令和7年度活動一覧

2年生応用数理科、姉妹校とのオンライン課題研究交流を実施

2025年11月9日 09時17分

11月5日(水)、本校応用数理科2年生(207HR)が、姉妹校である台湾竹南高級中学校(206HR)との オンライン交流を行いました。
交流は、両校の校長挨拶で始まり、その後ミーティングルームに分かれて自己紹介を行った後、課題研究の相互発表が行われました。
2学期のScience English IIでは、生徒たちは自身の研究について 実験方法(Method) と 結果(Result) を英語で発表する方法を学び、発表内容を準備してきました。今回のオンライン交流は3回目で、PC操作にも慣れた生徒たちは、学んだ内容を英語で互いに発表しました。
竹南高級中学校でも課題研究が行われており、海外の同世代が探究的な学びをしていることを知ることで、生徒たちにとって大きな刺激となっています。
12月16日(火)には、海外研修として台湾の竹南高級中学校を訪問し、対面での相互発表を行う予定です。実際に会って交流する日を、生徒たちは楽しみにしています。

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竹南高校の生徒はプレゼンが上手く、刺激になっています   オンライン発表にも慣れてきました

日本学生科学賞 徳島県審査にて最優秀賞(知事賞)を受賞しました

2025年11月9日 08時40分

中学生と高校生を対象とした科学コンクールである「第69回日本学生科学賞」の徳島県審査が、11月5日(水)に板野町の県立総合教育センターで行われました。
本校応用数理科3年の池原 菜桜さん、兒玉 祐愛さん、田木 遥さんによる研究「アオサノリの生育と河川水の成分の関係について」が、見事最優秀賞(知事賞)を受賞し、県代表として11月15日・16日に東京で開催される中央予備審査に進むこととなりました。
また、本校応用数理科3年生による出品では、合計6グループが入賞し、出品している高校の中で最も多い入賞数となりました。これからも、課題研究のリーディング校として、生徒の探究的な学びをさらに発展させていきたいと思います。以下入賞内容です。

🏆 最優秀賞(知事賞)

「アオサノリの生育と河川水の成分との関係について」 池原菜桜、児玉祐愛、田木遥

🥈 優秀賞(教育長賞)
「オオカナダモの紅葉」長尾夏希、前川璃乃

「環境要因による枯草菌の芽胞形成への影響」 坂本陽光、高麗渚央、徳元優樹

「ハロゲン置換インジルビンを用いた新規化合物の合成」 工藤大河、岩本秋貴、佐中大雅、吉本訊

🏅 入賞

「ドミノの転倒とエネルギーの関係」 高橋悠愛、江本結、根來和芳

「ゆこう非可食部の有効利用とその効果」 米田光里、和田愛椛

なお、この結果は11月6日(木)の読売新聞朝刊に掲載されました。

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https://www.yomiuri.co.jp/local/tokushima/news/20251105-OYTNT50161/

応用数理科2年生、科学経験発表会で2グループが特選を受賞

2025年11月9日 08時24分

11月1日(土)、教育会館にて開催された「科学経験発表会」に、本校応用数理科2年生の2グループが参加しました。発表テーマは「放線菌の生育と代謝物について~食品パウダーの効果~」および「アオサノリの生育と金属元素の関係について」です。
近年、各校でSSH校や理数科を中心に課題研究が活発に行われており、本発表会には各校から最大2グループという制限の中で、校内発表の上位グループが出場しました。
生徒たちは前日までスライドを練り直し、論理的で分かりやすい発表となるよう工夫を重ねて臨みました。その結果、両グループとも最高賞である「特選」を受賞しました。
研究はまだ始まったばかりですが、今後さらに内容を深め、最終発表につなげてほしいと思います。
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緊張感もありながらしっかり発表しています  2チームとも特選を受賞しました

207HR 応用数理科課題研究中間発表Ⅱを実施しました。

2025年11月5日 16時34分

10月29日(水)の午後、階段教室にて応用数理科課題研究中間発表Ⅱを実施しました。
本校応用数理科の課題研究は、探究的な学びを継続的に深めていくことを目的として、次のような3段階のサイクルで進めています。

