ、72名が参加・発表しました。発表は3交代で4回発表を行い、発表4分、質疑9分で質疑の時間を多くとり、実施しました。どのポスター発表に対しても、活発な質疑が起きており、生徒達は熱心に教員の意見を聞き、メモをとっていました。閉会に際しての講評は,よくできていたという評価をいただいた一方で,よい研究をまとめるには,関連する研究について過去の論文等をきちんと検証し,自らでしっかりと実験計画を立て、検証実験を行い,議論することが大切であると,重要なご助言をいただきました。終了後,希望するグループには個別相談の時間を設定し,研究方法などを熱心に質問して追加の助言をもらっているグループが数班あったことが印象的でした。今後も大学とつながりを大切にしながら県内各校で課題研究を進めてもらいたいと思います。
生徒達、大学・高校教員 活発な意見交換が行われいます 会が終わってから大学教授からアドバイスをもらっています
第2回小・中学生対象地域フィールドワークin勝浦
2月11日(日)に勝浦町立川で、小・中学生とその保護者・家族を対象とする地域フィールドワークを開催しました。1回目は鉱物や岩石採集が目的でしたが、今回は勝浦町で産出する化石です。徳島化石の会から化石産地の地権者をご紹介頂き、何度か出向いて打ち合わせを行い、今日の開催にこぎ着けました。本来は11月に実施予定でしたが、そのときは大雨による土砂崩れが発生して道が不通となりました。ようやく活動できると思えば感無量です。
さて、当日は9時に道の駅に集合し、そこから各自の車で現地まで移動しました。途中の急坂道でタイヤが滑って難儀しましたが、何とか敷地内に駐車できました。ターゲットはアンモナイトとシダ植物です。最初のポイントでは、川原から引き上げてきた岩石を広場に無造作に置いていました。表面をよく見ると炭化して黒くなった植物の茎や葉がびっしりとくっついています。クラドフレビスというシダの仲間です。正月の注連飾りに用いるウラジロのような葉っぱが形良く残っていました。また、ソテツの仲間のニルソニアも見つかりました。
家族一同で参加されている方も多く、未就学の小さい子もいました。皆さんが一心不乱にハンマーをふるい、次々と化石を見つけていました。持ち上げるのがやっとというくらいの大きい石に、植物化石が所狭しと並んでいる標本もありました。これは割らずにそのまま持ち帰った方が良いでしょう。そうアドバイスをすると、両手に抱えて駐車場まで運ぶ人もいました。ここまでの悪路を車で来たかいがありました。
次のポイントでは、斜面を重機で切り開いて地層を露出させていました。タマネギ状に石片が離れるノジュールが多く含まれ、それを割ると中からアンモナイトなどの化石が出てきます。下見のときは余り見つからなかったので、30名を超える人のうちせいぜい数人程度しか化石が見つからないだろうと思っていました。先に採っていたサンプルを見せて、どのような岩石を探すべきか、どのように割るべきかをレクチャーしました。
開始してからしばらくは何も成果がありませんでした。ところが、直径2cmくらいの小さいアンモナイトが見つかったのを皮切りに次々と化石が見つかり始めました。子どもたちは必死です。斜面から転がってきたノジュールを拾っては、片っ端からどんどん割っていきました。また、保護者の方も童心に返ってお子さんと一緒になって探しました。本校の高校生は、子どもたちが危ない場所に行かないよう周囲に気を配りながら、石を割って断面を観察していました。
化石採りに皆さんが熱中して、終了予定時刻を大幅に超えてしまいました。しかし、成果はとても大きく全員がクラドフレビスの化石を持ち帰ることができました。また、アンモナイトが断片的な化石を含めて30個も見つかり、異常巻きと言われるレアなアンモナイトもありました。こうして大盛況のうちに全員無事に下山しました。記念品として三葉虫の化石をお渡しして全日程を終了しました。
令和6年度もこうしたフィールドワークを行う予定です。詳しくは各小・中学校にメールで連絡します。また、本校HPにも掲載します。ときどきご覧になって下さい。皆様にまたお目にかかれるのを楽しみにしています。
採集場所を提供して下さった地権者の皆様、誠にありがとうございました。おかげで充分学習できて楽しめました。もしもまた別の機会がありましたらよろしくお願いいたします。
「Jonan Science Lab」の実施について
2月4日(日)9:00~13:00城南高校生物室にて徳島県の高校生が集まり発展的な実験を行う「Jonan Science Lab」が実施されました。本校含む県内8校37人の生徒、4校5名の教員に参加していただきました。今回は、かずさDNA研究所と連携し、高校では行えない分子生物学の実験「ALDH2遺伝子の多型解析~お酒に強い遺伝子を持つかしらべよう」を行いました。実はお酒に強いかどうかは、DNAの1つの塩基の違いによるものなんです。
実験は①口内上皮から細胞を取り、②細胞分解溶で処理しDNAを取り出し、③2種類のプライマーを用いたPCR反応を行い、④電気泳動を用いて解析し、⑤トランスイルミネーターで確認するという内容でした。PCRや電気泳動の待ち時間には、PCR反応についての説明や今後のゲノム解析の利用法など、実験の説明はもちろん、ゲノムについての興味深いお話しをしていただきました。流れるような実験で4時間があっという間でした。実験では、すべての人のサンプルについて結果が確認でき、すべての人の実験が成功しました。事後アンケートでは、満足度が非常に高かったです。交流プログラムも合わせて実施できればとの意見があったので、次年度は課題研究のショート発表を行うなどの交流プログラムも合わせて計画したいと考えます。
県内8校37人の生徒に参加してもらいました 細胞溶解液等の処理をしています
サーマルサイクラーでPCRを実施しています 電気泳動を行うため、サンプルをアプライしています
(35サイクル)
トランスイルミネーターで電気泳動の結果を見ています 4人分結果です。すべての人できれいな結果が出ています
課題研究英語発表(ScienceEnglishⅡ)
1月31日(水)5限目~7限目にScienceEnglishⅡの授業で、課題研究の英語最終発表が行われました。今までScienceEnglishⅡで、課題研究の実験手法や結果などの英語発表を行ってきましたが、今回はすべての内容について英語発表を行いました。今年度は海外研修が実施され、台湾の竹南高級中学校で課題研究の英語発表を行っていた効果もあり、昨年度と比べて、分かりやすく、堂々と自身の英語で発表することが出来ていました。また、生徒同士の積極的な英語での質疑応答が行われ、科学英語の利用が充分に行われていると感じました。次は、最終発表会です。是非1年間のまとめを行ってほしいと思います。
Title of reseach presentation
1 Observation of the effects of light pollution
2 For the ring fly farther with the air cannon
3 Microplastics in Oceana~Microplastics in fish stomach ~
4 The relationship between Zebrafish personality and fight dominance
5 The development a device that measures wave height with electromagnetic induction
6 Attaching to Silicon
7 Pendulum with spring
8 Where did the Kaifu sword material come from?
9 Pharyngeal elongation of planaria
第4回電子顕微鏡操作実習
1月20日(日)9時から15時まで、神戸市立工業高等専門学校において電顕操作実習を行いました。今年度4回目になります。課題研究活動の一環として実施していますが、他の研究班も参加しています。高校では扱うことのできない分析機器を自由に使わせて頂き、大変感謝しております。
さて、本日のサンプルは砂鉄と玉鋼、そして眉山の鉱物です。走査型電子顕微鏡を用いて元素分析を行い、その結果から対象物の組成を知ることができます。備前長船刀剣博物館の刀匠が自ら採掘してきた砂鉄とたたら製鉄法で作った玉鋼の他、昨年6月の北海道修学旅行で採取した石狩川の砂鉄、8月の全国高文祭に出場したとき鹿児島県薩摩半島で採取した砂鉄、本校のすぐ北側にある眉山で採取した鉱物など12サンプルを測定しました。
砂鉄では選んだ粒子により成分にばらつきがかなりあります。ほとんどが四酸化三鉄でできている物があれば、ケイ素やアルミニウムを多く含む岩石質の物もあります。そこで、鉄の含有量を合わせるために一定量以上の鉄を含んでいる物だけデータを取りました。少なくとも3回は測定しましたが、中には6回も測定してやっと条件に合うデータを取ることができました。50回以上も測定したので時間がもっとかかると思いましたが、さすがに4回目となるとかなり慣れてきたので6時間くらいで測定を完了しました。これから持ち帰って分析結果から考察するところです。期待と不安が交差しますが楽しみです。
応用数理科1年生 高大連携講座「課題研究へのアプローチ」
令和6年1月26日(金)の午後,香川大学教育学部の笠先生をお招きして,応用数理科1年生を対象に,課題研究に関する高大連携授業を行いました。導入では,理科の授業と探究活動の違いを考え,証拠を示すことの重要性、さらに「変数(variable)」を意識することで、探究活動がより楽になるとの説明をしていただきました。そこから、「変数とは何か」と問いかけて,様々な種類の本から変数を見つける活動や、様々な図形の中の変数とその値を考え、さらに複数の変数の間における関連性を考える活動を行いました。その後、「パイプが出す音の高さは何によって決まるのか」「浮力は何によって決まるのか」の実験を計画する活動を行いました。比較する2つを決め、なぜその2つの比較をするのかワークシートに理由を記入、発表させることで根拠に基づいた実験計画を立てることを求めました。生徒は実際のパイプやおもりで実験を行い、楽しみながら、思考と理解を深めることができました。アクティブラーニング型授業であり、課題研究等で養われるゆっくりとした思考(スローシンキング)を求める授業でありました。じっくり考えることでより深い思考を体験し、科学技術人材に必要な思考力を高めて欲しいと思います。
複数の本なかから変数を見つけます 図形の中から変数を見つけ、変数同士の関係について考えます
ボトルの大きさと重さの関係について知るために 大きさ、重さ、形と浮力の関係について、どのような
どのような比較をすればいいか考えています 比較実験をすればいいか計画し、実験しています
応用数理科107HR(SI)高大連携講座
1月12日(金)応用数理科 107HRを対象に徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から、加藤 遼 先生にお越しいただき、高大連携講座を実施しました。加藤先生は、様々な光計測を駆使したバイオセンシング・バイオイメージングを行い、病気の早期発見・早期治療への貢献を目指されており、医工融合分野でご活躍されている先生です。今回は「光ピンセット」を用いた実験を行っていただきました。
初めは、先生が研究者になられた経緯と研究の概要についてお話いただきました。加藤先生から「高校での学習は将来チャレンジする力に大きくつながる」とのメッセージをいただき、日々の学習へのモチベーションになったのではないでしょうか。
次に「光ピンセット」の実験を行いました。最初、光ピンセットの原理を説明していただいた後、実際「光ピンセット」を使い、数μmのポリマーを移動させました。持ってきていただいた、「光ピンセット」の機械の仕組みについて改めて理解すると共に、数μmのポリマーを光を使い、つかんで移動させていることに感動していました。また、実験の待ち時間には、「光ピンセット」についての課題をいただき、グループで考えました。私たち教員も生徒達のグループに入り、一緒に考え、理解を深めました。
最後に、「光ピンセット」の利用法や、その他現在行っている研究についての説明をしていただきました。
今回の高大連携講座を実施により、最先端の研究やその装置に触れ、科学技術についての興味関心が高まったと共に、学問分野の横断(医工融合)により、新たな技術が創造されることを理解できたのではないでしょうか。現在学んでいる学問がどのように応用され、活用されていくのかイメージをつかみ、将来の科学技術人材として必要な資質・能力を身に付けていって欲しいと思います。
光の可能性について説明していただきました 光ピンセットをつかって、ポリマーをつかんでいます
光ピンセットに関する課題について議論しています 医療への応用についてお話しいただきました
