令和5年度活動内容

応用数理科1年 高大連携授業【主張出前授業】(徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所)

6月30日(金)午後、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から先生をお迎えし、応用数理科1年生を対象に出張出前授業が開催されました。徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所は「未知の可能性を秘めた新しい光で未来を切り開く」をテーマに工学のみならず、医療など、様々な分野で光科学によるイノベーションの創造を目指されています。

今回来ていただいた先生は有機合成化学がご専門の八木下 史敏 ( やぎした ふみとし )先生です。

内容は3つセッションからなっており、①研究者になった経緯 ②現在の研究内容のご紹介「キラリと光る有機物」をつくる ③「身近な物質で光るものを見つけよう」 でした。

①研究者になった経緯では、「好きこそものの上手なれ」 研究が楽しくてのめり込んでいったお話や学生時代に国際論文が7報科学雑誌に掲載され、同級生より早く博士課程を卒業したお話などをしていただき、生徒たちは徐々に先生とその生き方に興味を惹かれていきました。

②現在の研究内容のご紹介では、有機光工学についての説明で、有機物がキラリと光る発光現象とはどのようなメカニズムで起こるのか、アニメ等も利用してわかりやすく説明していただくと共にキラリと光る有機物の医療や環境、工学等への応用の可能性を次々とお話しいただき、どんどん引き込まれていきました。また、最後に国際論文の執筆や発表会のお話をしていただき、生徒たちへ非常に良い刺激になりました。

③「身近な物質で光るものを見つけよう」では、飲み物でビタミンB₂やトニックウォーターに入っているキニーネという成分が紫外線照射で蛍光する現象を見せていただき、生徒たちは今までの講義の内容を目の当たりにし、非常に感動していました。

最後の質疑応答では、まず、国際論文の執筆や科学雑誌への掲載、発表会への参加についての質問が多くでました。多くの質問に丁寧に答えていただき、生徒たちはアンケートで「英語を学ぶ必要を強く感じた」「早く大学で研究をしてみたい」等の意見が多くありました。また吸光して局所のみで反応できる抗がん剤についての質問では、深部ではどのように反応させるのかなど、鋭い質問が飛び出し、八木下先生の講義をよく聞き、自分のものにしていると感じました。

「本物に出会うこと」これがSSH活動・高大連携授業等の目的の1つだと思います。

「本物に出会うこと」で「自分の感性や感覚にしたがって、本当のとこを生きることができる」のはないでしょうか。

これからも、多くの刺激を生徒たちに与えていきたいと思います。

   有機光工学の説明です         エナジードリンクやトニックウオーターが紫外線照射で光ります

   パイン飴も光ります               研究室で合成した光る有機物です

   多くの質問がでました                         大切にしている言葉を

                                      紹介していただきました

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応用数理科2年生 課題研究中間発表Ⅰ

6月28日(水)5~7限の3時間を通して、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。

現時点での研究成果を9の研究班が発表しました。この中間発表は、お互いの研究についての情報共有、並びに先生やクラスメイトなどからのアドバイスを受け、今後の研究を深化させることが目的です。

理科教員の他、英語科の先生、ALT、6限には本校運営指導委員の先生方などにもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。

本校運営指導委員の方々などからのご意見として、「検証実験はまだ十分ではないが、テーマ設定が素晴らしい。知的好奇心に満ちたテーマ設定がなされている。」とのお褒めの言葉をいただきました。

テーマの選定に苦慮し、実験データが十分に得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。

令和4年度のアンケートでは、課題研究で学んだことは、研究の楽しさ・難しさ、協力の大切さなどが上位の項目となっています。また、研究への意欲が高まったとほとんどの人が答えています。

これから、テーマ(課題)設定→仮説設定→検証実験→考察のサイクルをまわす中で、再び新たな疑問が生じ、次のテーマ(課題)設定→仮説設定→検証実験→考察とつながっていく、課題研究における本当に深い学びを実現してほしいと思います。

次回は、ルーブリック・ポートフォリオ、今回の意見を参考に担当教員と今後の研究方針を決めていきます。私たち教員は研究班にしっかり寄り添っていきたいと思います。

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生物学オリンピック講習会

6月25日(日)に徳島大学で行われました生物学オリンピック講習会に本校5名が参加しました。

また先だって、前日の6月24日(土)には、本校講義室Ⅲで13:00から、生物学オリンピックの過去問題の解説を行いました。

生物学オリンピック講習会では、徳島大学のそれぞれの専門の先生が解説して下さりました。生物学オリンピックの問題に関わる知識だけでなく、興味を引かれるようなお話もしていただき、長時間ですが、生徒たちは集中して受講できていました。