  • 1年生3学期:テーマ設定と基礎的な探究活動

  • 2年生6月 中間発表Ⅰ:「とりあえずやってみて、探究する内容を見つけよう」

  • 2年生10月 中間発表Ⅱ:「探究する内容を実験にて検証しよう」

  • 2年生2月 最終発表:「前回の結果をもとに研究をさらに深め、新たな発見をしよう」

今回の中間発表Ⅱでは、各グループが自ら設定したテーマに基づき、検証実験や分析に取り組みました。これまでの成果を踏まえ、最終発表に向けた新たな課題や展望も見え始めています。

生徒たちには、探究の流れを止めることなく、自分たちの問いに向き合い続けてほしいと思います。教員一同、今後も全力でサポートしていきます。

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🎉R7年度徳島県統計グラフコンクール(統計協会長賞、入賞受賞)

2025年11月5日 09時41分

応用数理科の課題研究2点、普通科の探究活動における活動1点、R7年度徳島県統計グラフコンクールに出品した結果、統計協会長賞2点、入賞1点の結果となりました。特に普通科は1年生での理数探究基礎で理科的数学的見方考え方を生かしたミニ課題研究を実施した結果、データを基とした探究活動を実施できた結果かと思います。これからも普通科においてデータを生かした教科横断的な探究活動を展開したいと思います。

統計協会長賞 応用数理科3年「アオサノリの生育と河川水の成分との関係について」

あおさ       

普通科3年「社会参加が鍵!高齢者ロコモ対策と健康維持」

さきこみ

入賞 応用数理科3年「枯草菌の芽胞形成に及ぼす環境要因について」

芽胞

なお、城南高校は統計グラフコンクール優秀校の受賞を受けました。これからも取り組みを発展させていきます。

小学生対象理科実験教室を実施しました(9月27日)

2025年10月1日 15時15分

9月27日(土)、小学生を対象とした理科実験教室が行われました。
当日は、本校の応用数理科1・2年生を中心に、生徒たちが“教員役”として実験の指導や説明を担当しました。1年生の応用数理科では、「Science Introduction」の時間を活用して、事前に準備を重ねてきました。実験内容の検討やプレゼンテーション方法、体験してもらう活動の構成、まとめ方など、一連の流れを自分たちで計画し、本番に臨みました。当日は、多くの小学生が理科への興味を深める様子が見られ、生徒たちにとっても「教えることの難しさ」と「伝えることの楽しさ」を実感できる貴重な体験となりました。

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      事前準備として、実験内容・手法・プレゼン方法など考えます

当日は、多くの小学生並びにその保護者に来ていただき、非常に満足していただきました。以下事後アンケートの自由回答の一部です。

「城南高校に進学する可能性が高いので、子供を連れて来ました。子供は楽しかったみたいで、高校への関心ができたようです。」

生徒たちが教えてくれるので、子どもたちも聞きやすかったみたいで、楽しんで学ぶことができたと思います。また参加したいようなので、これからも活動を継続していただきたいと思いました。」

「去年と違う実験があり親もテンション上がりました(^^)高校生さんが丁寧で優しくてしっかりしていて驚きました。質問したら分かりやすく教えてくれて、ありがとうございました。いろんなブースを回っていて先生と生徒さんの距離が近い感じで雰囲気がとてもよかったです。」

保護者も子供さんも楽しんでいただき、理科への興味関心が高まったのではないでしょうか。今後も地域における理科教育の中核校としての取り組みを進めていきたいです。

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多くの小学生並びにその保護者においでていただきました

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物理・化学・生物・地学の各分野で創意工夫を凝らした実験を体験してもらいました

以下、参加生徒の感想の一部です。

「私は、将来教師になりたいので、子供たちを喜ばせたり、ワクワクさせることができて本当に嬉しかったし、良い経験になりました。 これからも、こういう行事に参加して将来のことに活かせていきたいです!!」

「高校生同士で実験教室を主催して、とても楽しかったし、保護者も小学生も楽しんでいるように見えたので、とてもいい機会だと思った。 楽しかったので次もこのような機会があればぜひ参加したいと思った。」

