野球部活動報告

2024年10月 硬式野球部活動報告(Liga徳島)

~ 参加4年目にして、悲願の完全制覇達成!! ~ 

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。

秋季大会ではベスト8進出を果たしましたが、夢の甲子園には一歩届かなかったため、現在は練習と11月末までの練習試合期間を生かして課題に向き合っています。その中でも例年、特に有意義だと想われる取り組みは、城南高校が参加し始めて今年で4年目となる「Liga徳島」です。これは、全国で秋に行われる高校野球のトーナメント形式で行われる大会とは別に、全国各地で行われる『選手たちの未来にフォーカスした』リーグ戦形式の取組みである「LIGA Agresiva」の一角をなすものであり、徳島県では今年は11校11チーム(阿波高校はアクア・バブルの2チーム、阿波西高校、池田高校辻校は合同で1チーム)が参加しております。このリーグ戦では以下のような特別ルールが適用されます。

・1ゲーム7イニング制(DH有り)
・5回7点差でコールドゲーム
・ピッチャーが投げられる球種はストレートのみで、スローボールも投げてはならない
・ストライク見逃しは1ストライク目でもアウト
・バントなし

また、球審を含む審判やボールボーイなどすべての運営は選手が自ら行います。ここからは本校の戦績についてお伝えします。

《リーグ戦》

10月12日(土)

 城南 7 ー 0 阿波西・池田辻

 城南 7 ー 2 穴吹

10月14日(月)

 城南 8 ー 4 城西

 城南 5 ー 4 小松島西

10月19日(土)

 城南 0 ー 1 アクア(阿波)

 城南 5 ー 0 バブル(阿波)

 合計 6試合 5勝 1敗(リーグ優勝)

《クライマックスシリーズ(CS)》

10月27日(日)

準決勝

 城南 1 ー 0 城西

決勝

 城南 6 ー 3 城北

 城南は2年ぶり2回目のクライマックスシリーズ優勝

今年はリーグ戦優勝とクライマックスシリーズ優勝の両方を果たし、城南高校としては初めての完全制覇となりました。決勝戦に至るまで好ゲームの連続となり、好プレーには敵味方なく賞賛の声と拍手が沸き起こる光景。まさにスポーツマンシップに則って野球を愉しむ各チームの部員たちの姿が非常に印象的な戦いが見られました。

これからの野球には、2つの「V」が求められると感じています。

一つは「Victory」つまり勝利であり、公認野球規則1.05にも記載されているとおり試合の目的は相手より1点でも多く取って勝つことです。

もう一つは「Value」つまり、野球を通して得られる人生の財産、野球に取り組むことで得られる「価値」です。

Liga Agresivaでは「成長至上主義」とよばれる精神が大切にされております。勝利を優先するあまりに見えなかった個人の成長という部分にスポットライトを当て、たとえ負けたとしても次の勝利を目指すことができ、多くの選手に出場し活躍するチャンスを得ることができることこそリーグ戦の良さです。

ある試合では打撃不振に悩んでいた1年生の選手が「次打てなければ交代」という課題を与えられて打席に立ちました。その選手に対して全員が「打ってくれ!」と声援を送りましたが、その中でも特に大きな声をかけていたのは、もし打てなければ交代で守備から出場予定だった2年生の選手でした。実際この打席で安打が飛び出し、1年生の選手は交代を回避し、試合にも勝ちました。この2年生の選手もしばらく打撃不振が続いていたので、本来は出場したかったはずですが、そんな状況の中で自分のことより後輩、チームのことを尊重して声をかけ続けた姿は負けたら終わりのトーナメントだけでは見ることのできないものであったように思います。

この一件に代表されるように、チームの勝利と仲間の活躍を願って声援を送る姿からは「次はあなたに成功してもらいたい」と応援したくなる気持ちが生まれ、その連鎖で続々とニューヒーローが誕生する、素晴らしいサイクルがもたらされ、このチームの本来の魅力と強さが十分に発揮された結果の完全優勝だったと感じています。

ケガで出場できなくなった選手を除いては全員が出場のチャンスをつかみ、各個人が成果と課題を明確にし、オフシーズンの成長と春夏の躍進につなげようという意識を高めることができました。この成長をもたらしてくれた全国のLigaファミリーの皆様への感謝を申し上げるとともに、これから先も野球で学んだことを活かして人生を豊かなものにできるよう、共に野球を愉しむ仲間であり続けたいと強く願っております。改めて2024年シーズンもお世話になりました!!

《文責》尾形

2024(令和6)年10月 硬式野球部活動報告(環境防災活動)

~ 私たちは、野球の守備だけではなく地域の安心・安全も守っている!! ~

 10月11日(金)、中間考査という野球と変わらない壮絶な戦いを展開した部員たちは練習前、学校の環境防災活動に取り組みました。この行事は城南高校の全部活動および有志の生徒が参加し、災害時の避難経路や除草作業を中心とした奉仕活動に取り組むという活動です。

硬式野球部は例年、男子硬式テニス部と一緒に、学校東側の側溝の清掃を担当しております。こちらが、清掃前の様子です。ヘドロが堆積し、その上から大きく成長した雑草が側溝内を覆い、極めて水質の悪い排水が表面を流れるという劣悪な状態でした。毎年、気温が暖かくなると虫が繁殖し、生活に不快感を与えることも本校生徒だけでなく、近隣住民の頭を悩ませていました。

今年の硬式野球部の選手は19名。生徒会長をはじめとして、学校内でもリーダー格として活躍する部員たちは勇敢に側溝の中に足を踏み入れ、堆積するヘドロやゴミの撤去などに一心不乱に取り組みました。指導者も準備や陣頭指揮、さらには最前線に立って取り組むなど、全員が全集中で作業を展開しました。また、マネージャーはグラウンド内の除草作業に、熱心に取り組みました。

 

学校の住所は「城南町」。徳島県徳島第一高等学校から改称され、学校の名前に「城南」の名が冠されたのは1949(昭和24)年のことですが、城南町という町名は1976(昭和51)年からのものです。つまり、学校の名前を町の名前が追いかけてきたのです。このような事例は日本を代表する大企業として知られる、トヨタ自動車の本社がある愛知県豊田市と同じです。つまり城南高校は名実ともに、地域をリードする存在なのです。

その中核に存在する創部126年目の硬式野球部と、徳島県高校総体男子団体21連覇中の硬式テニス部。試合では積極果敢に攻撃する両部活動ですが、地域の安心・安全を守るために連携プレーで過酷な環境に立ち向かった結果、昨年度よりはるかに汚れていた側溝は写真の通り、背景の眉山が水面に映えるほどまできれいになりました。

側溝が詰まると、前述の公衆衛生の側面のみならず洪水のリスクも高まります。それを回避するためには日頃のメンテナンスが重要ですが、平日は明るいナイター照明のもと、夜遅くまで大きな声を出しながら活動に取り組む私たちを温かく見守り、応援してくださっている近隣住民の皆様への感謝を込めて、この活動に取り組みました。ヘドロや堆積物の処理には乾燥が必要であったために、回収に時間がかかりましたことをお詫び申し上げます。もちろん災害は発生しないのが最も望ましいのですが、万が一の事態が発生したときに少しでも今日の活動が実を結べば幸いであるという思いです。これからも硬式野球部は地域の皆様とともに歩み、プレーと行動、360度全方向から地域に勇気を与える存在でありたいものです。

 《文責》尾形

2024(令和6)年7~9月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ 勝負の厳しさを知り、「YES」を求めてより高いレベルの「共創」を!! ~

 

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

選手権準決勝で敗れた翌日より、新チームでの活動がスタートしました。メンバーもほとんどが入れ替わり、戦力的にも未知数という中で、全員で声を出し、全力プレーで野球を愉しんでおります。

秋季大会はベスト8進出を果たしましたが、まだまだこれからの成長が楽しみなチームです。ここからは新チーム始動以降、9月までに行われました練習試合の結果について、結果と概要をお知らせします。

 

7月31日(水)

 城南 ● 3  -   5  小松島
 城南 ● 4  -   9  小松島
8月3日(土)

 城南 ● 1  -   4  岡山城東(岡山)
 城南 ● 6  -   8  興譲館(岡山)
8月5日(月)

 城南 ● 7  -    10    小松(愛媛)

 城南 ○ 5  -   1  今治西(愛媛)

8月11日(日)

 城南 ● 3  -   4  城東
8月12日(月)

 城南 ● 5  -   10  徳島北
    城南 ○   7     -  3  徳島北
8月18日(日)

 城南 ○ 2  -      0     高瀬(香川)
 城南 ○  14    -    12   高瀬

8月24日(土)

 城南    ● 3    -      5      尽誠学園(香川)
 城南    ● 6    -    15      尽誠学園

8月25日(日) 

 城南 ● 2  -   3   松山聖陵(愛媛)
 城南 ● 2  -   4   松山聖陵(愛媛)

9月1日(日)

 城南 ● 2 -    5   藤井(香川)
 城南 ○    6 - 2   藤井(香川)

9月9日(月)

 城南    ● 7  - 12   高松北(香川)

 城南 ○    5     -     2      高松北

9月10日(火)

 城南 ○ 9     -     0      丸亀(香川)

 城南    ○ 7     -  0      徳島北

9月29日(日)

 城南 ● 3  -   4  川島

 

下級生のときからレギュラーとして活躍してきたメンバーが多く、実力・経験ともに豊富で練習試合での勝率が非常に高かった前チームとは違い、大会への出場経験の浅いメンバーが多く、新チームへの移行の難しさと勝負の厳しさを実感させられる試合が続きました。その中でも2年生を中心に最後まで諦めない、執念に満ちた戦いを展開し、今までのチームの強さとはまた違った新しい強さを身につけたことが、秋季大会での躍進につながったと思います。人格者の集まりである2年生がムードを形成し、勢いのある1年生がのびのびとプレーして共創を展開する空気感が、チームを上昇気流に乗せています。

まだまだベンチワークという面では未熟な部分が多々見られ、そこが改善されるとより強くなるのではないかと思われます。バット引き、グラブや飲料の受け渡し、捕手の防具装着補助…ベンチ入りメンバーは試合に出ていなくとも、チームを勝利に導くための重要な戦力ですから、人数だけは多いけどそのクオリティが低い、というのは論外です。ベンチ入りメンバー全員が機能し、人数相応のクオリティを発揮してこそ強いチームになるのであり、小中学生への模範を示すものになると考えられます。いかに全員が試合にのめり込むように参加し、出場しているという意識で試合に参加するかが大切です。「全員野球」というスローガンを掲げるチームは全国に何百とあろうと思いますが、本当の意味でそれを体現しているチームはそんなにないと思います。私たちのチームスローガンはそれより壮大な「一球一心 ~ 心はひとつ ~ 」。試合に出場している選手もそうで内戦手も、さらにはマネージャーも1球に対する執念を持ち、心を一つにして戦うのが城南の野球です。

10月からは毎年恒例となっておりますリーグ戦「Liga徳島」に参戦します。並行して11月末までは練習試合も組まれており、2024年シーズンも最後まで成長と躍進のチャンスがあります。後期も引き続き、硬式野球部員は生徒会長を筆頭に、学校を引っ張る中核となります。グラウンドだけでなく、学校や日常生活全体を通じて強さを引き出す取り組みで、まさに360度全方向で勝負できる、上から見ても横から見ても下から見ても良いチームでありたいものです。

毎試合、熱心に応援・サポートしていただいております保護者や御家族の皆様、練習試合で対戦していただいたチームの皆様、大変お世話になりました。今シーズンも最後までよろしくお願い致します。

《文責》尾形 

第77回徳島県高等学校野球秋季大会準々決勝

~ 2024年シーズンの終戦 この冬は本物の「YES」を求め強くなる!! ~

 

10月5日(土)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第77回徳島県高等学校野球秋季大会準々決勝が行われました。

対戦相手は夏の選手権準決勝の再戦となる鳴門渦潮高校です。

《バッテリー》(城南)十川、池田-宮本明(鳴門渦潮)大城-倉橋

《長打》▽二塁打 宮本明、牧本(城) 長嶋、西丸、石本2(渦)

《試合の概要》今大会は一貫して先攻を取って戦い続けてきた城南は、選手権のリベンジを期して戦ったこの試合も3連打による先制攻撃でリズムを作ります。1回表、2番挾谷、3番十川の安打と4番宮本明の中越二塁打によって先制点を挙げます。

しかし1回裏、鳴門渦潮も3安打で1点を返し同点とされます。3回裏に1番打者の二塁打と犠打や失策、連続安打で勝ち越しを許し追加点を挙げられ、1対3となった時点で投手を十川から池田にスイッチします。池田は二死を落ち着いて取り、いったん試合を落ち着かせます。

城南は3回表には先頭の1番牧本、4回表にも一死から6番橋本が安打で出塁しますが、いずれも得点には結びつきません。逆に鳴門渦潮は、5回裏にも3安打で1点を追加し、1対4の3点差で後半戦に入ります。

6回表には先頭打者の3番十川が安打で出塁し、今大会絶好調の4番宮本明に犠打で送らせ、一死三塁のチャンスを作りますが、あえなく牽制でアウトになりチャンスを活かし切ることができません。逆に鳴門渦潮はこの回も安打を積み重ね、2点をさらに追加し1対6とします。

本塁は遠いが、このまま突き放されっぱなしで終わるわけにはいかない。7回表、城南は一死から8番池田が四球で出塁し、犠打で二塁まで進んだ後、1番牧本が左翼方向への二塁打を放ち、再び点差を4点に縮めます。

7回裏の守備では失点で切り抜け、8回表の攻撃。城南は3番十川、4番宮本明の連続安打で無死一・二塁とします。この回に少しでも点差を縮めるため、犠打で走者を進める作戦に出ますが、2者連続で相手投手の好フィールディングに阻まれ走者を進めることができず、ここでも得点には結びつきませんでした。

試合全体で9安打を打ちながらも点差を詰めることができず、大量失点だけは避けたかった8回裏。ここで一死から集中打が飛び出し、3点を追加されたところでコールドゲームが成立し、残念ながら秋はここで終戦となりました。

《試合の総括》先輩方のリベンジを期して戦ったこの試合は、先制点を奪いながらも鳴門渦潮打線の「低く強い打球」という甲子園に結びつけた意識に裏打ちされた18本の安打に、終始圧倒される展開となりました。見事としか言いようのない攻撃は、見習うべきものであり、走塁の向上と合わせて実践できるように力をつけていきたいと思います。この試合では、攻守において記録に残らないミスも出るなど、さらに勝ち上がるためにはまだ力が足りないということが実証され、改めて勝ち続けることの難しさを実感する厳しい試合となりました。

もちろん、試合に負けて選抜への挑戦権を失った、2度までも同じ学校の校歌を聴かされたという結果と事実は本気で悔しいのですが、秋季大会における戦いぶりを総括したときに、チーム事情を知る者としては賞賛すべき、とも感じています。夏の選手権でベスト4に進出したため新チームの始動が遅れ、練習試合でもなかなか勝つことができない苦しい思いをし続け、最初の公式戦である新人中央ブロック大会では1回戦負けという屈辱的な結果に終わりました。秋季大会でも1回戦から難敵との対戦が続きましたが、ここまで勝ち上がり3試合戦うことができたのは大きな成果です。

学校では今週から中間考査が始まり、文武両道の部員たちはこちらの勝負でも全力を尽くして戦います。中間考査が終われば、11月までは練習試合の日程が組まれておりますので、戦う中で冬に鍛えて強くなるための課題を明確にしていきます。

徳島県は、全加盟校が単独チームで参加したとしても30校。つまり、選手権で甲子園に出場できる確率は30分の1であり、そのチャンスは平等に与えられています。部員たちが野球人生において、甲子園を目指すチャンスは2年生にとってはあと1回、1年生にとってもあと3回しかありません。長いように見えて短い高校野球でその夢を実現するためには、各個人がいかに後悔を残さずに取り組むかが重要です。この大会で出場機会のなかった選手も、控えに成り下がっている場合ではありませんし、レギュラーとして出場してきた選手も安泰ではありません。この冬はよりレベルの高い競争を展開し、充実した戦力で戦うための準備期間にしてもらいたいものです。

「萌えいづる春も冬あらばこそ」まずは来年の春季大会では満開となった眉山の桜のもとで躍動し、2025年シーズン最初の主役となれるよう、今年も最後まで「YES」を追求し、文武両道で取り組んでいきますので応援よろしくお願い致します。

皆様、秋の戦いも「全力応援」誠にありがとうございました!!

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球秋季大会2回戦

~  反省点は多くても、試合の目的を達成し3年ぶりのベスト8進出! ~

9月23日(月)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第77回徳島県高等学校野球秋季大会2回戦が行われました。

対戦相手はこの3年で公式戦での対戦成績2勝1敗、対戦するたび激戦となる名西高校です。

《バッテリー》(城南)十川、池田-宮本明 (名西)新見、井内-井上

《長打》▽三塁打 挾谷(城南)▽二塁打 山本(城南) 井上(名西)

《試合の概要》1回表の攻撃は1番牧本、2番挾谷の連続安打と3番十川のバント安打でさっそく無死満塁のチャンス。4番宮本明の遊ゴロの間に牧本が生還し1点を先制します。なおもチャンスが続き、5番三次も安打を放ちますが後続が断たれ得点は1点止まりでした。

城南の先発はエース十川。1回裏に四球と盗塁、安打で無死一・三塁。3番打者を三ゴロに打ち取ったあと、一塁はセーフとなりますが、二塁走者が三塁付近で大きくオーバーランし、挟殺プレーに持ち込んだところで失策が生じ、1点を返され同点とされますが、この日は予定通り5回までを投げ抜き2失点に抑え、勝ち越しを許しませんでした。

5回表、この試合からスタメンに復帰した9番山本が四球で出塁した後、犠打とさらに2四球で一死満塁。4番宮本明が右前に運び(一塁走者のスタートが遅れたため、二塁でフォースアウトになったため記録は右ゴロ)、その間に山本が生還して再びリードを奪います。しかし、簡単に流れを渡してくれないのが名西の強さ。5回裏に安打2本で再び同点とし、そのまま後半戦に突入します。

前半戦は安打7本、2得点、失策3。何をやってもうまくいかない試合展開に苦しみながらも、後半勝負に持ち込みたい。6回表は二死から下位打線2人が出塁しながらも無得点と、前半から続く良くない流れが続き、苦しい戦いを強いられます。

6回裏から、城南の投手は池田に交代しますが、一死から5番、6番各打者の連打でついにこの試合で初めて名西に勝ち越しを許します。

このままではズルズルと負けかねない。しかし、こんなところで負けられない。7回表は先頭の2番挾谷が左越の三塁打を放ち、続く3番十川が四球で出塁し無死一・三塁。4番宮本明が左翼方向へ安打を放ち同点に追いつきます。その後、牽制球が逸れる間に1点を勝ち越し、逆転に成功しました。

7回裏は3者凡退に打ち取り、この試合で初めてリードを守り切ります。その後、池田は8・9回を無安打に抑え、遊撃山本、三塁三次らが野手陣も体を張って守り抜きます。最終的には4対3で勝利し、3年ぶりのベスト8進出を果たしました。

《試合の総括》打線も10安打で4得点とサインミスが目立ち、打線もつながりを欠く悪い流れ。守備では3失策。内容的には決して良くない試合でしたが、最後まで勝利に対する執念を切らさず戦い抜き、勝利という結果をつかんだことが大きかったように思います。

しかし、公認野球規則の1.05には「各チームは、相手チームより多くの得点を記録して、勝つことを目的とする。」という文があり、勝利という結果は私たちが試合の目的を達成したという事実そのものです。

攻守にわたって反省点の目立つ試合ではありましたが、秋季大会の良いところは試合間隔が大きく開くため、戦いながら強くなれることです。次戦まで約2週間ありますので、この試合の反省をしっかり活かして練習に取り組み、より強くなって準々決勝に臨みます。

準々決勝は10月5日(土)13時から徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第2試合で、鳴門渦潮高校と対戦します。今年の選手権準決勝の再戦となりますが、同じ相手に二度までも負けるわけにはいきません。躍進に向けての大一番。ここからの戦いも「一球一心 ~ 心はひとつ ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝の意識で戦い抜きます。 

皆様、本日もそれぞれの場所から応援いただき誠にありがとうございました。

ここからの戦いも全力応援でよろしくお願い致します!