令和5年度野島断層フィールドワーク講義&現地実習
11月17日(金)と12月19日(火)に、淡路島の野島断層に関する講義と現地実習を行いました。これは応用数理科の1年生を対象に毎年実施している行事で、地学への興味関心を高め防災減災の意識を持たせるとともに、現地調査の意義を知ってもらうことを目的にしています。徳島大学名誉教授の村田明広先生を講師としてお招きして、107HR生徒全員で現地へ行きました。
1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災で、史上初の震度7が記録されました。そのとき動いたのが淡路島北部を南西から北東に走る野島断層でした。その一部が野島断層記念館に保存されています。生徒たちにとっては生まれる前のことなので余り実感がないようですが、館内で村田先生の説明を受けそのパネルから垣間見える惨状に言葉を失っていました。引率教員にも体験者がいて、自宅2階の床がフラフープのように回転したり、サツマイモ畑から砂が吹き出したりといった生々しい話も聞けました。
断層の説明を受けた後、被災した住宅内部を見学しました。当時は断層のすぐ横にあった家屋で、柱がずれて傾いたり台所に食器が散乱したりしていました。外周でもコンクリの塀が割れていたり、生け垣がずれていたりしたそうです。再び館内に戻って、過去の地震災害や地震が起こるモデルなどを見学しました。災害がいつ起こるかわからない。だからこそこうした研修が必要だと実感しました。
続いて、明石大橋の淡路島側のアンカレッジまで移動しました。大震災のときに橋脚(橋を支える柱)が動いて、橋長が1mも伸びました。その様子はここからではわかりませんが、橋桁ができる前だったので計算をやり直して建造し開通したそうです。また、途中で震災公園も車窓見学しました。ちょうど防波堤の継ぎ目から断層が海峡に沈んでいました。災害発生のメカニズムを知ることで防災減災の施策につなげていくことの大切さを知りました。有意義なフィールドワークでした。
その後、1月1日午後4時10分に石川県能登半島を中心とする大地震が発生しました。震度7が再び記録され、大勢の方々が自宅で被災して現在も避難所で生活されています。建物や道路の被害も大きく、港湾では水底が隆起して陸になっているのをニュースで見て、生徒たちもかなり気になっているようでした。本県でも南海トラフによる大地震の懸念が高まっています。いざというときのためにどういった準備をしておくべきか、そのときはどのように行動すれば良いのか、自分で考えて行動することが求められています。
徳島生物学会発表(中高生の部)
1月6日(土)午後 徳島文理大学薬学部で行われました徳島生物学会で「魚類の消化管に存在するマイクロプラスチックの検出方法とその結果」の発表してきました。中高生の発表では、本校の発表の他、鳴門教育大学ジュニアドクター発掘・養成講座から「DNAバーコード法による昆虫の種類名の同定と系統樹の作成」、脇町高校から「サワガニの体色と分布について」の発表が行われました。また、一般発表として8つの研究発表が行われました。どの発表も様々な観点から研究が行われており、非常に興味深かったです。本校の発表も堂々とした発表で、自信を持って発表並びに質疑応答ができていたと思います。いただいたアドバイスを基に、最終発表への検証実験、まとめを行って欲しいと思います。
日本金属学会「若手フォーラム」に参加して
12月23日(土)に徳島大学にて、「若手フォーラム」が開催されました。これは日本金属学会と日本鉄鋼協会中国四国支部が主催するもので、高校生や専門学校生、大学生など若人を対象とする研究成果の発表会です。当日の午後には20くらいの個人・グループが集まり、ポスターを貼ったり説明内容の最終確認をしていました。本校からは海部刀を研究しているチーム(通称海部刀班)が参加し、「SEMを用いた元素分析が刀剣の原料となる砂鉄産地の特定につながる可能性について」と題してポスターセッションを行いました。
海部刀班は最初の発表者となりました。参加者が多かったので、わずか3~4分程度の持ち時間でショットガンプレゼンテーションをしました。それでも1時間半ほどかかりました。その後休憩を挟んでフリーディスカッションとなり、互いに説明したり質問を受けたりして活発に交流しました。最後に講評を頂いて認定証が授与されました。公の場での発表は2回目になるので、受け答えもかなり堂々としていました。今後も一層の活躍をして欲しいです。
※海部刀 室町時代から徳島県南部の海部川流域で作られていた日本刀で、海部氏吉(かいふうじよし)を祖とする。
刃の反りが大きく重厚なため、刀剣としてだけでなく日常的にナタやカマとして用いられた。
1600年の関ヶ原の戦いでは、阿波藩蜂須賀(はちすか)家で戦闘用に使われた。
この原料となる砂鉄の産地が未だにはっきりわかっていないため、分析用に古刀期の海部刀を探している。
第3回天体観測会in城南
12月22日(金)終業式を迎えた日の夕方、本校の北側駐車場にて天体観測会を実施しました。昼過ぎまでは曇天で雲が厚く垂れ込めたり小雨が降ったりでしたが、日没の頃に少しずつ雲が切れて、南空の高い位置に半月を少し過ぎた月が昇っていました。風はほとんどありませんが、気温が急下降して寒くなりました。そこで、まずは校内にて本日見える星座や天体の説明、太陽系の惑星の話などをしました。一方で、その間に本校生たちが望遠鏡のセッティングをしました。
しばらくして準備が整ったので観測を始めました。冷え冷えとした感じの月面にはクレーターが見えました。「海」と呼ばれる暗くて平坦な部分との境目に、大きな穴ぼこがいくつも重なっています。カタリナ・キリウス・テオフィルスと名付けられています。ティコというクレーターから光条という光の筋が少し見えていました。
木星も見頃でした。イオ・エウロパ・ガニメデ・カリストのガリレオ衛星4個がうまく離れて見えました。何となく赤っぽいイオは、木星の潮汐力で地殻がひずむため摩擦熱で融解した硫黄が噴出しています。地球以外で活火山が見つかった初めての例です。逆に白っぽいエウロパは表面が氷で覆われていますが、内部には融解した水つまり海が広がっているのではないかと考えられています。生命がいるかもしれません。そういう思いをはせながら、いつの間にか時間が経っていました。
参加された小学生や中学生、保護者の方々も次々と望遠鏡をのぞいていました。スマホで画像を撮っている人もいました。木星のリングが見えないかと聞かれましたが、すみませんがこの望遠鏡の倍率では無理ですと笑っていました。冬空はとても澄んでいて夏よりも星がよく見えます。東空にオリオン座が昇ってきました。爆発するかもと話題になったベテルギウスや青白いリゲル、オリオンのベルトの位置にある小三つ星の下に、ボォ~と光るオリオン大星雲などが見えました。
しかし、残念ながら観測会はここまでです。手がかじかんで戸外にいられるのも限界です。名残惜しくありましたが、これでお開きと致しました。参加された皆様方、ありがとうございました。スタッフの生徒諸君もご苦労様でした。アンケートでは良かった、また観測会をして欲しいといった要望が多く寄せられました。また機会を設けるので楽しみに待っていて下さい。
SSH台湾海外研修5日目
SSH台湾海外研修5日目です。無事に研修をやり遂げ、帰路につくこととなりました。これまで多くの研修に関わってくれた人々に感謝いたします。バスで桃園国際空港に移動し、無事に出国手続きを終え、関西国際空港に到着しました。離陸が遅れた関係で、遅くなってしまい、学校に着いたのは22時過ぎでしたが、多くの先生方が待っていて下さり、解団式を行いました。解団式では、竹南高級中学でいただいた交流証書を一人ずつ手渡した後、校長先生や教頭先生から、最後の挨拶をいただきました。多くの見聞や交流を通じて、文化や言語が異なる人々を受容し、コミュニケーションをとる力が向上したと共に、世界中で英語や科学に対して学習に励んでいる人たちがいることを知り、英語学習はもちろん、その他の学習へのモチベーションになったのでないでしょうか。今回初めて台湾への海外研修を行い、現地のことが分からないままの研修計画を進めていきましたが、多くの人たちのおかげで良い研修になったと感じます。事後アンケートでは研修への満足度は100%であり、生徒達は満足のいく研修であったのではないでしょうか。今後、改善するべきところは改善し、より海外研修を発展させていきたいと思います。
第12回高校・高専気象観測機器コンテスト最終選考会へ行ってきました。
12/16(土)に千葉県船橋市で行われた、「第12回高校・高専気象観測機器コンテスト」の最終選考会に参加してきました。
会場は船橋港に係留されている「SHIRASE5002」(退役した南極観測船初代しらせ)のオーロラホール(元ヘリ格納庫)です。
参加したのは「電磁誘導を用いた波高観測装置の開発」と「レンズフードを用いた場所と時間による光害の影響の観測」をテーマにしている2班です。
残念ながら入賞とはいきませんでしたが、県外の高校・高専生が取り組んでいる内容に驚きながらもたくさん交流ができました。
この最終審査で色々な先生方からアドバイス等をいただいたので、今後に生かしてほしいです。
第12回「高校・高専気象観測機器コンテスト」最終選考会パンフ_.pdf
第12回「高校・高専気象観測機器コンテスト」最終選考会_Youtube
※1:52:30頃より城南高校2チームのショートプレゼン
SSH台湾海外研修4日目
SSH台湾海外研修4日目です。本日は午前中に国立故宮博物院で研修、午後から金瓜石周辺のフィールドワーク並びに黄金博物館での研修です。
故宮博物院では中国4000年の歴史を感じることができる歴代皇帝の至宝が収蔵されています。歴史を体感すると共に、象牙や翡翠を用いて詳細な加工がなされている作品を見ると、物作りにおける技術の素晴らしさを感じることができます。また、身近に利用されていた青銅器や釉薬により装飾を施された陶磁器の美しさに見惚れてしまいます。音声ガイドの解説のもと、研修を行いました。
午後からは場所を移し、金瓜石周辺にやってきました。金瓜石周辺は北東からの強い季節風と開鉱、土壌の性質変化の影響により一部植生が破壊されておりながら、亜熱帯性多雨林とともに温帯の植生を持つ特徴的な場所になります。また、台湾はフィリピン海プレートとユーラシアプレートが複雑に衝突するところに位置し、多くの鉱床が存在し、金や銅の採掘が盛んであった場所です。初めに、植生が破壊された場合、どのような植生になるのかや、亜熱帯多雨林に特徴的な着生植物の説明を行いました。その後、黄金博物館で台湾の特徴的な地形や鉱床や鉱石の説明を行いました。
その後、夕食は九份周辺でとり、幻想的な夜の雰囲気を楽しみながら本日の研修を終えました。研修は本日にて終了です。無事に4日間の研修を終え、体調不良者もなく無事に研修を進めることができてホッとしています。何事もなく、無事に明日帰りたいと思います。
SSH台湾海外研修3日目
いよいよ台湾研修3日目です。本日は午前中は私立君毅高級中学校との交流、午後は国立陽明交通大学での授業です。
8:30に私立君毅高級中学に到着しました。到着後、君毅高級中学の教員生徒に家長會(保護者会)代表者も加わった歓迎会が行われました。歓迎会では君毅高級中学の校長先生と本校の秋山教頭先生が挨拶し、お土産の交換等を行い、生徒同士交流しました。
その後、ダンス教室に移動し、課題解決型ワークショップ(ペーパータワーを作る)を行いました。最初はアイスブレーキングを行い、城南高校と竹南高級中学の生徒同士でグループを作りました。このワークショップはA4用紙20枚でどれだけ高いタワーを作れるかのワークショップです。まず、グループで5分のミーティングを行い、5分間でタワーを作りました。その後、再びより高いタワーを作るにはどうするか5分のミーティングを行い、5分間でタワーを作りました。文化や言語や違う生徒同士どうすればコミュニケーションを取り、PDCAサイクルを回せるか、創意工夫しながら取り組んでいました。
次はロボット教室に移動し、ロボット工学に関する授業を英語で受講しました。ロボット工学の授業を担当したいただいた林玉潔先生は、アメリカでロボット工学を学ばれ、ロボット工学と英語に精通されております。また、君毅高級中学校のロボットコースはロボット相撲の世界大会で入賞している実力の持ち主です。初めに、虎のロボットを見せてもらい、その後ボールを入れるロボットを動かしました。ロボットのプログラミング等説明していただき、最後にロボット相撲を行いました。林玉潔先生の英語が非常に分かりやすくロボット工学についての理解が進みました。また、君毅高級中学校の生徒のロボット工学についての学習が進んでいることに驚きました。