107HR 自由研究発表会について

2025年9月19日 14時27分

9月12日(木)、1年生応用数理科107HRにおいて、夏休みの課題としていた自由研究の発表会を実施しました。事前研修では、テーマ設定や変数を意識したリサーチクエスチョンの立て方、実験手法や結果の表現方法、分析の進め方などを指導しており、その成果がしっかりと表れた発表会となりました。どの研究も内容が充実しており、聞いていても非常に興味深いものでした。今後は、探究的な学びの手法をさらに磨き、2年次から本格的に始まる課題研究に向けてステップアップしていってほしいと思います。
また、文化祭では、2・3年生の課題研究とあわせて1年生の自由研究も掲示し、多くの来場者から「テーマ設定が面白い」との高い評価をいただきました。本校のスクールポリシーである「未来を切り開くイノベーターの育成」の実現に向け、柔軟な発想力を生かした研究活動を通して、自らのイメージを形にする力を育んでいきます。

以下生徒のテーマになります。

・フィボナッチ数列と黄金比の 身の回りの利用・身近なものからのDNAの抽出・身のまわりにある化学発光・微生物電池の作成・見えるかな?身近な野菜や果物からDNAを取りだそう!・〜タンパク質と媒染液が繊維に与える影響〜・シャンプーとボディーソープ の見分け方"・コーヒーのリング化現象(コーヒーステイン)・糖度計で探る果物の甘い部分・リブレを使用した血糖値変動研究・水と食塩水が繰り出す不可思議・飲み物が与える影響について・サイコロの形状よって出る目の確立が変化するのか・光の通り道は角度で決まる?・水の過冷却・日焼け止めの塗付量と紫外線カット効果の関係・ビタミンCの量を調べる・自由落下の運動について・バナナのDNA抽出実験・生成AIによる嘘・十円玉をピカピカにするには?・犬の毛の役割・温度と洗剤が⽔の表⾯張⼒に与える影響・塩や砂糖の濃度による氷の融解速度の違い・浸透圧で変わる野菜の姿・氷の溶け方の性質・MINECRAFTを使用したデータのバックアップ・毛細管現象を使って自動で水やり・タンパク質の性質について・溶液による過冷却現象の違い

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 論理的に発表する力を身に付けてほしいです     多くの人に見ていただきました

SSH第2回天体観測会

2025年8月25日 14時25分

 8月22日(金)午後6時半から8時半まで、本校において小中学生とその家族を対象に天体観測会を実施しました。夏にはこのイベントを2回実施していますが、前回に引き続いてわずか3日で定員を大幅に上回る申し込みがありました。特に、募集開始と共に多くの方に閲覧頂きまして誠にありがとうございます。

 本日はやや雲が多いものの全体的に晴れていました。これなら星が見えそうです。受付時刻は6時半からですが、6時過ぎには早くも小学生と保護者が来られていたのでご案内しました。7時から始まった講義では、みずがめ座デルタ星の南流星群について説明しました。ピークを過ぎていますが、今でもたまに流れているからです。他にも星座早見盤の工作や天体に関する話などを行いました。

 外はすっかり暗くなり、天頂付近に一番星が見えました。織り姫、こと座のベガです。夏の大三角のうちで最も明るい0等星で、とても輝いています。今日は彦星、わし座のアルタイルや、はくちょう座のデネブやアルビレオも見えました。北斗七星や北極星もよく見えます。望遠鏡にそれらの星を入れて観察しました。

 次に、校舎を横切ってグラウンド側に移動しました。体育館の上にさそり座が鎮座しています。ひときわ赤いアンタレスが光っていました。また、その東側にいて座があり、有名な南斗六星も観測できました。今後の課題として、望遠鏡の性能の限界やスタッフの手際が今ひとつだったので、満足するには少し足りませんでした。次回は各自が技量を向上させて、来校者のみなさんにもっと満足して頂こうと思います。今回のご来校ありがとうございました。次回は12月を予定しています。

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第27回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会への参加(とくしま生徒まんなか探究活動推進事業)について

2025年8月22日 08時36分

応用数理科3年生 全国発表 8月20日(水)~8月21日(木)愛媛県西条市総合文化会館で行われた 第27回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表会 へ参加してきました

この発表会は とくしま生徒まんなか探究活動推進事業 として「課題研究を発表する」活動として実施しました。

発表グループは「枯草菌の芽胞形成に及ぼす環境要因について」の研究班です。この研究班は、徳島文理大学 阪口 義彦  准教授から枯草菌(納豆菌)の培養・染色法を学び、自分たちで実験の手法を考え、取り組んできました。