 《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球秋季大会 日程変更について

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

さて、現在開催されております第77回徳島県高等学校野球秋季大会の日程についてですが、9月22日(日)の試合が順延になったため、以下の通り変更となります。

★77回徳島県秋季大会(0922変更).pdf

 

2回戦の日程は9月23日(月)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)12時から行われる第2試合に変更となりました。

2回戦の会場や、準々決勝以降の日程も大幅に変更となっております。ここからの戦いも「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝の意識で戦い抜きます。

皆様、応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦

~ 新しいYESへの第一歩!  ダブルエースと長打攻勢で4年連続の初戦突破 ~

9月14日(土)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第77回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦が行われました。

本校の対戦相手は選手権の主力選手が多く残り、新人南部ブロック大会準優勝と実力を発揮し勢いのある実力校、海部高校です。

《バッテリー》(城南)十川、池田-宮本明 (海部)吉田、黒川-内藤、谷本

《長打》三塁打(城南)牧本、十川、橋本

《試合の概要》城南の先発は、公式戦初登板となる主将の十川。高校入学以来、初めてエースナンバーを獲得した喜びを前面に出すような粘り強い投球を見せ、四死球を出しながらもピンチをしのぎ、3回までを無失点にしのぎます。

試合が動いたのは3回表。城南は二死から1番牧本が左中間への三塁打を放ち、続く2番挾谷の放った右翼方向へのライナーを相手野手が落球し、先制します。さらに3番十川が中越えの三塁打を放ち、リードを2点に広げます。

4回表には先頭打者の6番橋本が右越えの三塁打を放ち、続く7番鈴木の右前安打で1点を追加したところで、海部は投手を交代します。交代直後の対戦となった8番久米が安打で出塁し、二死とはなったものの1番牧本の右前安打でさらに二者生還、リードを5点とさらに広げます。

4回裏、海部は先頭の4番打者が内野安打で出塁し、四球と暴投で一死二・三塁。7番打者を一塁へのファウルフライを久米が好捕しますが、三塁走者がタッチアップという好判断・好走塁で生還し、1点を返されます。二死二塁から死球を与えたところで、ここまで足をつりながらも好投してきた十川は中堅に回り、池田がマウンドに上がります。

エースナンバーの十川がチームの主将なら、「投げる生徒会長」池田は学校の主将。背番号10は少年野球や中学野球では主将の背番号ですが、1の下に0が下についてもその責任感を十分に、このピンチを投ゴロに打ち取り最少失点でしのぎます。

しかし、簡単に勝たせてくれないのが大会の怖さです。5回表、6回表の淡泊な攻撃で三者凡退に打ち取られた流れが、海部を勢いづかせます。6回裏、海部は先頭の4番打者が内野安打で出塁し、5番打者が内野手の失策で出塁・進塁し無死二・三塁とします。右飛を挟んで代打に起用された選手の中前安打、さらにバント処理のミスなどで3点を返され1点差まで詰め寄られますが、最後は牽制でアウトを取り、なんとかリードを守り切ります。

このまま相手のペースに持ち込まれないように、何が何でも1点が必要な7回表。先頭の1番牧本が失策で出塁し、2番挾谷の右前安打と3番十川の送りバントで一死二・三塁。4番宮本明の遊ゴロ間に牧本が生還し、1点を追加します。9回表にも牧本、十川の安打で1点を取り、リードを最終的には3点に広げます。

池田は7回以降を無失点に抑える力投を見せ、野手陣も5失策とミスは目立ったものの要所をしっかり締め、4年連続の初戦突破となりました。

《総括》新人ブロック大会では1回戦敗退という厳しい結果となり、公式戦勝利に「NO」を叩きつけられたわけですが、その悔しさを胸に取り組んできた練習の成果が発揮され「全員で勝つ」という執念がしっかり伝わる好ゲームでした。十川、池田がダブルエースとしての機能をしっかり果たし、厳しい局面をしっかり乗り切ったことが集中打を生み出しました。長打攻勢は低い打球で野手の間を抜き、全力疾走との相乗効果で生まれるものです。

そして、このチームの本当の強さはチームワークであることが証明されました。この日は主力選手2名が体調不良のために欠場し、1年生の武市が緊急出場しましたが、その役を見事にこなす好守を随所に見せました。この背景に、実戦経験の浅い選手が出場してもプレーしやすいよう、全員で盛り上げる姿が見えるとともに、「来週は全員で、このグラウンドで勝つ」という執念も見られました。主力メンバーが入れ替わりで体調不良による離脱、という厳しい状況になった前チームの春季大会でも「ここにいないメンバーのためにも絶対に勝とう」と声を掛け合う光景は見られましたが、その伝統もしっかり継承しているところに心強さを感じます。会場が学校から遠い上に、3年生が模試と重なったため生徒の応援は非常に少なかったのですが、1年生マネージャー4名がベンチにいても分かるほどの大きな声を出し、応援を引っ張る姿は圧巻でした。

逆境にはめっぽう強く、むしろ自分たちの勝つ流れと捉えて戦えるのが進学校。部員たちはグラウンドでの練習だけでなく、学校生活の中では質の高い授業や学校行事、質と量が充実した学習課題など、様々な試練と全力で戦っていますから、逆境こそむしろチャンスなのです。例えば試合の途中、中断や継続試合も覚悟するような降雨の時間帯がありましたが、そこでも集中力を切ることなく戦い抜くことができました。失策5という数字はこれからの戦いにおいては大きな課題ですが、次戦までに1週間の猶予が与えられ、戦いながら戦力を整備できるのが秋季大会の良さです。そこをチャンスとして捉え、ここからも戦うごとに強くなるチームを目指していきます。

さらに、先代からテーマとされてきた「イレギュラーへの対応」。この日は球場の放送機器の不具合が原因とみられますが、勝利した後の校歌の演奏が流れませんでした。そこで審判団に促され、演奏なしで校歌を歌いましたが、非常に一体感のある歌唱と声量で球場中を魅了しました。1年生にとっては校歌が課題曲に指定さえ、クラスメイトとともに歌ってきた合唱コンクール、全学年にとっては体育祭の結びの恒例行事として、校歌を全校生徒で肩を組んで歌ってきた成果が現れた瞬間でもありました。指導者3名にとっても、野球人生の中で忘れられない校歌だったように思います。まさに生徒会長の池田がスローガンとして掲げ、目標とする「YES!城南」の1歩目にふさわしい、ナイスゲームを展開しました。

雨天による大会2日目の全日程順延に伴い、次戦は9月23日(月)に阿南市のアグリあなんスタジアムで行われる第1試合、名西高校との対戦が決まりました。

まだ秋の戦いは始まったばかり。ここからの戦いも「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝の意識で戦い抜きますので、応援よろしくお願い致します。

~ ここからも、このチームのYESを追求し続けるチームに、全力応援で力を貸してください!! ~

《文責》尾形

令和6年度徳島県高等学校野球優秀選手表彰について(ご報告)

~ 126年目の主将に贈られた 名誉の証 ~

9月5日(木)の徳島県高等学校野球秋季大会開会式・抽選会に先立ち、令和6年度徳島県高等学校野球優秀選手の表彰式が行われました。本校からは前主将の島 凜太朗くんが受賞しました。

島くんは主将として、高いコミュニケーション能力と指導力を発揮し、多様な個性を持った部員をうまくまとめチームを活性化させたことから、部員はもとより指導者からの信頼も厚い部員です。

攻撃面では4番打者として、チャンスの場面では無類の勝負強さを発揮し、春季大会ベスト8進出、選手権ベスト4進出の立役者となりました。

捕手としては、タイプの異なる本校投手陣の持ち味を最大限に引き出すことで相手打者に的を絞らせない秀逸なリードを見せたことはもちろん、強肩かつ確実な送球で高い盗塁阻止率を誇り、多くのピンチを最小限に防ぐことに貢献し、チーム全体の守備力向上に大きな役割を果たしてきました。

学校生活においても時間を有効に活用して学習に取り組む姿勢は模範的であり、2年生では生徒会副会長を務め学校生活の充実に貢献するなど、野球以外の側面でもリーダーシップを発揮する場面が多く見られました。

まさに城南高校硬式野球部の「顔」と呼ぶにふさわしい島くんの受賞はチームにとっても非常に名誉なことであり、来年度も秋季大会抽選会は受賞者も同行、という流れが定着するよう、後輩たちにも後を続く存在になってほしいと思います。

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球秋季大会 組み合わせについて

~ 一戦ごとに強くなり、新チームの「YES」を追求せよ!! ~

9月5日(木)、徳島市の徳島県教育会館で第77回徳島県高等学校野球秋季大会の組み合わせ抽選会が開催されました。抽選結果は以下の通りです。

77回秋季_組合せやぐら.pdf

本校の初戦は月14日(土)に阿南市のアグリあなんスタジアムで行われる12時00分からの第2試合、海部高校との対戦となります。

本校の入ったゾーンには夏の主力が多く残る海部高校をはじめ、本校が選手権準決勝で対戦し、夏の代表校となった鳴門渦潮高校など勢いのある実力校が揃う激戦のブロックとなっております。新人ブロック大会では1回戦敗退を喫するなど、まだまだ戦力的には未知数の新チームですが、一戦ごとに強くなるには最高の組み合わせであると思っております。

夏の選手権と同様、意識はこの大会を通じて一戦必勝で勝ち上がり、14年ぶりの選抜出場につながるよう戦い抜きます。

皆様、応援よろしくお願いします。

《文責》尾形

2024(令和6)年度徳島県高等学校野球新人中央ブロック大会

~ 甲子園という「夢」の最高傑作完成に向けて、ゼロからの壮大な下書きが始まった ~

8月9日(金)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で徳島県高等学校野球新人中央ブロック大会1回戦を戦いました。

対戦相手は徳島市立高校です。

《バッテリー》(城南)池田-宮本明   (徳島市立)岡山,矢野-水口

《長打》▽三塁打 (城南)宮本明 ▽二塁打 (城南)和泉,橋本

《試合の概要》城南の先発は「YES!城南」のスローガンを掲げ生徒会長選挙に当選した投げる生徒会長・池田。試合前には円陣の中心に立ち、選手権ベスト4の立役者となったメンバーがほぼ総替えとなり緊張するメンバーに「緊張をほぐすには垂直跳びが良い」声をかけ、全員で一斉にジャンプ。チームの離陸を促しました。

1回表、その池田が三者凡退に打ち取ります。1回裏は1番牧本が初球をとらえ、右前に安打を放ち、続く2番大元も四球で出塁し、3番十川が犠打で送りチャンスを広げますが、無得点に終わります。

2回表には失策とスクイズで1点を先制されます。2回裏は先頭の6番河端が四球を選び、7番池田の犠打で一死二塁。8番和泉の初球を左翼線に運ぶ二塁打ですぐに同点に追いつきます。なおもチャンスは続きますが、残念ながら勝ち越しは叶いませんでした。

走者は出しながらもあと一本が出ない、攻撃のリズムが課題の3回表。この回には安打2本と四球、暴投などにより2点を献上し、再びリードを許します。

チャレンジャーは消極的なプレーをしたら終わり。前半の間になんとしてもリズムを取り戻したい城南は4回表、5回表の徳島市立の攻撃を池田は気迫の投球で合計4奪三振、3者凡退に抑えます。5回裏には四球で出した走者が暴投や失策で生還し、さらにチャンスが続く中、先代の4番捕手から勝負強さを引き継いだ宮本明がカウント3ボールから振り抜いた打球は左中間への三塁打となり、またしても同点に追いつきます。

この戦いは、先輩たちがあと一歩まで迫りながら果たせなかった「甲子園出場」という最高傑作を完成させるための壮大な下書き。全く新しいチームになった以上、その下書きをしっかりやり切ることが夢実現への絶対条件となります。そのためには、後半勝負に持ち込み、後半こそしっかり勝ちたい。後半最初の守りとなる6回表も三者凡退に打ち取り、6回裏は二死から8番和泉がこの日2本目となる左翼への二塁打を放ちます。さらにチャンスが続くこの場面で、代打に起用された橋本が左翼線に二塁打を放ち和泉が生還し、この試合初めて城南がリードする展開となります。

しかし、タダでは勝たせてもらえないのが新チームの戦い。7回表に四球と安打2本で再び同点とされます。7回裏も二死から走者を2人出しますが、勝ち越しにはつながりません。8回表にも安打2本と失策で1点を取られ再び勝ち越されますが、しっかり声も出ており諦めないムードは切れずに続きます。どうにか守り切って、1点差で8,9回の攻防を迎えたいという展開でしたが、9回表にもスクイズで1点を追加されます。しかし、それでも簡単に気持ちは切れない。これ以上の失点を許したくないという気持ちはプレーに発揮されます。4番打者の左翼への大飛球を牧本が追いつき、スーパーキャッチ。2点ビハインドで9回裏を迎えます。

先頭打者は先ほどの守備で見事な好守を見せた1番牧本が四球で出塁し、なおも2番大元が左前への安打で続き同点までの走者を出します。しかし後続が続かず無得点に終わり試合終了。シード権の獲得につながる新人中央大会への出場権獲得を逃しました。

《試合の総括》ひとことで言えば、いかにも新チームらしい試合でした。ミスが必ず失点につながり、逆に得点のチャンスも多くある。勝敗の差を分けるのは、いかにピンチで失点を防ぐか、取るべきところで得点に結びつけるかといった「意識」の差です。このチームはまだまだ未完成、まさに最高傑作完成に向けた壮大な下書きの段階です。今の行動は、将来に必ず影響する。今の意識は、今後のチーム浮沈のカギを握っていると考えられます。公式戦で勝つのは、簡単なことではない。それを十分に思い知ったチームとして、今日の敗戦から「まだ」勝てないと思うのか、「もう」勝てないと思うのかには大きな差があります。このチームは、間違いなく前者であると確信しています。ここからが勝負です。

チームは敗戦翌日から、秋季大会での躍進を目指し活動に取り組んでおります。8月16日(金)に行われた中学生体験入学には、40名近い中学生が部活動体験に参加しました。先輩方が残してくれた城南高校硬式野球部に対する、良いチームであるというイメージによるものだと思います。秋季大会以降の戦いをもって、さらに応援してくれる人が増え、野球少年にとっても将来は部員として躍進に貢献したいと憧れられるチームに成長したいと願っています。当日は非常に過酷な暑さの中、応援していただき誠にありがとうございました。

「一勝懸命」チーム一丸となり、より一層の成長を目指します!!

《文責》尾形

2024(令和6)年度徳島県高等学校野球新人中央ブロック大会 組み合わせについて

~ 新チーム初の公式戦、ここからも一戦必勝!! ~

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。

選手権徳島大会準決勝で敗れた翌日より新チームは活動を開始し、メンバー総入れ替えの状況から全員が活躍のチャンスを見いだそう、と熱く練習に取り組んでいます。

8月1日(木)に新チーム最初の公式戦となる新人中央ブロック大会の組み合わせ抽選会が行われ、組み合わせが以下の通り決定しました。

2024(R6)新人ブロック大会組み合わせ(中央).pdf

本校の初戦は8月9日(金)14時30分から、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第3試合で、徳島市立高校と対戦します。

秋季大会のシード権獲得を懸けて戦う新人中央大会への進出を目指し、夏の選手権同様に一戦必勝で勝ち上がることができるよう全力で戦いますので、応援よろしくお願い致します。

なお、今大会の観戦は無料ですが、駐車場に限りがありますので、ご来場の際には乗り合わせ等のご協力をいただければ幸いです。

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会準決勝

~ 城南の夢は後輩に託す!夢に近づく一歩を踏み出した3年生 執念のラストゲーム ~ 

7月27日(土)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第106回全国高等学校野球選手権徳島大会準決勝が行われました。対戦相手は鳴門渦潮高校です。 

《バッテリー》(城南)國平,馬詰-島(鳴門渦潮)岡田-藤原 

《長打》▽本塁打 (鳴門渦潮)岡田,森高 ▽二塁打(城南)島(鳴門渦潮)藤原2,岡田,福山

《試合の概要》城南の先発は、今大会非常に安定した投球でベスト4進出の立役者となった先発の國平。しかし、この日は鳴門渦潮は1回表から打線が爆発し、失策なども絡んで4点リードとされます。なおも3回表には3連打を浴びさらに1点を追加され、無死満塁という場面でエース馬詰が登板します。馬詰はこの回を無失点に抑えますが、4回表には4番の岡田選手に本塁打を打たれ前半でリードを6点に広げられます。対する城南はチャンスを作りながらもあと1本が出ず、無得点で前半を終えます。

グラウンド整備後、後半戦開始前の円陣には、準々決勝で死球を受け、骨折で無念の欠場となった大川が立ち、気合いを入れます。6回表、7回表は野手陣の堅実な守備もしっかり盛り立て、無失点に抑えますが、8回表に3番の森高選手に左翼スタンドへ本塁打を打たれ、7点差となります。

この攻撃で、最低でも1点取らなければコールドゲームが成立してしまう8回裏。城南は2年生で唯一、1けた背番号を背負う十川を代打に起用し、右翼線に安打を放ちます。後輩の作ったチャンスを生かすのは、やっぱり先輩の仕事。1番大野も安打で続き、無死一・三塁とします。その後、2者連続三振で二死一・三塁と絶体絶命の局面を迎えますが、4番島が中前に安打を放ち、1点を返します。チームの最後まで諦めない執念でコールドゲームを阻止し、9イニングを戦う権利をつかみます。

9回表は3年間の集大成ともいえる馬詰の力投と堅実な守備で三者凡退の無失点に抑え、9回裏は反撃を期して攻撃しますが、3者凡退で試合終了。9年ぶりとなる決勝進出、城南高校として夏は初めてとなる甲子園出場の夢は、後輩たちに託されました。

《総括》ここまでの3試合と異なり、リードされた展開から始まったこの試合は終始劣勢に立たされ、非常に苦しい戦いを強いられました。一戦必勝の姿勢を崩さず4試合にわたる炎天下での過酷な戦いを展開し、甲子園まであと2勝というところまで迫りましたが、最後は力が及びませんでした。それでも、9回まで戦い切ることができたのは126年の伝統が支える執念と、応援の力によるものであったことは間違いありません。

試合終了後も、たくさんの応援に訪れた皆様が、ミーティングの間も待っていました。結びに、3年生の選手10名、マネージャー2名が一人ずつ、あいさつをしました。「応援の力でベスト4まで来ることができた」「小中高やってきた中で一番楽しかったです」「こんなに多くの人が応援にきてくれて、僕の野球人生の中では一番の日になったと思います」といった応援に対する感謝の思いを言葉にする部員や、「最後の大会は1桁の背番号がもらえませんでしたが、周りの人が声を掛けてくれて、最後まで腐らずできました」「本当にこのメンバーで良かったなと心から思います」「選手のみんなからありがとうって言ってくれて、元気をもらって、城南で、この代でマネジャーができて良かったです」「秋も春も総体も結果が出なくて苦しかったですが、最後の夏、やりきれて良かったです」「みんなと一緒に戦えて野球人生に悔いはないです」といった仲間への感謝の思いを言葉にする部員、「小さい頃からけがばっかりで、お父さん、お母さんにはもっと活躍する姿を見せたかったですが、野球をやらせてくれてありがとうこざいました」と、今まで支えてくれた家族に対する感謝の思いを言葉にする部員など、感謝の思いを伝える相手は様々ですが、このチームで野球ができたことへの感謝をそれぞれの部員が伝えたことに対し、指導者としても万感の思いを持っています。

結びには島主将から「来年もこれだけ応援に来てくれるチームになってほしいと思います」と、後輩へのバトンが託されました。126年目の夏はここで終わりましたが、私たちに勝った鳴門渦潮高校が甲子園の夢舞台に立ちます。城南が立てなかった決勝戦のスタンドには、3年生の主力選手数名が「自分たちに勝った鳴門渦潮に甲子園に行ってほしい」と応援に駆けつけていました。また、1・2年生の新チームも全員で、来年はこの舞台に立つと言う思いで決勝戦を見学しました。決勝戦は徳島県の高校野球の歴史に残るナイスゲームでしたが、悔しい思いをしながらも野球を共にプレーした仲間を応援しようという3年生の姿を見ると、本当にこの3年生と一緒に甲子園に行きたかったな、という悔しさを改めて感じるとともに、これからの人生では野球で身につけた強さを武器に、必ず成功をつかんでほしいと心から願わずにはいられません。

新チームは準決勝の翌日から活動を開始し、8月の新人ブロック大会に向けて練習に励んでおります。大きな成果を残してくれた先輩たちの思いを引き継ぎ、来年で学校創立150周年を迎える城南高校の夢実現を目指して取り組んでいきますので、引き続き応援よろしくお願いいたします。

改めて3年生の皆さん、2年半にわたる高校野球生活でたくさんの感動を与えてくれたことに感謝しております!

