平成28年度
平成28年度 科学の甲子園徳島県大会の結果
開催日時 2016年11月12日(土)9:30~
開催場所 徳島県立総合教育センター
出場生徒 応用数理科1年
アルファチーム:炭田・松尾・善本・佐竹・藤田・林里沙・森岡
ベータチーム :一宮・三浦・稲垣・日出・山城・森・吉田
科学の甲子園徳島県大会に応用数理科1年生の2チームが参加しました。
今年の徳島県大会は9校22チーム162名と、全てにおいて過去最多の激戦となりました。筆記競技は、1年生のためまだ授業で学習していない分野が多く、他校の2年生チームに比べるとかなり不利なところがありましたが、ベータチームが部門別表彰・実験競技1で奨励賞を獲得することができました。参加生徒は手応えを感じるとともに、悔しい思いもしたようです。今年の経験を来年にぜひ生かしてほしいですね。
※筆記競技と実験競技2は非公開のため、記事・写真ともありません。
高校・高専「気象観測機器コンテスト」 最終審査に進出
応用数理科2年生で気象に関連する課題研究を行っていた2つの研究班は、財団法人WNI気象文化創造センター主催の「第5回高校・高専『気象観測機器コンテスト』」にエントリーしておりました。そして第二次審査の結果、一昨年、昨年の先輩に引き続き、両班とも千葉県船橋市の港に係留されている元南極観測船SHIRASE(退役した先代の「しらせ」)で行われる最終審査(ポスターと実機によるプレゼン審査)に行くことになりました。頑張ってきます!
第5回高校・高専気象観測機器コンテストの開催予定
■日時:11月19日(土)10時00分~16時00分にかけて
■場所:元南極観測船SHIRASE5002
京葉食品コンビナート南岸壁、サッポロビール千葉工場隣り
■当日のスケジュール:
10時00分:開場ならびにセッション開始
12時30分~14時00分(交代で昼食ならびに船内の見学)
15時00分~16時00分:表彰式の実施
16時00分頃:閉会
*当日はSHIRASEにおいて チャレンジングSHIRASE2016第5回 というイベントを同時開催しており、多くの一般の方が来場します。
【参加者】
「藍染めによる紫外線強度の計測とその表現」 西浦歩里 寺山依里奈
「音響湿度計の製作」 市川裕一朗 早瀬智章 平岡大空 黒崎七穂
日本学生科学賞徳島県審査の結果
第60回日本学生科学賞徳島県審査
(読売新聞社主催:11/1徳島県立総合教育センターにて審査)
◇最優秀賞(知事賞)1点 →中央予備審査へ
「橋の耐震性」
応用数理科3年 青木 亮憲・筑後 聡一朗・佐々木 咲佳
◇優秀賞(教育長賞)4点
「空中電位の測定による降雨予想」
応用数理科3年 豊田 めぐみ・三木 綾夏
「効率が良い風力発電のプロペラ」
応用数理科3年 青木 馨右・足立 遼太郎・安田 宗一郎・田中 くおれ
「ブルーボトル反応における溶液劣化の研究」
応用数理科3年 川添 慧・篠原 史也
「チンゲンサイの初期段階の成長における身近な飲料水が及ぼす影響」
応用数理科3年 堀江 奈々・矢部 美萌・若林 いずみ
◇入賞 5点
「オオミジンコによる環境調査」
応用数理科3年 林 和泉・船越 茉由
「塩化リチウムがプラナリアの頭部再生に及ぼす影響について」
応用数理科3年 中村 真悠・西内 日菜・蓬莱 紫苑
「クラフト飛行機の飛距離の変化」
応用数理科3年 中井 康平・新居 正義・福永 喬介
「ブロッコリースプラウトの成長と匂い物質の関係性」
応用数理科3年 川崎 七海・露口 風花・鶴岡 佳苗・村上 朋可
「簡易吸光度計の製作と利用」
応用数理科3年 勢井 春香・清家 湖子・十川 彩乃
第73回科学経験発表会の結果
10月30日に徳島県教育会館にて開催された第73回科学経験発表会・高等学校の部に、現在課題研究に取り組んでいる本校の応用数理科2年生から3つの研究班が参加しました。応用数理科ではこの発表会を“課題研究中間発表”そして“県新人戦”的な位置づけで出場しています。
【発表会の結果】
特選/最優秀賞 「音響湿度計の製作」
応用数理科2年 市川裕一朗 早瀬智章 平岡大空 黒崎七穂
特選 「防波堤による津波被害の軽減」
応用数理科2年 吉田裕哉 竹田晴香 永尾拓都 吉田陸矢 向井伸吾
入選 「茶の品質劣化を防ぐ研究」
応用数理科2年 酒井喬介 土居義典 盛裕貴
なお“湿度計”班は、WNI気象文化創造センター「第5回 高校・高専『気象観測機器コンテスト』」の第2次審査に進出しています(→選出されれば11月に千葉県での最終審査に出場)。また“防波堤”班は来年3月開催の「京都大学サイエンスフェスティバル」に徳島県代表として、“茶の品質”班は来年3月開催の「第10回 希少糖甲子園」(香川県三木町)に出場します。