特定の細菌は、環境状態が悪くなると温度や酸などに強い芽胞を形成し、休眠状態となります。この現象に興味を持ち、温度と芽胞形成との関係、栄養状態と芽胞形成、音波との芽胞形成について、研究を進めてきました。研究を進めていく内に、芽胞は環境状態が悪くなると形成されると言われていますが、菌の状態が活性化することも大切な可能性があることが示唆されました。一生懸命に研究に取り組み、観察を続けてきた結果かと思います。

さて、発表会についてですが、初日はポスター発表です。移動中にも発表内容を確認し、いよいよ、ポスター発表です。前半の発表でした。審査員の先生方からは「考察がしっかりできている」とのお褒めの言葉といただきました。1時間半のポスター発表でしたが、聴衆のレベルが高く、活発な質疑応答がなされていました。後半はポスター見学です。興味深い発表がたくさんあり、積極的な意見交換がなされていました。

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移動中に発表内容を確認します   発表会場に到着しました   ポスター発表で意見交換を行います

2日目は、口頭発表の見学と研究を通じて生徒交流会です。口頭発表 生物学分野の研究では、画像解析から3Dマッピングを行うなど、ハイレベルな研究がなされており、大変興味深かったです。昼からはポスター発表による生徒交流会でした。課題研究に取り組む理数科の生徒たちと研究を通じて、交流ができたことは大きな成果だと思いました。

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口頭発表はハイレベルな研究ばかりでした  ポスター発表生徒交流会で親睦を深めます

今後、課題研究で培った探究する力を生かし、活躍してほしいです。

量子コンピューターについての講演「ようこそ先輩研究室からこんにちは」

2025年8月18日 15時01分

城南高校の卒業生で研究者になられた方をお迎えし、ご自身の研究について話をしてもらい、その後ざっくりと話し合いを行う会「ようこそ先輩研究室からこんにちは」を8月9日(土)に実施しました。 講師の森俊夫 先生は 1997年(平成9年)に城南高校を卒業後、現在、大阪大学 量子情報・量子研究センターで、量子コンピューターの研究開発を行っておられます。量子コンピューターは、理化学研究所が国産初号機を公開し、大阪大学も国産3号機を公開しました。先生はその両方の開発チームで、現在運用も行っておられます。

今回量子コンピューターの仕組みと今後の発展について教えてくれました。量子コンピューターを活用するには量子コンピューターが得意な分野を見つけ、そのアルゴリズムを開発していくこととが大切であること。これからは、現在の発生する誤差を抑え、ビット数を大きくすることがポイントとなるとおっしゃっていました。

現在、内閣府では、ムーンショット計画を打ち出しており、ムーンショット目標6には「2050年までに、経済・産業・安全保障を飛躍的に発展させる誤り耐性型汎用量子コンピュータを実現させる」とあります。

これからの技術である量子コンピューターについて知るとても良い機会となりました。

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【応用数理科3年生課題研究全国発表】全国SSH生徒研究発表会

2025年8月6日 17時52分

8月5日(火)~7日(水)全国のSSH校238校の代表研究グループが神戸に集い、研究発表を行う「全国SSH生徒研究発表会」が神戸国際展示場で行われました。本校からは「アオサノリの生育と河川水の生育について」の研究グループが参加しました。

このグループは、徳島文理大学での山本博文の研究においてアオサノリの完全陸上養殖が実現したことを受け(以下リンク)、山本先生の指導を受けながら、河川水と生育の関係を見てきました。

https://www.bunri-u.ac.jp/faculty/pharmacy/info/2021110200027/

1年間に観察を続け、元素と生育についての関係について一定の結果を得ることができました。粘り強く実験に取り組んだ結果です。

さて、8月5日(火)は国際展示場での準備日です。ポスターを貼ってから、事前発表練習です。しっかり発表できるよう会場が閉館する16時まで行いました。

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発表会場に到着しました          最後まで発表内容を確認します