保護者の皆様におかれましては、今日に至るまで様々な角度からサポートいただき、充実した活動ができたことを心より感謝申し上げます。

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会準々決勝

~ 攻守に城南らしさ全開の戦いで、9年ぶりのベスト4進出を果たす ~ 

7月25日(木)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第106回全国高等学校野球選手権徳島大会準々決勝が行われました。対戦相手は、前年度優勝校の徳島商業高校に勝ち、勢いに乗る実力校、小松島高校です。 

《バッテリー》(城南)國平-島 (小松島)黒川、三原、黒川-松田

《長打》▽二塁打 (城南)蔭山、中山

《試合の概要》城南の先発國平と小松島のエース・黒川投手の投げ合いで、静かな立ち上がりとなったこの試合が動いたのは3回表。城南は先頭打者の9番遠藤が中前への安打で出塁し、1番大野の犠打と2番松尾のバント安打で一死一・三塁。3番中山の遊ゴロで1点を先制します。

4回表も、先頭打者の5番蔭山が中越二塁打で出塁し、6番國平の犠打で一死三塁。7番大川の二ゴロで2点目を挙げます。

5回表には先頭打者の9番遠藤が打った遊ゴロは失策を誘い、続く1番大野の犠打で二塁に進めます。二死となった場面で、3番中山が左中間への二塁打を放ち追加点を挙げると、4番島が中前への適時打を放ちリードを4点に広げます。

先発國平は丁寧に打たせて取る投球で、前半を1安打無失点に抑えます。野手陣も、特に内野手が軽快なフィールディングを見せ、要所をしっかりと締めます。

グラウンド整備後の6回表。円陣の先頭に立ったエースナンバーの馬詰は「みんな輝いとるで!攻めて、攻めて絶対勝つで!!」と気合いを入れます。この回から小松島は投手が交代し、城南もチャンスを作りますが無得点に終わります。

7回表、先頭打者の2番松尾が左翼線へ二塁打を放ち、3番中山の犠打で一死三塁。4番島の適時打でさらに1点を追加し、5点差とします。5番蔭山の安打、6番國平の犠打でさらに繋ぎ、代打に送られた宮本明の右前への適時打で一気に二者生還。リードをついに、7点まで広げます。

この回を守り切ったらコールドゲーム成立となる7回裏も、國平がマウンドに上がります。この回は二死まで取った後に連打を浴びますが、最後はきっちりと抑え試合終了。城南高校としては、決勝に進出した2015(平成27)年以来となるベスト4進出を果たしました。

《総括》試合には勝ち、内容では勝ったとは言い切れない2回戦と違い、すべての面において理想的な戦いができました。攻撃面では低い打球を打つことを徹底し、取るべきところで得点を取り切ることができました。投手の國平は強打の小松島打線を3安打無失点に抑える安定感抜群の投球を展開し、守備面でも無失策で堅実に守り抜く姿勢が光りました。

この試合のように、どんな展開にあっても「一球一心 ~ 心はひとつ ~ 」のチームスローガンを体現すべく、しっかり戦い抜く姿勢を持っていれば、相手に関係なく勝利に近づくことができると確信しています。2回戦の記事で言及したように、グラウンドの内外でしっかり人間力を高める努力を欠かさない、忙しさを言い訳にせず学習も野球も全力で取り組む部員たちですから、ここからの戦いもしっかり実力を発揮してくれるものと確信しております。

ここまでの2試合と異なり、時間を追うごとに気温が上がる厳しい状況の中、また平日であるにもかかわらず、この日もスタンドにはたくさんの方が応援に駆けつけてくださりました。この日の学校は、1・2年生が全員補習、3年生は選択制の補習がありましたが、午後から補習があるにもかかわらず応援に駆けつけてくれた生徒や、補習が終了し急いで駆けつけてくれた生徒の姿もありました。補習中も「野球部の試合が気になる」と言っていた生徒が多くいたそうです。また、保護者やOBの皆様におかれましては、仕事の日程調整も厳しい中、献身的にサポートしていただいたおかげで最高のパフォーマンスを発揮することができました。私たちは改めて応援の力に感謝するとともに、それに応えるべく次の1勝を積み重ね、恩返しすることを決意しています。

準決勝は7月27日(土)13時30分から、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で、鳴門渦潮高校と対戦します。土曜日ということもあり、「準々決勝に勝てば、観戦に行きます」という人も県内外から多く聞いております。この日残念ながら球場での観戦が叶わなかった人にも応援に来てもらえる状況が整いました。チーム一同、この試合同様に城南らしい戦いで勝つ姿を見ていただけるよう、強い執念を持って取り組みます。

ここからの戦いも一戦必勝、謙虚に次の1勝を積み重ねる覚悟です。

皆様、応援よろしくお願い致します!!

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会2回戦

~ 「本校」のプライドで兄弟対決を制し、5年ぶりのベスト8進出!! ~

7月21日(日)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で全国高等学校野球選手権徳島大会の2回戦が行われました。

対戦相手は脇町高校。城南高校の前身にあたる徳島県尋常中学校の第一分校として創立された歴史を持ち、野球部自体も1898年創部の本校に続き、県内で2番目に古い1900年創部。また、baseballを「野球」という二文字に訳したことで知られる中馬庚氏が校長を務めたことでも知られる伝統校と、徳島県における野球文化発祥校である城南との試合は、徳島の「伝統の一戦」と呼ぶにふさわしい組み合わせです。

《試合の概要》脇町のエース・三宅投手の速球にタイミングが合わず、攻略の糸口を見いだすことができません。守備においても2回裏の連続失策など精彩を欠き、いつ試合の主導権を握られてもおかしくない状況でしたが、先発國平は粘り強い投球で前半を無失点にしのぎます。

試合が動いたのは3回表。8番松島が四球で出塁し、9番遠藤の犠打で二死二塁。1番大野の二ゴロ失策の間に松島が生還し、ようやく1点を先制します。

グラウンド整備後の6回表。先頭の1番大野が左前にしぶとく落とす安打で出塁し、2番松尾の犠打、3番中山の四球で一死一・二塁。4番島が中前に安打を放ち待望の追加点が入ります。さらに5番蔭山が右翼手の頭上を越える二塁打を放ち走者一掃。リードを4点に広げます。

6回裏、脇町は適時打で1点を返しますが、本塁付近での守備妨害で3アウト目となり、城南は大ピンチを思わぬ形で救われます。

城南は7回表、9回表にも1点ずつ追加点を挙げ、後半戦は優位に試合を展開させます。先発國平は打たせて取る投球で後半にかけてペースをつかみ、7回を投げ1失点の力投を展開します。そして8回裏にはベンチで声を張り上げてチームを鼓舞しつつ、出番を待ち望んできたエース・馬詰が満を持して登板し、2回を無失点に抑えます。最終的には6対1で勝ち、5年ぶりのベスト8進出を果たしました。

《総括》徳島県の野球文化を引っ張ってきただけでなく、学校の歴史においてもゆかりの深い両校の対決。最後は「本校」のプライドが勝利を呼び込みました。

前の試合が延長タイブレーク11回、3時間30分を超える激戦ということで心身のコンディション調整が難しい中、安打数では早いカウントから積極的に振ってくる脇町打線に負けながらも、試合を決めるべき場面で集中打が飛び出し試合には勝つことができました。守備でもミスが目立つなど城南らしさ全開とは程遠く、勝ち切るのはそう甘くない、というのが正直な感想です。これから躍進しようと思えばこのままではあかん、という課題が見つかり、もう一度、次の1勝に向けて1球への意識を高める必要があるといえます。ここからの戦いでは改めて「一球一心 ~ 心はひとつ ~」のチームスローガンのもと、しっかり野球を愉しみ、城南らしさを全開に発揮して戦い抜いてほしいと願っています。

終了は19時30分頃と、高校野球の試合としては非常に遅い時間になりましたが、最後まで残っていただいたスタンドの皆様から部員、スタッフに次々とかけられる祝福の声に、いかにチームが多くの人から愛されているかを実感しました。保護者やOBの皆様はもとより、この日のために進学先から試験の合間を縫って来てくれた大学生のOB、試合開始が遅れたことを知り、部活動が終わって急いで自転車で駆けつけてくれた生徒たち、近い将来、城南のユニフォームを着て戦いたいと夢見る小中学生、さらにはケーブルテレビ・インターネットを通じて応援してくれたすべての方が最後まで全力応援していただいたおかげで勝たせてもらえたことを、チーム一同深く感謝しております。

翌日から夏休みに入り、補習も始まりました。私も3年生(1コマ80分)の午前の講義を担当しましたが、あの長い一日から12時間も経過していないにもかかわらず、その疲れを微塵も感じさせず楽しそうに受ける3年生部員、そして球場に足を運んでくれた生徒の姿が誇らしく、まだまだ一緒に野球やろうな、こんな生徒達に応援してもらえるチームに所属して幸せだな、という気持ちにさせてくれます。

準々決勝7月25日(木)10時から、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第一試合、小松島高校との対戦が決まっております。小松島高校は前の試合で前年度優勝校の徳島商業高校に勝ち、勢いのあるチームですが、あくまで一戦必勝の姿勢を崩さず謙虚に戦い抜き、次の1勝を積み重ねる覚悟です。3年生とともに野球ができることの喜びを胸に、次戦に向けて練習に取り組んでいますので、ここからも全力応援でよろしくお願い致します。

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会1回戦

 ~ 伝統の力と新基準の融合で、3年連続となる夏の初戦突破を果たす ~

7月15日(月)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第106回全国高等学校野球選手権徳島大会1回戦を戦いました。

対戦相手は1か月前に総体協賛ブロック大会1回戦で対戦した城ノ内中等教育学校です。

 

《バッテリー》(城南)國平-島(城ノ内)板東、市野-佐藤 

《長打》▽三塁打 佐藤(城ノ内) ▽二塁打 國平2、大川、島(城南)

《試合の概要》

先発のマウンドには背番号6の國平。1回表の守備を三者凡退に打ち取った後は、終始城南のペースで展開されました。

1回裏、敵失と四球で無死二塁。3番蔭山が送りバントを決め一死二・三塁から、4番島が適時打を放ち2点を先制し、さらに6番國平の右翼線への二塁打でリードを3点に広げます。

 

2回裏、先頭の8番松島が四球で出塁し、2番松尾が適時打を放ちリードを拡大させます。

3回表には安打3本で1点を取られますが、きっちりと取られたら取り返します。3回裏は6番國平がこの日2本目となる右翼線への二塁打を放ち、7番大川の二塁打で1点を追加し、さらに8番松島の犠飛でリードを5点に広げます。

相手も同じように一球にかける思いを強く持っているため、簡単に勝たせてもらえないのが夏の恐ろしさ。4回表にも城ノ内の先頭打者、4番佐藤選手の左中間を鋭く抜ける三塁打を起点に、死球と安打で1点を取られます。なおもピンチが続きますが、最後は守り切って最少失点でしのぎ、4回裏も失策で出塁した走者を3番蔭山の中前への適時打で再び5点差とします。

降雨も強くなり、とにかく早く試合を展開させたい5回の攻防。5回表を三者凡退に仕留め、5回裏の攻撃で城南は一気に勝負を決めます。先頭の6番國平が四球を選び、7番大川の犠打に失策が重なり無死一・二塁。8番松島の犠打で一死二・三塁となった場面で9番遠藤が左前への安打を放ち、1点を追加します。さらに1番大野、2番松尾も続けて適時打を放ち、リードを8点に広げます。最後は4番島が右翼線への二塁打を放ち、一塁走者の松尾が一気にホームへ突入し10点差となりコールドゲームが成立。夏は3年連続となる初戦突破を果たしました。

《総括》県内で唯一、同じチームメイトと最長5年半程度プレーできる城ノ内の部員たちは結束力が高く、最後まであきらめないという執念を学びました。各チームとも高校野球の集大成となる夏の初戦を勝ち切ることは本当に難しいですが、春季大会1回戦のときと同様に低い打球を心がける「新基準の攻撃」が効率的な得点につながりました。また、無失策の守備で失点を最小限に抑えることができたのも勝利へのカギとなりました。次戦に向けて課題を修正し、さらに熱い野球を展開します。

部員たちの全力プレーはもちろんですが、試合終了後に球場の外へ出ると、応援席にいた多くの方が私達を待っていたことに感動を覚えました。ベンチ入りを逃した選手やマネージャー、さらには部員以外の生徒も声を枯らして応援歌を歌い、保護者やOBをはじめとした関係者も声援を送っていただいたことが間違いなくチームの勝利を後押ししてくれたことに心から感謝しております。悪天候の中にもかかわらず、応援に来ていただき誠にありがとうございました。

次戦は7月21日(日)第3試合、脇町高校との対戦が決まりました。城南の前身にあたる徳島県尋常中学校の第一分校として開校した歴史を持ち、非常に関係性の強い学校同士の対決となりますが、ここからの戦いも「一球一心 ~ 心はひとつ ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝の意識でしっかり戦い抜きますので、応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会 開会式

~ 徳島の夏の始まりは、城南の1歩から!! ~

7月13日(土)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第106回全国高等学校野球選手権徳島大会の開会式が行われました。

入場行進の先導役は、本校3年生の井元咲良マネージャーが務めました。本校で行われる練習試合の場内アナウンスや部内イベントのMCをこなすなど、明るく社交的な性格でチーム愛に満ちた逸材である彼女は、公募によって選ばれた大役を堂々とこなし、名実ともに城南の一歩から始まる大会としてさわやかな風を巻き起こしました。

先導の井元と国旗、連盟旗、大会旗に続き、前年度優勝校の徳島商業高校を先頭に、抽選番号の大きい順に行進し、チームはプレイヤーズファーストの献身的かつ的確なマネージメントに定評があり選手・指導者からの信頼が厚い松田后那望マネージャーがプラカードガールを務め先頭に立ち、続いて校旗を持ったチームにおける攻守の要・島凜太朗主将を先頭に21名の部員が堂々と行進し、スタンドからベンチ外のメンバーが見守る中、爽やかに夏の始まりを告げました。

いよいよ初戦まであと2日。天気は心配されますが、どんな条件であれ一戦必勝で勝ち上がるのみです。

城南の一歩から始まったこの大会が、閉会式の最後の一歩も城南で結べるよう、チーム全員が勝利をつかむために責任をきっちりと果たし、全力で戦い抜きます。

皆様、今大会も全力応援よろしくお願い致します!!

《文責》尾形

2024(令和6)年7月 硬式野球部活動報告(選手権壮行セレモニー)

~ 最強の応援を受ける私たちは、全力プレーで恩返しするのみだ!! ~

7月6日(土)、第106回全国高等学校野球選手権徳島大会を戦うチームへの壮行セレモニーが開催されました。

このセレモニーでは、マネージャーが硬式野球部OBや部員以外の生徒からの激励メッセージを集めたムービーと3年生保護者による応援動画の上映、マネージャーと保護者会からの千羽鶴贈呈、マネージャーから部員、指導者へのお守りの贈呈が行われました。

マネージャー作成のムービーは3年生が入学時に在籍していた先輩方や多くの生徒が登場し、いかにチームが学校から愛され、応援されているかが伝わる秀逸な作品でした。保護者会による応援動画は、集大成の夏を戦う3年生部員に勇気を与えられる、非常に熱い作品でした。

マネージャーによる千羽鶴の今年のテーマは「笑覇(せいは)」。どんなに苦しい場面でも笑顔で戦い、この夏を制覇してほしいという熱い思いがこの2文字に込められています。マネージャーはこの春に1年生が5名入部し、総勢8名の精鋭たちが力を結集し、この壮大な作品を作り上げました。保護者会から贈られた千羽鶴には、3年生部員12名分のユニフォームをかたどったアクセサリーがついています。部員たちが1日でも長くこのユニフォームを着て戦えるように、との願いを現実にしてほしいと思います。

今年のお守りのデザインはグラブ。各選手、指導者が愛用するグラブをモチーフにしっかり守り抜き、流れをつかんで離さないという願いが込められています。この思いをしっかり受け止め、守備を重視するチームの共通認識をしっかり体現できる夏にしたいものです。

改めて私たちは、たくさんの方に応援していただいていると自覚し、この夏は全力プレーを持って恩返ししたいという思いを強くしました。このセレモニーを主催していただいた保護者会及びマネージャーに、改めて感謝の意を申し上げます。

《文責》尾形

2024(令和6)年7月 硬式野球部活動報告(OB会による激励品贈呈式)

~ バットの基準は変われど、先輩たちの思いのエネルギーは不変! ~

部員たちは1学期期末考査という難敵との戦いを終えた7月4日(木)。

硬式野球部OB会の立石剛会長、海出雄市事務局長が激励のために来校され、第106回全国高等学校野球選手権徳島大会を前にOB会からバット5本とスポーツドリンクが贈呈されました。

今年度からバットは新基準となり、飛距離と打球速度を抑えるための低反発仕様となっておりますが、甲子園の舞台で躍動する後輩たちを見たい、というOB会の皆様の熱いエネルギーは抑えられた反発力を遥かに凌駕するエネルギーとなります。資源価格の上昇等に伴い、バットの価格も値上がりする中、OB会の皆様におかれましては変わらぬご支援をいただき、チーム一同、感謝の意を申し上げます。

あとは先輩方に与えていただいた攻撃力を武器に、この夏を暴れ回るのみです。全力で戦い、一戦必勝で頂点を目指しますので、応援よろしくお願いします。

  

《文責》尾形

2024(令和6)年6~7月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ 意識の差を、結果の差に結びつけるためのtryを続けよう!! ~

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

選手権徳島大会の抽選が決まり、3年生にとっては夏の甲子園に出場したとしても残り1か月程度、と高校野球生活もあとわずかとなりました。ここからは、6月と7月に行われた練習試合について、概要を報告させていただきます。

6月15日(土)

 城南 〇 11 ー 2 加古川北(兵庫)

6月16日(日)

 城南 △ 2 ー 2 東岡山工(岡山)

 城南 ●  3 ー 7 済美(愛媛)

7月7日(日)

 城南 〇 4 ー 2 玉野光南(岡山)

 城南 ●   0 ー 1 玉野光南

「You can do it if you try」

6月16日の練習試合でお世話になった済美高校の室内練習場に書かれているこの文字は、日本語に訳すと「やればできる」という意味です。同校の校歌では「魔法の合言葉」と歌われ、硬式野球部OBのお笑い芸人・ティモンディさんの持ちネタとしても知られていますが、私としては「if you try」こそ本当に大切な要素であると気づかされました。

正直なところ、私自身が「やればできる」という言葉に対しての思考は「you can do it」で止まっていたことに反省すると同時に、一生懸命努力する部員たちと一緒に頑張るのが大好きな私たちスタッフも、前向きな挑戦をサポートすることによって部員たちの可能性をさらに伸ばすことができると信じて取り組んでいます。
特に3年生は、高校野球を引退した直後から受験戦争という新たな戦いが待っています。今後の人生において成功をつかむためには、野球で培ってきたものが活きるよう、日々の練習において前向きな挑戦が求められます。ここまで文武両道を常に意識し、高い次元でそれを両立してきた部員たちは必ず成し遂げると信じています。

意識の差が、結果の差。成功も失敗も本人の意識次第で、より成功に近づけるためには日々の練習により高い意識を持って取り組み、限界を乗り越える挑戦あるのみです。

1本勝負、負けたら終わりの過酷なトーナメントを戦い抜く覚悟を決め、意識を高めるために十分な強豪校との対戦でもしっかりと実力を発揮できるようになりつつあります。どこが相手であっても一戦必勝、取れる点は取り切り、ミスとピンチは最小限に。「チームの勝利のために」自分がやるべきことをやり切る、真の「一球一心 ~心はひとつ~ 」を体現できる夏としたいものです。

 

《文責》尾形

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会 組み合わせについて

~ ここに懸ける、ここから始まる城南高校硬式野球部126年目の挑戦 ~

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

6月28日(金)、鳴門市のアミノバリューホールで第106回全国高等学校野球選手権徳島大会の組み合わせ抽選会が開催されました。組み合わせは次の通りです。

第106回全国高等学校野球選手権徳島大会やぐら(校名フル).pdf

本校の初戦は7月15日(月)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で14時30分から行われる第3試合で城ノ内中等教育学校と対戦します。今大会は29校28チームが出場しますが、シード校を中心に力のあるチームが揃っており、激戦が予想されます。

「意識の差が、結果の差」。126年目の悲願達成に向けて必要なことは、勝利を目指してやるべきことをやり切るチームの意識に懸かっています。その意識は「一球一心  ~ 心はひとつ ~  」全員が一戦ごとに覚悟を持ち、全力を出し切って戦い抜きます。皆様、応援よろしくお願い致します!