午後からは、国立陽明交通大学に移動しました。国立陽明交通大学は台湾のトップ大学の1つです。藪下篤先生の講義を英語で受講しました。藪下篤先生は東京大学で博士課程を終えられ、その後国立陽明交通大学で研究を続けられています。初めは、先生がどのように研究者としての道を歩んでこられたかのお話をしていただき、グローバルに活躍する研究者に必要な資質能力について理解しました。その後「パルス波を用いたタンパク質の構造解析」について、説明していただきました。事前にキーワードをいただいており、事前学習していたこともあり、理解が進みやすかったです。波長の長い光を用いることで非常に短いパルス波を作り出すことができ、それにより、タンパク質の構造変化が時系列に分析できるとの内容でした。今後発展していく光を用いた分析についての内容であり、非常に興味深かったです。その後、藪下先生の研究室の大学院生と話をしました。女性の研究者であり、「台湾は半導体産業など理系の就職先が多く、理解分野に進む女性が多い」との話が印象に残っています。国を上げて、理系分野の産業を発展させていると思いました。
夜には夕食を兼ねて、致理科技大学日本語学科の学生さん達と一緒に「国定古跡」龍山寺とその近くの夜市に出かけました。見るものすべてが面白く、生徒達は現地大学生との交流を行い、非常に有意義な時間になったのではないでしょうか。
いよいよ研修も明日で最終日となります。海外での有意義な学びとなるよう、サポートしていきたいと思います。
SSH台湾海外研修2日目
12月12日、いよいよ台湾研修2日目です。本日から3日間の研修が始まります。本日は国立竹南高級中学校との交流です。朝食を済ませ、8時30分に国立竹南高級中学校に到着し、校長先生始め多くの先生方や今回交流していただく205HRの生徒40人からお迎えを受けました。
まず、図書館2階に移動して、歓迎会が行われました。2人の生徒がしっかりとした日本語で司会進行をしてくれました。歓迎会では、竹南高級中学の呂淑美校長先生と城南高校の秋山教頭先生がそれぞれ挨拶をし、お土産の交換を行いました。最後は生徒同士、自由に交流を行いました。竹南高級中学の素晴らしいおもてなしに感動しました。
その後2つの教室に分かれて、本校生徒主体の英語での理科実験(Science Experiment)を行いました。内容は「逆さ振り子(inverted pendulum)による共振と長周期地震動のモデル」と「ギムネマ茶とミラクルフルーツを使った味覚の不思議実験(How tastes works)」を行いました。パワーポイントを使い英語で説明しながら、丁寧に実験を進めることができました。
その後、休憩を挟み、課題研究の英語発表を行いました。分かりやすく発表できるよう十分に準備してきました。生徒達はしっかりと発表し、英語での質疑応答にも丁寧に対応していました。この課題研究の英語発表に対し、応用数理科はどのように発表すれば内容が伝わるのか、難しい内容をどのように簡単に伝えることができるか工夫してきました。普通科ではこの発表の機会を通じて、すべての班で追加の検証実験を行い、考察まで進めました。応用数理科、普通科共に、英語力の向上のみならず、表現する力や探究する力の向上にとって、非常によい機会になったと感じました。
昼食は生徒同士一緒に取り、食後は一緒にグランドにて遊ぶ姿が見られました。スムーズにコミュニケーションがとれていると感じ、嬉しくなりました。教員達は、国立竹南高級中学内を案内していただき、理科実験棟などを見学させていただきました。次年度は合同実験等ができればと思いました。
午後からは交流が行われ、英語での手紙の交換を行ったり、呂淑美校長先生がサインしていただいた交流証書をいただいたりしました。その後、古い町並みが保存されている蘆竹湳を竹南高級中学生徒と一緒に訪れ、町並みを見ると共に、白黒写真の現像を一緒に行いました。明日交流する君毅高級中学校の先生と生徒も来てくれており、明日の交流も楽しみになりました。
なお、今回の竹南高級中学との交流は「海を越えた交流」というタイトルで、台湾版Yahoo!NEWSに掲載されました。多くのおもてなしに感謝します。
SSH台湾海外研修1日目
参加生徒31名 教員3名で4泊5日の台湾研修に出発します。事前学習や事前交流を行い、良い研修になるように取り組んできました。いよいよ出発です。
まず、8時30分に本校大会議室に集合し、結団式を行いました。始めに、三幷校長先生から「多くのことを経験し、見聞を広げて欲しい」との挨拶をしていただきました。また、208HR西口舞さんが代表で、「自ら学ぶ姿勢を持ち、何事にも主体的に取り組んできます」との宣言をしてくれました。
結団式の後、バスで関西国際空港まで移動し、無事出国、予定通り桃園国際空港に到着しました。苗栗市のホテルに到着したのは現地時間の18時30分(日本時間19時30分)。長距離の移動で少し疲労がありますが、いよいよ明日は竹南高級中学校との交流、英語での課題研究の発表並びに理科実験があります。準備してきた成果が出せるように頑張りたいと思います。
西口舞さんが代表で挨拶してくれました いよいよ出国します 苗栗市のホテルはとてもきれいです
Science Introduction(SI) 【基礎実験(物理)】
【基礎実験(物理・地学)】11月10日(金)11月24日(金)5限目
【物理分野】自由落下による加速度の測定
物理分野の2回目では、自由落下による加速度の測定を行いました。はじめに加速度や速度について復習し、何を測定すれば加速度を計算することができるのかを学びました。実験では、磁気テープに取り付けたおもりを自由落下させ、運動の様子を記録タイマーで記録しました。おもりを落とす前には、どのように落とせばうまく自由落下するのかを考えるようすも見受けられました。測定したデータは、一度、電卓を使用して生徒自身が加速度の計算を行いました。その後、表計算ソフトを用いた解析を行い、計算結果との比較も行いました。実験の結果は、実際の重力加速度の数値と大きく離れた班もありましたが、違いは何が原因なのかやどのように実験をすれば実際の数値に近づくのかなど、考察をするよい機会になったと感じています。
日本学生科学賞徳島県審査 最優秀(徳島県知事賞)に関する読売新聞への掲載
11月30日(木)読売新聞朝刊に、日本学生科学賞 最優秀3作についての取材内容が掲載されました。本校から「ウズムシに必要な摂食器官の研究」を行った 上野佳那子 池田あやみ のグループが最優秀(徳島県知事賞)選ばれ、研究内容について取材された内容が掲載されました。タイトルには「800匹の変化見逃さず」とあり、論文に載せられなかった実験も含め、自分たちで多くの検証実験を考え、実施することができました。最初に持った疑問について検証していく中で新たな疑問が生じ、それを再び検証していくことができました。研究を通じて、知的忍耐力や分析検証力が育まれたと感じます。
さらに、多くの発表会を通じて、たくさんの人たちからアドバイスをもらい、その内容を受け入れていくことで、とてもよい研究になったと感じています。これからも課題に対し、科学的に検証していく力を伸ばし続け、未来を切り開く科学技術人材に育っていって欲しいと思います。
第1回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会
11月25日(土)13:00~ 「第1回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会」が徳島大学理工学部で行われました。「徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会」は、課題研究を実施するに当たって最も大切である、テーマ決めの実習として、徳島大学理工学部の全面的なご協力と徳島県教育委員会のご助力を得て、本校が主となり実施しております。
県内課題研究の発展のため、県内の高校へ参加を促し、一緒に実施しております。今年度は、県内4校96名の生徒、11名の教員の参加があり、遠方の高校は1校はオンラインで、残りの3校は徳島大学理工学部で対面で実施しました。指導については、徳島大学の先生方8名、TAとして大学院生5名、参加教員11名で指導に当たっていただきました。
内容は、昨年度から少し改善し、まず「良い課題研究について」と「研究倫理について」の講義を実施していただきました。「良い課題研究について」は例を挙げながら説明していただき、「研究倫理について」は、データの改善や盗用は許されないことであると共に、研究ノートを確実に書き、残していくことの重要性なども説明していただきました。
その後、「研究テーマの選び方と研究のすすめ方」について、ブレインストーミングとKJ法によってアイデアをまとめていくという手法を体験的に学びました。研修は3つのSTEPに分かれ、STEP1では、興味があることを自由に上げ(抽象)、STEP2では、その中で、分かっていない解明されていないと思われることを上げ(やや具体に)、STEP3では、どのようにしたら明らかにすることができるか(具体に)各テーマについて班ごとに活発な話し合い、発表が行われました。自分達の興味のあることを研究に昇華させるイメージをつかんでもらったと思います。この研修をきっかけとして、12月・1月に各校で課題研究のテーマ決めと班編制および研究の進め方について考えていきます。
なお、宿題として、課題研究テーマ・仮説・研究方法・予想される結果をまとめ、提出し、徳島大学の先生からコメントをもらいます。そのコメントを参考にし、第2回研修会が行われます。
2月10日(土)予定の第2回研修では、各校各研究班で課題研究テーマ・仮説・研究方法・予想される結果などを5分程度でポスター発表を行い、大学の先生方からアドバイスをいただくという内容で行う予定です。第1回に参加できなかった学校も参加可能です。このような機会により、本校並びに県内各校での課題研究がますます発展して欲しいと思います。
令和5年度「科学の甲子園」徳島県大会に出場しました。
本日、徳島県立総合教育センターにて行われた『令和5年度「科学の甲子園」徳島県大会』へ応用数理科1年生が2チーム、普通科2年生が1チーム出場しました。
新型コロナウイルスによって実技競技が行われていなかった期間が終わり、今年度、実技競技が再開されて大いに盛り上がりました。
結果としては残念でしたが、参加することで自分の周りには様々な角度から物事を見て、考えて、行動する同世代の生徒に影響を受け、これからの勉学に繋げてくれることでしょう。
瀬戸内海環境保全特別措置法制定 50 周年記念式典 ポスターセッションへの参加について
11月12日(日)に応用数理科2年生4名が神戸市国際会議場で行われました瀬戸内海環境保全特別措置法制定 50 周年記念式典での 高校生ポスターセッションにおいて、「魚類の消化管に存在するマイクロプラスチックの検出方法とその結果」というテーマで発表をしてきました。「理数探究」の授業で行っている課題研究についての発表です。
初めての県外での発表でした。聞いてくれる人に伝わるように、発表直前まで4人で事前打ち合わせを行い、発表方法を考えていました。
ポスターセッションは21校が参加し、非常に活気がありました。多くの人が聞きに来てくれ、生徒達は時間いっぱい一生懸命に説明していました。残念ながら優秀賞には選ばれませんでしたが、非常に多くの刺激を受けることができました。
ポスターセッションが終わってからは、第2部として、まず大学生達の瀬戸内海の活性化についての活動報告がありました。さすがは大学生。瀬戸内における課題解決についての提案はもちろん、司会や発表の上手さに感動しました。生徒達も大きな刺激を受けたようです。
最後はパネルディスカッションが行われ、高校生や大学生、大学教授等が自身の研究や今後の瀬戸内海がどのようになるのかディスカッションが行われました。パネルディスカッションでは、意見交換をすることの大切さを感じることができたのではないでしょうか。
校外にでて、大きな刺激をもらえました。他の高校生が研究や課題解決に頑張っている姿を感じ、今後もっと研究を加速させるモチベーションになったと思います。多くの機会を通して、探究・協働・創造する力を伸ばしていって欲しいと思います。
事前打ち合わせを最後まで行っています いよいよ発表です
ポスターセッションは非常に活気がありました
大学生の発表は非常に上手でした パネルディスカッションは意見交換の大切さと面白さを実感しました
Science Dialogue
サイエンスダイアログとは、日本学術振興会JSPSのフェローシップ制度により、世界各国より日本の大学・研究機関等へ研究のために滞在している優秀な若手外国人研究者(JSPSフェロー)を、講師として高等学校等に派遣し、自身の研究や出身国に関する講義を英語で行うプログラムです。
10月25日(水)に岡山大学から外国人研究者のDr.Nutanben H. BHINGARADIYA(Ms.)さんに来校していただき、「加齢に伴う骨組織脂質化の材料学的検討と再現」というタイトルで応用数理科2年生に講演していただきました。生徒は最先端の内容で慣れない単語を解釈するのに苦労していましたが、付き添いの松本拓也教授のサポートもあり、なんとか理解し興味をもって聞くことができていました。講演内容は難しかったですが、Nutanbenさんがインド出身であることを聞いたので、インドの事や日本に来ての感想を尋ねたりして交流をしました。