7月16日(日)に行われる生物学オリンピックで力を発揮し、ぜひ本戦出場を目指して下さい。

問題は難しいですが、しっかり考え、取り組むことで身につく力があると思います。粘り強く取り組むことで、思考力や判断力を伸ばしてほしいと思います。

 

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高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第3回)

6月27日 徳島大学教養教育院で応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、第3回目高大連携講座(生物分野)が行われました。

今回は「ホタルの発光タンパク質の実験」です。

ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンを用いて、タンパク質の基本的な性質を理解することが目的です。

実験材料は酵素であるルシフェラーゼと基質であるルシフェリン、あと発光に必要なATPです。

実は、この実験キットはキッコーマンというお醤油を作る会社から売り出されていたものです。キッコーマンでは、衛生状態を確認するため、ホタルの発光タンパク質であるルシフェリンとルシフェラーゼを利用するのです。この発光はそこに存在するATP量に比例して発光の強さが変わります。発光の強さを確認することで、そこに存在する細菌のATP量を測定し、細菌の数を求めます。これは教科書に載っている内容ですが、生徒達に理解してもらうことが難しいと感じている内容です。今回、わかりやすく説明していただき、生徒達が理解できたと感じました。

 さて、実験ですが、高温条件、低温条件、酸、塩基を加えた場合に発光がどうなるか確認しました。

 

 

なお、塩基を加えた場合は、ルシフェリンの立体構造において、発光に関わる部分が少し変化して、黄色の発光からオレンジの発光になるそうです。タンパク質の構造や働きを理解するために、非常に良い教材であると思いました。

不思議に光るルシフェリンの光に生徒達は引き込まれており、酵素並びにタンパク質の性質の実験として、本校でも実施したいと思いました。

なお、3回の実験を実施していただいた徳島大学渡部先生には、高大連携講座以外にも課題研究のテーマ設定の研修や課題研究等で多大なご協力いただいております。この場をお借りして、感謝申し上げたいと思います。

   ルシフェリンの発光です       ウォーターバスで高温処理、氷で低温処理を行いました

          酸を塩基を加えます           塩基を加えた場合は光が弱くなるだけでなく、

                             ルシフェリンの立体構造が変化し、色が変わります。

                               上と比べて色の違い分かりますか?

 

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高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第2回)

6月20日(火)に徳島大学で応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、第2回目高大連携講座(生物分野)が行われました。

今回は「お米の品種のDNA鑑定」です。コシヒカリ、あきたこまち、ひとめぼれの三種類のお米、それぞれに特有のDNAの部位をPCR法で増幅し、電気泳動を行うことで、それぞれの品種が特定できます。

まずPCR法の説明をしていただきました。PCR法は温度変化だけでDNAが増幅できる手法です。原理だけでなく、PCR法を発明したマリス博士の人生についてやミイラや化石に含まれるわずかなDNAでも分析できることなどを聞き、生徒達も興味津々でした。

 

今回の実験の手法としては、プライマー、バッファー、耐熱性DNAポリメラーゼ、滅菌水を混ぜ、マスターミックスを作ります。そしてマスターミックスをPCR用のチューブに入れます。その後、お米を砕き、ほんの少しだけのお米をPCR用のチューブに入れます。そのチューブをPCRの機械にかけます。その後、PCR法により増幅されたDNAを電気泳動にかけるという流れです。

多く取り過ぎたことにより、お米がおかゆのようになって上手に電気泳動のバンドができなかったり、増幅がうまくいっていたり、いってなかったりと実際にPCR法→電気泳動を行うことで、授業で習った手法への理解が深まったようでした。

  PCRに必要なDNAポリメラーゼやプライマーを         3種類のお米を砕きます

  チューブに入れます       

 

チューブに端に残らないように遠心分離にかけます        PCRで温度変化を35サイクル

                               これで特定のDNAを増幅できます

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高大連携講座 応用数理科3年(生物分野 第1回)

徳島大学教養教育院 渡部先生ご指導の下、応用数理科3年生 アドバンスドサイエンス生物分野選択9名の生徒に対して、高大連携講座が行われました。生物分野においては、3回にわたって行われます。