今回の発表で貴重な発表経験を積むことができ、審査委員や引率の先生方から様々な質疑やアドバイスをいただくことができました。ぜひ今後の研究や発表会に生かしていきたいと思います。
SSH研究成果発表会の開催
日時 平成28年9月22日(木・祝)12:00~16:30
場所 本校大会議室および多目的ホール
主な内容
(1)実践及び成果報告(SSH事務局)
SSHアメリカ研修報告(口頭:参加生徒代表)
(2)生徒課題研究口頭発表(3年生:物化生地各分野計4件)
(3)生徒課題研究ポスター発表(3年生:13件)
生徒課題研究ポスター中間発表(2年生:12件)
SSHアメリカ研修ポスター発表(参加生徒代表2グループ)
(4)指導講評(参加者による協議・意見交換など)
今年度のSSH研究成果発表会は、昨年に引き続き休日に実施しました。応用数理科2,3年生が様々な発表を行い、1年生も今後の課題研究の参考に参加しました。また本校SSH運営指導委員の先生方、徳島県教育委員会や徳島県立総合教育センターの方々、県内中学高校教育関係者、中学生、応用数理科生徒保護者、本校普通科の参加希望生徒および保護者も対象として幅広くご案内し、生徒の司会・運営でSSHの取組について発表しました。
参加した応用数理科の生徒にとって、発表そのもの、あるいは発表会運営について貴重な経験となりました。そして保護者の方々や中学生の皆さんに自分たちの取組を紹介する好機ともなりました。3年生は対外的に口頭・ポスター発表を行うのはこれが最後となります。ご苦労様でした。
また、ご指導の先生方や参加された方々からは、生徒の課題研究(特に2年生の中間発表に対して)や本校のSSH事業全般について、様々なご質問、ご意見やご助言を賜りました。いただいたご意見・ご助言は今後の課題研究やSSH事業にぜひ生かしていきたいと思います。お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。
The first class of Science EnglishⅡ
Science EnglishⅡは、同じく学校設定科目である課題研究(Science Research)とクロスカリキュラムの形態を取っています。Matt先生は既にコミュニケーション英語の授業には参加されていますが、SEⅡの授業は初めてでした。そこで各研究班から、研究テーマと内容について、主にMatt先生に対して英語で簡単なself-introductionを行いました。Matt先生は大学で生物学を学び、最近まで科学分野のプレゼンや論文に取り組んでいらっしゃったので、そのご経験を生かしていろいろアドバイスをいただけそうです。またTravis先生は先任者として、SEの授業についてMatt先生にご説明しつつ、生徒へのアドバイスもいただきました。
徳島県企業局トークイベント参加
7月30日(土)の午後、川内町の大塚ヴェガホールにて、徳島県企業局60周年記念トークイベント「愛のあるアートの未来~人を動かす力とは~」が開催され、本校から2年西浦さん、1年佐竹君、松尾君、大島君、秋成さんの5名が参加しました。
日本科学未来館キュレーターの内田まほろさんをモデレーター(進行役)に、TVでもおなじみとなった、チームラボ代表の猪子寿之さんと大阪大学教授・ロボット学者の石黒浩さんのお二人を講師に招いたトークショーでした。
本校参加生徒のうち、応用数理科1年生の佐竹君が代表質問者に指定されており、私たちのグループは最前列の指定席で間近にトークショーを拝聴することができました。すぐ近くには飯泉徳島県知事もご着席で、飯泉知事の開会挨拶や徳島県企業局の歩みのビデオ上映のあと、トークショーが始まりました。
実は、事前に参加生徒からの質問集を担当者に送り、その中から一つが指定され、当日に内田さんから質問内容が読み上げられ、「この質問者は徳島県立城南高校の佐竹君です」と紹介され、佐竹君が起立して礼をするという、かなり厳重な進行でした。また「会場での撮影・録音」「敷地内で撮影した写真等のSNS等への投稿」は厳禁ということで、この記事には写真が掲載できません。トークや質疑の内容掲載もここでは控えさせていただきますが、お二人とも「少しエキセントリックだが、並の人とは思考や発想、ひらめきが違う」と強く感じさせられる、面白くて興味深いトーク内容でした。
なお、トークイベントのようすは、県内ケーブルテレビにて放送予定とのことです。
化石採集フィールドワーク
