理科・実験 応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)

高大連携講座「徳島文理大学薬学部」H28.6.21(火)15:00~17:20
徳島文理大学薬学部21号館1F実験室
「アルドール縮合反応によるジベンザルアセトンの合成」
応用数理科3年 化学選択 男子2名女子13名合計15名参加
案内 薬学部公衆衛生学講座教授 鈴木 真也 先生 薬学博士 薬剤師
指導 薬学部薬化学講座教授   吉田 昌裕 先生 薬学博士 他2名

 挨拶とスタッフ紹介の後、ガイダンスとして、バイオ医薬品と低分子医薬品について、具体例を挙げながら簡単な説明があった。次に、今回の合成するジベンザルアセトンの構造がウコンのクルクミンに似ていることなどを構造式で示し、色などを予想するように指示があった。実験に使う薬品の危険性や操作上の注意点についても丁寧に説明があった。 実験操作を説明するに当たって、生徒が化学の授業で無機化学までしか学習して居らず、有機化学への理解が不十分であることを踏まえて、一度に説明する情報量を少なくするために実験を「反応をかける」「反応を処理する」の前後半に分けて、器具の名称も説明したり演示をしながらの説明を聞いては生徒が実際にやってみるという繰り返しで進められた。ナスフラスコで薬包紙を軽く巻いたコルクで栓をして反応開始から約10分で反応が完結するとのことであった。無色透明の原料を混合すると少し黄色になり、マグネティックスターラーで撹拌が始まると一挙に懸濁した。スターラーの回転速度により、クリーム状になったり、かさ高く液面から盛り上がったり、固体と液体が分離したりと見た目の差はありながらも全員十分の量の合成に成功した。ブフナーによる吸引ろ過を利用しながら蒸留水で洗い、大判ろ紙で水分を取ってから秤量し、粗収量,粗収率を求めた。100%を超えたのはどうしてなのか考えるように指示し、今回は省略したがその後に再結晶による精製が必要なことなど説明があった。生徒の粗収率は140%前後が多かった。片付けの後で、薬学部に関する情報提供があった。薬剤師資格取得に関する徳島大学との比較、特待生制度などガイダンスがあった。また、科研費を多く取得できていることからも研究分野の質にも注目して欲しいとのことであった。また、JSPS(日本学術振興会)の科研費補助事業である「ひらめき☆ときめきサイエンス」のアナウンスもあった。今後も化学区に興味を持って頑張るようにと、新品の薬さじ,スパチュラ,ピンセットなどを記念品で頂いた。