高大連携講座は、大学の施設・設備を使い、高校で行いづらい実験を実施し、学習内容を深めること、また、大学での授業を経験することで、学習意欲の向上を図り、高校と大学の連携をスムーズにすることが目的です。第1回は6月13日(火)に実施され、テーマは「制限酵素地図を作ろう」でした。

まず、マイクロピペットの使い方の練習を行いました。10μLを1μLごと10回で取れるかどうかの練習です。さすがは応用数理科生徒、上手にマイクロピペットを使っていました。その後、制限酵素を使い、DNAを特定の場所で切断します。その後、切断したDNA断片に対して電気泳動を行い、DNA断片の長さを測り、制限酵素で切断される場所を推定しました。

 

電気泳動の待ち時間には、実験で使用しているたくさんの生物を見せていただきました。遺伝子操作により、双頭のイモリの幼生やアルビノのイモリやアフリカツメガエル、染色したカエルの骨格標本などを見て、生徒達は大学での学びに胸を膨らませていました。

 

   マイクロピペットの練習です      制限酵素を加えてきます   マイクロチューブの端に溶液が

                                    残らないように遠心分離にかけます

制限酵素で切断したDNA断片を電気泳動にかけます  くぼみ(ウェル)にDNA断片を入れます

                 遺伝子操作で双頭のイモリの幼生です   イモリです

遺伝子操作でのアフリカツメガエル(アルビノ)     骨と筋肉を残し染色されたカエル

                                   電気泳動の結果です。横にはDNAマーカーを一緒に流してあります。 

           ①制限酵素無し ②EcoRⅤ  ③EcoRⅠ  ④EcoRⅤ + EcoRⅠ 

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応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)

☆ 鈴木ー宮浦カップリング反応を使って炭素と炭素をつなぐ  ~ノーベル化学賞の化学反応をやってみよう~

   

 有機合成において重要なことは、原料物質には含まれない新規の炭素ー炭素結合を作ることです。しかし、炭素ー炭素結合は化学的に安定であるため、元々の結合を切り離すことは容易ではありません。また、切り離すことができたとしても、設計とは異なる結合を形成することがしばしばみられるために、有機合成には手間と時間がかかるのが当たり前でした。しかし、さまざまなカップリング反応が開発されるにしたがって、新規分子の設計や構築が、以前より楽になりました。当然、複雑な構造をもつ薬理活性物質の合成においても、重宝されています。中でも、今回の実験のテーマである「鈴木ー宮浦カップリング」は、2010年ノーベル化学賞を受け、世界的にも有名な有機合成手法の一つであります。

 6/27(火)午後、応用数理科3年生4名が、この講座に参加しました。この度、講座を担当していただいたのは、徳島文理大学薬学部 薬品物理化学研究室のみなさんです。概要説明と、お世話くださるスタッフの皆さんに自己紹介をしていただいた後、早速操作を進めていきました。 

 円滑に、かつ安全に実験が進められるように、工夫と配慮をしていただきました。そのおかげで、生徒たちも終始楽しい気持ちで、この日の講座を受講することができました。一連の操作において、「量る・加える・振り混ぜる・溶かす・ろ過する」、化学実験における基本的な動作が詰め込まれた内容でした。そして、合成した物質の収量を測定した後、NMRスペクトルによって、合成反応がきちんと進んでいるかどうかを確認し、未反応物や副生成物もなく、合成がうまくできていることが分かりました。高校生がもつ化学的知識では、合成反応や分析法の原理を知るには、若干難しい部分もありますが、今後勉強を重ね理解を深めるという目標が見出せたのではないかと感じています。

 改めまして、久保先生をはじめ、薬品物理化学研究室のみなさんには、この講座のために、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。

 お礼の言葉とともに、城南高校のSSH事業に対しまして、今後もますますのご支援、ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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Science Introduction(SI)【基礎実験(生物・化学)】

基礎実験が始まりました。

きめ細やかな指導のため、物理・化学・生物・地学の各分野15人ずつで実験を行っていきます。4週で4分野の実験を行い、基本的な実験の技術を身につけていくこととなります。

 