実施日:2016年8月4日(木)
採集地:香川県香南町香東川河畔(三豊層群・新生代第四紀更新世)
応用数理科では1年生の夏休み中に、徳島化石研究会会長の鎌田誠一先生を講師にお招きして、希望者を対象に化石採集のフィールドワークを実施しています。今年の参加者は応用数理科1年生19名+同2年生1名の計20名でした。
昨年同様、今年も高温注意情報が出るほどの猛暑で、熱中症に注意しながらの活動でした。昨年は植物球果など目標とする化石があまり採れませんでしたが、今年はヒメバラモミ球果やハシバミの実の化石がそれなりに採れて良かったです。一人で複数の化石を採集した生徒もいました。猛暑の中、現地で熱心にご指導いただいた鎌田先生に厚く御礼申し上げます。なお、鎌田先生から採れなかった生徒にヒメバラモミ球果化石、全員にモロッコ産のサメの歯と国内産のハスノハカシパンウニの化石をお土産にいただきました。
J-Linkツアーin関西(応用数理科1年生)
応用数理科1年生は8月2日(火)に県外研修を行いました。今年は全て神戸ポートアイランドで研修を実施しました。
☆理化学研究所多細胞システム形成研究センター(CBD)
生命科学に関する最先端研究を行っており、様々な研究分野の研究者が国内外から集まっています。
事前に「カドヘリン」及び「幹細胞」についてのレポートと2つ以上の質問の事前提出が義務付けられており、参加者は事前研修をして見学に参加しました。CBDサイエンス・コミュニケーターの泉さんから、最初に「多細胞システム」「CBDのミッション」「発生」「遺伝子」そして事前学習してきた「カドヘリン」と「幹細胞」についてのお話があり、それから「iPS細胞」に関するお話、CBDの最近の研究成果、事前にお送りした質問内容へのお答えの後、2つの班に分かれて見学者用の広報用模擬実験室(本校ではなじみ深いプラナリアや、線虫、iPS細胞から分化させた網膜細胞なども展示)から、本物のバイオセーフティーレベル3(P3)実験室まで、いろいろ施設見学をさせていただきました。
今年初めての訪問でしたが、生命科学や医学に興味関心をかき立てられる研修でした。
☆理化学研究所 計算科学研究機構(スーパーコンピュータ京)
有名なスーパーコンピュータ「京」を運用している施設です。こちらも今年初めて訪問しました。「京」のある計算機棟に、L字型に接する研究棟の5,6階の間にある階段状の見学者ホールで、建物の耐震構造、計算科学研究機構の役割、スーパーコンピュータとは、「京」の特徴、スパコンが何に利用されるのか、スパコンの進歩とポスト「京」について、「京」でどんな研究が行われているか、といったお話がありました。ご説明の後、正面スクリーンが上がると、筐体がずらっと並んだ「京」本体が姿を現しました。有名な施設を目の当たりにして、みんな興奮気味でした。そして「京」の本体やステータスを示すモニター画面を見ながら質疑応答が行われました。熱心な生徒は出発ぎりぎりの時間まで質問をしていました。
☆神戸空港(昼食)
ポートアイランドの南端近くまで来ていたので、神戸空港まで足を伸ばし、昼食・自由行動の時間を取りました。
☆甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科
甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科では、今春卒業した先輩が3年前にお世話になった藤井敏司先生(生物無機化学・錯体化学)と、5人の院生・学部生TAの皆さんのご指導の下、「ブロッコリーのDNA抽出と電気泳動」というテーマで、2人一組で実験実習を行いました。ちなみにTAの一人は本校OBの吉岡さんでした。最初に実験内容と操作に関する説明をお聞きした後、実験実習に取りかかりました。今回の研修で、マイクロピペットや遠心分離器、DNA抽出から電気泳動に関する基本操作を学ぶことができました。
ご指導くださった藤井先生を初め、お世話をいただいた学生や事務室の皆さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。
J-Linkツアーin関西(応用数理科2年生)
応用数理科2年生は8月10日(水)に、午前中は高輝度光科学研究センター、午後は神戸大学で研修を行いました。
☆高輝度光科学研究センター(SPring-8&SACLA):兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
