2023年5月の記事一覧

突撃!研究者お宅訪問(海部刀)

 5月24日(水)の午後、生徒4名が海部刀の研究をしている方の自宅を訪問しました。今年の課題研究のテーマとして、「海部刀の原料の砂鉄の産地を探る」のを目的に研究しています。中四国や九州・近畿圏の多くから産出する砂鉄を入手し、磁石を用いて精製しています。また、たたら製鉄で作られた玉鋼(たまはがね)や、玉鋼から作られた刀剣の破片も精力的に探しています。それらを元素分析して、微量の不純物の相違から産地が特定できないか思案しているところです。

 そうした活動の一環で、今回は研究者宅にて直接話を伺いました。この方はもう数十年も海部刀の研究をされており、ご自身でも玉鋼を作ったり居合いの剣術をマスターして鍛錬されています。海部刀の論文も多数執筆されており、幅広い知識をお持ちでした。生徒から質問して、玉鋼や砂鉄産地の場所に対する見解、刀剣に関する知識など多くのことを学びました。特に実物を間近で見せて頂いてとても感動しました。なお、当然のことですが、この方は刀剣に関する取り扱いの資格をお持ちであり、私たちは一切触れておりません。

 話の内容は多岐にわたりました。五家伝と呼ばれる刀剣の系統や海部郡に見られる古い地名、室町時代の海路など当時の流通経路、刀剣にまつわる故事など面白いことがわかりました。話は2時間にも及びましたが、生徒たちにとって貴重な体験ができました。研究に役立てたいと思います。私たちのために貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。

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第1回小・中学生対象地域フィールドワークin高越山

 5月20日(土)、吉野川市山川町の高越山ふもとにて行いました。本校主催で行うこのようなイベントは初めてであり、4月当初から準備を進めてきました。そして、現地周辺の小・中学校にパンフを配り周知に努めました。その結果、児童・保護者・スタッフを合わせて33名が参加しました。

 9時に現地にて受付を済ませて、高校生スタッフから説明がありました。産地に関する知識や採集方法、どのような石を見れば良いかなど、ポイントを押さえながら実物を提示してわかりやすく話しました。ふと周りを見れば、子どもたちがそわそわしていて早く石を拾いたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。そこで少しだけ話を切り上げて全員で川原に降りました。

 前日の雨にも関わらず、ほとんど水が流れていません。広い川原には草もなくこれなら充分楽しめそうです。まず、説明にあった徳島の岩石「藍閃石(らんせんせき)」を探しました。これは全体的に藍色をしていて、その中に柘榴石(ざくろいし)や黄鉄鉱(おうてっこう)が入っていることがあります。また、表面にまるで毛が生えたような細長い結晶になっている物もあります。早速あちらこちらで歓声が上がったので、うまく見つけられたようです。

 参加した児童にスタッフも同行して一緒に石拾いをしました。磁石にくっつく磁鉄鉱(じてっこう)やピンク色の紅簾石(こうれんせき)、黄白色のチタン石、緑色の緑簾石(りょくれんせき)もありました。また、キースラーガーという銅を含んでいる鉱石も見られ、それを割ると中から金色や銀色をした塊が出てきました。こうして夢中になっていると、いつの間にか2時間も経っていました。

  採集した石を持ち寄って今からラベルを書いていきます。拾いっぱなしでは標本としての価値はなく、きちんと鉱物名と産地を記しておくことが大事です。参加者の皆さんは円を描くように車座になって、先に配布した鉱物写真と見比べながらあるいはスタッフに質問しながらペンを走らせていました。こうして盛況のうちに体調不良もなく全ての日程を終えることができました。ちょうど正午のアナウンスが流れるところでした。

 アンケート結果から、場所・日時・内容などとても好評でした。参加の皆様、ありがとうございました。次回は夏休み後半から秋にかけて別の場所で行う予定です。そのときは在学中の小・中学校を通じて連絡します。あるいはこの城南HPでもご案内します。ときどきご覧になって下さい。またお目にかかれるのを楽しみにしています。

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令和5年度市ノ川巡検並びに西条高校との交流会

 模試があった翌日の4月23日(日)、愛媛県西条市の市之川公民館の見学と西条高校との交流会が行われました。たまたま所用で公民館に電話したとき、偶然にも西条高校の先生が研修中でした。館長さんから「近いうちに徳島の城南高校がここに来る。」と話を聞いた先生が、「それなら日取りを合わせて一緒に何かできないか。」と思われ、館長さんを通じて話し合いが行われました。後はトントン拍子に話がまとまり、今日の活動につながりました。

 当日の朝、西条市の山間にある市之川公民館に行きました。そこには西条高校の生徒と先生が待っていました。まず、公民館の館長さんから市ノ川鉱山の説明があります。鉱山や集落の歴史、使用していた道具や採掘した鉱物などについて、様々なお話を伺いました。

 見学の後、少しだけ野外に出て地形を調べたり石を割ったりしました。そして、再び公民館に入って西条高校のワークショップに参加しました。市ノ川で最も有名な鉱物はもちろん「輝安鉱」です。組成式は Sb2S3 からなるアンチモンの鉱石で、小刀のような柱状結晶になります。ちなみに、アンチモンの元素記号Sbは鉱物名のスティブナイトからきています。それを封入したボールペンを作りました。

 どうやらボールペン作りは上手くいったようです。ここで一端お開きとなり、昼食後に西条高校へ移動しました。改めて互いに挨拶を交わしてから、パワポを用いて各校の研究成果を発表しました。西条高校からはおむつの灰の再利用と輝安鉱の人工結晶について、本校からはプラナリアの研究と学校紹介を行いました。初めて会ったとは思えないほど互いに親しみ合い、活発な質疑が出るなど楽しい交流会でした。また、頂いた輝安鉱の代わりに徳島の代表鉱物「紅簾石」を個々に差し上げました。

  最後に西条高校に隣接する博物館を見学しました。地元の歴史ある資料や収集された甲冑や貝殻、美術工芸品、そしてやはり輝安鉱をはじめとする鉱物や化石などが所狭しと展示されていました。館内ではそれぞれの高校生がペアを組んで、説明を受けながら展示物を自由に見ていました。こうして瓢箪から駒のように良い機会を得ることができて、私たちにとってとても有意義な時間が過ごせました。担当をして下さった西条高校の先生方並びに生徒の皆さんに厚く御礼申し上げます。

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科学部卒業生との座談会

2023年5月6日(土)化学室にて、

卒業生による課題研究の進め方や進路についての座談会がありました。

科学部員希望者(普通科含む)に向け、大学1年生と

大学3年生(オンライン)が

アドバイスを行いました。

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