小学生対象理科実験教室
10月14日(土)に小学生対象理科実験教室を開催しました。今年度はコロナ対応で3年間中止をしてきたため、大勢の来場者に対応できない恐れがあり、広報を控えていました。予想より来場者は少なかったですが、来ていただいた方は全てのブースをゆっくり体験できたようで満足しているようでした。普通科・応用数理科のサポート生徒も教えることの難しさや楽しさを体験して満足していました。
「第67 回日本学生科学賞」の県審査の結果について
科学研究の成果を競う 「第67 回日本学生科学賞」の県審査が 1日板野町の県立総合教育センターでありました。本校からは応用数理科2・3年生計11グループが出品し、1グループが最優秀(県知事賞)、2グループが優秀賞、3グループが入賞となりました。検証実験や考察に今まで一生懸命に取り組んできた成果だと思います。なお、最優秀(県知事賞)のグループは、県代表として 、11月11日と12日に東京で開かれる中央予備審査に出品されます。
最優秀(県知事賞)
ウズムシの摂食行動に必要な器官の研究 上野 佳那子 池田 あやみ
優秀賞(教育長賞)
甲虫目を主とした跗節による分類~並びに跗節腹面に生える毛の生態的意義~ 立石 桃 林 心羽 藤原 由望 堀北 明李
豆苗に有効なLED環境についての研究 阪東 歩華 武富 心雪 宮本 和果
入賞
ストリングラフィの波の特性 新居 千鈴 相原 悠汰 奥田 陽介
みずがめ座CY星の測光観測 江淵仁尊 中岸 奏登 村上 裕紀
海部等の原料の砂鉄はどこからきたかⅡ 加藤 開成 友成 亨太 登佐古 翔也 小泉 千宗
なお、この内容は11月2日(木)の読売新聞朝刊に掲載されています。
令和5年度科学経験発表会について
11月3日(金)徳島県教育会館において、科学経験発表会が行われました。本校からは、2年生応用数理科「理数探究」で実施している課題研究の5グループが参加しました。初めての校外の発表会であり、先日11月1日(水)の課題研究中間発表Ⅱでいただいた意見を発表に入れるなど、どのグループも短い時間の中、十分準備して臨みました。結果は、以下の通りです。
特選(最優秀)
ばね振り子 入山 志乃介 長尾 光一朗 前田 大貴
特選
魚類の消化管内に存在するマ イクロプラスチックの検出方法とその結果 山本 真綺 日野 桧実 市川 花音 大家 百葉
電磁誘導を用いた波高観測装置の開発 後藤 梨玖 永峰 帆ノ香 橋本 愛美 西口 舞
入選
空気砲で輪を遠くまで飛ばすためには 妹尾 俊輝 森村 莉玖
SEMを用いた元素分析が刀剣の原料となる砂鉄産地の特定につながる可能性について
加藤 開成 友成 亨太 登佐古 翔也 小泉 千宗
特選5点のうち城南高校のグループが最優秀含む3点に選ばれました。まだまだ検証は途中です。今回いただいた意見を参考にし、2月の最終発表に向け、研究を加速していって欲しいと思います。
科学の祭典にてブース開設!
10月28日(土)と29日(日)、実に4年ぶりに阿南市科学センターで開催された「科学の祭典」に参加しました。前日から準備に入り、ブース会場の設営やグッズの搬入を行いました。いつも展示や工作がメインですが、今回はペリドットのストラップです。小さなガラス小瓶に好きなだけペリドットを採って、ストラップを付けて簡単な飾りを作るものです。
朝10時の開場とともに多くの来館者が訪れました。私たちのブースは2階にあるので、最初のお客さんが来るには時間がかかります。ところが、すぐに何人か来られて採集会が始まりました。今回用意したのは鹿児島県の黒砂です。溶岩が海に入り細かく砕かれて分離されます。それが潮流により再び海岸に戻ってきたところを採取した物でした。石言葉は「陽気」だそうです。次々にお客さんが来られます。他のブースより座席は多めでしたが、それでもすぐに埋まってしまいました。特に時間制限は設けていませんが、2時間も粘った方もいました。同時に設けた砂鉄の取り放題コーナーも盛況でした。
2日目も活況を呈していました。生徒たちも受付や説明、容器の交換と多忙を極めていました。その合間で他のブースを覗くこともできました。また、おいしい弁当も頂きました。こうして、延べ500人を超える方がブースを訪れました。生徒の感想は、忙しかったけれど楽しかったそうです。また来年も参加しようと思います。今回来場された方々、ありがとうございました。
本校SSH活動 徳島新聞への掲載
10月27日(金)徳島新聞朝刊に本校SSH(科学部)の活動が「自由に実験 知識深める」というタイトルで掲載されました。本校科学部の活動はSSH活動の1つを担い、物理・化学・生物・地学と分けはあるものの、それぞれが興味のある分野について自由に実験を行うことができます。また、フィールドワークや小中理科実験教室、科学験ツアーなども活動の一つです。今回は、活動の一つであるミャンマーとのオンライン理科実験教室の際に取材がありました。
記事には
部長の笹川善正さん(18)=応用数理科3年=は「先生に相談すれば自由に実験をさせてくれる。失敗から学び、自分から調べることで知識が身につく」
とあり、SSH活動の目標である主体的学びの実現ができていると感じました。
多くのSSH活動を通じて、科学の知識はもちろん、スクールポリシーである探究(好奇心を持つきっかけ)・協働(自分の強みを理解し、活動で周囲と力を合わせる)・創造(探究・協働を通じて、よりよい手法を生み出す)する力を育成していきたいです。
なお、徳島新聞web版にも、詳しい内容が掲載されています。
令和5年度徳島科学技術大賞 こども科学者部門 表彰式
令和5年10月21日 徳島科学技術大賞の表彰式がときわホールにて行われました。
この賞は県内外で優秀な成績を収めた研究グループに送られるものです。本校から2グループが徳島科学技術大賞 こども科学者部門に入賞しました。
1グループは第25回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会でポスター発表部門で最優秀となったこと、もう1グループは、科学経験発表会で最優秀かつ徳島県SSH生徒研究合同発表会で優良賞となったことが評価されました。
入賞したグループと研究内容は以下の通りです。
「ウズムシの摂食行動に必要な器官の研究」 池田 あやみ 上野 佳那子
「甲虫目を主とした跗節による分類 ~並びに跗節腹面に生える毛の生態的意義~」
立石 桃 林 心羽 藤原 由望 堀北 明李
海部刀班による金属学会ポスターセッション発表
9月26日(火)の午後、本校においてオンラインによるポスター発表を行いました。金属学会から毎年学会案内が届いていましたが、今回が初めての参加となりました。ちょうど海部刀班が砂鉄と玉鋼の成分分析をしていて、その結果が先日まとまったところでした。そこで、この機会に金属関係の学会での発表にこぎつけました。
発表は14時から前半の班が始まりました。自分たちは後半だったので、他校がどのように発表しているのか見ていました。ポスターではなくパワポを用いている学校もあって少し驚きましたが、焦らずにそのときを待ちました。15時半から後半が始まりました。新参だからかそれともテーマが響かなかったのか、わずか4校しかのぞきに来ていただけませんでした。しかし、生徒たちはいつもと同じように説明をして質疑応答にもきちんと受け答えをしていました。他校や大学の先生との話は大変貴重なものでした。
残念ながら入賞はできませんでしたが、いただいたご意見を取り入れてより一層の研究活動に邁進します。ご覧になってくださった皆様方、ありがとうございました。次回もよろしくお願いいたします。
電子顕微鏡操作実習
8月から9月にかけて、課題研究の海部刀班が神戸市立工業高等専門学校を訪ねました。研究を進めるに当たって元素分析の必要が生じたため、こちらの機器をお借りして分析をするためです。今回も走査型電子顕微鏡(SEM)でした。電子線が試料に当たると跳ね返り、それを受け止めて元素を特定するものです。
初めてこれに参加した生徒もいて、興味津々で画像に見入っていました。また、砂鉄や玉鋼の分析結果が出るとその数値から様々な意見が出ました。まだまだ半人前ですが、ひとかどの研究者を目指して頑張っています。機器を使わせてくださった神戸市立工業高等専門学校の方に御礼申し上げます。
ジャパンハート が運営するミャンマーの療育施設Dream Train とのオンライン実験教室(物理分野)の実施
10月5日(木)18:30~(現地時間15:30~)本校化学室にて、ジャパンハート が運営するミャンマーの療育施設Dream Train とのオンライン実験教室(物理分野)が実施されました。
今回は物理分野として、「分光器を作成しよう」を実施しました。これは、今まで本校がコロナ禍において、培ってきたオンライン中学生対象理科実験教室の手法を生かしたものです。まず、分光器を作成しました。そして自然光を分光器にて観察し、光が分散される様子を確認しました。その後、蛍光灯の光を見て、自然光とは違うところに気づいてもらいました。合わせて虹についてや蛍光灯の光の説明などを本校生徒が行いました。
質疑応答の際には、Dream Train の子供達から活発に質問が出ており、本校生徒がしっかりと質問に答えていました。オンライン実験教室が終わった後も、Dream Train の子供達は分光器を使って、様々な光を見ていたそうです。この取り組みの目標である、本校が培ってきた手法により多くの地域で理科教育を推進すること、本校生徒のプレゼンテーション能力向上や多様な視点の獲得による個性を尊重する力、さらに協働力の向上に向かえていると感じました。これからもオンラインの良さをしっかりと生かしながら、活動を進めていきたいと思います。
SSH海外台湾研修 事前研修会
9月29日(金)徳島大学大学院社会産業理工学研究部教授 村上敬一先生をお招きして、12月に実施予定のSSH海外台湾研修 事前研修会を行いました。
村上先生から「国際交流で感じて欲しいこと」として、国名が中華民国、台湾、チャイニーズタイペイと複数の名称を持つ台湾の生徒達とふれ合うことで、今までになかった複数の視点を持って欲しいとのお話をしていただきました。台湾のパスポートには、複数の台湾の名称が書かれていることや、台湾から海外へ行くときは出国とは言わずに出境ということなど、我々にはない歴史・文化について説明していただきました。また台湾ドルを実際に見せていただいての説明など、興味深く、分かりやすくお話をしていただきました。さらに、多様な文化に対する柔軟性と個性の尊重=「インクルーシブ社会」の実現について、今回の海外研修を通して学んで欲しいとのことでした。
より学びの深い海外研修となるよう、今後も事前研修に取り組んでいきます。
応用数理科1年生自由研究発表会
9月29日(金)夏休みの宿題であった自由研究の発表会を地学室と物理室に分かれて行いました。
日焼け止めが付いたまま洗濯してしまい、それが洗剤成分と反応し赤色となりお母さんが驚いたことから、日焼け止めと洗剤の関係について研究したり、ある植物が土壌中のpHの違いにより生育が違うことを文献で見て、そこから検証実験を行ったりと、身近な現象に疑問を持ち、検証を行っていました。
実験を行い、定量し、比較する手法については、まだまだ十分ではないですが、身近な現象に疑問を持ち、研究に向かう姿勢は十分見られました。また、パワーポイントによるスライドの作成もある程度できていました。今後はスライドの見やすさやグラフや表の効果的な示し方など、自分の意見や考え方を効果的に伝える手法を学んで欲しいと思います。2年生の「理数探究」での課題研究へ発展していって欲しいと思います。
なお、自由研究のスライドは模造紙に貼り、文化祭にて展示を行いました。
令和5年度SSH研究成果発表会について
9月22日午後 令和5年度徳島県立城南高等学校SSH研究成果発表会が本校大会議室、体育館等で行われました。
徳島県教育委員会からは藤本智美 統括指導主事はじめ5名の先生方、本校運営指導委員2名の先生方、富岡西高校、城北高校6名の先生方にお越しいただきました。
最初に事業報告を行いました。その後、体育館で行われている2年生普通科「未来探Q」101本、応用数理科「理数探究」9本(中間発表)、3年生応用数理科「課題研究」11本のポスター発表を見ていただきました。今年度2年生普通科では、今年度より学問分野別の課題研究を実施しており、理科教員による実験の実施も行っています。ポスター発表を見ていただいた後、大会議室にて、3年生の代表3グループによる課題研究の口頭発表を見ていただきました。
全体会の後は、情報交換会が実施されました。運営指導委員や徳島県教育委員会の方々にも残っていただき、活発な情報交換が行われました。