現地に到着すると、まずSACLA(SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser)の実験研究棟で、技術者の方から施設の概要をDVDと講義で学びました。それから、点検中の実験ハッチを見学しながらレクチャーを受けました。それから徒歩でSPring-8(Super Photon ring 8 GeV)に移動し、この日は施設が休止中だったため、普段は入れない放射線管理区域内の実験ホールを見学させていただきました。一周1400m超の実験ホールを約4分の1周し、その巨大さを実感しました。
そして光合成触媒タンパク質構造を世界で初めて解析したビームライン(BL)、小惑星イトカワの微粒子分析を行ったBL、和歌山毒物カレー事件のヒ素解析が行われたBL、企業が製品開発のため共同で利用しているBL、愛媛大学の高温高圧発生装置が設置されたBLなど興味深い場所を見学することができました。
☆神戸大学
生徒各自の進路志望等により、理学部・工学部・農学部オープンキャンパス及び吉本先生研究室に分かれて研修を行いました。
・大学院システム情報学研究科教授 吉本雅彦先生 研究室訪問
8名の生徒が、本校の卒業生である吉本先生の研究室を訪問させていただき、「コンピューターの高性能化により社会が変わる」というテーマで講義を拝聴しました。まずコンピュータのアーキテクチャの基本的概要と半導体デバイスの微細化、それに伴う高性能化の推移について教わりました。そしてそれが私たちの社会を今後どう変えていくのかについてのお話がありました。そしてIT技術革新に伴う社会の大変革の時期と、現在の高校生が社会人になる時期が重なること、だから大学合格が最終目標でなく、その先を見据えて自分の進路や人生を考えて欲しいと熱く語ってくださいました。
その後、研究室の学部4回生、大学院生の方々に研究室のことや大学生活、高校時代のことなどについて、親切に質問に答えていただきました。
午前中のオープンキャンパスに引き続き、本校応用数理科生徒のために研修会を開催してくださいました吉本先生をはじめ、研究室の皆様に厚く御礼申し上げます。
中四国九州地区理数科高校課題研究発表大会の運営・参加
日時 平成28年7月28日(木) 10:30~15:30 ステージ発表リハーサル
12:30~14:00 ポスター発表準備
14:00~17:00 ポスター発表Ⅰ(審査)
17:30~18:30 生徒交流会
平成28年7月29日(金) 9:00~ 9:20 受付
9:20~16:30 開会行事,ステージ発表, 閉会行事
14:50~15:45 ポスター発表Ⅱ
先月末、あわぎんホールにて、中国、四国、九州地区の理数科校38校約600名が集まり、「第18回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会(徳島大会)」が開催されました。徳島県内の5校が大会運営に関わり、本校はステージ発表リハーサルと、大会の要となる発表本番の運営全般を任され、応用数理科1,2年生と3年生有志でステージ設営、司会、プロジェクタ操作、発表者誘導、会場質疑応答マイク係などの仕事を行いました。また応用数理科1,2年生全員でポスター発表とステージ発表を見学しました。
ステージ発表およびポスター発表では、本校代表として両部門に応用数理科3年生川添君と篠原君が「ブルーボトル反応における溶液劣化の研究」で発表に臨みました。各県の発表は非常にハイレベルで、中には昨年末の某コンテストで既に上位入賞を果たしていたチームもありました。本校の発表は優良賞の獲得に留まりましたが、現時点で最高のパフォーマンスだったと思います。先輩や他県の発表を目の当たりにした1,2年生が、その経験を今後の研究に生かしてくれることを期待します。
園瀬川総合科学調査
7月14日(木)午後、応用数理科1年生に科学部化学班のメンバーを加えて、毎年恒例の園瀬川総合科学調査を行いました。先週は園瀬川上流部の神山町や佐那河内村で何度か雷を伴った非常に強い雨が降っており、この日も多少のにわか雨は覚悟していましたが、幸い晴天に恵まれ、ほぼ予定していた時間いっぱい調査活動を行うことができました。
参加生徒は上流・中流・下流に分かれ、それぞれの地点でパックテストによる6種類の化学分析(pH、COD、アンモニウム、亜硝酸、硝酸、リン酸)、水温や流速の計測、水生生物(水質指標生物)の採集などを行いました。 また科学部化学班のメンバーが自作した分析装置の実証試験を行いました。
