第106回全国高等学校野球選手権徳島大会2回戦
~ 「本校」のプライドで兄弟対決を制し、5年ぶりのベスト8進出!! ~
7月21日(日)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で全国高等学校野球選手権徳島大会の2回戦が行われました。
対戦相手は脇町高校。城南高校の前身にあたる徳島県尋常中学校の第一分校として創立された歴史を持ち、野球部自体も1898年創部の本校に続き、県内で2番目に古い1900年創部。また、baseballを「野球」という二文字に訳したことで知られる中馬庚氏が校長を務めたことでも知られる伝統校と、徳島県における野球文化発祥校である城南との試合は、徳島の「伝統の一戦」と呼ぶにふさわしい組み合わせです。
《試合の概要》脇町のエース・三宅投手の速球にタイミングが合わず、攻略の糸口を見いだすことができません。守備においても2回裏の連続失策など精彩を欠き、いつ試合の主導権を握られてもおかしくない状況でしたが、先発國平は粘り強い投球で前半を無失点にしのぎます。
試合が動いたのは3回表。8番松島が四球で出塁し、9番遠藤の犠打で二死二塁。1番大野の二ゴロ失策の間に松島が生還し、ようやく1点を先制します。
グラウンド整備後の6回表。先頭の1番大野が左前にしぶとく落とす安打で出塁し、2番松尾の犠打、3番中山の四球で一死一・二塁。4番島が中前に安打を放ち待望の追加点が入ります。さらに5番蔭山が右翼手の頭上を越える二塁打を放ち走者一掃。リードを4点に広げます。
6回裏、脇町は適時打で1点を返しますが、本塁付近での守備妨害で3アウト目となり、城南は大ピンチを思わぬ形で救われます。
城南は7回表、9回表にも1点ずつ追加点を挙げ、後半戦は優位に試合を展開させます。先発國平は打たせて取る投球で後半にかけてペースをつかみ、7回を投げ1失点の力投を展開します。そして8回裏にはベンチで声を張り上げてチームを鼓舞しつつ、出番を待ち望んできたエース・馬詰が満を持して登板し、2回を無失点に抑えます。最終的には6対1で勝ち、5年ぶりのベスト8進出を果たしました。
《総括》徳島県の野球文化を引っ張ってきただけでなく、学校の歴史においてもゆかりの深い両校の対決。最後は「本校」のプライドが勝利を呼び込みました。
前の試合が延長タイブレーク11回、3時間30分を超える激戦ということで心身のコンディション調整が難しい中、安打数では早いカウントから積極的に振ってくる脇町打線に負けながらも、試合を決めるべき場面で集中打が飛び出し試合には勝つことができました。守備でもミスが目立つなど城南らしさ全開とは程遠く、勝ち切るのはそう甘くない、というのが正直な感想です。これから躍進しようと思えばこのままではあかん、という課題が見つかり、もう一度、次の1勝に向けて1球への意識を高める必要があるといえます。ここからの戦いでは改めて「一球一心 ~ 心はひとつ ~」のチームスローガンのもと、しっかり野球を愉しみ、城南らしさを全開に発揮して戦い抜いてほしいと願っています。
終了は19時30分頃と、高校野球の試合としては非常に遅い時間になりましたが、最後まで残っていただいたスタンドの皆様から部員、スタッフに次々とかけられる祝福の声に、いかにチームが多くの人から愛されているかを実感しました。保護者やOBの皆様はもとより、この日のために進学先から試験の合間を縫って来てくれた大学生のOB、試合開始が遅れたことを知り、部活動が終わって急いで自転車で駆けつけてくれた生徒たち、近い将来、城南のユニフォームを着て戦いたいと夢見る小中学生、さらにはケーブルテレビ・インターネットを通じて応援してくれたすべての方が最後まで全力応援していただいたおかげで勝たせてもらえたことを、チーム一同深く感謝しております。
翌日から夏休みに入り、補習も始まりました。私も3年生(1コマ80分)の午前の講義を担当しましたが、あの長い一日から12時間も経過していないにもかかわらず、その疲れを微塵も感じさせず楽しそうに受ける3年生部員、そして球場に足を運んでくれた生徒の姿が誇らしく、まだまだ一緒に野球やろうな、こんな生徒達に応援してもらえるチームに所属して幸せだな、という気持ちにさせてくれます。
準々決勝は7月25日(木)10時から、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で行われる第一試合、小松島高校との対戦が決まっております。小松島高校は前の試合で前年度優勝校の徳島商業高校に勝ち、勢いのあるチームですが、あくまで一戦必勝の姿勢を崩さず謙虚に戦い抜き、次の1勝を積み重ねる覚悟です。3年生とともに野球ができることの喜びを胸に、次戦に向けて練習に取り組んでいますので、ここからも全力応援でよろしくお願い致します。
《文責》尾形