2024年9月の記事一覧

第77回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦

~ 新しいYESへの第一歩!  ダブルエースと長打攻勢で4年連続の初戦突破 ~

9月14日(土)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第77回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦が行われました。

本校の対戦相手は選手権の主力選手が多く残り、新人南部ブロック大会準優勝と実力を発揮し勢いのある実力校、海部高校です。

《バッテリー》(城南)十川、池田-宮本明 (海部)吉田、黒川-内藤、谷本

《長打》三塁打(城南)牧本、十川、橋本

《試合の概要》城南の先発は、公式戦初登板となる主将の十川。高校入学以来、初めてエースナンバーを獲得した喜びを前面に出すような粘り強い投球を見せ、四死球を出しながらもピンチをしのぎ、3回までを無失点にしのぎます。

試合が動いたのは3回表。城南は二死から1番牧本が左中間への三塁打を放ち、続く2番挾谷の放った右翼方向へのライナーを相手野手が落球し、先制します。さらに3番十川が中越えの三塁打を放ち、リードを2点に広げます。

4回表には先頭打者の6番橋本が右越えの三塁打を放ち、続く7番鈴木の右前安打で1点を追加したところで、海部は投手を交代します。交代直後の対戦となった8番久米が安打で出塁し、二死とはなったものの1番牧本の右前安打でさらに二者生還、リードを5点とさらに広げます。

4回裏、海部は先頭の4番打者が内野安打で出塁し、四球と暴投で一死二・三塁。7番打者を一塁へのファウルフライを久米が好捕しますが、三塁走者がタッチアップという好判断・好走塁で生還し、1点を返されます。二死二塁から死球を与えたところで、ここまで足をつりながらも好投してきた十川は中堅に回り、池田がマウンドに上がります。

エースナンバーの十川がチームの主将なら、「投げる生徒会長」池田は学校の主将。背番号10は少年野球や中学野球では主将の背番号ですが、1の下に0が下についてもその責任感を十分に、このピンチを投ゴロに打ち取り最少失点でしのぎます。

しかし、簡単に勝たせてくれないのが大会の怖さです。5回表、6回表の淡泊な攻撃で三者凡退に打ち取られた流れが、海部を勢いづかせます。6回裏、海部は先頭の4番打者が内野安打で出塁し、5番打者が内野手の失策で出塁・進塁し無死二・三塁とします。右飛を挟んで代打に起用された選手の中前安打、さらにバント処理のミスなどで3点を返され1点差まで詰め寄られますが、最後は牽制でアウトを取り、なんとかリードを守り切ります。

このまま相手のペースに持ち込まれないように、何が何でも1点が必要な7回表。先頭の1番牧本が失策で出塁し、2番挾谷の右前安打と3番十川の送りバントで一死二・三塁。4番宮本明の遊ゴロ間に牧本が生還し、1点を追加します。9回表にも牧本、十川の安打で1点を取り、リードを最終的には3点に広げます。

池田は7回以降を無失点に抑える力投を見せ、野手陣も5失策とミスは目立ったものの要所をしっかり締め、4年連続の初戦突破となりました。

《総括》新人ブロック大会では1回戦敗退という厳しい結果となり、公式戦勝利に「NO」を叩きつけられたわけですが、その悔しさを胸に取り組んできた練習の成果が発揮され「全員で勝つ」という執念がしっかり伝わる好ゲームでした。十川、池田がダブルエースとしての機能をしっかり果たし、厳しい局面をしっかり乗り切ったことが集中打を生み出しました。長打攻勢は低い打球で野手の間を抜き、全力疾走との相乗効果で生まれるものです。

そして、このチームの本当の強さはチームワークであることが証明されました。この日は主力選手2名が体調不良のために欠場し、1年生の武市が緊急出場しましたが、その役を見事にこなす好守を随所に見せました。この背景に、実戦経験の浅い選手が出場してもプレーしやすいよう、全員で盛り上げる姿が見えるとともに、「来週は全員で、このグラウンドで勝つ」という執念も見られました。主力メンバーが入れ替わりで体調不良による離脱、という厳しい状況になった前チームの春季大会でも「ここにいないメンバーのためにも絶対に勝とう」と声を掛け合う光景は見られましたが、その伝統もしっかり継承しているところに心強さを感じます。会場が学校から遠い上に、3年生が模試と重なったため生徒の応援は非常に少なかったのですが、1年生マネージャー4名がベンチにいても分かるほどの大きな声を出し、応援を引っ張る姿は圧巻でした。