運営指導委員の方々からは、3年生応用数理科の課題研究について、時間がたつにつれ、研究が進んでおり、非常に興味深く面白かったとの意見をいただきました。実験結果の考察から次の検証実験に繫げている点が評価されました。また、2年生普通科の課題研究については、テーマ設定はとても面白いものが多いが、検証方法を工夫する必要があるとの意見をいただきました。これらの意見を参考にさせていただき、実験への見直しや、アンケート結果に数学的な統計処理を用いるなど、検証方法の見直しを行っていきます。
生徒の主体的な学びを進められるよう、検証を繰り返しながら、計画を進めていきたいです。
研究成果発表にお越しいただいた方々、本当にありがとうございました。
今回発表した研究要旨、ならびに口頭発表のスライドを以下に載せておきます。
9.22発表要旨一覧.pdfウズムシの摂食行動.pdfストリングラフィの波の特性.pdf跗節による分類と跗節腹面の毛の生態的意義.pdf
科学部卒業生による 課題研究等のレクチャー
令和5年9月2日(土)本校化学室にて、卒業生有志が来校して
在校生(特に1,2年生)に課題研究についてのレクチャーをしました。
この催しは3年生が企画しており、大学での履修の仕方等も聞ける
良い機会となっています。
課題研究 マイクロプラスチック班 京都大学研修
8月8日(火)京都大学 地球環境学堂 田中周平准教授の研究室に魚類の消化管内に存在するマイクロプラスチックの検出法を教わりに行きました。
本校の課題研究で、魚類の消化管に取り込まれたプラスチックを調査している班がいます。この班では、今まで田中先生の論文を基に実験を行っていましたが、論文だけでは十分に手法が分からず、夏休みを利用して研究室を訪問させていただきました。我々が行っている実験では、強塩基で生物の有機物(消化管)を溶かし,残った物質がプラスチックかどうか染色して調べています。京都大学 田中先生の研究室では赤外分光光度計(FTIR)を利用し、プラスチックかどうか調べることができます。非常に高価な機械ですが、我々の処理済みのものに対し、赤外分光光度計(FTIR)を使わしていただき、プラスチックかどうか調べさせてもらいました。結果、我々の処理では、損傷が激しく、はっきりとプラスチックを検出することはできませんでしたが、処理方法や赤外分光光度計(FTIR)の仕組みなど、多くの学びがありました。また、研究室内の多くの実験機器や行っている研究について説明していただき、大変興味深かったです。田中先生の「機器の使い方が分からなくても実際に触って覚えよう」という言葉が印象に残っています。経験に勝るものはないと言いますが、一流の方は常にその姿勢であると感じました。
これからも、生徒達の研究を推進していくために、多くの経験を与えていきたいです。
消化管を溶かした残りを調べます 赤外分光光度計(FTIR)について教わっています 様々な環境に存在したプラスチック
赤外分光光度計(FTIR)を使っています 時計台の前で記念撮影
第2回天体観測会in城南
8月22日(火)午後6時より、本校大会議室並びに北駐車場にて行いました。薄雲がかかってコンディションは余り良くないですが、月や星が見えるのでそのまま実施にこぎ着けました。まず、大会議室で生徒有志によるスライドショーをしました。旧の七夕に当たるというので、夏の大三角をつくる星座についてギリシャ神話に関する説明をしました。次に、これも生徒が作った星座しおりを配ったり、石鉄隕石にも含まれるというペリドット(かんらん石)を黒砂から探したりしました。
午後7時を過ぎると空がすっかり暗くなっていました。望遠鏡4台をセットして月や星を見ていきました。月齢5くらいなので細いながらもクレーターが見えました。天頂付近に大三角も見えて順番に☆を視野に入れました。圧巻ははくちょう座のくちばしにある二重星です。黄色と青色の星が回っています。アルビレオといいます。とてもきれいでした。
楽しい時間は瞬く間に過ぎ、特別延長時間も超えてしまいました。こうして様々な体験をすることができました。来校された児童生徒並びに保護者の方々、いかがだったでしょうか。また、スタッフとして動いた生徒諸君、たいへんお疲れ様でした。次回は12月頃を予定しています。またどうぞお越し下さい。
第25回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会
8月17日18日に鳥取県で開催された中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会に
「ウズムシの摂食行動」研究グループと「脈動変光星みずがめ座CY星の測光観測」研究グループが参加しました。
70もの研究が参加しており、本校生徒も発表し、またそれ以外の時間で他校の発表を聞くことで交流し考えを深めました。
結果は、「ウズムシの摂食行動」研究グループがポスター発表で最優秀賞、ステージ発表で優良賞を獲得しました。
令和5年度SSH生徒研究発表会参加
令和5年8月9日(水)・10日(木)に神戸国際展示場で令和5年度SSH生徒研究発表会が開催されました。本校からは「糸電話でできた楽器 ストリングラフィの波の特性」についての研究発表を行いました。
1日目となる8月9日には,SSH指定校及び過去に指定経験のある学校のうち参加を希望する学校(220校)の生徒が,ポスター発表を実施し,審査委員による審査を経て,代表校が選出されました。9時30分からの開会行事の後,9時45分よりポスター発表をしました。発表を行っていない時間には他の研究班の発表を見学し,様々な分野の研究に触れることができました。また,研究内容や研究の進め方について交流が行われました。大学などの研究機関の方からも質疑をいただき,新たな発見につながるような指摘を受けました。今後の研究のヒントとなる見識もいただきました。16時15分からの全体会では,8月10日に行われる全体発表校6校が選出され,各分野の講評をいただきました。
2日目となる8月10日には,午前中に6校による全体発表,午後からはポスター発表と全大会が行われました。全大会では表彰と全体公表が行われました。SSH最高峰の発表会であり,参加生徒にとっては大変貴重で成長につながる経験ができました。また,運営のスタッフや審査の方々など多くの人々に支えられた大会であることを強く感じ,発表会は終了しました。
J-LINKツアーin神戸ポートアイランド(理化学研究所・甲南大学)
8月3日(木)に応用数理科1・2年生が、J-LINKツアーin神戸ポートアイランドとして、理化学研究所 生命機能科学研究センター(BDR)と甲南大学を訪問しました。午前中は理化学研究所 生命機能科学研究センター(BDR)を訪問しました。まずは施設で行われている研究の説明が行われ、ヒトのライフサイエンス研究として、iPS細胞やES細胞による再生医療についての研究や細胞を見るために透明化する技術や蛍光させるための研究などの紹介が行われました。その後、実際に緑色蛍光タンパク質を発現させたマウスの胎児やiPS細胞、ロボットで細胞培養をしている所など、先ほどの説明にあったiPS細胞などを実際に見ることができ、理解が深まったと感じました。
午後からは甲南大学フロンティアサイエンス学部へ行き、まず「化学反応を利用した樹脂の導電化処理」の実験を行いました。柔らかいプラスチックの基板に化学反応で金属被膜を析出させ、導電化を行うものです。化学を十分に学習していない1年生には少し難しかったかと思いましたが、分かりやすい説明と大学院生のサポートにより、どの生徒も十分理解できているようでした。特に、イオン化するために、KOH溶液に浸した時間によって、導電率が変わることは、分かりやすい比較実験で、生徒達はスムーズに理解できたと感じました。
その後は、キャンパスツアーを行いました。多くの実験器具や研究室を見せていただき、大学での研究のイメージが湧いたのではないでしょうか。アンケートにも「大学生になると様々な実験装置を使って実験すると思うとワクワクしました。」という意見があり、実際の大学での学びを見ることで、進学へのモチベーションになると感じました。高大連携事業を通じて、高大の学びをスムーズにし、学習意欲の向上に繫げていきたいです。
【理化学研究所】
理化学研究所での研究の説明 透明化+GFP遺伝子導入したマウス iPS細胞やニワトリの発生などの見学
【甲南大学 実験】
水酸化ナトリウム水溶液を加熱しています プラスチックの表面に金属を析出 導電率を測っています
【甲南大学 キャンパスツアー】
世界第二位の大きさのDNA分子模型 電子顕微鏡 研究室の見学
第47回全国総合文化祭2023かごしま総文自然科学部門への参加について
7月29日(土)~31日(月)鹿児島大学郡元キャンパスと谷山サザンホール行われました第47回全国総合文化祭2023かごしま総文自然科学部門に応用数理科3年生3名が参加しました。7月29日(土)には、口頭発表が行われ、「跗節による分類と跗節裏の毛の生態的意義」の発表を行いました。堂々とした発表で、審査員の方から観点が非常に細部であるとの評価でした。7月30日(日)も引き続き、口頭発表が行われ、見学しました。2日目は秋篠宮様並びに悠仁様が見学においでになり、目の前の席でしたので、緊張すると共に、すごい場所で発表しているのだと改めて思いました。2日間にわたり行われた発表は、さすが全国発表、どの発表も的を得た検証実験と鋭い考察が行われていました。午後からは巡検研修が実施され、私たちは桜島に渡ってのフィールドワークを行いました。桜島の自然や噴火の歴史を体感することができました。総文祭自然科学部門に参加して、鹿児島の方々、特に錦江湾高校の方々のおもてなしに感動しました。そして、全国の方々と一緒になって課題研究を頑張っていこうと思いました。
研究発表は2日間にわたって行われました
2日目の午後からはフェリーで桜島に渡り、巡検研修を行いました。大正の噴火により火山灰で鳥居が埋まっています。
徳島大学 高校生向けの遺伝子組換え実験講習会への参加について
7月25日と26日の2日間、徳島大学蔵本キャンパス先端酵素学研究所で、高校生向けの遺伝子組換え実験講習会に普通科2年生 1名が参加しました。
まず、参加生徒同士この講習会に参加した動機を発表しました。その後、徳島大学の先生から、遺伝子組換え安全講習会並びに2日間で行う実験の説明をしていただきました。
2日間で行う実験は、「①大腸菌の形質転換実験」「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」です。
「①大腸菌の形質転換実験」はよく生物の試験にも出る実験で、抗生物質耐性遺伝子とGFPタンパク質を持つプラスミドを大腸菌に入れ、大腸菌を形質転換させる実験です。
「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」では、髪の毛から自分のDNAを取得し、PCRで増幅、その後制限酵素で処理すると、お酒に強い遺伝子を持つ場合は切断され、そうでない遺伝子の場合は切断されないことを利用し、その後電気泳動すると、自分がどちらの遺伝子を持つか分かるというものです。
どちらも少し難しい内容ですが、実際に実験を行うことで、理解が深まったと思います。今後も、高大連携等も利用しながら、体験的な学びを積極的に行っていき、科学技術人材の育成のために努めていきたいです。
園瀬川総合調査の実施について
7月12日(水)の午後に応用数理科1年生によって園瀬川総合科学調査を実施しました。園瀬川総合科学調査はSSHに指定された平成15年度より実施されており、「上流」「中流」「下流」に分かれて調査が継続されています。主な調査内容は「流速」「透明度調査」「パックテスト」「水生昆虫の採集」です。前日の7月11日(火)に事前学習を行い、パックテストの手法や水生生物の採取方法、園瀬川に生息する水生生物の説明等をおこないました。事前研修をしている生徒達の顔を見ていると、川の調査に対して楽しみにしているようでした。当日、園瀬川総合調査に出発しましたがゲリラ豪雨により、中流と上流は調査が十分にできませんでしたが、下流は豪雨で動けずに橋の下で待機していると、天候が回復してきて、生物調査まで十分に行うことができました。事前研修の効果もあり、生物採集を上手に行うことができました。採集した生物について、指標生物と園瀬川に多く生息するクロトンボのヤゴなどの生物の確認を行い、指標生物による調査と化学的調査を合わせ、総合的に水質を調べることができました。やはり実際の環境で生物などを観察することは大切だと感じました。「聞いたことは、忘れる。見たことは、覚える。やったことは、わかる。」これからも、生徒達の身になる経験を与えられるように取り組んでいきたいです。
前日の事前研修では生息する生物など 調査域に入っていきます【下流】 パックテストを実施しています
も合わせて学習しました
色見本と合わせています
上手に水生生物を採集しています 採集した生物を集めて 指標生物等の確認を行い、記録しました
第1回中学生理科実験教室を実施しました!
