第2回小・中学生対象地域フィールドワークin勝浦

 2月11日(日)に勝浦町立川で、小・中学生とその保護者・家族を対象とする地域フィールドワークを開催しました。1回目は鉱物や岩石採集が目的でしたが、今回は勝浦町で産出する化石です。徳島化石の会から化石産地の地権者をご紹介頂き、何度か出向いて打ち合わせを行い、今日の開催にこぎ着けました。本来は11月に実施予定でしたが、そのときは大雨による土砂崩れが発生して道が不通となりました。ようやく活動できると思えば感無量です。

 さて、当日は9時に道の駅に集合し、そこから各自の車で現地まで移動しました。途中の急坂道でタイヤが滑って難儀しましたが、何とか敷地内に駐車できました。ターゲットはアンモナイトとシダ植物です。最初のポイントでは、川原から引き上げてきた岩石を広場に無造作に置いていました。表面をよく見ると炭化して黒くなった植物の茎や葉がびっしりとくっついています。クラドフレビスというシダの仲間です。正月の注連飾りに用いるウラジロのような葉っぱが形良く残っていました。また、ソテツの仲間のニルソニアも見つかりました。

 家族一同で参加されている方も多く、未就学の小さい子もいました。皆さんが一心不乱にハンマーをふるい、次々と化石を見つけていました。持ち上げるのがやっとというくらいの大きい石に、植物化石が所狭しと並んでいる標本もありました。これは割らずにそのまま持ち帰った方が良いでしょう。そうアドバイスをすると、両手に抱えて駐車場まで運ぶ人もいました。ここまでの悪路を車で来たかいがありました。

 次のポイントでは、斜面を重機で切り開いて地層を露出させていました。タマネギ状に石片が離れるノジュールが多く含まれ、それを割ると中からアンモナイトなどの化石が出てきます。下見のときは余り見つからなかったので、30名を超える人のうちせいぜい数人程度しか化石が見つからないだろうと思っていました。先に採っていたサンプルを見せて、どのような岩石を探すべきか、どのように割るべきかをレクチャーしました。

 開始してからしばらくは何も成果がありませんでした。ところが、直径2cmくらいの小さいアンモナイトが見つかったのを皮切りに次々と化石が見つかり始めました。子どもたちは必死です。斜面から転がってきたノジュールを拾っては、片っ端からどんどん割っていきました。また、保護者の方も童心に返ってお子さんと一緒になって探しました。本校の高校生は、子どもたちが危ない場所に行かないよう周囲に気を配りながら、石を割って断面を観察していました。

 化石採りに皆さんが熱中して、終了予定時刻を大幅に超えてしまいました。しかし、成果はとても大きく全員がクラドフレビスの化石を持ち帰ることができました。また、アンモナイトが断片的な化石を含めて30個も見つかり、異常巻きと言われるレアなアンモナイトもありました。こうして大盛況のうちに全員無事に下山しました。記念品として三葉虫の化石をお渡しして全日程を終了しました。

 令和6年度もこうしたフィールドワークを行う予定です。詳しくは各小・中学校にメールで連絡します。また、本校HPにも掲載します。ときどきご覧になって下さい。皆様にまたお目にかかれるのを楽しみにしています。

 採集場所を提供して下さった地権者の皆様、誠にありがとうございました。おかげで充分学習できて楽しめました。もしもまた別の機会がありましたらよろしくお願いいたします。