冷たい川の流れに浸かっての調査でしたが、特に日陰のない上流部はやっぱり暑かったです。また昨年は上・中流部でもヒルが確認され、水質悪化が懸念されましたが、今年は発見されませんでした。ただし小型のカワゲラの幼虫も少なめでした。先週の上流部での大雨で川の流量が増して新しい水に入れ替わったものの、水生昆虫が流されてしまったのかもしれません。
◇上流
◇中流
◇下流
応用数理科3年 徳島大学高大連携出張講座
色の変化を考えよう~様々な無機イオンの反応を学ぼう~
平成28年6月28日(火)14:00~ (第6・7時限目)
徳島県立城南高等学校 化学教室
講師 徳島大学理工学部理工学科応用理数コース教授 三好 德和 先生
参加者 応用数理科3年20名
5時限目が、応用数理科3年の理数化学探究の時間で、遷移元素に関する定性実験を行っていました。その化学室へ終了10分前から入って、授業内容と生徒の様子を観察されてから、持参された内容を再構成して、6時限目以降の講義につなげて頂きました。
6時限目は、銀・銅・ニッケルについて、授業でやった内容の実験を再度やりながら、新しい視点も加え試薬も追加してより理解を深めてゆきました。
最初に銀について、授業でやったばかりの実験(塩酸,アンモニア,クロム酸との反応,鉛との比較)を憶えているか確認しました。その後、銀イオンに塩酸を加えて、アンモニアで溶かし、硝酸で沈殿を析出させました。高校での学習内容の金属イオンの性質の学習や化学平衡の視点を総動員しての理解となりました。さらに量的関係にも踏み込みました。銅イオンについてはテキストにありましたが、授業でやっているので飛ばして、ニッケルを使って水酸化物と錯イオンの比較を行い、ジメチルグリオキシムを加え赤の沈殿を作りました。センターの追試験に登場したので、教科書には無いが本試験にも登場するかもしれない等の情報もありました。構造式と配位の仕方などの説明の後、色の綺麗なコバルトも用いて比較実験を行いました。ジメチルグリオキシムがこちらでは橙色なりました。さらにビタミンB12や雷酸(ピクリン酸),TNT,強酸から超強酸などの話もありました。ここで、業間の休憩となりその間も生徒の質問に答えたり、化学の楽しさについて語っておられました。
7時限目は、最初に鉄イオンについて授業で行った内容の、3価の鉄イオンとチオシアン酸イオンやフェロシアン化カリウムとの反応について知識の確認と簡単な解説がありました。その後マンガンについて、イオンの色など授業で学んでいるはずの知識の確認をした後実験に移りました。2価のマンガンイオンと硝酸と過酸化水素の混合が、過酸化水素を加えた直後に硝酸を加える場合と30秒後に加える場合では、前者はほとんど無色透明の溶液になり、後者は黒色の酸化マンガン(Ⅳ)の沈殿を含む溶液になる様子を体験しました。マンガンについては、授業の中では過マンガン酸イオンの過酸化水素を加え硫酸の有無による変化を見たり、触媒として30%の過酸化水素水と粉末の酸化マンガン(Ⅳ)で激しい分解反応を見ていましたが、それの逆のような反応で、手順が変われば反応が変わり考え方も変えなければならないことを確認しました。残りの時間で、化学を学ぶことの楽しさや、今回は無機実験を行ったが、三好先生の専門は有機化学で、何故それを選んだかなど、学問の楽しさについて語って頂けました。
講義の終了後も、生徒の質問や進路相談への対応、最後に受験勉強で弱気になっている生徒を励ますなど、親しくお話ししてくださいました。
先生も生徒も終始笑顔で、楽しく実験をしながら、テンポ良く説明もなされた上に、やったばかりの実験とも関連が有り、巧く連携ができた講義でした。
日本生物学オリンピック講習会参加
「生物学オリンピック」挑戦者のための講習会が、徳島大学総合科学部を会場に6月25日(土)に開催され、応用数理科・科学部の希望者が参加しました。(ちなみに同日に平行して「化学グランプリ」講習会も開催され、やはり本校生が参加しています。)ご教授いただきました先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。
午前
・高校生物(総合教育センター指導主事 森誠一先生)
午後
・遺伝学(徳島大学 松尾義則先生)
・遺伝子工学,発生学(徳島大学 渡部稔先生)
・植物学(鳴門教育大学 米澤義彦先生)
108HR高大連携講座(香川大学・笠先生)
応用数理科1年生は、6月24日(金)午後、香川大学教育学部の笠先生をお招きして、課題研究に関する高大連携授業を行いました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「公正なテストを計画する」(音に関する簡単な現象について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
