令和5年度市ノ川巡検並びに西条高校との交流会

 模試があった翌日の4月23日(日)、愛媛県西条市の市之川公民館の見学と西条高校との交流会が行われました。たまたま所用で公民館に電話したとき、偶然にも西条高校の先生が研修中でした。館長さんから「近いうちに徳島の城南高校がここに来る。」と話を聞いた先生が、「それなら日取りを合わせて一緒に何かできないか。」と思われ、館長さんを通じて話し合いが行われました。後はトントン拍子に話がまとまり、今日の活動につながりました。

 当日の朝、西条市の山間にある市之川公民館に行きました。そこには西条高校の生徒と先生が待っていました。まず、公民館の館長さんから市ノ川鉱山の説明があります。鉱山や集落の歴史、使用していた道具や採掘した鉱物などについて、様々なお話を伺いました。

 見学の後、少しだけ野外に出て地形を調べたり石を割ったりしました。そして、再び公民館に入って西条高校のワークショップに参加しました。市ノ川で最も有名な鉱物はもちろん「輝安鉱」です。組成式は Sb2S3 からなるアンチモンの鉱石で、小刀のような柱状結晶になります。ちなみに、アンチモンの元素記号Sbは鉱物名のスティブナイトからきています。それを封入したボールペンを作りました。

 どうやらボールペン作りは上手くいったようです。ここで一端お開きとなり、昼食後に西条高校へ移動しました。改めて互いに挨拶を交わしてから、パワポを用いて各校の研究成果を発表しました。西条高校からはおむつの灰の再利用と輝安鉱の人工結晶について、本校からはプラナリアの研究と学校紹介を行いました。初めて会ったとは思えないほど互いに親しみ合い、活発な質疑が出るなど楽しい交流会でした。また、頂いた輝安鉱の代わりに徳島の代表鉱物「紅簾石」を個々に差し上げました。

  最後に西条高校に隣接する博物館を見学しました。地元の歴史ある資料や収集された甲冑や貝殻、美術工芸品、そしてやはり輝安鉱をはじめとする鉱物や化石などが所狭しと展示されていました。館内ではそれぞれの高校生がペアを組んで、説明を受けながら展示物を自由に見ていました。こうして瓢箪から駒のように良い機会を得ることができて、私たちにとってとても有意義な時間が過ごせました。担当をして下さった西条高校の先生方並びに生徒の皆さんに厚く御礼申し上げます。