【基礎実験(生物・化学)】4月28日(金)5月12日(金)5限目

【生物分野】オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)のミクロメーターによる細胞サイズの測定

ミクロメーターの使い方については、パワーポイントで説明しながら進めていき、スムーズに理解を深めらるよう工夫しました。

その後、接眼ミクロメーターを使い、オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)の細胞の大きさを測定しました。真核細胞と原核細胞の大きさの違いを、実際に見て測定することで、細胞についての理解が深まったと感じました。

また、ネンジュモ(イシクラゲ)については、グランドの横に生息しており、身近なところに教科書の生き物がいることに、驚いていました。

やはり、「百聞は一見にしかず」。実際に見ることで、新たな気づきが生まれ、科学的な見方や考え方の育成につながると感じました。

 

 【化学分野】
 化学分野では、昨年に引き続いてピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを0.10g 量りました。葉さじの使い方や薬包紙の取り扱いなどを習得しました。次に、ピベットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。
 過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸酸性下にあるときとそうでないときの変化を各班で確かめました。酸性ではほぼ無色に近い溶液になり、中性下では黒色の沈殿が生成する様子を観察しました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べ、どちらの金属がイオンになりやすいか調べました。まだまだ実験の経験が少ないようですが、生徒たちは興味・関心を持って取り組んでいました。

 

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Science Introduction(SI)【オリエンテーション】

応用数理科1年生(107HR)での、Science Introductionが始まりました。

1年生Science Introduction(SI)は、2年生での理数探究(課題研究)、3年生のAdvanced Scienceへと発展させていくため、 基礎的な実験手法の獲得や、高大連携授業・大学研究者との交流による研究・学習意欲の向上が目的です。

 

【オリエンテーション】4月21日(金)5限目

これからお世話をさせていただく理科教員の紹介を行った後、応用数理科で身につけてほしい資質や能力について伝えました。

「夢や目的を持つためには、何事にも興味を持って、まず知ることが大切」であることをお話しました。

 その後、SSH生徒研究発表会 文部科学大臣表彰の研究を動画で見て、良い研究とは何か考えました。

 

身近な現象から疑問を見つけ、検証実験を行い、考察を得る。その中で新たな疑問が生じ、再び検証実験を行う。

課題研究に向かう姿勢を理解すると共に、主体的で深い学びは本当に面白いものであることを、少しでも理解してもらったらと思います。これからは基礎実験・高大連携授業が始まります。

 

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Advanced Science(物理科学)高大連携授業

令和5年6月27日(火)、応用理数科3年生5名がポストLEDフォトニクス研究所(pLED)を訪問しました。

まず、pLED内の実験室を見学しました。矢野隆章教授や久世直也准教授がご自身の研究や実験機器を紹介してくださり、光に関する最先端の研究について学ばせていただきました。また、実験中の学生さんと交流する機会があり、大学でどのような研究や実験を行なっているか教えていただきました。大学生が実際に研究に取り組む姿を見て、学生生活のイメージが広がったことと思います。

次に「光検出器を作って目に見えない光を検出してみよう」という題目で、ブレッドボードでPD回路やAMP回路を作製し、実際に光を当てオシロスコープで確認する体験をしました。江本特任准教授に分かりやすく解説していただきながら回路を組み立て、最終的には回折格子で分光された可視光の両側にわずかに生じる目に見えない紫外光と近赤外光を、自作したPD+AMP回路で検出する実験も行いました。
実験を通して”試行錯誤”や”モノづくり”の楽しさを実際に体験することができました。

光センサーを用いた電子回路により「目に見えない波長帯の光を見つけ出せた」という事実に感動し、光に対する好奇心がより高まったと生徒たちも喜んでいました。

この場をお借りして、このような貴重な体験の機会を設けて下さったポストLEDフォトニクス研究所の関係職員の皆様へ厚く感謝申し上げます。

 

 

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生物系三学会での発表について

日本生態学会、植物学会、日本動物学会における中四国部会の3学会合同での発表会が5月13日(土)にオンラインで行われました。本校からは課題研究 生物班の3グループ(植物学会で1グループ、動物学会で2グループ)が高校生の部で参加しました。LINC Bizを使い、事前にポスターをオンライン上にアップロードしておき、発表まではアップロードしているポスターへの質問に受け答えし、当日口頭発表する方法で実施されました。事前のLINC Bizでの質疑では、中四国国公立大学の先生から多くの建設的な質問をいただき、対話的な質疑応答により、課題研究におけるこれからの展望につながったと感じました。今後、全国発表を行う班は、この経験での気づきから新たな視野からの検証をおこなって欲しいと思います。

