第105回全国高等学校野球選手権徳島大会1回戦

~ 何日かかろうと、俺たちは必ず勝つ! 勝負を決めた1点への執念 ~

7月15日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の1回戦を戦いました。

バッテリー》(阿波)小川和,栗栖-多田   (城南)馬詰,神戸-上原

《長打》    ▽二塁打  多田(阿波) 大村(城南)

《試合の概要》

当初、7月10日(月)に行われる予定だった1回戦は天候不順により5日延び、時間帯も変更になったことからコンディションとモチベーションをどのように高めるかが課題となりました。

この日の先発は、総体からエースナンバーをつける2年生の力投派・馬詰。勢いのあるストレートと変化球のコンビネーションで「レッドウェーブ極打線」を標榜する阿波の強力打線を7回2失点に抑え、バックの堅い守備に盛り立てられエースの責任をしっかりと果たしました。

少しでも馬詰を楽にしてやりたいと全員攻撃で臨む城南は3回裏、先頭打者の1番大村の左前への安打と4番神戸の四球で二死一・二塁とし、勝負強さに定評のある5番島が中前に安打を放ち、1点を先制します。

さらに4回裏には渋く内野の間を抜く安打で出塁した7番中山を8番大野が手堅くバントで送り、9番馬詰が四球で歩き一死一・二塁。1番大村の放った右中間への打球は二塁打となり二塁走者の中山が生還し、なおも一死二・三塁。2番川丘がスクイズを決め、三塁走者の馬詰も生還しリードを3点に広げます。

 

5回裏には5番島が安打で出塁し、6番上原の内野ゴロの間に進塁し二死二塁。7番中山がしぶとく転がした打球は一・二塁間を抜け島が一気に生還。前半戦を4点リードで折り返します。

後半戦は相手の継投もあり、攻守ともに押され気味の展開となります。7回表は失策と安打、四球で一死満塁。阿波の1番打者に左前に運ばれ1点を返されます。この打球を処理した左翼手の中山が両足を攣り、担架で救護室へ運ばれるというアクシデントに見舞われ、試合は5分間中断します。その後、中山はトレーナー・看護師の的確な手当てにより見事に回復し、守備に戻ります。再開後、2番打者の犠飛で2点目を取られ二死一・三塁。ここで回ってきた強打の3番打者から馬詰が気迫の力投で三振を奪い、この最大のピンチをしのぎました。

そして8回表。誰もが、この男の復活を待っていた。この回から春までのエースで、ここまで二塁手として出場していた3年生の神戸が満を持してマウンドに上がります。

神戸はベンチの期待に応える安定感抜群の投球で2回をきっちりと抑えます。9回表にはこの試合好調の1番打者を三振に仕留めて試合終了。2年連続の初戦突破を果たしました。

 不完全燃焼で敗退した総体協賛ブロック大会については散々な書き方をしましたが、この試合についてはこれぞ城南野球といえるナイスゲームでした。苦しみながらも最後まで相手にリードを許さず勝ち切る、見事な戦いを展開しました。その裏側には何日かかろうと勝つ、1点への執念を強く持って戦うという強い意識が現れたと言えます。特に3年生は高校野球に後悔を残さないことが大切であり、1点でも多く取る、1点たりとも無駄に失わないという意識は共通テストや入試でも必ず活きる思考です。

度重なる順延の結果、試合が土曜日になったことにより、スタンドで応援してくださる方がいつも以上に多く、盛り上がったことは城南にとって大きな追い風になりました。例えば今年の3月に卒業し、全国へ巣立った硬式野球部の卒業生もこの日のために夜行バスなどあらゆる方法を活用して球場へ駆け付け、ほぼ全員集合となりました。ベンチ入り外の選手はボールパーソンを含めて4名、マネージャーも記録員を除くと5名ということで、部員だけで歌いながら応援するのは難しい人数ではありましたが、卒業生や部員のクラスメイトが大きな声で歌って盛り上げ、スタンドは例年にない活気に充ち溢れました。校歌斉唱の後にスタンドを見渡すと、非常に多くの方が応援に駆けつけてくれたことに気付き、チーム一同、本当に感謝の思いは尽きません。改めて硬式野球部は愛される存在であり、勝つことこそ最大の恩返しであるとの認識を強めました。野球を通じて人生を豊かにするという発想を大切に、次戦も「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと全力で戦い抜きます。

2回戦は7月18日(火)の13時30分から行われる第一試合で、阿南光高校と対戦します。

春季大会優勝の実力校であり、厳しい戦いとなることは予想されますが、相手はこの夏の初戦。どこのチームでも初戦は戦いにくいものですが、私たちが苦しみながらも初戦を勝ち抜いたという経験は必ずプラスに働き、そこに勝機があると考えております。

皆様の応援のおかげをもちまして、1回戦を勝つことができました。2回戦も全力で戦い抜きますので、応援よろしくお願いいたします。

《文責》尾形