※なお、今大会の会場であるむつみスタジアムは駐車場に限りがありますので、応援に来ていただける皆様におかれましては、時間に余裕を持ってお越しください。

《文責》尾形

令和6年度 徳島県高等学校総合体育大会協賛野球中央ブロック大会

~ 賞状の「準」の文字を、優勝への準備の「準」にするために ~

5月31日(金)から6月3日(月)の3日間、徳島県高等学校総合体育大会協賛野球中央ブロック大会が開催されました。

夏の選手権への前哨戦となる戦いという位置づけであるこの大会。126年目の夢実現に向けて、様々な成果と課題を得ることができました。

 

5月31日(金) 1回戦(むつみスタジアム) 城南 12 ー 2 城ノ内(5回コールドゲーム)

※ スコアボードの5回裏の2点は、正しくは1点です。

《バッテリー》(城ノ内)板東,矢野-佐藤 (城南)馬詰-島

《長打》▽三塁打 (城南)島 ▽二塁打 (城南)大野2,蔭山2,島,中山 (城ノ内)板東 

《試合の概要》城南は1回裏に、安打2本で先制すると、その後も長打、単打を絡めて2回裏に3点、3回裏に7点と一気に突き放し、13安打12得点と大勝した。先発馬詰は城ノ内打線に6安打を浴びるなど苦しみながらも力投し、完投勝利を飾った。

 

6月1日(土) 準決勝(鳴門高校グラウンド) 城南 4 ー 1 徳島市立

《バッテリー》(城南)國平-島(徳島市立)玉沢,溝渕-水口 

《長打》▽本塁打 (城南)蔭山 ▽三塁打 (徳島市立)矢野 ▽二塁打 (城南)蔭山 (徳島市立)川田

《試合の概要》

城南の先発國平は打たせて取る投球を展開し、4回までをすべて三者凡退に抑えた。

試合が動いたのは5回表、徳島市立の五番打者に右翼への三塁打を打たれ、その後の連係ミスで1点を先制されます。その直後の5回裏、七番大川がしぶとく四球を選び、八番遠藤のバントは失策を誘い無死一・二塁。九番橋本が送りバントを決め、一番大野が中前への適時打を放ち逆転に成功。さらに二死三塁から三番蔭山が右翼フェンス越えの2点本塁打を放ち、リードを4点に広げます。その後の追加点はありませんでしたが、國平はその後も安定感を発揮し3安打完投勝利。見事、2年ぶりとなる決勝進出を果たしました。

 

6月3日(月) 決勝(むつみスタジアム) 城南 2 ー 14 鳴門(6回コールドゲーム)

《バッテリー》(城南)池田,國平,馬詰-島(鳴門)藤原,酒部-上原 

《長打》▽三塁打 (鳴門)桐川 ▽二塁打 (鳴門)谷口,上原,橋本,大岸

《試合の概要》1回表に鳴門は長短打を絡め5点を先制し、試合の主導権を完全に奪います。対する城南は8安打とチャンスを作るもののあと一本が出ず、終始劣勢に立たされます。5回裏には6番國平のタイムリー安打などで2点を奪いますが、6回表に5点を失い6回コールドゲームで試合終了。2年ぶりの優勝を逃し、準優勝となりました。

《大会の総括》決勝まで戦うことができ、4日間で3試合の経験を積むことができました。うち2試合は夏の選手権の会場であるむつみスタジアムでの試合ということで、この時期に経験できたことは大きなプラスに働くものとみています。

この3試合を通じ、努力家の3年生が得点に結びつく執念の活躍を見せたり、公式戦初出場の選手もしっかり役割を果たすなどの成果も見られた反面、もし夏の選手権で出たら確実に隙を突かれて敗戦につながるような失点も見られるなど、全体としてはこれが城南の野球とは思われたくない、まだまだこんなものではないといった消化不良の試合が続いたことも事実です。

結果としては準優勝。聞こえは良いですが、全く優勝に「準ずる」とは言えません。選手権が終わったとき、この「準」は、優勝への「準備」の「準」で間違いなかったと言えるよう、今後の取り組みが重要になります。

たくさんの方に応援され、学校生活でも組織を動かす原動力である硬式野球部。平日の試合では、短縮時間割が終わってすぐに自転車を飛ばし、急いで応援に駆けつけてくれた生徒や、常に全力応援でチームをサポートしてくださった保護者の皆様…スタンドから盛り上げてくださった皆様の期待に夏こそ応えることができるよう、一体感を持って練習に取り組み、1ヶ月後にはこの球場でより成長した姿を見せてくれるものと信じております。

今大会は平日も含む日程であったにもかかわらず、応援に来ていただき誠にありがとうございました!

選手権での躍進を信じ、チーム一同全力で取り組みますので、今後も応援よろしくお願い致します!!

《文責》尾形

2024(令和6)年3,4,5月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ 硬式野球部から発信する「YES!!城南」38名の部員が新しい「YES」を求めて戦う! ~

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。

本校硬式野球部は4月に1年生選手11名、マネージャー5名を迎え、総勢38名の所帯となりました。人数が増え、チームに一体感を創出することができれば、今後ますますの躍進が見込まれます。

更新が滞っており誠に申し訳ありません。ここからは3,4,5月に行われました練習試合について報告いたします。

3月2日(土)

 城南    0   - 7    玉野光南(岡山)

 城南  8 - 5   玉野光南

3月8日(土)

 城南     3   - 2   高瀬(香川)

 城南 11   - 0   高瀬

3月9日(日)

 城南    4   -  5   高松中央(香川)

 城南  3 - 9   高松中央

3月16日(土)

 城南    4   -  11  尽誠学園(香川)

 城南  6  -    6  尽誠学園

3月17日(日)

 城南    3   -    0  新居浜商(愛媛)

 城南  5  -    0  新居浜商

4月13日(土)

 城南    16   - 1    神戸(兵庫)

 城南   3 - 5    長田(兵庫)

4月14日(日)

 城南   8    -    2   高松西(香川)

 城南   6    - 7 高松西(香川)

4月20日(土)

 城南    3  -   13   阿波

 城南  13  -     2 阿波

4月21日(日)

 城南  6  - 2  板野

 城南  3   -   5  藤井(香川)

4月28日(日)

 城南       0 -     3   加古川西(兵庫)

 城南     10 -    4    小禄(沖縄)

4月29日(月)

 城南       2    -    2   富岡西

 城南        2   -    6   富岡西

5月3日(金)

 城南        4    -    3   観音寺一(香川)

 城南        3    -    2   観音寺一

5月5日(日)

 城南      4  -   3   飾磨(兵庫)

 城南      5  -   0   相生産業(兵庫)

5月6日(月)

 城南  11   -    7      社(兵庫)

 城南       0   -   2      社(兵庫)

5月12日(日)

 城南       4   -   11     神辺旭(広島)

5月19日(日)

 城南     3   - 5  阿南光

5月25日(土)

 城南   12  - 2 東温(愛媛)

 城南     4  - 1 松山東(愛媛)

5月26日(日)

 城南   7 - 0 高松桜井(香川)

 城南 10 - 7 穴吹

 4月に行われた生徒会役員選挙では、期待の2年生投手が選挙で当選し、生徒会長に就任しました。硬式野球部員の生徒会長就任は、2022(令和4)年の春季大会でベスト4に導いた投手以来で実に3年ぶりとなります。また、各種委員会の委員長やホームルーム委員長にも多くの部員が就任するなど、硬式野球部員が学校を動かす原動力になっております。

新生徒会長の掲げるスローガンは「YES!城南」。YESは「はい」という返事や、「よくやった、それでいい」という肯定の意味だけでなく、物事がうまくいった時などの興奮や喜びを表す言葉としても使われます。

城南生の信じる道は正しい、自信を持って突き進め、とプラスの方向に導く合言葉であり、硬式野球部にとっても「YES!城南」は、躍進することで人々に喜びを与えるという決意の表れのようにも感じます。

 

3年生にとっては残りわずかとなり、1,2年生の新戦力にとってもこれからの長いようで短い高校野球生活を後悔なく、充実したものになるよう、毎日新しい「YES」を求めて活動に取り組んでおります。

春季大会では「あと1アウトの重み」を県内どこのチームよりも深く思い知り、野球をさせていただいていることの感謝を胸に「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、夏の躍進を目指して日々の練習に取り組んでいる成果が花開き、実を結ぶことを信じております。勝利を目指して戦い抜く部員たちの姿を、今後も応援していただければ幸いです。

今回は記事の更新が遅れてしまいましたが、今後は少しでも早く広報していきたいと考えております。

皆様、これからも応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

2024(令和6)年度 徳島県高等学校総合体育大会協賛野球中央ブロック大会 組み合わせについて

~ 部員38名、夏の前哨戦を総力で戦います!! ~

4月24日(水)、徳島県高等学校総合体育大会協賛野球中央ブロック大会の組み合わせ抽選会が行われました。日程は以下の通りです。

 2024(R6)総体ブロック大会組合せ.pdf

本校の初戦は5月31日(金)14時30分から、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第3試合で、城ノ内中等教育学校と対戦します。

春季大会準々決勝の悔しい敗戦から、県内のどのチームよりもリードを維持しながら27個のアウトを取り切ることの難しさを思い知った私たちが、試練を乗り越え本物の強さを手に入れることこそ、夏の甲子園初出場に向けての至上命題です。

夏の選手権の前哨戦ともいえるこの大会も「一球一心 ~心はひとつ~」のチームスローガンのもと、全力で戦い優勝を目指します。なお、今大会の入場料は無料です。他競技においては、総体が最後の舞台となる部活動も多くあります。主要大会ごとに応援に来てくれる仲間がその大舞台で戦うにあたり、私たちは背中を押せるような戦いを展開していきます。

皆様、城南高校を「全力応援」よろしくお願い致します!!

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球春季大会準々決勝

~ リードを守り、27個のアウトを取り切る試練を与えられた春 ~

3月31日(日)、阿南市のアグリあなんスタジアムで、第77回徳島県高等学校野球春季大会準々決勝が行われました。本校は、池田高校と対戦しました。


《バッテリー》
(城南)馬詰、國平-島(池田)幸田、香川-關口

《試合の内容》エース馬詰は5回までを無安打に抑える見事な投球を展開し、野手もその投球に応える堅実な守備でリズムよく試合を展開しました。野手陣も1、2回戦とは違い、1試合を通して無失策の堅実な守備でバッテリーを盛り立てます。

試合が動いたのは1回裏。今大会初スタメンとなる1番宮本が中前に安打を放ち、2番國平の犠打と3番中山の右中間への二塁打で一死二・三塁とし、4番島の犠飛で1点を先制します。

4回表には3番中山が敵失で出塁し、4番島が犠打で送り一死二塁。5番馬詰の安打で一・三塁としたところで重盗が成功し、リードを2点に広げます。さらに今大会好調の7番大川が左前に安打を打ち、二塁走者馬詰は果敢に本塁を狙いましたがタッチアウトとなり、3点目とはなりませんでした。

6回から8回にかけても堅実な守りと馬詰の気迫のピッチングで無失点に抑えますが、攻撃面ではこの間、先頭打者を毎回出しながらも得点には結びつかず、2対0のまま9回の攻防を迎えます。9回表、ここまで無失点の好投を続けてきた馬詰が、制球に苦しみながらも二死一塁という局面を迎えます。その後、四球と安打で満塁となり、押し出しと適時打でついに逆転を許しますが、代わった國平が確実に打ち取り、このピンチを切り抜けます。

1点ビハインドの9回裏。まだ終わったわけではないと最後まで声を枯らし続けながら立ち向かいましたが、この回は走者を出すことができず試合終了。2対3で敗れ、2年ぶりのベスト4進出を逃しました。

《試合の総括》2回戦の選手数からさらに体調不良者が増え、15名で戦う非常事態。一人でも「状況が厳しい」と思ったら負けるという中で、全員が共通して持っていた意識は「選手20名全員が揃って校歌斉唱できるまでは負けられない」というものでした。すべての者がチームの勝利を目指して行動・プレーすることによって、好ゲームを展開することができました。結果的には勝利まであとアウト一つというところまで到達しながら、そこを勝ち切れなかった悔しさはしばらく、夢にまで出てくるのではないかと思います。アウトも得点も、取るべきところで取り切らなくてはならない。これは夏への課題として、現状が分かって良かったと捉え、この課題を乗り越え絶対に今度は勝ち切る、というエネルギーにすることが求められます。課題も多く見つかりましたが、苦しい状況でも全員で力を合わせ、決して引かない城南の野球を十分に魅せることができた春の戦いでした。126年の歴史で、先輩方もまだ見たことがない夏の甲子園の舞台に立つという目標を成し遂げるため、明日から学年が一つ上がる部員たちは、成果と課題を胸により一層成長してくれると確信しております。

応援してくださった皆様のおかげで、今大会を戦い切ることができました。

チーム一同、温かいご声援に心より感謝申し上げます!!

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球春季大会2回戦

~ ここにいないメンバーのためにも、雨中の激戦を絶対に勝つ!! ~

3月28日(木)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第77回徳島県高等学校野球春季大会の2回戦が行われ、本校は小松島西高校と戦いました。

《バッテリー》(城南)馬詰、國平-島  (小松島西)早内、村瀬-藤本
《長打》▽二塁打 十川、島(城南)

 

《試合内容》試合が動いたのは4回表。高校の主要大会で初スタメンとなった2人が大きく躍動し、ニューヒーロー誕生を予感させる活躍を見せました。城南は先頭から2つの四球などで一死一・二塁の場面で7番大川が右前に安打を放ち満塁とします。その後、二死満塁の場面で9番遠藤がしぶとく押し出しの四球を選び、待望の先取点を獲ります。さらに1番大野が中前に適時打を放ちリードを2点に広げます。5回表にも安打と失策で1点を追加し、3点リードで前半戦を折り返します。

グラウンド整備後の6回表の攻撃前。円陣の中心に立ったのはこの日、スタメン出場の遠藤。「ここにいない4人のためにも絶対に、絶対に勝ちましょう」との力強い声に後押しされた攻撃は、先頭の8番十川が右中間への二塁打を放ち、9番遠藤の犠打で一死三塁。1番大野が執念で転がした遊ゴロの間に1点を追加し4対0とします。

後半にかけて風雨が強まり、守りにくいグラウンドコンディションの8回裏には、足を滑らせたことによる打球処理のミスや安打で2点を取られますが、同点・逆転を許すことなく9回の攻防を迎えます。

9回表、先頭の2番國平が四球で出塁し、3番中山が犠打で進め一死二塁。4番島が右翼線に二塁打を放ち、5対2とします。

9回裏のマウンドに立ったのは1回戦と同じく國平。守備のミスが出ながらも打たせて取る巧みな投球を見せ、無失点でしのぎ試合終了。選手10名で戦った2022(令和4)年以来となる、2年ぶりのベスト8進出を果たしました。

《総括》直前に体調不良者が相次ぎ、16名で戦うことになったこの試合。選手20名が揃わず、スタメンも2名入れ替えとなった危機的状況で、負ければチームが沈没しかねないという危機を救ったのは投手陣の力投と新戦力の台頭、そして「ここにいないメンバーのために絶対に勝つ」という執念そのものでした。馬詰は8回で12奪三振の力投を展開し、要所を締めて試合を最後まで優位に戦えるリズムを形成しました。当たり前の話ですが、試合に勝つためには、レギュラー9名の力だけでは不可能です。ここまで裏方に徹し、チームの勝利を信じてベンチを盛り上げてきたメンバーが出場し活躍する姿に感動を覚えるとともに、戦力の底上げを実感できたことが非常に心強く思います。そこに続くニューヒーローが続々誕生し、戦い方の幅が広がることが望まれます。

準々決勝の対戦相手は、かつて一世を風靡した「やまびこ打線」で全国的に有名な強豪・池田高校です。ここからも厳しい戦いが予想されますが、選手20名が揃って校歌斉唱するまでは絶対に負けられない戦いです。皆様の応援がいちばんのエネルギーとなりますので、これからも応援よろしくお願い致します。

 

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球春季大会1回戦

~ 126年目の春 「新基準の攻撃」で初戦を制す ~

3月25日(月)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第77回徳島県高等学校野球春季大会の1回戦が行われ、川島高校と対戦しました。


《バッテリー》(城南)馬詰-島(川島)森本-溝口 

《長打》▽二塁打 中山、松尾、蔭山(城南)

《試合内容》

城南は1回裏、2つの四球と犠打で一死二・三塁とし、4番島の中前適時打で1点を先制します。なおも失策と暴投の間に得点を挙げ、初回で3点のリードを奪います。

2回裏には9番松尾が左翼線に鋭い打球を飛ばし、積極果敢な走塁で二塁打とします。さらに四球で走者を増やし、3番中山は左翼線に二塁打を放ち2点を追加、さらに暴投でリードを6点に広げます。

4回表には安打と失策により1点を献上しますが、その後はエース馬詰の力投に野手が応え、失策が出ても次打者で併殺に取ったり、送球が逸れても体を張ったプレーでしのぎ、これ以上の失点を許しません。

グラウンド整備後の6回裏。中押しの追加点が欲しいこの回、先頭の9番松尾が再び左翼線に二塁打を放ち、1番大野の犠打で一死三塁とし、2番國平の二ゴロが野選を誘い1点を追加します。さらに5番馬詰の右前適時打で1点、6番蔭山の左越二塁打で2点を追加し、リードを9点に広げます。9点差で迎えた7回表は6回までを2安打1失点に抑える力投を展開した馬詰に代わり、遊撃手の國平が登板します。國平は1回を無安打、無失点に抑える見事な投球を見せ、この回でコールドゲーム成立。3年連続の春季大会初戦突破を果たしました。

《考察》春の初戦を勝つ、という結果をもたらしたのは、10安打と活発な打線の活躍で終始、優位に進められたことによるものです。2024年シーズンから、高校野球で使用される金属バットはやや細くなり、飛びにくい新基準のバットを使用することが義務付けられています。甲子園球場で行われている選抜高等学校野球大会でも本塁打数が激減するなどの影響が出ており、打球が遠くへ飛びにくくなったということは報道されている通りですが、その反面、芯でとらえてライナー性の当たりを打つことには大きく影響は出ないという声も聞かれます。チームとして「低い打球を打つ」という意識をしっかりつなげてきたことが安打数と得点につながったように感じます。「飛ばない」というマイナス思考より、「いかに攻めるか」というプラス思考が「新基準の攻撃」につながります。一方で、初戦の固さと雨によるコンディションの悪さからミスも多く見られました。2年ぶりのベスト8進出を懸けて戦う2回戦までに修正し、次の勝利を目指します。

皆様、本日もそれぞれの場所から応援していただき、誠にありがとうございました。

2回戦も、皆様と「一球一心 ~心はひとつ~」をシェアできる戦いを展開していきます!!