なお、当日は口頭発表の後、公開シンポジウムが行われ、「ゲノム編集技術が切り拓く未来」として、「進化するCRISPRテクノロジー – 新規ゲノム編集ツールの開発とその利用 –」「ゲノム編集による遺伝子改変ブタの作製」「食用コオロギの社会実装とゲノム編集による品種改良について」の3つのテーマについて実施されました。私と生徒達でシンポジウムの内容について話をしながら、オンラインでの視聴を行いました。私自身、今後のゲノム編集の利用についての考察を深める良い機会となりました。

今後も、大学の先生とのつながりや校外での発表等で多くの刺激を受けながら、幅広い視野を獲得して欲しいと思います。

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物理チャレンジにおける課題実験の実施

5月25日、27日、29日の3日間で、応用数理科3年生3名が物理チャレンジにおける課題実験を校内で実施しました。

今回の物理チャレンジにおける実験課題レポートの内容は「単振り子の周期を、振れ角を変えて調べてみよう」でした。

空気抵抗の影響を少なくするために、3mのテグスと5kgのメディシンボールを用いて巨大な単振り子を作成しました。

誤差を小さくする方法や、正しく周期を測定する方法を考案することに苦労しましたが、仲間と協力して楽しく実験することができました。

また、本番の理論問題コンテストに向けて過去問を1年分挑戦しました。

難易度の高い試験ですが、本番も自信をもって頑張ってきてほしいと思います。

 

 

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海南文化村見学と砂鉄採取(海部刀)

 6月11日(日)は大雨でした。しかし、私たち(生徒4名・教員1名)は行動に出ました。すでに3回も予定が雨で流れているので、今後のことを鑑みて今日は何としても行きたかったのです。牟岐町の貝の博物館モラスコ牟岐の海岸へやって来ました。ここは砂鉄が採れる砂浜です。10年前にこの場所を発見してからずっと、海部刀の原料の砂鉄はこれではないかと考えていました。それを実証するために頑張っています。

 砂浜での採取を終えて、次は海部川河口へ移動しました。この流域にはかつて多くの海部刀の刀匠が工房を構えていました。工房があるということは刀の元である「玉鋼(たまはがね)」があるということで、それは即ちその原料の砂鉄があったと考えられます。ここは大里海岸から延びる砂州が発達して、まるで河口を塞ぐような形になっています。以前の調査では余り砂鉄が含まれていませんでした。それでも何かがあると思ってここを選びました。

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応用数理科1年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)

☆ DNAを長さで分けて光らせて見よう!

遺伝情報を担う物質DNAを、長さで分けることのできるアガロース電気泳動を行い、エチジウムブロマイド染色した後、紫外線照射装置にて観察する。

 5/26(金)午後、応用数理科1年生が標記の講座に参加しました。講座の概要説明と、お世話くださるスタッフの皆さんに自己紹介をしていただいた後、操作を進めていきました。

 

 

 

 

 


 本校に入学して、最初の高大連携講座への参加ということで、ドキドキとワクワクの両方の思いを胸に抱きつつ、生徒たちはこの日の講座に臨みました。まだまだ実験操作には不慣れな高校1年生が実験を行うということで、円滑に、かつ安全に実験が進められるように、工夫と配慮をしていただきました。そのおかげで、生徒たちも終始楽しい気持ちで、この日の講座を受講することができました。そして、そもそも“DNA”とは何者か、“電気泳動”によってDNAの何が分かるのか、電気泳動する前に“制限酵素”で処理を行うことで、ヌクレオチド鎖にどのような変化が生じるかなど、多くのことを学ぶことができました。


 改めまして、葛原先生をはじめ、生化学教室のみなさんには、この講座のために、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。
 お礼の言葉とともに、城南高校のSSH事業に対しまして、今後もますますのご支援、ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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ジャパンハート ミャンマーの養育施設Dream Train とのオンライン実験教室並びに国際交流の実施について

5月19日(金)17:00(現地時間14:30)からジャパンハートがミャンマーで運営する養育施設 Dream Trainと城南高校とオンラインで繋いで、実験教室並びに国際交流を実施しました。

