2023(令和5)年度 徳島県高等学校総合体育大会協賛野球ブロック大会

~ 勝負は、グラウンドの中だけで決まるものではない ~

6月2日(金)から徳島県高等学校総合体育大会が開幕しました。野球は協賛競技として中央A、B、西部、南部に別れてブロック大会が行われました。

6月3日(土) 徳島北高校グランド(1回戦)

《バッテリー》

 (城北)飯田、田中-向井

 (城南)馬詰-上原

《試合の概要》2回表、城北は先頭の5番打者が四球で出塁し、三塁への内野安打と送りバントで一死二・三塁から8番打者の二塁ゴロの間に1点を先制されます。さらに5回表には、先頭の9番打者に安打を許し、盗塁と送りバントで一死三塁から2番打者の放った一塁寄りの投ゴロ間に1点を追加し、リードを2点に広げられます。対する城南は5回に馬詰の内野安打が出るまで無安打に抑えられ、走者を出しても併殺やあと1本が出ず、無得点で試合を折り返しました。

 

グラウンド整備を挟んだ6回表。連続失策から無死一・二塁とピンチを迎えますが、相手打者のバント失敗と、次打者を併殺打に打ち取り無失点と、逆転に向けた良い流れで後半最初の守備を終えます。6回裏は一死から4番神戸、5番島の連打でチャンスを広げます。二死一・二塁から7番大野が左前に運び、点差を1点に縮めます。

好投を続けてきた先発の馬詰は8回、9回に連打を浴びますが、3年生が引っ張る堅い守備に救われます。9回表には一死から3連打を浴びますが、その間に捕手上原の盗塁刺殺、二死一・二塁から2番打者の中前安打では中堅大村が懸命のバックホームがダイレクトに捕手のミットに収まり捕殺と見事な守備で後半を無失点に抑え、9回裏を迎えます。

先頭打者に中山を代打に送り、同点の走者が出塁します。ここで代走に松尾を送り、まずは同点を目指して手堅く送りバントで二塁に走者を進めます。その後、内野ゴロと四球、盗塁で二死二・三塁とし、一気にサヨナラ勝ちを狙える場面を迎えますが、最後は投ゴロに打ち取られ試合終了。残念ながら初戦敗退となり、連覇とはなりませんでした。

《総括》この試合の勝敗を分けたのは、野球という角度だけで見れば相手投手を攻略できなかったことやチャンスで一本が出なかったことに見えますが、本当の敗因は準備不足によって試合前ノックの開始が遅れたり、初回の攻撃でバット引きが配置されていない状況からスタートするなど、試合に入る準備やベンチワークの甘さといった野球以外の部分であったように思います。準備と確認の不足は、試合の悪い流れに直結するという典型的な試合展開でした。

もしこれが高校生活のラストゲームであれば、生涯にわたり後悔を残すような内容です。ただし、野球の場合は幸いにして、総体が最後の大会ではありません。このような準備不足、確認不足による不完全燃焼で終われば、入試でも悪い流れを引きずり、ひいては人生にも悪影響を及ぼしかねません。この試合は、まさに準備・確認の徹底の大切さを私たちに教訓として示してくれたといえます。その最悪の状況を直前に経験でき、二度と同じことを繰り返さない、という決意を持つことができたことだけは良かったと考えておりますが、どう活かすかは私たちの意識次第です。

これからの照準は、夏の甲子園への出場権を懸けた7月の選手権徳島大会ですが、ここではしっかり一戦必勝で戦い抜き、125年間の思いが実を結ぶ夏にしたいものです。そのためには、この屈辱的敗戦で地の底に落ちたチームが、そこから得た教訓を活かしてどう這い上がっていくかが大切です。このまま沈みっぱなしで終わるわけにいかない、そして終わるはずがないと信じております。

会場へ応援に来ていただいた皆様、勝ち進んだら応援に来ていただける予定だった皆様におかれましては、不甲斐ない試合になり申し訳ありませんが、応援いただいたことを深くお礼申し上げます。

《文責》尾形