《文責》尾形

2024(令和6)年3月 硬式野球部活動報告(卒業式)

3月1日(金)、卒業式が挙行されました。前日まで、校内では3年生の担任を務めている部長の「赴任と同時に入学してきた3年生との別れが辛すぎる」という気持ちを示すかのような激しい雨が降り続きましたが、当日は朝から3年生の生徒達の素晴らしい人柄と門出をたたえるような晴天に恵まれ、素晴らしい卒業式となりました。

式の後は、今年も卒業する3年生への送別セレモニーが行われました。昨年度は部員たちが3年間、仲間とともに切磋琢磨してきたグラウンドで行いましたが、今年は前述のような天候でグラウンドコンディションが最悪であったため、「フェアゾーン以外の270度」で戦う力を仲間とともに磨いてきた教室での開催となりました。

セレモニーの司会進行を務めたのは、ホームでの練習試合では場内アナウンスを務め、このようなイベントではMCを精力的にこなす優秀な1・2年生マネージャー3名です。指導者、主将からのあいさつの後、記念品が贈呈が贈呈され、卒業生のあいさつがありました。

選手5名、マネージャー2名、計7名の卒業生からは「特に2年生は、残りの高校生活に悔いを残さないように頑張ってほしい」「(5段階の)成績評定は本当に大事。自分は低かったから推薦を出せなかったけど、みんなは授業や学習を大切にしてください」といった今後の学校生活に対する深いアドバイスや、「県外の大学に進学するのでめったに会えなくなるけど、夏大(なつたい:夏の全国高等学校野球選手権徳島大会の通称)には帰ってくるので頑張ってほしい」「地元に残るので、ときどきグラウンドに顔を出すから、そのときは野球でも勉強でも、何でも相談に乗ります」といった、これからはOB会の一員として最大限に現役生を応援するという意思を示す頼もしいひとこと、さらには「グラウンドでは常に楽しくて、笑顔でいた記憶しかない」という3年間の思い出など、7名がそれぞれの言葉で思いを後輩たちに託しました。

今年の卒業生は、野球では2021(令和3)年の2022(令和4)年の春季大会では選手10名でベスト4に進出した「伝説の10人」の一角として活躍しました。その存在感を示すエピソードとして、2年生の6月に行った修学旅行では練習試合と日程が重なり、当時の3年生と1年生だけで戦った2試合は惨敗となりました。引率していた私も結果が気になり、旅行中の選手から速報を聞いた際には「3年生から電話で、今すぐ帰ってこい!お前らがおらなあかん!!と言われた」という話を聞きました。全員が本当に人格者の集まりですから、様々な場面でいかに信頼されていたかがよく分かります。

この7名を一言で表せば「少数精鋭」。全員が高校野球を引退した後すぐに勉強に切り替え、野球で培った見事な集中力と忍耐力、そして勝利に懸ける執念を発揮しました。7名全員が将来の夢の実現に向けて最も良い進路選択ができたと感じております。中には医学部医学科に進み医師として健康な地域社会とスポーツ文化の発展に貢献することを志す者、教育学部などに進学し、教員として未来の城南高校、そして徳島を支える次世代のリーダーを志す者など様々ですが、卒業生にはそれぞれの道で高校生活、野球での経験を活かし、平和な社会の形成者として活躍してほしい、と心から願っております。

 

3年生の皆さん、卒業おめでとう!

今後の活躍を、チーム一同期待しております!! 

《文責》尾形

2024(令和5)年1月 硬式野球部活動報告(炊き出し)

~ 他校では決して取れない栄養素を補給し、残りの冬に強くなる!! ~

1月20日(土)、硬式野球部保護者会主催の炊き出しが行われました。毎年1月に、部員を激励するための恒例行事として行われていましたが、2020年以降は新型コロナウィルスの感染拡大により中止されていたため、今年は4年ぶりの開催となりました。

この日は朝早くから、保護者会の皆様は豚汁、マネージャーはおにぎりを作り、練習を終えて空腹の部員たちへ効果的に栄養補給する準備を整えていただきました。

天候不順のため、当初は終日練習だったところを午前練習に変更することになりました。

秋季大会は体調不良者の続出と、連戦を戦う体力が不足し敗れました。この屈辱的敗戦以降は課題を克服するべく、管理栄養士による栄養指導を継続して受けております。

選手たちは食事の重要性に気づき、日々の食生活で意識を高め実践することが冬のトレーニングの効果を高めることにつながり、この冬で身体のスケールも一回り大きく、そして強くなっています。良い状態を維持し、より強くなるためには、エネルギーの効果的摂取による疲労からの回復と身体機能の強化が不可欠となります。

今日の豚汁とおにぎりには、保護者の皆様とマネージャーの「チームの躍進に懸ける熱意と愛情」という、目に見えない必須栄養素が豊富に含まれており、間違いなく食品という物質的特徴を超越したエネルギーをチーム全員に与えてくれたと確信しています。

昨年までにも「炊き出しを復活させたい」という声は毎年ありましたが、新型コロナウィルスの感染拡大状況が改善されない中、自粛を余儀なくされてきました。こうした無念の思いで卒業に至った保護者の皆様の思いを、やっと実現することができ、万感の思いです。

改めて、「当たり前の日常」などありません。チーム一同、大好きな野球に取り組むことができる今という瞬間への感謝を忘れず、日々の取り組みに後悔を残すことなく邁進していきたいと思います。

保護者会の皆様におかれましては天候も悪い中、朝早くから準備していただき誠にありがとうございました。

春以降のチームの躍進と、全力プレーによって恩返しできるよう、残りの冬でさらに強くなることを目指していきます。

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球春季大会 組み合わせについて

~ 126年目の球春到来間近 春の主役を目指す戦いの始まり ~

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。

2月17日(土)、徳島市の徳島県教育会館で第77回徳島県高等学校野球春季大会の開会式・組み合わせ抽選会が行われました。

組み合わせは以下の通りです。

第77回_徳島県高等学校野球春季大会_組合せ.pdf

城南高校の初戦は3月24日(日)、阿南市のアグリあなんスタジアムで行われる第2試合(12:00開始予定)川島高校と対戦します。なお、2回戦は3月27日(水)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第2試合(12:30開始予定)で小松島西高校と対戦します。以降はトーナメント表の通りです。

体調不良者が続出し、日程変更と連戦という厳しい条件の中、実力を発揮しきれなかった秋季大会の悔しさを持って、課題に取り組んできた冬の成果を発揮する舞台です。

一戦必勝で勝ち上がり、2024年の球春の主役といえる躍進を目指して「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと全力で戦い抜きます。

皆様、応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

2024(令和6)年 硬式野球部 新年のご挨拶

~ 126年目のスタート 仲間とともに 野球に取り組めることへの感謝を ~

城南高校硬式野球部からの新年のご挨拶に先立ち、1月1日(月)の能登半島地震で被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。1日も早い復興を、祈願しております。

改めまして皆様、明けましておめでとうございます。

今年も城南高校硬式野球部の活動にご支援・ご協力のほどよろしくお願い致します。

チームは例年通り、1月4日(木)から2024(令和6)年の活動を開始しました。活動開始前には監督、部長、副部長から新年の挨拶をした後、学校近くの忌部神社に初詣に行きました。

2024年は正月から能登半島地震に羽田空港における航空機衝突事故の発生、と暗い影を落とすようなニュースが相次ぐ波乱の幕開けとなりました。世界に目を向けるとロシア・ウクライナやイスラエルなど、長く紛争が絶えない地域も存在します。こうした中、晴天に恵まれて野球に取り組めることがいかに尊いことであるかを実感した私たちはこの日常に感謝し、野球ができる平和で安全な環境のありがたみを胸に今日からの活動に取り組んでいきます。

神社への参拝の後は、今年の初練習として神社の石段でトレーニングを行いました。学校へ帰校してからはスタッフ3名と硬式野球部OBの大学生2名による新春初打ちとなるノックを受け、スイング練習とウェイトトレーニングで全日程を終えました。まだまだ正月ムードを引きずる動きの悪い者もいれば、しっかりこの期間に体を動かしてきたんだなと分かる者もいました。この日の様子は様々でしたが、春にはすべてのメンバーがコンディションを整えて、夏の甲子園初出場、来春の選抜出場につなげるべく、「一球一心 ~ 心はひとつ ~」のチームスローガンのもと、126年目の躍進を期して戦います。

今年も城南高校硬式野球部の活動をしっかり発信していきますので、よろしくお願い致します。

《文責》尾形

2023(令和5)年12月 硬式野球部活動報告(OB戦)

~ 青空のもと、世代を超えて野球を愉しんだ1日 ~

12月10日(日)、硬式野球部OB戦が開催されました。OBチームは立石剛OB会長様をはじめ、現役時代にエースとして決勝進出に導いたレジェンドOBや、結束力が高く歴代有数の実力者が集結した創部100周年世代、競争が激しいお笑い界において第一線で活躍中の芸人・中山女子短期大学さんなど、普段は様々な世界で徳島、日本を支える多くの硬式野球部OBが参戦する豪華な顔ぶれとなりました。また、綱島同窓会事務局長様をはじめ、マネージャーOGも現役時代と変わらぬバイタリティーで、さわやかにベンチを盛り上げました。

なお、試合の結果は以下の通りです。

  現役 ⚪ 11 ー  6 OB

  現役 △   4 ー  4 OB

OBとしては「新入生」となる、さわやかな3年生マネージャー2名の始球式からはじまった一日。今年は例年にない晴天のもと、好ゲームが展開されました。

今年のOBチームは、年を追うごとに強くなるOBの皆様の結束力と勝利への執念が体現され、非常に強力なチームでした。特に、百戦錬磨のOB投手陣には見事な投球術を披露され、高校生との対戦だけでは得られない見事な駆け引きを学ぶことができました。

勝負は甘くない、逆にこうして勝つんだということをプレーで証明していただいたことは、チームの生きた財産になります。また、中山さんの姿からは「笑いのプロ」としてチームの盛り上げ方を学び、現役で最も声を出す選手まで完全に圧倒されるという、今まで見たことのないような姿を見ることができました。

さらに、第2試合の9回表には現役の新旧指導者4名が連続して代打に登場し、連続安打で逆転することにより、現役部員に勝負の厳しさを見せつけるという場面もありました。この2試合はOBの皆様が有形、無形の財産を見せてくれたナイスゲームであり、参加者全員が野球を愉しむことができたのではないかと思います。

これからの戦いをもって、城南高校硬式野球部に関係するすべての人が野球を愉しむことができるように。チーム一同、この一日で得た財産をしっかりとチーム力向上に役立てていきたいと思います。

試合開催にご尽力いただきましたOB会の皆様、誠にありがとうございました!

《文責》尾形

2023(令和5)年11月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ 強く戦える理由を手に入れるため、全員で「限界突破」の秋!! ~

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。

城南高校硬式野球部創部125周年となる、2023(令和5)年のシーズンもまもなく終わりを迎えます。

文武両道を高い次元で達成しようと日々、努力し続けている部員たちは12月の2学期期末考査を終え、冬休みを迎えました。2年生は、年明けには「3年0学期」と呼ばれる3学期を迎えるにあたり、理想の進路実現に向けて戦い抜くための心の準備を進めています。1年生は来シーズンの「下剋上」を目指し、「限界突破」を心がけて日々熱心に練習に取り組んでおります。

今回は、秋季大会以降の練習試合について、結果と概要を報告させていただきます。

 10月1日(日)

 城南 ⚫ 4 -  6 鳴門渦潮

 城南 ⚫ 1 ー  8 鳴門渦潮

10月7日(土)

 城南 ⚫ 1 -  9 松山商業(愛媛)

 城南 △ 10 - 10 松山商業

10月22日(日)

 城南 ⚪15 -  1 洲本実業(兵庫)

 城南 ⚪10 -  0 洲本実業

11月5日(日)

 城南    △ 2 -  2 神戸(兵庫)

 城南 ⚫ 2 -  8 長田(兵庫)

11月23日(木)

 城南 ⚪ 2 -  1 阿波

 城南 ⚫ 4 -  7 川島

11月26日(日)

 城南 ⚪ 9 -  1 穴吹

 城南 ⚪ 7 -  5 穴吹

9月末から10月にかけて開催された「Liga 徳島」と並行し、県内外強豪校との練習試合も多く戦いました。秋季大会では実力を発揮し切れたとは言えない状況の中、しばらくは不調も続きました。その厳しい状況の中でも秋季大会で上位に進出し、結果を残してきたチームとの間に圧倒的な格差があるようにも感じさせない、見事な戦いぶりを発揮する一面も見られました。一方で、チームとして、個人としての課題がたくさん現れ、これらを一つずつ乗り越えていくことで本物の強さを生み出すことにつながります。

戦力は、選手だけではありません。マネージャーは毎晩、補食としておにぎりを作り、試合では記録員を務める傍らグラウンドに向けて大きな声で打順と全打席までの打撃結果を伝達することで、チームとして一体感を持って戦うための強さを創出しています。試合に出場することはできないけど、チームの躍進のために尽くしたい。そう思うと、声を出さずには、行動せずにはいられない。チーム愛が原動力の献身的な取り組みに、ベンチのメンバーも、試合に出ているメンバーも「コール&レスポンス」。感謝の思いをプレーでしっかり表明してほしいものです。

先日の体力・技術向上研修会で実証されたとおり、城南高校硬式野球部は間違いなく「選手が育つ」環境です。この冬は、新しいヒーローが次々に誕生するための準備期間です。城南の実力は、まだこんなものではない。そのことは、実際に大会で実力を発揮しなければ証明できません。

2024(令和6)年は春季大会から実力を発揮できるよう、野球人としての初心に立ち返り、ひたむきに努力し続けることが不可欠です。来シーズンこそ、チーム全員で最高の盛り上がりを。この冬は各個人が覚悟を持って取り組み、春には成果として現れることを期待しております。

皆様、今年も一年、応援いただき誠にありがとうございました。

創部126年の2024(令和6)年も、応援よろしくお願い致します!!

 

《文責》尾形

第15回徳島県高等学校野球体力・技術向上研修会

~ 「阿南の空」に見た「明るき極み」のパフォーマンス発揮 ~

 11月25日(土)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第15回徳島県高等学校野球体力・技術向上研修会が開催されました。

この研修会は、沖縄県で行われていた取り組みを参考に2009(平成21)年から開催されており、オフシーズンにおける能力強化へのモチベーションを高めることを目的としています。本校関係では昨年度、ベースランニング部門で大村豪くんが優勝、炭谷敦也くんが8位、ロングティー部門では神戸潤くんが9位入賞を果たしています。過去に遡りますと2020(令和2)年度のロングティー部門では川邊碧海君が歴代最高記録をマークするなど、毎年、高い身体能力を発揮した活躍が見られます。今年度は、部内の練習の一環で行われた記録会で各部門3位以内の記録をマークした8名の選手が、この記録会に乗り込みました。ここでは入賞した記録について紹介します。

《ベースランニング部門》

 第1位 松尾 昭汰 記録:13秒97

《ロングティー部門》

 第9位 馬詰 伸吾 記録:100.34メートル


新スピードスター・ここに降臨。松尾の快走が、ベースランニング部門2連覇をもたらしました。松尾は昨年度こそ出場権を逃したものの、日頃からスピード感あふれるプレースタイルを確立することを意識した練習の成果、部内記録会1位の走力を見事に披露しました。数少ない連続出場組の馬詰も、この日に照準を合わせコンディションを調整してきた成果、エースで主力打者の責任を果たす嬉しい初入賞となりました。入賞を果たしたのはもちろん本人の努力の賜物ですが、出場した他のメンバーの大多数がしっかり部内記録会以上の数字を出すことができ、改めて城南高校硬式野球部は「成長する環境」であることが実証されたように思います。

この研修会で得た自信をさらなる成長につなげるためには、冬の取り組みが重要となります。特に、今回入賞を果たした選手たちは他校からも警戒されるようになると思いますが、警戒されてもはるかに圧倒する力を発揮して活躍できるよう、さらに強化を目指して努力していこうというモチベーションの向上が見られました。また、今シーズンは後半にかけて故障者も発生しましたが、シーズンを通じて戦い抜く体力も並行して高めていきたいと思います。

惜しくもこの研修会への出場権を逃した選手たちは、この日は走り込みを中心とした厳しい練習に取り組み、残留組の1年生は絶対に来年こそ出場したいというモチベーションを持って取り組んでいたようです。

「盛り上がりが足りない」。2023年の日本中の応援シーンで話題となり、城南応援席でも声高に叫ばれたこのフレーズは、秋季大会以降のチームを象徴するようなものであったように思います。最後の見せ場で最高の盛り上がりを創出してくれた2人の活躍は、校歌の一節を借りて表現するなら「阿南の空の明るき極み」。来年に向けた最高のスタートダッシュとなります。チームとして今年の成績を上回り、夏の甲子園初出場という最高の盛り上がりを創出できるよう、この冬も全員がチーム力向上を目指した個々の能力向上をテーマに「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、日々の練習に取り組んでいきます。

この研修会の運営に携わっていただいた関係者の皆様、寒い中応援に来ていただいた皆様、大変お世話になりました。

 《文責》尾形

2023年10月 硬式野球部活動報告(Liga Agresiva徳島)

~ 仲間とともに真剣に戦い、切磋琢磨し、野球を愉しむ ~

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解、ご協力いただき誠にありがとうございます。

今年も9月末から10月にかけて、恒例のリーグ戦「Liga Agresiva徳島」が展開されました。

これは全国各地で行われている『選手たちの未来にフォーカスした』リーグ戦形式の取組み「Liga Agresiva(リーガ アグレシーバ)」の一角をなすものであり、今年の夏に行われた第105回全国高等学校野球選手権大会の出場校では、見事に全国制覇を果たした慶応高校(神奈川)、ベスト8と躍進を果たしたおかやま山陽高校(岡山)など4チームが「Liga Agresiva」参加校であることが話題となり、新時代の高校野球を形成する画期的な取り組みとして全国的に注目を集めています。