この取り組みの目的の1つ目は、城南高校が今まで培ってきた実験用具を送付したオンライン実験教室の手法を生かし、様々な国や地域でオンラインでの実験・実習を行い、理科に対する興味・関心を高めることです。

2つ目は、本校生徒が実験や文化交流を行うことで、プレゼンテーションの能力の育成や科学に対する知識を伸ばすことはもちろん、異なる国や地域の文化や習慣を理解し、尊重することで相互の多様性を認識し、幅広い視野を獲得し、グローバルな視点を育成することです。

 

応用数理科(科学部)の生徒たちは理科実験、普通科の生徒たちは文化交流を実施しました。

最初は普通科の生徒達2グループが日本のアニメの紹介と時代による髪型の紹介を行いました。和気あいあいとした交流で、クイズをしたり、みんなでギャルポーズをしたりと相互でコミュニケーションを取り合いながら交流を行い、場が和みました。

次に、応用数理科(科学部)の生徒達は、事前に送付していたギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、砂糖が味がしなくなったり、レモン汁が甘くなったりする現象を体験してもらい、味覚の仕組みを受容体から理解しました。

最後はDream Trainの子供たちからミャンマーの伝統衣装を紹介してもらったり、お正月が4月にあることなど説明してもらったりして、生徒達は興味津々でした。

終始笑顔が絶えない交流で、生徒達にとって、非常に良い経験になりました。

年間3回実施予定で、次回は物理の内容で9月に実施予定です。

このような体験を経て、幅広い視野を身につけ未来を切り開くイノベーターとして活躍していって欲しいと思います。

               準備中です

ミャンマー語で日本の紹介です     髪型の紹介の際に、みんなでギャルポーズ        

   ZOOMでの交流 オンライン交流の良さが出たと感じました      受容体と受容物質の説明        

最後はみんなであいさつして終わりました

 

DreamTrainYangonのインスタグラムに国境を越えた共同授業として紹介されています。https://www.instagram.com/dreamtrain_yangon/?hl=ja

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突撃!研究者お宅訪問(海部刀)

 5月24日(水)の午後、生徒4名が海部刀の研究をしている方の自宅を訪問しました。今年の課題研究のテーマとして、「海部刀の原料の砂鉄の産地を探る」のを目的に研究しています。中四国や九州・近畿圏の多くから産出する砂鉄を入手し、磁石を用いて精製しています。また、たたら製鉄で作られた玉鋼(たまはがね)や、玉鋼から作られた刀剣の破片も精力的に探しています。それらを元素分析して、微量の不純物の相違から産地が特定できないか思案しているところです。

 そうした活動の一環で、今回は研究者宅にて直接話を伺いました。この方はもう数十年も海部刀の研究をされており、ご自身でも玉鋼を作ったり居合いの剣術をマスターして鍛錬されています。海部刀の論文も多数執筆されており、幅広い知識をお持ちでした。生徒から質問して、玉鋼や砂鉄産地の場所に対する見解、刀剣に関する知識など多くのことを学びました。特に実物を間近で見せて頂いてとても感動しました。なお、当然のことですが、この方は刀剣に関する取り扱いの資格をお持ちであり、私たちは一切触れておりません。

 話の内容は多岐にわたりました。五家伝と呼ばれる刀剣の系統や海部郡に見られる古い地名、室町時代の海路など当時の流通経路、刀剣にまつわる故事など面白いことがわかりました。話は2時間にも及びましたが、生徒たちにとって貴重な体験ができました。研究に役立てたいと思います。私たちのために貴重なお時間を頂きましてありがとうございました。

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第1回小・中学生対象地域フィールドワークin高越山

 5月20日(土)、吉野川市山川町の高越山ふもとにて行いました。本校主催で行うこのようなイベントは初めてであり、4月当初から準備を進めてきました。そして、現地周辺の小・中学校にパンフを配り周知に努めました。その結果、児童・保護者・スタッフを合わせて33名が参加しました。

 9時に現地にて受付を済ませて、高校生スタッフから説明がありました。産地に関する知識や採集方法、どのような石を見れば良いかなど、ポイントを押さえながら実物を提示してわかりやすく話しました。ふと周りを見れば、子どもたちがそわそわしていて早く石を拾いたいという気持ちがひしひしと伝わってきます。そこで少しだけ話を切り上げて全員で川原に降りました。

