第77回徳島県高等学校野球秋季大会準々決勝

~ 2024年シーズンの終戦 この冬は本物の「YES」を求め強くなる!! ~

 

10月5日(土)、徳島市のむつみスタジアム(蔵本球場)で第77回徳島県高等学校野球秋季大会準々決勝が行われました。

対戦相手は夏の選手権準決勝の再戦となる鳴門渦潮高校です。

《バッテリー》(城南)十川、池田-宮本明(鳴門渦潮)大城-倉橋

《長打》▽二塁打 宮本明、牧本(城) 長嶋、西丸、石本2(渦)

《試合の概要》今大会は一貫して先攻を取って戦い続けてきた城南は、選手権のリベンジを期して戦ったこの試合も3連打による先制攻撃でリズムを作ります。1回表、2番挾谷、3番十川の安打と4番宮本明の中越二塁打によって先制点を挙げます。

しかし1回裏、鳴門渦潮も3安打で1点を返し同点とされます。3回裏に1番打者の二塁打と犠打や失策、連続安打で勝ち越しを許し追加点を挙げられ、1対3となった時点で投手を十川から池田にスイッチします。池田は二死を落ち着いて取り、いったん試合を落ち着かせます。

城南は3回表には先頭の1番牧本、4回表にも一死から6番橋本が安打で出塁しますが、いずれも得点には結びつきません。逆に鳴門渦潮は、5回裏にも3安打で1点を追加し、1対4の3点差で後半戦に入ります。

6回表には先頭打者の3番十川が安打で出塁し、今大会絶好調の4番宮本明に犠打で送らせ、一死三塁のチャンスを作りますが、あえなく牽制でアウトになりチャンスを活かし切ることができません。逆に鳴門渦潮はこの回も安打を積み重ね、2点をさらに追加し1対6とします。

本塁は遠いが、このまま突き放されっぱなしで終わるわけにはいかない。7回表、城南は一死から8番池田が四球で出塁し、犠打で二塁まで進んだ後、1番牧本が左翼方向への二塁打を放ち、再び点差を4点に縮めます。

7回裏の守備では失点で切り抜け、8回表の攻撃。城南は3番十川、4番宮本明の連続安打で無死一・二塁とします。この回に少しでも点差を縮めるため、犠打で走者を進める作戦に出ますが、2者連続で相手投手の好フィールディングに阻まれ走者を進めることができず、ここでも得点には結びつきませんでした。

試合全体で9安打を打ちながらも点差を詰めることができず、大量失点だけは避けたかった8回裏。ここで一死から集中打が飛び出し、3点を追加されたところでコールドゲームが成立し、残念ながら秋はここで終戦となりました。

《試合の総括》先輩方のリベンジを期して戦ったこの試合は、先制点を奪いながらも鳴門渦潮打線の「低く強い打球」という甲子園に結びつけた意識に裏打ちされた18本の安打に、終始圧倒される展開となりました。見事としか言いようのない攻撃は、見習うべきものであり、走塁の向上と合わせて実践できるように力をつけていきたいと思います。この試合では、攻守において記録に残らないミスも出るなど、さらに勝ち上がるためにはまだ力が足りないということが実証され、改めて勝ち続けることの難しさを実感する厳しい試合となりました。

もちろん、試合に負けて選抜への挑戦権を失った、2度までも同じ学校の校歌を聴かされたという結果と事実は本気で悔しいのですが、秋季大会における戦いぶりを総括したときに、チーム事情を知る者としては賞賛すべき、とも感じています。夏の選手権でベスト4に進出したため新チームの始動が遅れ、練習試合でもなかなか勝つことができない苦しい思いをし続け、最初の公式戦である新人中央ブロック大会では1回戦負けという屈辱的な結果に終わりました。秋季大会でも1回戦から難敵との対戦が続きましたが、ここまで勝ち上がり3試合戦うことができたのは大きな成果です。

学校では今週から中間考査が始まり、文武両道の部員たちはこちらの勝負でも全力を尽くして戦います。中間考査が終われば、11月までは練習試合の日程が組まれておりますので、戦う中で冬に鍛えて強くなるための課題を明確にしていきます。

徳島県は、全加盟校が単独チームで参加したとしても30校。つまり、選手権で甲子園に出場できる確率は30分の1であり、そのチャンスは平等に与えられています。部員たちが野球人生において、甲子園を目指すチャンスは2年生にとってはあと1回、1年生にとってもあと3回しかありません。長いように見えて短い高校野球でその夢を実現するためには、各個人がいかに後悔を残さずに取り組むかが重要です。この大会で出場機会のなかった選手も、控えに成り下がっている場合ではありませんし、レギュラーとして出場してきた選手も安泰ではありません。この冬はよりレベルの高い競争を展開し、充実した戦力で戦うための準備期間にしてもらいたいものです。

「萌えいづる春も冬あらばこそ」まずは来年の春季大会では満開となった眉山の桜のもとで躍動し、2025年シーズン最初の主役となれるよう、今年も最後まで「YES」を追求し、文武両道で取り組んでいきますので応援よろしくお願い致します。

皆様、秋の戦いも「全力応援」誠にありがとうございました!!

《文責》尾形