7月22日(土)の午後から、中学生を対象とした理科実験教室を開きました。開会式の後、1時間目は物理分野と生物分野からの選択科目です。これは申し込みの際に出されていた希望に添って行いました。
物理では、ストロー笛を用いて楽器と音階の関係に関する実験をしました。本校生が自ら体験したことを基にして、その内容を中学生に説明していました。参加者は、ストロー笛が鳴ったときに喜んだり、音階を計算で求められることに驚いていました。生物では、ワカメやアサクサノリなどの藻類と陸上植物から光合成色素を分離し、植物ごとの色素を比較しました。クロロフィルaを調べることで、緑藻類と陸上植物が近縁であることを理解できました。
2時間目は化学分野と地学分野からの選択科目です。化学では、いくつかの酸化還元反応を行いました。特に金属ナトリウムやカリウムと水の反応に驚いていました。お土産は銀樹でした。地学では、火成岩の観察と分類をしたり、偏光顕微鏡を用いた岩石薄片の観察や、鉱物を手に取っての観察などをしました。偏光板を使った簡単な実験も行い、使った偏光板等はお持ち帰りいただきました。参加者は興味津々と行った様子で熱心に見ていました。
再び元の会場に集まって交流会をしました。念には念を入れて飲食は伴わずマスクを着用して行いました。それでも30分くらいの間で様々な話ができました。こうしてとても有意義な時間を過ごせました。
さて、オマケの激写です。皆さんもぜひチーム城南に入りましょう。
第1回天体観測会in城南
7月20日(木)は終業式でした。長かった1学期が終わり、これから40日の夏休みに入ります。ようやく休めると思ったのもつかの間で、イベントはどんどんと続きます。楽しいことは今しかできませんから。
夕方から児童生徒と保護者が集まってきました。今日の天体観測会に申し込まれた方々です。あいにくと空は雲に覆われていて月も金星も見えません。雲が晴れるのを待って、室内で天文講座と工作をしました。スライドを用いた図解で夜空や星の解説をしたり、星座早見盤を作成しました。本校生徒やコラボしている城北生も加わって、作り方の説明や手助けをしました。
一時間ほど経ちました。天候はまったく回復していません。せめて望遠鏡の使い方だけでもと思い、城南・城北合わせて6台をセットしました。狙うのは眉山山頂に立つ鉄塔の頂部です。余り知られていませんが、望遠鏡で見た画像は上下左右が肉眼と逆になります。だから、鉄塔が逆さになって見えるのです。思ったより参加者が楽しそうに和気あいあいとしているのを見て、こちらもうれしく楽しくなりました。結局最後まで星が見えませんでしたが、参加者の次への期待が大きかったので急遽2回目をすることにしました。また登録フォームから申し込んでください。
お土産として早見盤と「星のかけら」を皆さんにお配りしました。今回はかなりうすいアメジストです。次回はまた別の星のかけらを用意しています。お楽しみに!
Science Introduction(SI) 【基礎実験(物理)】
【基礎実験(物理・地学)】6月9日(金)7月7日(金)
【物理分野】ストロー笛で音階を作ろう
物理分野では、物理基礎の授業で学習した管内の気柱の振動を利用し、自作したストロー笛の音の高さ(固有振動数)を求める実験をしました。
冒頭で物理基礎の授業で学習した管内の気柱の振動について復習をし、管楽器の音の高さが管の長さと室温によって計算できることを確認しました。
次に、ストロー笛の製作を行いました。ストロー笛が完成しても、音を鳴らすのが難しく、苦労してしましたが、全員が音の鳴るストロー笛を作ることができました。
最後に、自作したストロー笛の長さと室温から音の高さを計算した結果と、「FFTWave」というアプリを使い音の高さを測定した結果を比較し、今回の実験について考察しました。
その後、追加実験として、ストローの片側が閉じた笛(閉管)とストローの両端が開いている笛(開管)を製作し、音の鳴り方の違いを確認したり、自分の鳴らしたい音階のストロー笛や笛の長さを変えられるストロンボーンを製作したりしました。
生徒は、ストロー笛の製作を真剣に行い、自分で計算した音の高さとアプリで測定した音の高さが違うときは、その原因を周りの生徒と話し合いながら考察していました。授業で学んだ内容を活用し、実験する手法を学習することができました。
SI(Science Introduction) 【基礎実験(地学)】
6月9日、7月7日の基礎実験は化学と生物に変わって物理と地学で行いました。
地学分野では、「金属や岩石の密度を求めながら地球の層構造について考える」をテーマに様々な岩石や金属の密度を測定し、地球内部の物質と比較して、地球の層構造や地球全体の平均密度などを考えることを目標に行いました。
初めは、岩石や金属の表面を目で見て、触って簡単に観察しながら、電子天秤を使って質量を量りました。そのあとは水の入ったビーカーに糸でつるした岩石等をゆっくりビーカーに沈め質量を量りました。得られたデータを使って体積を求め、考察をしました。
岩石には色々と種類があり、中には身近なものに使われている岩石もあって今まで見たことがあるけど名前を知らなかった生徒もいたので、このような機会で地学にも興味を持ってもらえると嬉しいです。
応用数理科1年 高大連携授業【主張出前授業】(徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所)
6月30日(金)午後、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から先生をお迎えし、応用数理科1年生を対象に出張出前授業が開催されました。徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所は「未知の可能性を秘めた新しい光で未来を切り開く」をテーマに工学のみならず、医療など、様々な分野で光科学によるイノベーションの創造を目指されています。
今回来ていただいた先生は有機合成化学がご専門の八木下 史敏 ( やぎした ふみとし )先生です。
内容は3つセッションからなっており、①研究者になった経緯 ②現在の研究内容のご紹介「キラリと光る有機物」をつくる ③「身近な物質で光るものを見つけよう」 でした。
①研究者になった経緯では、「好きこそものの上手なれ」 研究が楽しくてのめり込んでいったお話や学生時代に国際論文が7報科学雑誌に掲載され、同級生より早く博士課程を卒業したお話などをしていただき、生徒たちは徐々に先生とその生き方に興味を惹かれていきました。
②現在の研究内容のご紹介では、有機光工学についての説明で、有機物がキラリと光る発光現象とはどのようなメカニズムで起こるのか、アニメ等も利用してわかりやすく説明していただくと共にキラリと光る有機物の医療や環境、工学等への応用の可能性を次々とお話しいただき、どんどん引き込まれていきました。また、最後に国際論文の執筆や発表会のお話をしていただき、生徒たちへ非常に良い刺激になりました。
③「身近な物質で光るものを見つけよう」では、飲み物でビタミンB₂やトニックウォーターに入っているキニーネという成分が紫外線照射で蛍光する現象を見せていただき、生徒たちは今までの講義の内容を目の当たりにし、非常に感動していました。
最後の質疑応答では、まず、国際論文の執筆や科学雑誌への掲載、発表会への参加についての質問が多くでました。多くの質問に丁寧に答えていただき、生徒たちはアンケートで「英語を学ぶ必要を強く感じた」「早く大学で研究をしてみたい」等の意見が多くありました。また吸光して局所のみで反応できる抗がん剤についての質問では、深部ではどのように反応させるのかなど、鋭い質問が飛び出し、八木下先生の講義をよく聞き、自分のものにしていると感じました。
「本物に出会うこと」これがSSH活動・高大連携授業等の目的の1つだと思います。
「本物に出会うこと」で「自分の感性や感覚にしたがって、本当のとこを生きることができる」のはないでしょうか。
これからも、多くの刺激を生徒たちに与えていきたいと思います。
有機光工学の説明です エナジードリンクやトニックウオーターが紫外線照射で光ります
パイン飴も光ります 研究室で合成した光る有機物です
多くの質問がでました 大切にしている言葉を
紹介していただきました
応用数理科2年生 課題研究中間発表Ⅰ
6月28日(水)5~7限の3時間を通して、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。
現時点での研究成果を9の研究班が発表しました。この中間発表は、お互いの研究についての情報共有、並びに先生やクラスメイトなどからのアドバイスを受け、今後の研究を深化させることが目的です。
理科教員の他、英語科の先生、ALT、6限には本校運営指導委員の先生方などにもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。
本校運営指導委員の方々などからのご意見として、「検証実験はまだ十分ではないが、テーマ設定が素晴らしい。知的好奇心に満ちたテーマ設定がなされている。」とのお褒めの言葉をいただきました。
テーマの選定に苦慮し、実験データが十分に得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。
令和4年度のアンケートでは、課題研究で学んだことは、研究の楽しさ・難しさ、協力の大切さなどが上位の項目となっています。また、研究への意欲が高まったとほとんどの人が答えています。
これから、テーマ(課題)設定→仮説設定→検証実験→考察のサイクルをまわす中で、再び新たな疑問が生じ、次のテーマ(課題)設定→仮説設定→検証実験→考察とつながっていく、課題研究における本当に深い学びを実現してほしいと思います。
次回は、ルーブリック・ポートフォリオ、今回の意見を参考に担当教員と今後の研究方針を決めていきます。私たち教員は研究班にしっかり寄り添っていきたいと思います。
生物学オリンピック講習会
6月25日(日)に徳島大学で行われました生物学オリンピック講習会に本校5名が参加しました。
また先だって、前日の6月24日(土)には、本校講義室Ⅲで13:00から、生物学オリンピックの過去問題の解説を行いました。
生物学オリンピック講習会では、徳島大学のそれぞれの専門の先生が解説して下さりました。生物学オリンピックの問題に関わる知識だけでなく、興味を引かれるようなお話もしていただき、長時間ですが、生徒たちは集中して受講できていました。
7月16日(日)に行われる生物学オリンピックで力を発揮し、ぜひ本戦出場を目指して下さい。
問題は難しいですが、しっかり考え、取り組むことで身につく力があると思います。粘り強く取り組むことで、思考力や判断力を伸ばしてほしいと思います。
高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第3回)
6月27日 徳島大学教養教育院で応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、第3回目高大連携講座(生物分野)が行われました。
今回は「ホタルの発光タンパク質の実験」です。
ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンを用いて、タンパク質の基本的な性質を理解することが目的です。
実験材料は酵素であるルシフェラーゼと基質であるルシフェリン、あと発光に必要なATPです。
実は、この実験キットはキッコーマンというお醤油を作る会社から売り出されていたものです。キッコーマンでは、衛生状態を確認するため、ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンとルシフェラーゼを利用するのです。この発光はそこに存在するATP量に比例して発光の強さが変わります。発光の強さを確認することで、そこに存在する細菌のATP量を測定し、細菌の数を求めます。これは教科書に載っている内容ですが、生徒達に理解してもらうことが難しいと感じている内容です。今回、わかりやすく説明していただき、生徒達が理解できたと感じました。
さて、実験ですが、高温条件、低温条件、酸、塩基を加えた場合に発光がどうなるか確認しました。
なお、塩基を加えた場合は、ルシフェリンの立体構造において、発光に関わる部分が少し変化して、黄色の発光からオレンジの発光になるそうです。タンパク質の構造や働きを理解するために、非常に良い教材であると思いました。
不思議に光るルシフェリンの光に生徒達は引き込まれており、酵素並びにタンパク質の性質の実験として、本校でも実施したいと思いました。
なお、3回の実験を実施していただいた徳島大学渡部先生には、高大連携講座以外にも課題研究のテーマ設定の研修や課題研究等で多大なご協力いただいております。この場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。
ルシフェリンの発光です ウォーターバスで高温処理、氷で低温処理を行いました
酸を塩基を加えます 塩基を加えた場合は光が弱くなるだけでなく、
ルシフェリンの立体構造が変化し、色が変わります。
上と比べて色の違い分かりますか?
