高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第3回)

6月27日 徳島大学教養教育院で応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、第3回目高大連携講座(生物分野)が行われました。

今回は「ホタルの発光タンパク質の実験」です。

ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンを用いて、タンパク質の基本的な性質を理解することが目的です。

実験材料は酵素であるルシフェラーゼと基質であるルシフェリン、あと発光に必要なATPです。

実は、この実験キットはキッコーマンというお醤油を作る会社から売り出されていたものです。キッコーマンでは、衛生状態を確認するため、ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンとルシフェラーゼを利用するのです。この発光はそこに存在するATP量に比例して発光の強さが変わります。発光の強さを確認することで、そこに存在する細菌のATP量を測定し、細菌の数を求めます。これは教科書に載っている内容ですが、生徒達に理解してもらうことが難しいと感じている内容です。今回、わかりやすく説明していただき、生徒達が理解できたと感じました。

 さて、実験ですが、高温条件、低温条件、酸、塩基を加えた場合に発光がどうなるか確認しました。

 

 

なお、塩基を加えた場合は、ルシフェリンの立体構造において、発光に関わる部分が少し変化して、黄色の発光からオレンジの発光になるそうです。タンパク質の構造や働きを理解するために、非常に良い教材であると思いました。

不思議に光るルシフェリンの光に生徒達は引き込まれており、酵素並びにタンパク質の性質の実験として、本校でも実施したいと思いました。

なお、3回の実験を実施していただいた徳島大学渡部先生には、高大連携講座以外にも課題研究のテーマ設定の研修や課題研究等で多大なご協力いただいております。この場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。

   ルシフェリンの発光です       ウォーターバスで高温処理、氷で低温処理を行いました

          酸を塩基を加えます           塩基を加えた場合は光が弱くなるだけでなく、

                             ルシフェリンの立体構造が変化し、色が変わります。

                               上と比べて色の違い分かりますか?