 前日の雨にも関わらず、ほとんど水が流れていません。広い川原には草もなくこれなら充分楽しめそうです。まず、説明にあった徳島の岩石「藍閃石(らんせんせき)」を探しました。これは全体的に藍色をしていて、その中に柘榴石(ざくろいし)や黄鉄鉱(おうてっこう)が入っていることがあります。また、表面にまるで毛が生えたような細長い結晶になっている物もあります。早速あちらこちらで歓声が上がったので、うまく見つけられたようです。

 参加した児童にスタッフも同行して一緒に石拾いをしました。磁石にくっつく磁鉄鉱(じてっこう)やピンク色の紅簾石(こうれんせき)、黄白色のチタン石、緑色の緑簾石(りょくれんせき)もありました。また、キースラーガーという銅を含んでいる鉱石も見られ、それを割ると中から金色や銀色をした塊が出てきました。こうして夢中になっていると、いつの間にか2時間も経っていました。

  採集した石を持ち寄って今からラベルを書いていきます。拾いっぱなしでは標本としての価値はなく、きちんと鉱物名と産地を記しておくことが大事です。参加者の皆さんは円を描くように車座になって、先に配布した鉱物写真と見比べながらあるいはスタッフに質問しながらペンを走らせていました。こうして盛況のうちに体調不良もなく全ての日程を終えることができました。ちょうど正午のアナウンスが流れるところでした。

 アンケート結果から、場所・日時・内容などとても好評でした。参加の皆様、ありがとうございました。次回は夏休み後半から秋にかけて別の場所で行う予定です。そのときは在学中の小・中学校を通じて連絡します。あるいはこの城南HPでもご案内します。ときどきご覧になって下さい。またお目にかかれるのを楽しみにしています。

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令和5年度市ノ川巡検並びに西条高校との交流会

 模試があった翌日の4月23日(日)、愛媛県西条市の市之川公民館の見学と西条高校との交流会が行われました。たまたま所用で公民館に電話したとき、偶然にも西条高校の先生が研修中でした。館長さんから「近いうちに徳島の城南高校がここに来る。」と話を聞いた先生が、「それなら日取りを合わせて一緒に何かできないか。」と思われ、館長さんを通じて話し合いが行われました。後はトントン拍子に話がまとまり、今日の活動につながりました。

 当日の朝、西条市の山間にある市之川公民館に行きました。そこには西条高校の生徒と先生が待っていました。まず、公民館の館長さんから市ノ川鉱山の説明があります。鉱山や集落の歴史、使用していた道具や採掘した鉱物などについて、様々なお話を伺いました。

 見学の後、少しだけ野外に出て地形を調べたり石を割ったりしました。そして、再び公民館に入って西条高校のワークショップに参加しました。市ノ川で最も有名な鉱物はもちろん「輝安鉱」です。組成式は Sb2S3 からなるアンチモンの鉱石で、小刀のような柱状結晶になります。ちなみに、アンチモンの元素記号Sbは鉱物名のスティブナイトからきています。それを封入したボールペンを作りました。

 どうやらボールペン作りは上手くいったようです。ここで一端お開きとなり、昼食後に西条高校へ移動しました。改めて互いに挨拶を交わしてから、パワポを用いて各校の研究成果を発表しました。西条高校からはおむつの灰の再利用と輝安鉱の人工結晶について、本校からはプラナリアの研究と学校紹介を行いました。初めて会ったとは思えないほど互いに親しみ合い、活発な質疑が出るなど楽しい交流会でした。また、頂いた輝安鉱の代わりに徳島の代表鉱物「紅簾石」を個々に差し上げました。

  最後に西条高校に隣接する博物館を見学しました。地元の歴史ある資料や収集された甲冑や貝殻、美術工芸品、そしてやはり輝安鉱をはじめとする鉱物や化石などが所狭しと展示されていました。館内ではそれぞれの高校生がペアを組んで、説明を受けながら展示物を自由に見ていました。こうして瓢箪から駒のように良い機会を得ることができて、私たちにとってとても有意義な時間が過ごせました。担当をして下さった西条高校の先生方並びに生徒の皆さんに厚く御礼申し上げます。

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科学部卒業生との座談会

2023年5月6日(土)化学室にて、

卒業生による課題研究の進め方や進路についての座談会がありました。

科学部員希望者(普通科含む)に向け、大学1年生と

大学3年生(オンライン)が

アドバイスを行いました。

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