「Liga Agresiva徳島」特別ルールの一例として

 ・ 1試合7イニング制で延長戦なし、5回7点差(2023年、5点差から改正)でコールドゲーム成立

   ※ クライマックスシリーズのみ無死満塁からのタイブレーク適用

 ・ 打者は低反発(新規格)バットもしくは木製バットを使用

 ・ バントは禁止

 ・ 投手は変化球の投球禁止(ただし、クライマックスシリーズでは2ストライクから投球可)

 ・ ストライクの見逃しは1球目でもアウト(見逃し三振扱い) などが挙げられます。

        なお、球審を含む審判やボールボーイなどは試合をしていないチームが行い、生徒が主体となって運営にあたります。

本校は2021(令和3)年から参加しており、3度目のシーズンを迎えました。

初年度は選手10名でリーグ優勝、クライマックスシリーズ準優勝、昨年度は選手15名でリーグ準優勝、クライマックスシリーズ優勝と輝かしい成績を残しておりますが、まだ完全優勝には届いておりません。

今年は選手が19名となり、より選手一人ひとりの出場機会を拡大し、経験値を高めることを目指して2年生10名を「ジョー」、1年生9名を「ミナミ」と2チームに分割して出場しました。今年度の結果は以下の通りです。

リーグ戦

9月30日(土) 

 ジョー ⚪  5 -  3  城北

 ミナミ ⚪  9 -  2  連合(つるぎ・城ノ内・池田辻・阿波西)

 ミナミ ⚫  0 -  7  城北

 ジョー ⚪ 14 -  6  連合

10月8日(日)

 ジョー △   6 -  6  徳島科学技術

 ミナミ ⚪  6 -  0  連合(つるぎ・城ノ内・池田辻・阿波西)

 ミナミ ⚪ 13 -  5  徳島科学技術

 ジョー ⚪  5 -  0  連合

 

10月14日(土)

 ジョー ⚪  2 -  1  徳島科学技術

 ミナミ ⚪  2 -  1  城北

 ジョー ⚪  7 -  4  小松島西

 ジョー △   2 -  2  小松島西

 

10月15日(日)

 ジョー ⚪ 14 -  0  吉野川

 ミナミ ⚪  5 -  1  吉野川

 ジョー ⚪  7 -  1 ⚫ ミナミ

 

《結果》

 1位 ジョー 8試合 7勝 0敗 1分

 4位 ミナミ 8試合 5勝 2敗 1分 

《個人タイトル》

 本塁打王、打点王:蔭山凜太郎(ジョー)
 最多安打:中山昌也(ジョー)


 最多勝利投手:大川太陽(ジョー)
 最多奪三振投手:池田晃誠(ミナミ)

クライマックスシリーズ

10月28日(土) 

 1回戦 ミナミ ⚫ 2 - 3 城北

 2回戦 ジョー ⚪ 8 - 0 吉野川 

10月29日(日) クライマックスシリーズ

 準決勝 ジョー  ⚫ 0 - 3 三本松

 今年も残念ながら完全優勝は逃しましたが、選手全員がスタメン出場し実戦経験を積むことによって経験値を高めることができました。また、個人タイトルも打撃二冠の蔭山をはじめ4名が獲得するなど、成果を挙げています。一発勝負のトーナメントでは負けたら終わりですが、リーグ戦は負けても次の試合があり、反省を活かす機会があります。その試行錯誤の過程こそ、逆にトーナメントで発揮するために必要な力をつけるためには不可欠です。そういう意味でも、リーグ戦は選手としての成長を引き出すには絶好の取り組みであるように思います。

高校野球界では、2024(令和6)年度から金属バットの規格が変更され、現行の物より金属の厚みがあり、0.3mmほど細い低反発バットの使用が義務付けられます。高校野球自体が大きく変わる可能性がある中、打球感はこのリーグ戦で経験する状況に近いものとなるため、参加校はいち早く新規格への対応を始めていることになります。私たちはここでの学びを活かし、来年こそは甲子園の夢を実現できるよう課題をしっかり乗り越えていきたいと思います。

今年も運営に尽力していただいた先生方や、共に戦った仲間への感謝とともに、徳島県はもとより全国の参加校の皆様と、これからも野球文化を発展させるグッドフェロー(良き仲間)であり続けたいと心から願っております。

 

《文責》尾形

 

2023(令和5)年10月 硬式野球部活動報告(環境防災活動)

~ グラウンドの外でも強くなれる!目標達成に向けた「すさみ除去」のための勝負! ~

2学期中間考査最終日の10月13日(金)、毎年恒例の環境防災活動が行われました。硬式野球部は今年も、選手は学校敷地の東側にある側溝の掃除、マネージャーは投球練習場付近の草抜きをしました。

3年前は選手10名で、約3時間かけて掃除した側溝。今年は選手19名。硬式野球部がこの場所の掃除を行うのは1年に1回だけですが、年を追うごとに清掃の成果が現れているのか、今年はゴミも少なかったため30分程度で終了しました。

3年前と比べてほぼ倍になった選手の人数。しかし、ただ人数が多いだけでは話にならない。全員が機能しなければ意味を成さない。「人数相応のベンチワークのクオリティー」を創出するべく、部員全員が役割をしっかり果たして取り組みました。

スタッフも試合中の作戦のごとく的確に陣頭指揮を執ったり、側溝の中に先陣を切って入り作業に取り組むなど、チーム全員が協働した結果が、この短時間での清掃完了につながったといえます。

秋季大会以降、練習試合では連敗が続いていますが、このような悪い流れの時期こそ「すさみの除去」が不可欠です。

2001年にアメリカ合衆国で発生した同時多発テロ。その収束に向けて奔走したことで知られる当時のニューヨーク市長、ルドルフ・ジュリアーニ氏は「割れ窓理論」を市政に取り入れ、世界的な犯罪都市として悪名の高かったニューヨーク市を安全な都市に生まれ変わらせたことで知られています。

「割れ窓理論」とは、 1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、誰も注意を払っていないという象徴になり、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。学校でいえば、教室のガラスが割れているのをそのまま放置しておくと、クラスの空気が悪くなることに誰も注意を払わないという象徴となり、クラスや学校が崩壊するということにつながります。それを防ぐために、学校教育の現場においては、少しでも心がすさむ要素があれば、それを排除することが不可欠となります。

ニューヨーク市の場合は、軽犯罪の徹底的な取り締まりによって治安が劇的に改善されたことで知られていますが、この活動の場合はチームにとって「私たちが快く野球をさせていただいている地域への感謝」が原動力となります。

城南高校は活気にあふれる学校ですから、常に一日を通して大きな声が響き渡ります。

硬式野球部の練習や練習試合においても金属音やピッチングマシンの動作音、そして生徒の声、人によってはうるさいと感じることもあろうかと思います。

しかし、地域の皆様がすべて受け入れ、応援していただいているからこそ私たちの活動が成り立っています。私たちは、この環境を作っていただいている温かさに感謝しております。側溝も生活排水の流入で悪臭が漂い、やはり水質も悪かったのですが、少しでもその環境が改善されるように取り組むことで、野球だけではない形で地域の皆様への恩返しができるのではないかと考えています。

自分の利益や損得だけではなく、誰かの幸福のために取り組むことも大切である。人間形成こそが勝利、甲子園、人生の目標へと続く道。文武両道を実践する私たちは野球の練習だけでなく、日々の学校生活や日常生活の中でも成長を目指して取り組んでおります。

《文責》尾形

第76回徳島県高等学校野球秋季大会2回戦

~ 連戦連勝ならずとも、総力を尽くした「グッドゲーム」 ~

9月24日(日)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第76回徳島県高等学校野球秋季大会の2回戦が行われました。

対戦相手は、徳島県では毎年10月に開催されている「Liga Agresiva」で共に切磋琢磨する、城南高校のグッドフェロー(良き仲間)、徳島科学技術高校です。

 《バッテリー》

(徳島科学技術)宮内-中内 (城南)馬詰-島

《長打》

▽三塁打 (徳島科学技術)川原
▽二塁打 (徳島科学技術)大久保,楠,濵野 

《試合の総括》

常にスポーツマンシップの精神を大切にして指導し、フェアプレーで勝利を目指して戦う両校監督の「グッドゲームを共に創ろう」という対話の後に始まったこの試合は、連投という厳しい状況でも気合十分の城南エース馬詰と、スピード以上に打ちにくい球筋が持ち味の徳島科学技術エース宮内投手の好投手対決となりました。

先に試合を動かしたのは城南。四球で出塁した6番馬詰が7番松島の送りバントの間に進塁し、盗塁を決め三塁へ進塁します。9番松尾の四球で二死一・三塁。1番中山が中前に安打を放ち、先制点を挙げます。

3回以降は走者を出しながらも得点に結びつかず、残塁の目立つ厳しい展開となりますが、好守と馬詰の力投で再三のピンチをしのぎます。

5回表、徳島科学技術の攻撃では二死から9番打者にストレートの四球を与え、1番川原選手に投じた高めに大きく外れたボール球を痛打されます。この打球は中越三塁打となり、ここで同点に追いつかれます。

練習試合から課題となっていたグラウンド整備後の攻防。守備に入る前の円陣で、中心に立ったのは主将の島。

「1点差で勝とう。打つから俺に回してくれ」との声かけから始まった後半戦。

6回表、徳島科学技術の先頭打者、3番楠選手の右前への詰まった打球は、右翼松島の懸命のダイブも及ばず二塁打となります。4番打者のコースをうまく狙ったバントが安打となり、無死一・三塁のピンチを迎えます。一塁走者が盗塁し、二・三塁となったところで伝令を送り、続く5番打者をフライアウトに打ち取り、6番打者の遊ゴロを遊撃國平が冷静に本塁へ送球した後、挟殺プレーが決まり二死二・三塁とします。ここで7番濱野選手をカウント上では有利なところまで追い込みますが、高めのカーブを狙い打たれた打球は中越二塁打となり、ついに勝ち越されます。

まだ攻撃は4イニングある。焦ることはない。1点づつ返していくのみだという意識で6回裏以降も攻め続けますが、走者を出しながらもホームが遠い、苦しい展開が続きます。試合の最後まで無失策で守り抜いた野手陣からも、これ以上の失点を許さない、守って流れをつかむという執念が見られました。連投で17イニングを投げ抜いたエース馬詰も、志願の完投で援護を待ちます。 

試合をひっくり返されて以降、1点ずつ返していけば間に合うと攻め続けながらも無得点に終わり、9回裏の攻撃を残すのみになります。

逆転を期して攻めるには十分な、1番中山から始まる好打順。一死から2番國平が四球、3番大野が安打でつなぎ一死一・二塁とします。ここで、チャンスで回してくれと強く願った4番島。低く速い打球は三遊間を抜けるかと思われましたが、遊撃手がノーバウンドで好捕し、すぐに二塁へ転送され二塁走者が戻り切れず併殺となり試合終了。2年ぶりのベスト8進出を逃しました。

体調も万全でない中での連戦という過酷な日程は圧倒的に不利な状況でしたが、最後まで無失策でよく戦い切りました。

勝つことができなかったのはチームの誰もが悔しいですが、まず秋季大会を戦わせていただいたことへの感謝を忘れてはいけません。

野球以外の部分、いわゆる「フェアゾーン以外の270度」で勝負するなら、この秋季大会は1回戦の時点で完敗です。それでもチームを勝たせてくれたのは、保護者の皆様や部員の友人といった関係者の全力応援、全力バックアップの賜物です。いかに苦しい状況でも応援される存在、それが城南高校硬式野球部であり、これからもより応援されるチームであり続けないといけない、と実感する大会となりました。

甲子園を目指すチャンスも1年生は後3回、2年生は最後の夏を残すのみとなりました。ここからは冬にかけて体力強化と新戦力の可能性伸長ですが、春季大会以降の戦いで鍵を握るのは「10人目以降の戦力」と「2番手以降の投手陣」です。

公式戦は春季大会までないので、ここからは長い冬になります。

今大会で感じた選手層の薄さを覆すことができるよう、特に控え選手には控えに成り下がることなく、春にはレギュラー争いに殴り込みをかけられるよう、悔しさを原動力に変えて奮起し、冬に鍛え抜くことで一回り大きく成長することを期待しています。すべての学年に共通することですが、3年生になってレギュラーが取れたらいいな、という悠長な考えでは、下手をすれば来年入学してくる新1年生に一気にポジションを奪われかねません。強気の勝負と共創で、学年に関係なく強い勝利意欲を有し、自己実現のための努力を惜しまない、誰もが認める強い選手がチャンスをつかんでほしいと願っております。

この試合が、秋の四国大会終了後に大規模リニューアル工事に入る鳴門オロナミンC球場で戦う最後の公式戦となりました。完成は2026(令和8)年の予定ですから、今後、生徒たちが高校生の間にプレーできることはありません。

現役の選手だけでなく、監督・部長・副部長の3名も高校野球でプレーした経験のあるこの球場との別れが突然にやってきたということで、淋しい気持ちはありますが、ここまで私たち徳島県の野球人を50年にわたって見守ってくれた球場への感謝を今後の野球人生においても忘れることなく、新しい舞台で飛躍できるチームへと成長を遂げることが球場への恩返しです。工事期間中は学校所在地と同じ、眉山が背後にそびえる徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)がメイン会場となる予定ですが、私たちはこの長い冬に鍛え上げ、春には満開の桜が咲き誇る眉山をバックに躍動することのできる強さを身につけて全力で戦います。

応援していただいた皆様におかれましては、大会開幕前は大変なご心配をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。

重ねて、今大会も全力応援いただき、誠にありがとうございました。今後とも応援、よろしくお願い致します。 

《文責》尾形

第76回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦

~ 大魔境を乗り越え、3年連続の初戦突破!! ~

9月23日㈯、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第76回徳島県高等学校野球秋季大会の1回戦を戦いました。

臨時休校等による日程変更により、1週間遅れの初戦。対戦相手は城南高校とはライバル関係に当たり、練習試合での交流も深い同じ徳島市内の普通科実力校、徳島北高校です。私たちはこの試合を戦えることへの感謝を忘れず、「グッドゲーム」「ナイスゲーム」を共に創ろうという意識で勝負に臨みました。

 

《バッテリー》(城南)馬詰-島(徳島北)日下,山下,日下,赤澤-原田 

《長打》▽三塁打 (城南) 國平    (徳島北) 桒原   
    ▽二塁打 (城南) 中山,馬詰 (徳島北) 高瀨   

《試合の総括》

序盤は徳島北高校エース・日下投手の140KM近い速球にタイミングが合わず、前半に多くの三振を喫しました。先に試合を動かしたのは徳島北。2回表、5番桒原選手に右中間への三塁打、6番高瀬選手に左中間への二塁打を打たれ1点を先制されます。連打を浴びながらも最少失点に抑え、迎えた2回裏。二死から6番馬詰が四球で出塁し、盗塁を決め二死二塁。この日は右翼手としてスタメン出場した背番号3の7番松島がカウント3‐2から右中間に渋く流し打った安打により、二塁走者馬詰が生還しすぐに同点に追いつきます。

その後、3回裏、4回裏にもチャンスを迎えますが無得点に終わり、いつ勝ち越されてもおかしくない状況ながらエース馬詰の気迫の力投、野手陣の懸命の守備で失点を許しません。

グラウンド整備前の5回裏。ついに城南がこの試合初めてのリードを奪います。先頭打者の9番松尾が中前への安打で出塁し、1番中山が送りバントを決め一死二塁。2番國平が広く空いた右翼線方向に流し打った打球は三塁打となり、二塁走者の松尾が生還します。

1点リードで迎えた6回表。守備前の円陣で中心に立った國平の「みんなの力が開花するような戦いにしよう」という言葉から始まった守備は、先頭打者が初球をとらえたライナーを二塁松尾がジャンピングキャッチし1球で一死を取り、その後も遊撃國平の好守、捕手島がこの日2つ目の盗塁刺と、攻めの守備がさらに流れを呼び込みます。

後半最初の攻撃、6回裏は先頭の6番馬詰がフェンス直撃の二塁打で出塁し、7番松島の送りバントの後、8番三次の犠飛で馬詰が生還し、リードを2点に広げます。

7回表、徳島北の先頭打者を四球で歩かせ、安打と内野ゴロで一死一・三塁。7番打者がスクイズを敢行し、城南のリードは1点に縮まります。点を取られた直後の7回裏。徳島北は継投を選び、代わったばかりの投手から1番中山、2番國平の連打でチャンスを作り、3番大野の送りバントで一死二・三塁とチャンスを広げます。4番島を迎えたところで日下投手をマウンドに戻します。その後、二死二・三塁から5番蔭山が右前に安打を放ち中山が生還、國平は本塁タッチアウトとなりますが、再びリードを広げます。

8回裏には先頭の6番馬詰が右翼方向への三塁打を放ち、7番松島が四球で出塁。その後、9番松尾が三遊間をゴロでうまく抜き1点を追加。さらに1番中山、3番大野にもタイムリー安打が生まれ、リードを5点に広げさらに突き放します。

9回表は先頭打者こそ出したものの後続を併殺打に打ち取り、完全に流れを断ち切りました。エース馬詰は119球にわたる力投を展開し、秋季大会では3年連続となる初戦突破に導きました。

体調不良からの復帰者もまだ万全の状態ではなく、序盤は声もあまり出ない苦しい展開が続きましたが、イニングを重ねるごとに本来のプレーが出るようになり、最後はリードを守り切ることができました。

この試合ができたのは、徳島北のスポーツマンシップによる協力なくして語れません。もし従来通りの予定であれば、選手の人数が揃わず、棄権を余儀なくされるところでした。徳島北にとっては1週間待たされて、チームが間延びしてもおかしくないという状況の中、私たちのために条件を受け入れてくれたからこそ今日の試合があったのだと確信しています。改めて、本校の体調不良者続出に際し、より良い形での初戦実施の可能性を模索していただいた皆様と、徳島北の皆様への感謝は尽きません。

加えて、城南の生徒たちの「1点に対する執念」が最後までしっかり発揮されました。2学期以降、苦しい思いに耐えてきた城南高校すべての関係者に、希望の光を呼び込むナイスゲームとなりました。過去に経験したことのない逆境どころか「大魔境」といっても過言ではない苦しみの中でつかんだ勝利は、間違いなく今後のチームにとって非常に大きい財産となります。

2回戦は9月24日㈰14時30分から、鳴門オロナミンC球場徳島科学技術高校と対戦します。連戦となるだけでなく、ここからも実力校が揃い、簡単に勝たせてもらえない相手が続きますが、次の一勝につながるよう「一球一心 ~心はひとつ ~」のチームスローガンのもと、生徒、保護者、OBなどすべての関係者に勇気を与える試合となるよう、全力で戦い抜きます。

皆様、本日はそれぞれの場所から応援いただき、ありがとうございました!

明日以降も応援、よろしくお願い致します!!

