突撃!研究者お宅訪問(海部刀)

 5月24日(水)の午後、生徒4名が海部刀の研究をしている方の自宅を訪問しました。今年の課題研究のテーマとして、「海部刀の原料の砂鉄の産地を探る」のを目的に研究しています。中四国や九州・近畿圏の多くから産出する砂鉄を入手し、磁石を用いて精製しています。また、たたら製鉄で作られた玉鋼(たまはがね)や、玉鋼から作られた刀剣の破片も精力的に探しています。それらを元素分析して、微量の不純物の相違から産地が特定できないか思案しているところです。

 そうした活動の一環で、今回は研究者宅にて直接話を伺いました。この方はもう数十年も海部刀の研究をされており、ご自身でも玉鋼を作ったり居合いの剣術をマスターして鍛錬されています。海部刀の論文も多数執筆されており、幅広い知識をお持ちでした。生徒から質問して、玉鋼や砂鉄産地の場所に対する見解、刀剣に関する知識など多くのことを学びました。特に実物を間近で見せて頂いてとても感動しました。なお、当然のことですが、この方は刀剣に関する取り扱いの資格をお持ちであり、私たちは一切触れておりません。

 話の内容は多岐にわたりました。五家伝と呼ばれる刀剣の系統や海部郡に見られる古い地名、室町時代の海路など当時の流通経路、刀剣にまつわる故事など面白いことがわかりました。話は2時間にも及びましたが、生徒たちにとって貴重な体験ができました。研究に役立てたいと思います。私たちのために貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。