なお笠先生の講義の続きは年度後半にも予定されております。応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや目的などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。
Science Dialogueの開催
サイエンス・ダイアログとは、(独)日本学術振興会JSPSのフェローシップ制度により来日している外国人研究者(JSPSフェロー)有志が、近隣の高等学校等において、英語で研究に関するレクチャーを行う機会を提供するプログラムです。
今年のサイエンスダイアログから、開催時期を半年早めて2年1学期に設定しました。そして6月22日午後開催の今回は、岡山大学大学院環境生命科学研究科からChristopher J. VAVRICKA 博士(米国/専門:農芸化学)が講師としてご来校くださり、応用数理科2年生に対して講義と実験をしていただきました。また実験助手に、同じ研究室から本校OBの森さおりさんもお越しくださり、レクチャーのサポートをしてくださいました。
事前に、ご講演のAbstractやkey words をお送りいただいていたので、生徒配付資料として印刷するとともに、英語科及びWood,Travis両先生のご指導をいただき、Science English の時間を用いて、ワークシートとグループワークによる事前学習を行いました。
レクチャーでは、最初にドライイーストと砂糖による発酵と銀鏡反応の説明と演示実験が行われ、反応待ちの間に、VAVRICKA 博士の自己紹介(禅を好み、柔道は黒帯!)、大学時代の研究、その後の中国での漢方薬の研究や抗インフルエンザ薬の開発、日本での研究の様子のお話がありました。またアリストテレスやデモクリトスから、パスツールや華岡青洲らを経て現代に至る科学史のお話、そして科学史に登場する重要な実験や現代の研究最前線などのお話がありました。そして、4人一組の班で、VAVRICKA 博士や森さんのサポートをいただきながら、主に化学分野の様々な実験に取り組みました。
後の生徒アンケートでは、英語レクチャーはやや難しかったようですが、実験実習を伴っていたので大変面白かったという意見が多く寄せられました。
VAVRICKA先生、森さん、岡山大学大学院の清田先生、そして機会を与えてくださったJSPSに感謝いたします。
【森さんより】
この度は、このような貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
懐かしい母校で若い学生さんたちと化学実験を通して楽しい時間を過ごすことができました。
当日はこちらの準備不足等で慌ただしく、先生方にも多数ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
担当させていただいた学生さんが二年生ということもあり、講演内容の難易度に少し不安もありましたが、みなさん意欲的に取り組んで下さりました。
これを機に更に化学に興味を持ち、勉学に励んでいただければ嬉しく思います。
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応用数理科3年 高大連携講座 (徳島大学理工学部光情報システム)
◇理工学研究部 教授 陶山史朗 先生 ・ 講師 水科晴樹 先生
6/21(火)午後、応用数理科3年生は物理・化学・生物の各分野に分かれて高大連携講座に参加しました。物理の生徒は徳島大学理工学部光情報システムの陶山先生の研究室で研修を行いました。
研修前半では、陶山先生から光情報システムでの研究内容についてお話いただいた後、2班に分かれて、交替で2つの実験室にて大学院生の皆さんから、ご自分が行っている様々な研究内容について、わかりやすくご説明いただきました。参加生徒は、自らの課題研究体験を思い起こしながら熱心にお話を聞いていました。
後半は再び陶山先生のご説明の後、「アーク3D(光の散乱を利用して立体画像を浮かび上がらせるもの)」作成の実習を行い、光と画像について楽しみながら体験的に学びました。
熱心にご指導いただいた陶山先生、水科先生、大学院生の皆様に感謝申し上げます。
応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)
高大連携講座「徳島文理大学薬学部」H28.6.21(火)15:00~17:20
徳島文理大学薬学部21号館1F実験室