《文責》尾形

2023(令和5)年7・8・9月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ そう簡単に勝てるほど、野球は甘くない!厳しさを乗り越えて強くなれ!! ~

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

7月19日(水)に新チームが始動して、約2ヶ月が経過しました。チームは前チームからのレギュラーを中心に、経験豊富な選手たちを軸として、新戦力としての台頭を狙う選手たちと切磋琢磨しながら強化に努めています。

今回は新チームになって戦った、7月後半と8月の練習試合結果について報告させていただきます。

7月22日(土) 

 〇  7  -  5 徳島科学技術

7月26日(水) 

 〇  4  -  0    阿波

7月30日(日) 

 〇  7  -  4 岡山工業
 〇  8  -  1 岡山工業

8月1日(火)

 ●   2     -   7    西条(愛媛)

 △   16  - 16    西条(愛媛)
8月4日(金) 

 〇    4  -  1  岡山城東

 △    7     -    7     岡山城東
8月5日(土)

 △   9  -   9  関西大学第一(大阪)
 〇  12 -   4  関西大学第一(大阪)
8月6日(日)

 ●  5  - 12  今治西(愛媛)
 〇 13     -   3  大崎(長崎)
8月20日(日)

 〇   4     -   3  徳島商業
8月22日(火)

 〇  8  -  1  徳島北
8月26日(土)

 ●   1  -  9  尽誠学園(香川)
8月27日(日)

 △    4   -    4  松山聖陵(愛媛)
 〇  10   -    7  松山聖陵(愛媛)

9月2日(土)

 〇  13  -   11     阿南光

 〇  4  - 3   梼原(高知)

9月3日(日)

 ●        0 - 4   高瀬(香川)

 〇       7 - 0  川之江(愛媛)

各校において、まだチームのスタイルが固まり切っていないこの時期の勝率としては高い部類になりますが、内容に関して言えば悪い意味で新チームらしい、何点リードでも追いつかれたりひっくり返されたりという展開になり、セーフティーリードなど存在しないという大味な試合も見られました。

各選手にとって、格好のアピールチャンスとなる各試合。各個人にとってもチームにとっても攻守に課題が多く見つかった一方で、攻撃面では集中打も飛び出すようになり、ベンチワークを引っ張る上級生やマネージャーの素晴らしい仕事ぶりが見られるなど、チームは確実に成長を遂げています。

相手も強豪校がずらりと並び、簡単に勝たせてくれないようなよく鍛えられたチームばかりで、レベルの高いプレーが生徒達に良い学びをもたらしました。

夏休みと城南祭が終わり、2学期も平常運行へとシフトチェンジが進んでいます。今年は例年にない壮絶なイベントの後に通常授業が再開されましたが、高校生としての平常運行に戻ったときに秋季大会初戦を迎えます。

ここで躍進し、来年春には13年ぶりに選抜の舞台に返り咲くことができるよう、これからも「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、日々の活動に悔いを残すことのないよう全力で取り組みます。

皆様、今後とも応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第76回徳島県高等学校野球秋季大会 組み合わせについて

~ 勝負の秋! 勝ち上がるごとに強くなれ!! ~

9月8日(金)、鳴門市のアミノバリューホールで第76回徳島県高等学校野球秋季大会の組み合わせ抽選会が行われました。

第76回徳島県高等学校野球秋季大会組み合わせ.pdf

日程が当初と変更になり、城南高校の初戦は大会4日目となる9月23日(土)鳴門オロナミンC球場時30分から行われる第一試合徳島北高校と対戦します。

本校の入ったゾーンは今大会の最激戦ゾーンといわれ、城南が新人ブロック決勝で2対3で敗れ、第一シードの鳴門渦潮高校をはじめ、昨年度21世紀枠で選抜に出場したメンバーも残る城東、県内最速投手を有する生光学園高校など有力校が続きます。初戦から実力校が続き、簡単に勝たせてくれないチームとの対戦が続きますが、健康管理をしっかりと行い、一戦必勝で勝ち上がることができるよう全力で戦いますので、応援よろしくお願い致します。

本校が無事、初戦を迎えることができるよう柔軟かつ迅速に日程調整に尽力していただきました高野連関係者の皆様に深く感謝申し上げます。

《文責》尾形

2023(令和5)年度 徳島県高等学校野球新人ブロック大会(報告)

~ シード権は逃しても、秋季大会の躍進に向けた課題と成果を見出す準優勝 ~

8月11日(金)から、新チーム初の公式戦となる徳島県高等学校野球新人ブロック大会が開幕しました。

城南高校の新チームはエース馬詰をはじめ旧チームからのレギュラー4名が残り、秋季大会での躍進に向けて絶対に負けられないこの大会をいかに戦うか。新主将の島を中心に、部員たちが掲げたテーマは「一球一心 ~心はひとつ~ 」いま一度、このチームスローガンの基本に立って戦おう。チームはそのテーマ通りに戦うことができたのかを皆様と一緒に検証すべく、今大会の2試合について報告させていただきます。

8月12日(土)準決勝

 

 

《バッテリー》

 (城南)馬詰 ー 島 (城北)渡邉、米澤 ー 米澤、木崎 

城南は初回から走者を得点圏に進めるも相手投手の緩い速球に苦しめられ、5回裏まで無安打かつ無得点のイニングが続きます。流れは完全に城北、という厳しい展開の中、6回表に外野手の失策で1点を先制されます。

6回裏、3番大野が左前にチーム初安打を放ち、4番島と連続安打で一死一・三塁。5番馬詰の三塁へのゴロが野選となり大野が生還し、同点にします。さらに7番十川が一塁強襲の安打で出塁し、二死満塁。ここで代打に登場したのは春季大会まで主力打者として活躍しながら、ケガで夏の選手権に出場できなかった蔭山。2か月ぶりの打席ではベンチの期待に応え、復活を告げる左前への安打を放ち島、馬詰が生還しリードを2点に広げます。

9回表、城北は3番打者からの好打順。無死からの連打と内野ゴロの間に一死二・三塁。定位置で確実にアウトを重ねたかったところに内野手の手痛い失策で同点に追いつかれますが、最後は馬詰の気迫の投球で8番打者を三振に取ります。

9回表、先頭の8番蔭山が右前に安打を放ち、9番松尾がバントで送って一死二塁。最後は1番中山が中前に安打を放ち、蔭山が本塁にヘッドスライディングで生還しサヨナラ勝ち。すべての失策が失点につながり、なかなかチャンスが得点につながらないという悪循環が目立つ、内容的には完全な負けの非常に苦しい試合を制し、決勝進出を果たしました。

 

 

8月14日(月)決勝

《バッテリー》

 (城南)馬詰 ー 島 (鳴門渦潮)金山、岡田 ー 藤原

《長打》

 ▽三塁打(鳴門渦潮)川口、金山 ▽二塁打(城南)蔭山 (鳴門渦潮)岡田

中央Aブロックは徳島商業高校が自動通過となるため、秋季大会のシード権を懸けて戦う新人中央大会に進出するためには優勝するしかない。しかし、準決勝のような試合をしているようでは勝てない。その反省が、1日を挟んで活きるのかがこの試合最大の見どころでした。

城南は初回から、走者が出てもあと1本が出ない状況が続きましたが、この日は守備も確実に要所を締め、連投となるエース馬詰の力投を支えます。

 

4回表、先頭打者の5番馬詰が四球で出塁し、この日はスタメンの6番蔭山が二塁打を放って1点を先制します。続く5回表は二死一・二塁から5番馬詰が中前に安打を放ち二塁走者國平が生還、リードを2点に広げます。

 

練習試合から課題となっていた整備後の6回表。鳴門渦潮の2番打者が安打で出塁、3番打者がバントで一死二塁。4番打者に左中間へ運ばれ、1点を返されます。さらに、6番打者の打球は中堅手の右を抜け、三塁打になり同点とされます。7回裏には先頭の8番打者を四球で歩かせた後、二死二塁としますが、2番打者の打球は右翼手の頭上を越え、三塁打になり、ついに逆転を許します。

反撃を狙う8回表。先頭打者は公式戦初スタメンの8番松島。渋く右前に安打を放ち出塁し、代走に遠藤が起用されます。9番松尾がバントで送り、捕逸で一死三塁のチャンス。1番中山が二塁へゴロを打ちますが、三塁走者が惜しくも本塁でタッチアウトとなり、同点にはなりませんでした。9回表にもチャンスはありましたが、得点には結びつかず試合終了。準優勝に終わり、残念ながら新人中央大会進出を逃しましたが、最後まで無失策とよく戦い切ったことは高く評価できる一戦でした。

《大会を振り返って》勝負には勝ったものの内容的には完全な負け試合で、反省点ばかりだった準決勝。それに対し、勝負には負けたものの先制、無失策と充実した内容の決勝。対照的な試合ではありましたが、今後の課題と自信を得ることができただけでなく、一戦勝負のトーナメントで負けることの悔しさを強く感じ、チームの成長につながる大会であったように思います。ノーシード確定の秋季大会は、各県3位まで四国大会に進出できるため、県大会では準決勝、決勝で負けたとしても四国大会に進出しさえすれば、そこでの結果次第で選抜出場のチャンスはあります。しかし、夏の選手権では一銭たりとも負けは許されません。新チーム立ち上げから間もない今、負けが許されないトーナメントを決勝まで戦うことができたのはチームにとって良い経験となったはずです。

試合で結果を出し、大会で勝ち進むためには、まず各個人がやるべきことをやり切る。本当に戦うべき相手は「自分」です。日々の練習でしっかり自分に打ち克つことで、大会の勝負どころでの一本を確実に生み出し、要所を締めることが求められます。

また、この大会で良かったのは2年生の控え選手がベンチワークを引っ張っていたことです。本当は出場したいのに叶わず、悔しいはずの彼らが声を枯らし仲間を鼓舞する姿、攻守交代の際に効率よくできるようテキパキと動く姿に胸が熱くなりました。

今年の2年生選手は10名。出場メンバーを2年生で固めたとしても必ず1人は同時に出場できないことになり、背番号においても必ず1人は控えを表す二桁を背負わざるを得ないという厳しい現実があります。

このような状況にあっても一生懸命動く彼らの姿を見ると、次はレギュラー獲れよ、出場したらどうか大活躍してくれ、と心から応援したくなります。これまで、私も「昨年春までの選手10名の時期よりベンチワークが悪い」と酷評し続けましたが、その潮流が変わりつつあります。この姿に倣い、同じく選手10名の1年生も城南の伝統として受け継いでもらいたいものです。

 

これぞ本物の「一球一心」、チームの勝利とメンバーの活躍を願う心はひとつに向かっています。応援したくなるメンバーが多ければ多いほど、様々な力が後押ししてくれる、勝てるチームになります。

皆様、猛暑に加え台風の影響と過酷な条件の中、応援いただきありがとうございました。

秋季大会での躍進を目指し、これからの活動に全力で取り組みますので、今後も応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

 

2023(令和5)年度 徳島県高等学校野球新人ブロック大会

~ シード権獲得に向けて、2位じゃダメ! 一戦必勝で、優勝しかない! ~

8月3日(木)、鳴門渦潮高校で徳島県高等学校野球新人中央ブロック大会の組み合わせ抽選会が行われました。抽選結果は以下の通りです。

新人ブロック大会組み合わせ表(R5年度)_085558.pdf

本校の初戦は8月12日(土)10:00から鳴門オロナミンC球場で行われる準決勝第一試合で、城北高校と城ノ内中等教育学校、つるぎ高校、池田高校辻校の勝者と対戦します。

この大会は新チームになって最初の公式戦となりますが、 中央A、中央B、西部、南部の各ブロック大会における上位2校が、秋季大会のシード権獲得をかけて戦う新人中央大会に進出します。ただし、夏の選手権徳島大会を制し、甲子園に出場する学校に関しては新チーム移行への準備期間が短いため、所属ブロック2位扱いで自動通過となります。したがって、徳島商業高校が本校の入った中央Aブロックの2位扱いで中央大会進出が決定していることから、本校が新人中央大会に進出する条件は優勝以外にありません。

選抜高校野球も四国の出場枠は2校となり、夏の選手権に出られるのは徳島県で1校のみということを考えると、負けて良い公式戦などありません。2位や3位で通過してやろう、という浅はかな考えで甲子園に行けるはずがないので、勝ちにこだわるという意識は不可欠です。その意識を高めるために、負けが許されない状況を経験することは必ずプラスに働きます。

新チーム発足以降、多くの強豪校と練習試合を行う中で、勝負の厳しさを実感しつつ、課題克服とチーム力強化に努めています。いかに勝ち切ることが難しいかを知った私たちはまず、この大会を一戦必勝の意識を大切にし、頂点を目指して戦い抜きます。

皆様、新チームも応援よろしくお願いします。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権記念徳島大会2回戦

~ 最後のアウトを取られるまで諦めない これぞ城南野球の神髄 ~

7月18日(火)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権記念徳島大会の2回戦を戦いました。

対戦相手は春季大会優勝校の阿南光高校です。

《バッテリー》(城南)馬詰、神戸ー上原 (阿南光)吉岡ー井坂

《長打》▽本塁打(阿南光)福田 
    ▽二塁打(阿南光)直江、(城南)馬詰

《試合の概要》この試合のテーマは「守り勝つ」140KM台のストレートとスライダーのコンビネーションで春季大会を一人で投げ抜いた阿南光の2年生エース・吉岡投手を、どう攻略するか。とにかく、流れをつかむまではどんなに厳しい戦いになろうと耐え抜く。覚悟はしていましたが、想像以上に壮絶な試合展開となりました。

先攻の城南は7回表終了まで無安打に抑えられ、突破口を開くことはできませんでした。

一本出れば流れは変わる、そこまで守り切ろうと覚悟して戦う一方、阿南光に2点の先制を許します。

さらに、3回裏には内野手の失策から走者を出し、3番福田選手が放った右翼方向への大飛球はスタンドへ一直線の見事な本塁打となり、リードを4点と広げられます。

4回裏には、ここまで力投を続けてきたエース馬詰に代わり、1回戦で復活登板を果たした神戸がマウンドに上がります。試合当初の想定より早い登板となりましたが、神戸はエースの風格を見事に発揮し、この後8回裏まで5イニング1失点の好救援となりました。

 

その神戸が7回裏、無死一・二塁のピンチを迎えます。ここで右翼方向へのファールフライを右翼手の炭谷が懸命のスライディングキャッチ。二塁走者のタッチアップこそ許したものの、この気迫あふれるプレーはチームの士気を高めます。盗塁で一死二・三塁とピンチは拡大しますが、前進守備で1点も与えられないプレッシャーの中、次打者も遊ゴロに打ち取り、遊撃手の川丘が冷静に処理し二死とします。しかし、二塁走者の飛び出しが大きいと判断して投げた一塁からの送球が悪送球となり、その間に三塁走者が生還。リードを5点に広げられます。5点目の取られ方が悪かったため、無安打のままコールド負けという最悪の状況まで想定しないといけない状況に陥りましたが、ここで簡単に終わらないのが城南の底力です。次打者には中前への安打を打たれますが、この打球を処理した中堅手の大村主将が本塁へ見事なダイレクト送球を決めます。捕手の上原が体を張って本塁に突入する走者にタッチし3アウト目を取り、非常に厳しい局面を何とか1失点で乗り切りました。

給水タイム終了後の8回表。スタンドからは「流れ持ってこい!!」の大声援が聞こえてきます。

その声援が、本当に流れを城南に持ってきました。

先頭打者の5番島がこの試合のチーム初安打を放ち、ついに無安打を阻止します。続く6番上原も安打で出塁し、無死一・二塁。途中から二塁手で出場している7番松尾がバントを決め一死二・三塁。ここから、偉大な3年生の背中を追ってきた2人の2年生による連打で待望の得点を重ねます。8番大野が左中間に運び、島と上原が生還し、ついに2点を返します。さらに降板後、左翼手として出場していた先発投手の9番馬詰が右中間に二塁打を放ち、一塁走者の大野は本塁までの激走を見せ生還し、ついに点差を2点まで縮めます。

その裏の守備でも、右翼手の炭谷が再びファールゾーンへの決死のダイブでフライをつかむなど、流れと勢いは間違いなく城南という球場内の空気を味方につけ、9回表の攻撃を迎えます。一死から4番神戸、5番島が四死球で出塁し一打同点のチャンスを作りますが、後続が断たれ3対5で試合終了。残念ながら2回戦で敗退し、先輩方を超えるベスト8進出は果たせませんでした。

《総括》好投手を相手に無安打が続き、下手をすればコールド負けも想定される劣勢を強いられながらも、最後には観戦していた多くの方から「ナイスゲーム」と声を掛けられる、非常に充実した戦いを展開しました。終わってみれば今大会屈指の好ゲームになり、負けたという結果は悔しいですが、部員たちは本当によく頑張ったと思います。

3年生にとってはこの試合を持って引退となりますが、全員がしっかり実力を発揮した夏であったように思います。

俊足好打とリーダーシップで攻守にチームを引っ張ってきた大村主将、捕手として個性派投手陣をうまくリードしてきた上原、最後にベストピッチングを展開し、エースのあるべき姿を見せた神戸、高いポテンシャルとガッツでチームを鼓舞した炭谷、勝負どころで発揮される強肩・堅守と小技で見せた川丘。この5名の選手に加え、ベンチの主将とも呼べる敏腕仕事人・岡、チームに安心感と癒やしを与えるモチベーター・山田のマネージャー2名。彼らは監督・部長の就任した年度に入学し、選手10名の時代を共に乗り越えた苦しみと輝きを知る最後の学年です。

このメンバーと一緒に戦い、城南高校硬式野球部の新潮流を作り上げたことは私たちの誇りであり、チームの歴史に内容のしっかり詰まった1ページを刻んだことは間違いありません。3年生は、ここからは受験生になりますが、野球だけでなく学校生活、日常生活も含めた「フェアゾーン以外の270度」でのあり方も大切にしてきた部員たちは、360度どの角度からでも勝負できるので、あとは自信を持って人生の大一番を戦い抜いてほしいと思います。

一方で、この試合で悔やまれるミスをした2年生の選手は、悔しい経験を忘れずに日々の練習で実力を伸ばすことで、今後の野球人生における大きな成長へのステップとなるはずです。新チームにはスタメン4名をはじめ、7名の今大会出場者が残ります。翌日から再び、ポジションやキャリアに関係なくレギュラー争奪戦が始まりますが、今のところレギュラーは全席自由席となっております。そこを勝ち抜き、甲子園の舞台に立つことこそ先輩方への恩返しです。

ただし、甲子園に出場するためには今日対戦した阿南光の吉岡投手や春季大会で対戦し、今大会最速153KMをマークした生光学園の川勝投手らを筆頭に、他校にも能力の高い選手が多く残ることから、このような選手を擁する強豪校と対戦したときに「一撃で仕留める」強さが必要になります。その強さを持った熱いニューヒーローの出現を期待していますが、熾烈な競争を勝ち抜いてヒーローになるのは何年生でも良く、グラウンド上の争奪戦には先輩も後輩もありません。

この2試合のためにスタンドで声を枯らし応援してくれた硬式野球部以外の生徒たち、休暇を取るなど調整してまで球場へ応援に来ていただいた保護者会・OB会をはじめとした関係者の皆様、それぞれの場所から様々な形で観戦、応援していただいた全国の皆様への感謝は尽きません。改めて、たくさんの方に応援していただけるチームになったことをチーム一同、感動しており、心から御礼申し上げます。

創部125周年の夏は今日で終わりましたが、次の照準は秋季大会。来年の春には13年ぶり2回目の選抜出場という形で恩返しできるよう、全力で取り組んでいきますので、今後とも応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形 

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会1回戦

~ 何日かかろうと、俺たちは必ず勝つ! 勝負を決めた1点への執念 ~

7月15日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の1回戦を戦いました。

バッテリー》(阿波)小川和,栗栖-多田   (城南)馬詰,神戸-上原

《長打》    ▽二塁打  多田(阿波) 大村(城南)

《試合の概要》

当初、7月10日(月)に行われる予定だった1回戦は天候不順により5日延び、時間帯も変更になったことからコンディションとモチベーションをどのように高めるかが課題となりました。

この日の先発は、総体からエースナンバーをつける2年生の力投派・馬詰。勢いのあるストレートと変化球のコンビネーションで「レッドウェーブ極打線」を標榜する阿波の強力打線を7回2失点に抑え、バックの堅い守備に盛り立てられエースの責任をしっかりと果たしました。