高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第2回)
6月20日(火)に徳島大学で応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、第2回目高大連携講座(生物分野)が行われました。
今回は「お米の品種のDNA鑑定」です。コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれの三種類のお米、それぞれに特有のDNAの部位をPCR法で増幅し、電気泳動を行うことで、それぞれの品種が特定できます。
まずPCR法の説明をしていただきました。PCR法は温度変化だけでDNAが増幅できる手法です。原理だけでなく、PCR法を発明したマリス博士の人生についてやミイラや化石に含まれるわずかなDNAでも分析できることなどを聞き、生徒達も興味津々でした。
今回の実験の手法としては、プライマー、バッファー、耐熱性DNAポリメラーゼ、滅菌水を混ぜ、マスターミックスを作ります。そしてマスターミックスをPCR用のチューブに入れます。その後、お米を砕き、ほんの少しだけのお米をPCR用のチューブに入れます。そのチューブをPCRの機械にかけます。その後、PCR法により増幅されたDNAを電気泳動にかけるという流れです。
多く取り過ぎたことにより、お米がおかゆのようになって上手に電気泳動のバンドができなかったり、増幅がうまくいっていたり、いってなかったりと実際にPCR法→電気泳動を行うことで、授業で習った手法への理解が深まったようでした。
PCRに必要なDNAポリメラーゼやプライマーを 3種類のお米を砕きます
チューブに入れます
チューブに端に残らないように遠心分離にかけます PCRで温度変化を35サイクル
これで特定のDNAを増幅できます
高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第1回)
徳島大学教養教育院 渡部先生ご指導の下、応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、高大連携講座が行われました。生物分野においては、3回にわたって行われます。
高大連携講座は、大学の施設・設備を使い、高校で行いづらい実験を実施し、学習内容を深めること、また、大学での授業を経験することで、学習意欲の向上を図り、高校と大学の連携をスムーズにすることが目的です。第1回は6月13日(火)に実施され、テーマは「制限酵素地図を作ろう」でした。
まず、マイクロピペットの使い方の練習を行いました。10μLを1μLごと10回で取れるかどうかの練習です。さすがは応用数理科生徒、上手にマイクロピペットを使っていました。その後、制限酵素を使い、DNAを特定の場所で切断します。その後、切断したDNA断片に対して電気泳動を行い、DNA断片の長さを測り、制限酵素で切断される場所を推定しました。
電気泳動の待ち時間には、実験で使用しているたくさんの生物を見せていただきました。遺伝子操作により、双頭のイモリの幼生やアルビノのイモリやアフリカツメガエル、染色したカエルの骨格標本などを見て、生徒達は大学での学びに胸を膨らませていました。
マイクロピペットの練習です 制限酵素を加えてきます マイクロチューブの端に溶液が
残らないように遠心分離にかけます
制限酵素で切断したDNA断片を電気泳動にかけます くぼみ(ウェル)にDNA断片を入れます
遺伝子操作で双頭のイモリの幼生です イモリです
遺伝子操作でのアフリカツメガエル(アルビノ) 骨と筋肉を残し染色されたカエル
電気泳動の結果です。横にはDNAマーカーを一緒に流してあります。
①制限酵素無し ②EcoRⅤ ③EcoRⅠ ④EcoRⅤ + EcoRⅠ
応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)
☆ 鈴木ー宮浦カップリング反応を使って炭素と炭素をつなぐ ~ノーベル化学賞の化学反応をやってみよう~
有機合成において重要なことは、原料物質には含まれない新規の炭素ー炭素結合を作ることです。しかし、炭素ー炭素結合は化学的に安定であるため、元々の結合を切り離すことは容易ではありません。また、切り離すことができたとしても、設計とは異なる結合を形成することがしばしばみられるために、有機合成には手間と時間がかかるのが当たり前でした。しかし、さまざまなカップリング反応が開発されるにしたがって、新規分子の設計や構築が、以前より楽になりました。当然、複雑な構造をもつ薬理活性物質の合成においても、重宝されています。中でも、今回の実験のテーマである「鈴木ー宮浦カップリング」は、2010年ノーベル化学賞を受け、世界的にも有名な有機合成手法の一つであります。
6/27(火)午後、応用数理科3年生4名が、この講座に参加しました。この度、講座を担当していただいたのは、徳島文理大学薬学部 薬品物理化学研究室のみなさんです。概要説明と、お世話くださるスタッフの皆さんに自己紹介をしていただいた後、早速操作を進めていきました。
円滑に、かつ安全に実験が進められるように、工夫と配慮をしていただきました。そのおかげで、生徒たちも終始楽しい気持ちで、この日の講座を受講することができました。一連の操作において、「量る・加える・振り混ぜる・溶かす・ろ過する」、化学実験における基本的な動作が詰め込まれた内容でした。そして、合成した物質の収量を測定した後、NMRスペクトルによって、合成反応がきちんと進んでいるかどうかを確認し、未反応物や副生成物もなく、合成がうまくできていることが分かりました。高校生がもつ化学的知識では、合成反応や分析法の原理を知るには、若干難しい部分もありますが、今後勉強を重ね理解を深めるという目標が見出せたのではないかと感じています。
改めまして、久保先生をはじめ、薬品物理化学研究室のみなさんには、この講座のために、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
お礼の言葉とともに、城南高校のSSH事業に対しまして、今後もますますのご支援、ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
Science Introduction(SI)【基礎実験(生物・化学)】
基礎実験が始まりました。
きめ細やかな指導のため、物理・化学・生物・地学の各分野15人ずつで実験を行っていきます。4週で4分野の実験を行い、基本的な実験の技術を身につけていくこととなります。
【基礎実験(生物・化学)】4月28日(金)5月12日(金)5限目
【生物分野】オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)のミクロメーターによる細胞サイズの測定
ミクロメーターの使い方については、パワーポイントで説明しながら進めていき、スムーズに理解を深めらるよう工夫しました。
その後、接眼ミクロメーターを使い、オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)の細胞の大きさを測定しました。真核細胞と原核細胞の大きさの違いを、実際に見て測定することで、細胞についての理解が深まったと感じました。
また、ネンジュモ(イシクラゲ)については、グランドの横に生息しており、身近なところに教科書の生き物がいることに、驚いていました。
やはり、「百聞は一見にしかず」。実際に見ることで、新たな気づきが生まれ、科学的な見方や考え方の育成につながると感じました。
【化学分野】
化学分野では、昨年に引き続いてピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを0.10g 量りました。葉さじの使い方や薬包紙の取り扱いなどを習得しました。次に、ピベットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。
過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸酸性下にあるときとそうでないときの変化を各班で確かめました。酸性ではほぼ無色に近い溶液になり、中性下では黒色の沈殿が生成する様子を観察しました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べ、どちらの金属がイオンになりやすいか調べました。まだまだ実験の経験が少ないようですが、生徒たちは興味・関心を持って取り組んでいました。
Science Introduction(SI)【オリエンテーション】
応用数理科1年生(107HR)での、Science Introductionが始まりました。
1年生Science Introduction(SI)は、2年生での理数探究(課題研究)、3年生のAdvanced Scienceへと発展させていくため、 基礎的な実験手法の獲得や、高大連携授業・大学研究者との交流による研究・学習意欲の向上が目的です。
【オリエンテーション】4月21日(金)5限目
これからお世話をさせていただく理科教員の紹介を行った後、応用数理科で身につけてほしい資質や能力について伝えました。
「夢や目的を持つためには、何事にも興味を持って、まず知ることが大切」であることをお話しました。
その後、SSH生徒研究発表会 文部科学大臣表彰の研究を動画で見て、良い研究とは何か考えました。
身近な現象から疑問を見つけ、検証実験を行い、考察を得る。その中で新たな疑問が生じ、再び検証実験を行う。
課題研究に向かう姿勢を理解すると共に、主体的で深い学びは本当に面白いものであることを、少しでも理解してもらったらと思います。これからは基礎実験・高大連携授業が始まります。
Advanced Science(物理科学)高大連携授業
令和5年6月27日(火)、応用理数科3年生5名がポストLEDフォトニクス研究所(pLED)を訪問しました。
まず、pLED内の実験室を見学しました。矢野隆章教授や久世直也准教授がご自身の研究や実験機器を紹介してくださり、光に関する最先端の研究について学ばせていただきました。また、実験中の学生さんと交流する機会があり、大学でどのような研究や実験を行なっているか教えていただきました。大学生が実際に研究に取り組む姿を見て、学生生活のイメージが広がったことと思います。
次に「光検出器を作って目に見えない光を検出してみよう」という題目で、ブレッドボードでPD回路やAMP回路を作製し、実際に光を当てオシロスコープで確認する体験をしました。江本特任准教授に分かりやすく解説していただきながら回路を組み立て、最終的には回折格子で分光された可視光の両側にわずかに生じる目に見えない紫外光と近赤外光を、自作したPD+AMP回路で検出する実験も行いました。
実験を通して”試行錯誤”や”モノづくり”の楽しさを実際に体験することができました。
光センサーを用いた電子回路により「目に見えない波長帯の光を見つけ出せた」という事実に感動し、光に対する好奇心がより高まったと生徒たちも喜んでいました。
この場をお借りして、このような貴重な体験の機会を設けて下さったポストLEDフォトニクス研究所の関係職員の皆様へ厚く感謝申し上げます。
生物系三学会での発表について
日本生態学会、植物学会、日本動物学会における中四国部会の3学会合同での発表会が5月13日(土)にオンラインで行われました。本校からは課題研究 生物班の3グループ(植物学会で1グループ、動物学会で2グループ)が高校生の部で参加しました。LINC Bizを使い、事前にポスターをオンライン上にアップロードしておき、発表まではアップロードしているポスターへの質問に受け答えし、当日口頭発表する方法で実施されました。事前のLINC Bizでの質疑では、中四国国公立大学の先生から多くの建設的な質問をいただき、対話的な質疑応答により、課題研究におけるこれからの展望につながったと感じました。今後、全国発表を行う班は、この経験での気づきから新たな視野からの検証をおこなって欲しいと思います。
なお、当日は口頭発表の後、公開シンポジウムが行われ、「ゲノム編集技術が切り拓く未来」として、「進化するCRISPRテクノロジー – 新規ゲノム編集ツールの開発とその利用 –」「ゲノム編集による遺伝子改変ブタの作製」「食用コオロギの社会実装とゲノム編集による品種改良について」の3つのテーマについて実施されました。私と生徒達でシンポジウムの内容について話をしながら、オンラインでの視聴を行いました。私自身、今後のゲノム編集の利用についての考察を深める良い機会となりました。
今後も、大学の先生とのつながりや校外での発表等で多くの刺激を受けながら、幅広い視野を獲得して欲しいと思います。
物理チャレンジにおける課題実験の実施
5月25日、27日、29日の3日間で、応用数理科3年生3名が物理チャレンジにおける課題実験を校内で実施しました。
今回の物理チャレンジにおける実験課題レポートの内容は「単振り子の周期を、振れ角を変えて調べてみよう」でした。
空気抵抗の影響を少なくするために、3mのテグスと5kgのメディシンボールを用いて巨大な単振り子を作成しました。
誤差を小さくする方法や、正しく周期を測定する方法を考案することに苦労しましたが、仲間と協力して楽しく実験することができました。
また、本番の理論問題コンテストに向けて過去問を1年分挑戦しました。
難易度の高い試験ですが、本番も自信をもって頑張ってきてほしいと思います。
海南文化村見学と砂鉄採取(海部刀)
6月11日(日)は大雨でした。しかし、私たち(生徒4名・教員1名)は行動に出ました。すでに3回も予定が雨で流れているので、今後のことを鑑みて今日は何としても行きたかったのです。牟岐町の貝の博物館モラスコ牟岐の海岸へやって来ました。ここは砂鉄が採れる砂浜です。10年前にこの場所を発見してからずっと、海部刀の原料の砂鉄はこれではないかと考えていました。それを実証するために頑張っています。
砂浜での採取を終えて、次は海部川河口へ移動しました。この流域にはかつて多くの海部刀の刀匠が工房を構えていました。工房があるということは刀の元である「玉鋼(たまはがね)」があるということで、それは即ちその原料の砂鉄があったと考えられます。ここは大里海岸から延びる砂州が発達して、まるで河口を塞ぐような形になっています。以前の調査では余り砂鉄が含まれていませんでした。それでも何かがあると思ってここを選びました。
応用数理科1年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)
☆ DNAを長さで分けて光らせて見よう!