「アルドール縮合反応によるジベンザルアセトンの合成」
応用数理科3年 化学選択 男子2名女子13名合計15名参加
案内 薬学部公衆衛生学講座教授 鈴木 真也 先生 薬学博士 薬剤師
指導 薬学部薬化学講座教授 吉田 昌裕 先生 薬学博士 他2名
挨拶とスタッフ紹介の後、ガイダンスとして、バイオ医薬品と低分子医薬品について、具体例を挙げながら簡単な説明があった。次に、今回の合成するジベンザルアセトンの構造がウコンのクルクミンに似ていることなどを構造式で示し、色などを予想するように指示があった。実験に使う薬品の危険性や操作上の注意点についても丁寧に説明があった。 実験操作を説明するに当たって、生徒が化学の授業で無機化学までしか学習して居らず、有機化学への理解が不十分であることを踏まえて、一度に説明する情報量を少なくするために実験を「反応をかける」「反応を処理する」の前後半に分けて、器具の名称も説明したり演示をしながらの説明を聞いては生徒が実際にやってみるという繰り返しで進められた。ナスフラスコで薬包紙を軽く巻いたコルクで栓をして反応開始から約10分で反応が完結するとのことであった。無色透明の原料を混合すると少し黄色になり、マグネティックスターラーで撹拌が始まると一挙に懸濁した。スターラーの回転速度により、クリーム状になったり、かさ高く液面から盛り上がったり、固体と液体が分離したりと見た目の差はありながらも全員十分の量の合成に成功した。ブフナーによる吸引ろ過を利用しながら蒸留水で洗い、大判ろ紙で水分を取ってから秤量し、粗収量,粗収率を求めた。100%を超えたのはどうしてなのか考えるように指示し、今回は省略したがその後に再結晶による精製が必要なことなど説明があった。生徒の粗収率は140%前後が多かった。片付けの後で、薬学部に関する情報提供があった。薬剤師資格取得に関する徳島大学との比較、特待生制度などガイダンスがあった。また、科研費を多く取得できていることからも研究分野の質にも注目して欲しいとのことであった。また、JSPS(日本学術振興会)の科研費補助事業である「ひらめき☆ときめきサイエンス」のアナウンスもあった。今後も化学区に興味を持って頑張るようにと、新品の薬さじ,スパチュラ,ピンセットなどを記念品で頂いた。
207HR課題研究中間発表Ⅰ
6月15日の午後5~7限目3コマ通しで、応用数理科2年生は課題研究の中間発表(12の研究班)を行いました。現時点でのまとめと、お互いの研究についての情報共有、先生やクラスメートからのアドバイスなどが目的です。また今回は日本語での口頭発表でしたが、研究と平行してScience EnglishⅡで英語による課題研究プレゼンを行うことから、Wood先生やTravis先生、英語科の先生にもご参加いただきました。課題研究のテーマ設定には昨年度から取り組んでいましたが、今年は予想外に時間がかかり、予備実験の結果、最近テーマを変更した班もいました。今回いただいた質問やアドバイスを今後の研究の糧とし、遅れを取り戻して欲しいものです。
108HR高大連携授業(徳島文理大学薬学部)
応用数理科1年生は、5月20日(金)午後、徳島文理大学薬学部衛生化学講座にお邪魔して高大連携授業「食品中合成着色料の抽出と同定」に参加させていただきました。
薬学というと製薬・創薬が思い浮かびますが、それだけでなく、人々の健康を守るため、食品の安全性調査や成分分析も行っていることを知りました。私たちが食べる加工食品のほとんどには着色料や保存料、香料など「食品添加物」と総称される化学物質が含まれています。それらは安全性が確認されたものですが、中には許可されていないものや有害なものが含まれている場合があり、その際、食品を分析して何が入っているのか、様々な技術を駆使して化学分析を行っている人たちの多くは薬学部出身ということです。
今回の実験実習では、食べ物に含まれる着色料が許可されたものであるか確認するため、抽出、精製、分離、同定という一連の分析を行いました。陰イオン交換樹脂を用いた合成着色料の抽出を経て、薄層クロマトグラフィー(通常のシリカゲルでなく親水性のあるセルロース薄層)を用いた同定を行いました。
およそ2時間余りの高大連携授業でしたが、みんな楽しく熱心に実験実習に取り組んでいました。私たちのために、貴重な時間を割いてご指導いただきました薬学部教授の姫野先生をはじめ、角先生や薬学部5,6年生の皆さんに、この場を借りて厚く御礼申し上げます。
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