2024年10月 硬式野球部活動報告(Liga徳島)
~ 参加4年目にして、悲願の完全制覇達成!! ~
日頃は本校硬式野球部の活動にご理解・ご協力いただき、誠にありがとうございます。
秋季大会ではベスト8進出を果たしましたが、夢の甲子園には一歩届かなかったため、現在は練習と11月末までの練習試合期間を生かして課題に向き合っています。その中でも例年、特に有意義だと想われる取り組みは、城南高校が参加し始めて今年で4年目となる「Liga徳島」です。これは、全国で秋に行われる高校野球のトーナメント形式で行われる大会とは別に、全国各地で行われる『選手たちの未来にフォーカスした』リーグ戦形式の取組みである「LIGA Agresiva」の一角をなすものであり、徳島県では今年は11校11チーム(阿波高校はアクア・バブルの2チーム、阿波西高校、池田高校辻校は合同で1チーム)が参加しております。このリーグ戦では以下のような特別ルールが適用されます。
・1ゲーム7イニング制(DH有り)
・5回7点差でコールドゲーム
・ピッチャーが投げられる球種はストレートのみで、スローボールも投げてはならない
・ストライク見逃しは1ストライク目でもアウト
・バントなし
また、球審を含む審判やボールボーイなどすべての運営は選手が自ら行います。ここからは本校の戦績についてお伝えします。
《リーグ戦》
10月12日(土)
城南 7 ー 0 阿波西・池田辻
城南 7 ー 2 穴吹
10月14日(月)
城南 8 ー 4 城西
城南 5 ー 4 小松島西
10月19日(土)
城南 0 ー 1 アクア(阿波)
城南 5 ー 0 バブル(阿波)
合計 6試合 5勝 1敗(リーグ優勝)
《クライマックスシリーズ(CS)》
10月27日(日)
準決勝
城南 1 ー 0 城西
決勝
城南 6 ー 3 城北
城南は2年ぶり2回目のクライマックスシリーズ優勝
今年はリーグ戦優勝とクライマックスシリーズ優勝の両方を果たし、城南高校としては初めての完全制覇となりました。決勝戦に至るまで好ゲームの連続となり、好プレーには敵味方なく賞賛の声と拍手が沸き起こる光景。まさにスポーツマンシップに則って野球を愉しむ各チームの部員たちの姿が非常に印象的な戦いが見られました。
これからの野球には、2つの「V」が求められると感じています。
一つは「Victory」つまり勝利であり、公認野球規則1.05にも記載されているとおり試合の目的は相手より1点でも多く取って勝つことです。
もう一つは「Value」つまり、野球を通して得られる人生の財産、野球に取り組むことで得られる「価値」です。
Liga Agresivaでは「成長至上主義」とよばれる精神が大切にされております。勝利を優先するあまりに見えなかった個人の成長という部分にスポットライトを当て、たとえ負けたとしても次の勝利を目指すことができ、多くの選手に出場し活躍するチャンスを得ることができることこそリーグ戦の良さです。
ある試合では打撃不振に悩んでいた1年生の選手が「次打てなければ交代」という課題を与えられて打席に立ちました。その選手に対して全員が「打ってくれ!」と声援を送りましたが、その中でも特に大きな声をかけていたのは、もし打てなければ交代で守備から出場予定だった2年生の選手でした。実際この打席で安打が飛び出し、1年生の選手は交代を回避し、試合にも勝ちました。この2年生の選手もしばらく打撃不振が続いていたので、本来は出場したかったはずですが、そんな状況の中で自分のことより後輩、チームのことを尊重して声をかけ続けた姿は負けたら終わりのトーナメントだけでは見ることのできないものであったように思います。
この一件に代表されるように、チームの勝利と仲間の活躍を願って声援を送る姿からは「次はあなたに成功してもらいたい」と応援したくなる気持ちが生まれ、その連鎖で続々とニューヒーローが誕生する、素晴らしいサイクルがもたらされ、このチームの本来の魅力と強さが十分に発揮された結果の完全優勝だったと感じています。
ケガで出場できなくなった選手を除いては全員が出場のチャンスをつかみ、各個人が成果と課題を明確にし、オフシーズンの成長と春夏の躍進につなげようという意識を高めることができました。この成長をもたらしてくれた全国のLigaファミリーの皆様への感謝を申し上げるとともに、これから先も野球で学んだことを活かして人生を豊かなものにできるよう、共に野球を愉しむ仲間であり続けたいと強く願っております。改めて2024年シーズンもお世話になりました!!
《文責》尾形