遺伝情報を担う物質DNAを、長さで分けることのできるアガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色した後、紫外線照射装置にて観察する。
5/26(金)午後、応用数理科1年生が標記の講座に参加しました。講座の概要説明と、お世話くださるスタッフの皆さんに自己紹介をしていただいた後、操作を進めていきました。
本校に入学して、最初の高大連携講座への参加ということで、ドキドキとワクワクの両方の思いを胸に抱きつつ、生徒たちはこの日の講座に臨みました。まだまだ実験操作には不慣れな高校1年生が実験を行うということで、円滑に、かつ安全に実験が進められるように、工夫と配慮をしていただきました。そのおかげで、生徒たちも終始楽しい気持ちで、この日の講座を受講することができました。そして、そもそも“DNA”とは何者か、“電気泳動”によってDNAの何が分かるのか、電気泳動する前に“制限酵素”で処理を行うことで、ヌクレオチド鎖にどのような変化が生じるかなど、多くのことを学ぶことができました。
改めまして、葛原先生をはじめ、生化学教室のみなさんには、この講座のために、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
お礼の言葉とともに、城南高校のSSH事業に対しまして、今後もますますのご支援、ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。
ジャパンハート ミャンマーの養育施設Dream Train とのオンライン実験教室並びに国際交流の実施について
5月19日(金)17:00(現地時間14:30)からジャパンハートがミャンマーで運営する養育施設 Dream Trainと城南高校とオンラインで繋いで、実験教室並びに国際交流を実施しました。
この取り組みの目的の1つ目は、城南高校が今まで培ってきた実験用具を送付したオンライン実験教室の手法を生かし、様々な国や地域でオンラインでの実験・実習を行い、理科に対する興味・関心を高めることです。
2つ目は、本校生徒が実験や文化交流を行うことで、プレゼンテーションの能力の育成や科学に対する知識を伸ばすことはもちろん、異なる国や地域の文化や習慣を理解し、尊重することで相互の多様性を認識し、幅広い視野を獲得し、グローバルな視点を育成することです。
応用数理科(科学部)の生徒たちは理科実験、普通科の生徒たちは文化交流を実施しました。
最初は普通科の生徒達2グループが日本のアニメの紹介と時代による髪型の紹介を行いました。和気あいあいとした交流で、クイズをしたり、みんなでギャルポーズをしたりと相互でコミュニケーションを取り合いながら交流を行い、場が和みました。
次に、応用数理科(科学部)の生徒達は、事前に送付していたギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、砂糖が味がしなくなったり、レモン汁が甘くなったりする現象を体験してもらい、味覚の仕組みを受容体から理解しました。
最後はDream Trainの子供たちからミャンマーの伝統衣装を紹介してもらったり、お正月が4月にあることなど説明してもらったりして、生徒達は興味津々でした。
終始笑顔が絶えない交流で、生徒達にとって、非常に良い経験になりました。
年間3回実施予定で、次回は物理の内容で9月に実施予定です。
このような体験を経て、幅広い視野を身につけ未来を切り開くイノベーターとして活躍していって欲しいと思います。
準備中です
ミャンマー語で日本の紹介です 髪型の紹介の際に、みんなでギャルポーズ
ZOOMでの交流 オンライン交流の良さが出たと感じました 受容体と受容物質の説明
最後はみんなであいさつして終わりました
DreamTrainYangonのインスタグラムに国境を越えた共同授業として紹介されています。https://www.instagram.com/dreamtrain_yangon/?hl=ja
突撃!研究者お宅訪問(海部刀)
5月24日(水)の午後、生徒4名が海部刀の研究をしている方の自宅を訪問しました。今年の課題研究のテーマとして、「海部刀の原料の砂鉄の産地を探る」のを目的に研究しています。中四国や九州・近畿圏の多くから産出する砂鉄を入手し、磁石を用いて精製しています。また、たたら製鉄で作られた玉鋼(たまはがね)や、玉鋼から作られた刀剣の破片も精力的に探しています。それらを元素分析して、微量の不純物の相違から産地が特定できないか思案しているところです。
そうした活動の一環で、今回は研究者宅にて直接話を伺いました。この方はもう数十年も海部刀の研究をされており、ご自身でも玉鋼を作ったり居合いの剣術をマスターして鍛錬されています。海部刀の論文も多数執筆されており、幅広い知識をお持ちでした。生徒から質問して、玉鋼や砂鉄産地の場所に対する見解、刀剣に関する知識など多くのことを学びました。特に実物を間近で見せて頂いてとても感動しました。なお、当然のことですが、この方は刀剣に関する取り扱いの資格をお持ちであり、私たちは一切触れておりません。
話の内容は多岐にわたりました。五家伝と呼ばれる刀剣の系統や海部郡に見られる古い地名、室町時代の海路など当時の流通経路、刀剣にまつわる故事など面白いことがわかりました。話は2時間にも及びましたが、生徒たちにとって貴重な体験ができました。研究に役立てたいと思います。私たちのために貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。
第1回小・中学生対象地域フィールドワークin高越山
5月20日(土)、吉野川市山川町の高越山ふもとにて行いました。本校主催で行うこのようなイベントは初めてであり、4月当初から準備を進めてきました。そして、現地周辺の小・中学校にパンフを配り周知に努めました。その結果、児童・保護者・スタッフを合わせて33名が参加しました。
9時に現地にて受付を済ませて、高校生スタッフから説明がありました。産地に関する知識や採集方法、どのような石を見れば良いかなど、ポイントを押さえながら実物を提示してわかりやすく話しました。ふと周りを見れば、子どもたちがそわそわしていて早く石を拾いたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。そこで少しだけ話を切り上げて全員で川原に降りました。
前日の雨にも関わらず、ほとんど水が流れていません。広い川原には草もなくこれなら充分楽しめそうです。まず、説明にあった徳島の岩石「藍閃石(らんせんせき)」を探しました。これは全体的に藍色をしていて、その中に柘榴石(ざくろいし)や黄鉄鉱(おうてっこう)が入っていることがあります。また、表面にまるで毛が生えたような細長い結晶になっている物もあります。早速あちらこちらで歓声が上がったので、うまく見つけられたようです。
参加した児童にスタッフも同行して一緒に石拾いをしました。磁石にくっつく磁鉄鉱(じてっこう)やピンク色の紅簾石(こうれんせき)、黄白色のチタン石、緑色の緑簾石(りょくれんせき)もありました。また、キースラーガーという銅を含んでいる鉱石も見られ、それを割ると中から金色や銀色をした塊が出てきました。こうして夢中になっていると、いつの間にか2時間も経っていました。
採集した石を持ち寄って今からラベルを書いていきます。拾いっぱなしでは標本としての価値はなく、きちんと鉱物名と産地を記しておくことが大事です。参加者の皆さんは円を描くように車座になって、先に配布した鉱物写真と見比べながらあるいはスタッフに質問しながらペンを走らせていました。こうして盛況のうちに体調不良もなく全ての日程を終えることができました。ちょうど正午のアナウンスが流れるところでした。
アンケート結果から、場所・日時・内容などとても好評でした。参加の皆様、ありがとうございました。次回は夏休み後半から秋にかけて別の場所で行う予定です。そのときは在学中の小・中学校を通じて連絡します。あるいはこの城南HPでもご案内します。ときどきご覧になって下さい。またお目にかかれるのを楽しみにしています。
令和5年度市ノ川巡検並びに西条高校との交流会
模試があった翌日の4月23日(日)、愛媛県西条市の市之川公民館の見学と西条高校との交流会が行われました。たまたま所用で公民館に電話したとき、偶然にも西条高校の先生が研修中でした。館長さんから「近いうちに徳島の城南高校がここに来る。」と話を聞いた先生が、「それなら日取りを合わせて一緒に何かできないか。」と思われ、館長さんを通じて話し合いが行われました。後はトントン拍子に話がまとまり、今日の活動につながりました。
当日の朝、西条市の山間にある市之川公民館に行きました。そこには西条高校の生徒と先生が待っていました。まず、公民館の館長さんから市ノ川鉱山の説明があります。鉱山や集落の歴史、使用していた道具や採掘した鉱物などについて、様々なお話を伺いました。
見学の後、少しだけ野外に出て地形を調べたり石を割ったりしました。そして、再び公民館に入って西条高校のワークショップに参加しました。市ノ川で最も有名な鉱物はもちろん「輝安鉱」です。組成式は Sb2S3 からなるアンチモンの鉱石で、小刀のような柱状結晶になります。ちなみに、アンチモンの元素記号Sbは鉱物名のスティブナイトからきています。それを封入したボールペンを作りました。
どうやらボールペン作りは上手くいったようです。ここで一端お開きとなり、昼食後に西条高校へ移動しました。改めて互いに挨拶を交わしてから、パワポを用いて各校の研究成果を発表しました。西条高校からはおむつの灰の再利用と輝安鉱の人工結晶について、本校からはプラナリアの研究と学校紹介を行いました。初めて会ったとは思えないほど互いに親しみ合い、活発な質疑が出るなど楽しい交流会でした。また、頂いた輝安鉱の代わりに徳島の代表鉱物「紅簾石」を個々に差し上げました。
最後に西条高校に隣接する博物館を見学しました。地元の歴史ある資料や収集された甲冑や貝殻、美術工芸品、そしてやはり輝安鉱をはじめとする鉱物や化石などが所狭しと展示されていました。館内ではそれぞれの高校生がペアを組んで、説明を受けながら展示物を自由に見ていました。こうして瓢箪から駒のように良い機会を得ることができて、私たちにとってとても有意義な時間が過ごせました。担当をして下さった西条高校の先生方並びに生徒の皆さんに厚く御礼申し上げます。
科学部卒業生との座談会
2023年5月6日(土)化学室にて、
卒業生による課題研究の進め方や進路についての座談会がありました。
科学部員希望者(普通科含む)に向け、大学1年生と
大学3年生(オンライン)が
アドバイスを行いました。
SE1パスタタワー
本日は、応用数理科1年で初のSE(Science English)の授業があり、パスタタワーを行いました。
グループに分かれて相談しながら決められたパスタの本数とセロハンテープでタワーを作り、てっぺんにマシュマロを付けて一番高く作ることを競いました。
どのグループも一生懸命に工夫をして組み上げる姿は楽しそうでした。