2023(令和5)年10月 硬式野球部活動報告(環境防災活動)
~ グラウンドの外でも強くなれる!目標達成に向けた「すさみ除去」のための勝負! ~
2学期中間考査最終日の10月13日(金)、毎年恒例の環境防災活動が行われました。硬式野球部は今年も、選手は学校敷地の東側にある側溝の掃除、マネージャーは投球練習場付近の草抜きをしました。
3年前は選手10名で、約3時間かけて掃除した側溝。今年は選手19名。硬式野球部がこの場所の掃除を行うのは1年に1回だけですが、年を追うごとに清掃の成果が現れているのか、今年はゴミも少なかったため30分程度で終了しました。
3年前と比べてほぼ倍になった選手の人数。しかし、ただ人数が多いだけでは話にならない。全員が機能しなければ意味を成さない。「人数相応のベンチワークのクオリティー」を創出するべく、部員全員が役割をしっかり果たして取り組みました。
スタッフも試合中の作戦のごとく的確に陣頭指揮を執ったり、側溝の中に先陣を切って入り作業に取り組むなど、チーム全員が協働した結果が、この短時間での清掃完了につながったといえます。
秋季大会以降、練習試合では連敗が続いていますが、このような悪い流れの時期こそ「すさみの除去」が不可欠です。
2001年にアメリカ合衆国で発生した同時多発テロ。その収束に向けて奔走したことで知られる当時のニューヨーク市長、ルドルフ・ジュリアーニ氏は「割れ窓理論」を市政に取り入れ、世界的な犯罪都市として悪名の高かったニューヨーク市を安全な都市に生まれ変わらせたことで知られています。
「割れ窓理論」とは、 1枚の割られた窓ガラスをそのままにしていると、誰も注意を払っていないという象徴になり、さらに割られる窓ガラスが増え、いずれ街全体が荒廃してしまうという、アメリカの犯罪学者ジョージ・ケリング博士が提唱した理論です。学校でいえば、教室のガラスが割れているのをそのまま放置しておくと、クラスの空気が悪くなることに誰も注意を払わないという象徴となり、クラスや学校が崩壊するということにつながります。それを防ぐために、学校教育の現場においては、少しでも心がすさむ要素があれば、それを排除することが不可欠となります。
ニューヨーク市の場合は、軽犯罪の徹底的な取り締まりによって治安が劇的に改善されたことで知られていますが、この活動の場合はチームにとって「私たちが快く野球をさせていただいている地域への感謝」が原動力となります。
城南高校は活気にあふれる学校ですから、常に一日を通して大きな声が響き渡ります。
硬式野球部の練習や練習試合においても金属音やピッチングマシンの動作音、そして生徒の声、人によってはうるさいと感じることもあろうかと思います。
しかし、地域の皆様がすべて受け入れ、応援していただいているからこそ私たちの活動が成り立っています。私たちは、この環境を作っていただいている温かさに感謝しております。側溝も生活排水の流入で悪臭が漂い、やはり水質も悪かったのですが、少しでもその環境が改善されるように取り組むことで、野球だけではない形で地域の皆様への恩返しができるのではないかと考えています。
自分の利益や損得だけではなく、誰かの幸福のために取り組むことも大切である。人間形成こそが勝利、甲子園、人生の目標へと続く道。文武両道を実践する私たちは野球の練習だけでなく、日々の学校生活や日常生活の中でも成長を目指して取り組んでおります。
《文責》尾形