少しでも馬詰を楽にしてやりたいと全員攻撃で臨む城南は3回裏、先頭打者の1番大村の左前への安打と4番神戸の四球で二死一・二塁とし、勝負強さに定評のある5番島が中前に安打を放ち、1点を先制します。

さらに4回裏には渋く内野の間を抜く安打で出塁した7番中山を8番大野が手堅くバントで送り、9番馬詰が四球で歩き一死一・二塁。1番大村の放った右中間への打球は二塁打となり二塁走者の中山が生還し、なおも一死二・三塁。2番川丘がスクイズを決め、三塁走者の馬詰も生還しリードを3点に広げます。

 

5回裏には5番島が安打で出塁し、6番上原の内野ゴロの間に進塁し二死二塁。7番中山がしぶとく転がした打球は一・二塁間を抜け島が一気に生還。前半戦を4点リードで折り返します。

後半戦は相手の継投もあり、攻守ともに押され気味の展開となります。7回表は失策と安打、四球で一死満塁。阿波の1番打者に左前に運ばれ1点を返されます。この打球を処理した左翼手の中山が両足を攣り、担架で救護室へ運ばれるというアクシデントに見舞われ、試合は5分間中断します。その後、中山はトレーナー・看護師の的確な手当てにより見事に回復し、守備に戻ります。再開後、2番打者の犠飛で2点目を取られ二死一・三塁。ここで回ってきた強打の3番打者から馬詰が気迫の力投で三振を奪い、この最大のピンチをしのぎました。

そして8回表。誰もが、この男の復活を待っていた。この回から春までのエースで、ここまで二塁手として出場していた3年生の神戸が満を持してマウンドに上がります。

神戸はベンチの期待に応える安定感抜群の投球で2回をきっちりと抑えます。9回表にはこの試合好調の1番打者を三振に仕留めて試合終了。2年連続の初戦突破を果たしました。

 不完全燃焼で敗退した総体協賛ブロック大会については散々な書き方をしましたが、この試合についてはこれぞ城南野球といえるナイスゲームでした。苦しみながらも最後まで相手にリードを許さず勝ち切る、見事な戦いを展開しました。その裏側には何日かかろうと勝つ、1点への執念を強く持って戦うという強い意識が現れたと言えます。特に3年生は高校野球に後悔を残さないことが大切であり、1点でも多く取る、1点たりとも無駄に失わないという意識は共通テストや入試でも必ず活きる思考です。

度重なる順延の結果、試合が土曜日になったことにより、スタンドで応援してくださる方がいつも以上に多く、盛り上がったことは城南にとって大きな追い風になりました。例えば今年の3月に卒業し、全国へ巣立った硬式野球部の卒業生もこの日のために夜行バスなどあらゆる方法を活用して球場へ駆け付け、ほぼ全員集合となりました。ベンチ入り外の選手はボールパーソンを含めて4名、マネージャーも記録員を除くと5名ということで、部員だけで歌いながら応援するのは難しい人数ではありましたが、卒業生や部員のクラスメイトが大きな声で歌って盛り上げ、スタンドは例年にない活気に充ち溢れました。校歌斉唱の後にスタンドを見渡すと、非常に多くの方が応援に駆けつけてくれたことに気付き、チーム一同、本当に感謝の思いは尽きません。改めて硬式野球部は愛される存在であり、勝つことこそ最大の恩返しであるとの認識を強めました。野球を通じて人生を豊かにするという発想を大切に、次戦も「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと全力で戦い抜きます。

2回戦は7月18日(火)の13時30分から行われる第一試合で、阿南光高校と対戦します。

春季大会優勝の実力校であり、厳しい戦いとなることは予想されますが、相手はこの夏の初戦。どこのチームでも初戦は戦いにくいものですが、私たちが苦しみながらも初戦を勝ち抜いたという経験は必ずプラスに働き、そこに勝機があると考えております。

皆様の応援のおかげをもちまして、1回戦を勝つことができました。2回戦も全力で戦い抜きますので、応援よろしくお願いいたします。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会 日程変更について

~ 日程が変わろうと 一球一心 一戦必勝へ向けて 心はひとつ ~

7月13日(木)に行われる予定だった試合が中止になったことに伴い、今後の大会日程は以下のように変更となりました。

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会やぐら(0713変更1)-1.pdf

本校の初戦は7月15日(土)の8時30分から行われる、第一試合に変更となりました。時間帯や試合順が当初の予定と変更されていますので、応援に来られる際にはご注意ください。なお、今大会の会場はすべて鳴門オロナミンC球場です。

なお、この日程変更によって残念ながら応援に来ることができなくなった方には、ケーブルテレビでの中継・再放送、「バーチャル高校野球」サイト内でのライブ配信もあります。

球技大会でケガ人が出ることもなく、連日の中止・順延となりましたが、連日の猛暑による体力が消耗しやすい状況下においてコンディションを万全に整えるには十分な期間となりました。

私たちは、初戦を待たされているとは思っていません。何日かかっても、勝てば良いのです。そして、土曜日に変更されたことによってより多くの皆様に応援していただけると思えば、この雨は絶対に城南を後押ししてくれています。様々なイレギュラーにもしなやかに対応し、一戦必勝で戦い抜きます。皆様、それぞれの場所から応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会開会式

~ 最高の仲間と共に戦う、熱い夏の始まり ~

7月8日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の開会式が行われました。新型コロナウィルス感染拡大の影響で、開会式の開催は4年ぶりとなりますが、入場行進を見ると本当に球児たちの夏が帰ってきたんだな、という非常に感慨深いものがあります。

鳴門オロナミンC球場は大規模リニューアル工事のためこの秋に解体され、現在の姿で夏の選手権を行うのは今年が最後となりますが、徳島県の野球関係者としてこの姿の最後に開会式を行うことができ、本当に良かったと心から思います。選手入場では前年度優勝校の鳴門高校を先頭に、抽選番号順の逆から各校が入場し、城南高校は岡楓マネージャー、大村豪主将を先頭に勇ましい入場行進を披露しました。

学校へ帰着後、保護者会主催の壮行式が行われました。冒頭に流したマネージャー作成の応援動画は硬式野球部員以外の生徒や卒業生による激励のメッセージが集められたものであり、部員はもちろん私たちスタッフや保護者の皆様にとってもいかに城南高校硬式野球部は愛されるチームであるかを実感することができ、一緒に見たすべての者が感動する、非常に素晴らしい作品でした。

続いて保護者会の皆様が作成した二千羽鶴が、マネージャーからは千羽鶴とお守りが贈呈されました。それぞれにこの夏に懸ける思いが詰まっており、グラウンドに立っている者だけでなく支えてくれている人も一緒に戦っているということを知った私たちは、この3学年で一日でも長く戦おう、という思いを全員で共有できました。 

関係者の皆様におかれましては、本日は非常に暑い中、ご協力いただき誠にありがとうございました。

私たち城南高校硬式野球部は、125年目の躍進を目指し「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝で戦い抜き頂点を目指します。皆様、この夏も応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

硬式野球部OB会による激励品贈呈式

~ 先輩方の思いを乗せた豪打連発を、応援する誰もが待っている!! ~

6月30日(金)、硬式野球部OB会の立石剛会長、海出雄市事務局長が激励のために来校され、第105回全国高等学校野球選手権徳島大会を前にOB会からバット5本とスポーツドリンクが贈呈されました。

新しいバットに少しでも早く慣れてほしいというOB会の皆様による温かい配慮から、昨年度同様にバットは先行して贈呈されており、すでに試合でも使用させていただいております。

応援してくださる皆様の熱い思いに応えることができるよう、一戦必勝で戦い頂点を目指します。OB会の皆様、ありがとうございました。あとは選手たちが先輩方の思いを乗せて、このバットを振り抜くのみです。全力で戦い勝利を積み重ねますので、応援よろしくお願いします。

《文責》尾形

2023(令和5)年6・7月 硬式野球部活動報告(練習試合)

「雨降って地固まる」のごとく ~ イレギュラーへの対応力を高めよ! ~

日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき誠にありがとうございます。

6月は総体協賛ブロック大会からのスタートですが、以前に書いた記事の通り、課題の残る敗戦となりました。練習試合ではその課題克服に向けて取り組んでいます。

今回は梅雨入りした天候同様に不安定なチーム状況の中で苦しみながらも最後まで戦い抜いて勝つ、イレギュラーな状況には必ず対応することで選手権につながるという強い意識を持って戦ってきた、6月と7月の練習試合の結果と概要について、報告します。

6月4日(日)

 城南 ●   8   - 14   徳島市立
 城南 ○  11     -    5   徳島市立

6月10日(土)

 城南 △     1   -  1   阿南光
 城南 ○   5   -  4   阿南光

6月11日(日)

 城南    (雨天のため中止) 加古川北(兵庫)
6月17日(土)

 城南 △   8   -    8   尾道商(広島)
 城南 ●   3   -    4     今治西(愛媛)

6月18日(日)

 城南 ○  15   -      9   高松商(香川)
 城南   ●   6    -   10   小松(愛媛)

6月24日(土)

 城南 ●  5  -  6   観音寺第一(香川)

   城南 ●  5  - 10   観音寺第一(香川)

6月25日(日)

 城南 ○  7  -  0   高松西(香川)

 城南 ●  5  -  6   松山北(愛媛)

7月   1日(土)

 城南    (雨天のため中止) 高松北(香川)

7月  2日(日)

 城南 ●  3   -  8   玉野光南(岡山)

   城南 ●  2  - 11   玉野光南

 

今年の梅雨はエルニーニョ現象の影響もあり、長くなることが見込まれていますが、この期間に2つのカードが中止となりました。梅雨のごとく攻守にすっきりしない試合もあれば、全国に名前を轟かせてきた強豪校とも対等に戦う試合もあり、自分たちの力でコントロールできない結果をいかに良い方向にコントロールするかはチームの課題です。

6月最終週は今日こそ練習ができる、と意欲を高めながらも6,7時間目の授業中に一気にグラウンドが使用不能となる大雨に見舞われるといった日が続くなど、すっきりしない天候の中、条件は各校とも同じです。そうであれば、イレギュラーな状況には強ければ強いほど、勝てる確率は高まります。

このチームは部員、スタッフともグラウンドに出たくて仕方のない者の集まりではありますが、どんな状況でも「勝つための準備」を常に心がけています。

野球における試合の目的は公認野球規則の「1.05」に記載されているとおり「相手より多くの得点を記録して、勝つこと」です。

特に3年生にとっては、選手権での負けは引退を意味するもので、この仲間とともに一日でも長く野球をする方法は勝利以外にありません。雨であろうが、コンディション調整が難しかろうがすべては勝利をつかむため、日々の練習でしっかり力を付け、選手権では実力発揮の舞台となるよう取り組んでいく覚悟です。

いよいよ、この3学年での練習試合も全日程を終了し、選手権を残すのみとなりました。あとはけがや病気に気をつけて、ベストコンディションで1回戦から戦い抜くのみです。

城南高校硬式野球部125年の思いが実を結ぶ戦いとなるよう、これまで私たちと対戦していただいたチーム、支えてくださるすべての方への感謝の思いを持って戦い抜きますので、応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会 組み合わせについて

~ さあ行こう、城南高校硬式野球部125年の夢へ!!  ~

6月26日(月)、鳴門市のアミノバリューホールで第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の組み合わせ抽選会が行われました。抽選結果は以下の通りです。

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会やぐら.pdf

城南高校の初戦は7月10日(月)16:00から行われます大会3日目の第2試合で、阿波高校と対戦します。

今大会の会場はすべて鳴門オロナミンC球場です。

抽選会ではくじを引く順番を決める予備抽選で25番。大会参加校の中で最後にくじを引くことが決まり、対戦相手が最後まで分からないという緊張感のある今まで経験したことのない重圧を大会前に経験することができました。

「残り物には福がある」という格言を、現実のものにするためには一戦必勝を積み重ねるのみです。本校の入ったブロックには初戦で戦う学校創立・野球部創部100周年のビッグウェイブに乗ろうと意気込む赤い軍団・阿波、勝ち進めば2回戦で対戦する、好投手を擁し春季大会を制覇した第3シードの阿南光高校、「やまびこ打線」で一世を風靡した強豪・池田高校など実力校が揃い、気の抜けない戦いが続きます。

私たちは、徳島県の野球文化を築き上げた先輩方から受け継いだ125年の思いを持って戦い、悲願の「夏の甲子園初出場」を達成すべく「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一球一打に魂を込めて戦います。

皆様、応援よろしくお願いします。

《文責》尾形

2023(令和5)年度 徳島県高等学校総合体育大会協賛野球ブロック大会

~ 勝負は、グラウンドの中だけで決まるものではない ~

6月2日(金)から徳島県高等学校総合体育大会が開幕しました。野球は協賛競技として中央A、B、西部、南部に別れてブロック大会が行われました。

6月3日(土) 徳島北高校グランド(1回戦)

《バッテリー》

 (城北)飯田、田中-向井

 (城南)馬詰-上原

《試合の概要》2回表、城北は先頭の5番打者が四球で出塁し、三塁への内野安打と送りバントで一死二・三塁から8番打者の二塁ゴロの間に1点を先制されます。さらに5回表には、先頭の9番打者に安打を許し、盗塁と送りバントで一死三塁から2番打者の放った一塁寄りの投ゴロ間に1点を追加し、リードを2点に広げられます。対する城南は5回に馬詰の内野安打が出るまで無安打に抑えられ、走者を出しても併殺やあと1本が出ず、無得点で試合を折り返しました。

 

グラウンド整備を挟んだ6回表。連続失策から無死一・二塁とピンチを迎えますが、相手打者のバント失敗と、次打者を併殺打に打ち取り無失点と、逆転に向けた良い流れで後半最初の守備を終えます。6回裏は一死から4番神戸、5番島の連打でチャンスを広げます。二死一・二塁から7番大野が左前に運び、点差を1点に縮めます。

好投を続けてきた先発の馬詰は8回、9回に連打を浴びますが、3年生が引っ張る堅い守備に救われます。9回表には一死から3連打を浴びますが、その間に捕手上原の盗塁刺殺、二死一・二塁から2番打者の中前安打では中堅大村が懸命のバックホームがダイレクトに捕手のミットに収まり捕殺と見事な守備で後半を無失点に抑え、9回裏を迎えます。

先頭打者に中山を代打に送り、同点の走者が出塁します。ここで代走に松尾を送り、まずは同点を目指して手堅く送りバントで二塁に走者を進めます。その後、内野ゴロと四球、盗塁で二死二・三塁とし、一気にサヨナラ勝ちを狙える場面を迎えますが、最後は投ゴロに打ち取られ試合終了。残念ながら初戦敗退となり、連覇とはなりませんでした。

《総括》この試合の勝敗を分けたのは、野球という角度だけで見れば相手投手を攻略できなかったことやチャンスで一本が出なかったことに見えますが、本当の敗因は準備不足によって試合前ノックの開始が遅れたり、初回の攻撃でバット引きが配置されていない状況からスタートするなど、試合に入る準備やベンチワークの甘さといった野球以外の部分であったように思います。準備と確認の不足は、試合の悪い流れに直結するという典型的な試合展開でした。

もしこれが高校生活のラストゲームであれば、生涯にわたり後悔を残すような内容です。ただし、野球の場合は幸いにして、総体が最後の大会ではありません。このような準備不足、確認不足による不完全燃焼で終われば、入試でも悪い流れを引きずり、ひいては人生にも悪影響を及ぼしかねません。この試合は、まさに準備・確認の徹底の大切さを私たちに教訓として示してくれたといえます。その最悪の状況を直前に経験でき、二度と同じことを繰り返さない、という決意を持つことができたことだけは良かったと考えておりますが、どう活かすかは私たちの意識次第です。

これからの照準は、夏の甲子園への出場権を懸けた7月の選手権徳島大会ですが、ここではしっかり一戦必勝で戦い抜き、125年間の思いが実を結ぶ夏にしたいものです。そのためには、この屈辱的敗戦で地の底に落ちたチームが、そこから得た教訓を活かしてどう這い上がっていくかが大切です。このまま沈みっぱなしで終わるわけにいかない、そして終わるはずがないと信じております。

会場へ応援に来ていただいた皆様、勝ち進んだら応援に来ていただける予定だった皆様におかれましては、不甲斐ない試合になり申し訳ありませんが、応援いただいたことを深くお礼申し上げます。

《文責》尾形

2023(令和5)年5月 硬式野球部活動報告(練習試合)

~ 新快速のごとく、ホームを駆け抜けろ!! ~

 

日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解、ご協力いただき誠にありがとうございます。

5月を迎え、2,3年生にとっても上級生としての自覚が芽生え、チームを支える強い責任感が学校生活、野球すべての面において現れようとしています。4月に入部した1年生も、素晴らしい先輩のもと、すっかりチームの一員として馴染んできました。31名の部員が一つになって戦う姿に、強さが伴うことが望まれます。ここからは、5月に行われました練習試合の結果について報告させていただきます。

5月4日(木)

 城南  ●  3 ー  7 ○ 加古川西(兵庫)

 城南  ●  1 ー 12 ○ 加古川西

5月5日(金)

 城南  ○ 11 ー  2 ● 長田(兵庫)

 城南  ○  5 ー  0 ● 神戸(兵庫)

5月20日(土)

 城南  ○  9 ー  8 ● 阿南高専

 城南  ●  3 ー 10 ○ 徳島科学技術

5月21日(日)

 城南  ○  6 ー  5 ● 高松桜井(香川)

 城南  △  5 ー  5  △ 高松桜井

5月28日(日)

 城南  △  6 ー  6 △ 東洋大姫路(兵庫)

 城南  ●  0 ー  4 ○ 京都翔英(京都)

 

ゴールデンウィーク期間中の5月4日(木)、5日(金)は1泊2日の遠征でした。いつも通りの賑わいが日本中の観光地に戻りつつある中、反対車線には長蛇の渋滞が続いておりましたが、逆に渋滞もなくスムーズに相手校に到着しました。しかし、野球ではチャンスがなかなか得点に結びつかず、塁上の大渋滞を引き起こす、悪い流れを4月後半から断ち切れずに初日を終えました。宿舎に到着する直前、そこから近い西明石駅のホームを駆け抜ける新快速の姿を見て、「うちの選手たちもこれくらいホームを駆け抜けてくれたらなあ」と感じずにはいられない、もどかしい展開でした。新快速といえば15分に1本。2時間の試合でいえば8点ですから、野球ではなかなか取れないというのは承知ですが、世界的にも高速安全輸送で有名な日本の鉄道のごとく確実にホームを目指してほしい。確実に勝てるチームを目指すのであれば、決めるべきサインは1回で決め、チャンスは確実にものにする積み重ねが大事です。

翌日以降はその課題を消化しつつあり、得点力も高まりつつあります。ここからは県外校との対戦機会も多く、どこまで自分たちの野球が通用するのかを知ることができる絶好の機会となります。5月の後半には10年以内に甲子園に出場した経験を持つ強豪校相手にも粘り強い試合を展開し、夏に向けての実力発揮を期待できる戦いぶりには頼もしさを感じる反面、まだまだ発展途上であり成長が十分に見込めると感じます。試合に出ている者だけでなく、様々な状況において誰が出場してもチーム力を落とすことなく戦うことができるよう、各部員が自分の武器をしっかり自覚し、そこを十分に発揮できる準備が必要です。そこまで大きな差は見られない分、支配するのは「意識」です。各学年、高い意識を持ってチーム内でレベルの高い競争を展開し、チーム力の向上に努めてほしいと願います。

6月は総体協賛ブロック大会から始まり、ここからも実力校との対戦が多く用意されており、さらなる成長が見込まれます。チーム一同、この夏の躍進を目指して強い信念と意識を持って、日々の活動に取り組んでおりますので、今後とも応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形