逆境にはめっぽう強く、むしろ自分たちの勝つ流れと捉えて戦えるのが進学校。部員たちはグラウンドでの練習だけでなく、学校生活の中では質の高い授業や学校行事、質と量が充実した学習課題など、様々な試練と全力で戦っていますから、逆境こそむしろチャンスなのです。例えば試合の途中、中断や継続試合も覚悟するような降雨の時間帯がありましたが、そこでも集中力を切ることなく戦い抜くことができました。失策5という数字はこれからの戦いにおいては大きな課題ですが、次戦までに1週間の猶予が与えられ、戦いながら戦力を整備できるのが秋季大会の良さです。そこをチャンスとして捉え、ここからも戦うごとに強くなるチームを目指していきます。

さらに、先代からテーマとされてきた「イレギュラーへの対応」。この日は球場の放送機器の不具合が原因とみられますが、勝利した後の校歌の演奏が流れませんでした。そこで審判団に促され、演奏なしで校歌を歌いましたが、非常に一体感のある歌唱と声量で球場中を魅了しました。1年生にとっては校歌が課題曲に指定さえ、クラスメイトとともに歌ってきた合唱コンクール、全学年にとっては体育祭の結びの恒例行事として、校歌を全校生徒で肩を組んで歌ってきた成果が現れた瞬間でもありました。指導者3名にとっても、野球人生の中で忘れられない校歌だったように思います。まさに生徒会長の池田がスローガンとして掲げ、目標とする「YES!城南」の1歩目にふさわしい、ナイスゲームを展開しました。

雨天による大会2日目の全日程順延に伴い、次戦は9月23日(月)に阿南市のアグリあなんスタジアムで行われる第1試合、名西高校との対戦が決まりました。

まだ秋の戦いは始まったばかり。ここからの戦いも「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝の意識で戦い抜きますので、応援よろしくお願い致します。

~ ここからも、このチームのYESを追求し続けるチームに、全力応援で力を貸してください!! ~

《文責》尾形

令和6年度徳島県高等学校野球優秀選手表彰について(ご報告)

~ 126年目の主将に贈られた 名誉の証 ~

9月5日(木)の徳島県高等学校野球秋季大会開会式・抽選会に先立ち、令和6年度徳島県高等学校野球優秀選手の表彰式が行われました。本校からは前主将の島 凜太朗くんが受賞しました。

島くんは主将として、高いコミュニケーション能力と指導力を発揮し、多様な個性を持った部員をうまくまとめチームを活性化させたことから、部員はもとより指導者からの信頼も厚い部員です。

攻撃面では4番打者として、チャンスの場面では無類の勝負強さを発揮し、春季大会ベスト8進出、選手権ベスト4進出の立役者となりました。

捕手としては、タイプの異なる本校投手陣の持ち味を最大限に引き出すことで相手打者に的を絞らせない秀逸なリードを見せたことはもちろん、強肩かつ確実な送球で高い盗塁阻止率を誇り、多くのピンチを最小限に防ぐことに貢献し、チーム全体の守備力向上に大きな役割を果たしてきました。

学校生活においても時間を有効に活用して学習に取り組む姿勢は模範的であり、2年生では生徒会副会長を務め学校生活の充実に貢献するなど、野球以外の側面でもリーダーシップを発揮する場面が多く見られました。

まさに城南高校硬式野球部の「顔」と呼ぶにふさわしい島くんの受賞はチームにとっても非常に名誉なことであり、来年度も秋季大会抽選会は受賞者も同行、という流れが定着するよう、後輩たちにも後を続く存在になってほしいと思います。

《文責》尾形

第77回徳島県高等学校野球秋季大会 組み合わせについて

~ 一戦ごとに強くなり、新チームの「YES」を追求せよ!! ~

9月5日(木)、徳島市の徳島県教育会館で第77回徳島県高等学校野球秋季大会の組み合わせ抽選会が開催されました。抽選結果は以下の通りです。

77回秋季_組合せやぐら.pdf

本校の初戦は月14日(土)に阿南市のアグリあなんスタジアムで行われる12時00分からの第2試合、海部高校との対戦となります。

本校の入ったゾーンには夏の主力が多く残る海部高校をはじめ、本校が選手権準決勝で対戦し、夏の代表校となった鳴門渦潮高校など勢いのある実力校が揃う激戦のブロックとなっております。新人ブロック大会では1回戦敗退を喫するなど、まだまだ戦力的には未知数の新チームですが、一戦ごとに強くなるには最高の組み合わせであると思っております。

夏の選手権と同様、意識はこの大会を通じて一戦必勝で勝ち上がり、14年ぶりの選抜出場につながるよう戦い抜きます。

皆様、応援よろしくお願いします。

《文責》尾形