8月6日(水)は午前・午後にまたがるポスター発表です。会場には評価委員の方以外にも一般観覧の方もたくさんいて、会場は熱気溢れる発表が行われていました。何度も発表と質疑応答を行い、プレゼンテーション能力の向上だけでなく、自分たちの研究を改めて考える深める機会になったと思いました。全体で8校が選ばれる代表発表には選出されませんでしたが、JSTの研究指導員から「非常に良い研究である」とのお褒めの言葉をいただくことができました。

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 発表と質疑応答を繰り返します      会場はすごい熱気です

8月7日(木)は代表校8校による口頭発表です。さすがは、全国のSSH校238校の代表。テーマは高校生ながら社会実装できそうなアイディア並びにその検証がなされていたり、ツバメが好きで追い続け、数学的データ処理からの検証がなされていたりと、どの研究も面白く、興味を惹かれるものばかりでした。

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最後に科学技術振興機構から「皆さんの好きを全力で応援します」との言葉が、SSHの本質を表していると思いました。是非、知識を覚える向こう側にある知識を使う探究学習を進めていければと感じました。

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【応用数理科3年生課題研究全国発表】全国総合文化祭自然科学部門

2025年8月6日 14時12分

本校、応用数理科では、主に2年生で行ってきた課題研究 校内優秀発表に対し、夏休みに全国発表を行う機会を提供しています。まずは、全国総合文化祭自然科学部門での発表です。

発表グループは「オオカナダモの紅葉」のグループです。このグループは初めは研究について、進む方向が定まりにくかったですが、研究を重ねるにつれ、オオカナダモが紅葉(アントシアニン合成がなぜ起こるのか)、どのような物質の流れで起こるのかなど、探究するテーマがどんどんとでてきて、最終的に深みのある研究となりました。どのような現象でも、深掘りしていけば良い研究になります。一生懸命に実験に取り組み、考察し、探究のサイクルをまわした結果だと感じました。

さて、発表ですが、7月26日(土)に香川大学栄町キャンパスで行われました。素晴らしい発表が続く中、城南高校の順番になりました。しっかりとした発表ができ、質疑応答にもしっかりと答えることができました。課題研究を通じて、考える力や表現する力が育成されたと感じました。

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7月27日(日)は、午前中に残りの発表を聞き、研究発表は終わりです。私自身、研究活動に関わる中で、今回の色々な発表を聞きながら、「こんな研究もできるな」「こうしたら面白いじゃないかな」など考えながら見ていました。

さて、発表が終わってからは、体験的学びの時間です。巡検研修として、我々は「香川大学工学部創造工学科」での学びを体験しました。

まずは、AIのアルゴリズムと通信仕組みについてです。AIのアルゴリズムについては、ナップサック問題を例にとり、分かりやすく説明していただきました。すべての組み合わせを行うアルゴリズムだとスーパーコンピューターでも不可能とのことで、生物進化の仕組みを利用したアルゴリズムを利用していることに驚きました。通信については、身近な本のバーコード等を例に説明していただきました。(本のバーコードの最後の数字は何か知っていますか?)ミスチェックする仕組みやデータ量を減らす仕組みなど非常に興味深かったです。

その後は、赤外線の利用(グルコース量や乳酸の量を赤外線にて測定する)についてや自動車やバイクのシュミレーションなどを体験し、現在急速に発展している分野についての学びを深めることができました。まさに分野横断、物理・生物・数学・情報が合わさり、現在の様々な問題にアプローチしていることに感動しました。

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8月28日(月)最終日は場所を高松中央高校に移し、閉会式と生徒交流会です。

生徒交流会は科学に関するクイズでしたが、さすが全国発表に来る生徒達、全問正解する生徒もいて、大盛り上がりでした。

その後の記念講演では 香川大学名誉教授の長谷川 修一 先生から「大地の成り立ちから地域を深掘りしてみよう」をテーマでした。ご自身のご体験からフィールドから学ぶことの大切さを教えていただきました。探究活動の最も大切な部分であると感じました。

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2泊3日の全国総文祭自然科学部門は非常に充実したものでした。

来年は秋田です。今の応用数理科2年生、検証から見えてくる現象にアプローチし、よい課題研究を行い、ぜひ全国発表に挑戦しましょう。

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来年は秋田ですよ

徳島バッテリーバレイ構想 産総研関西センター「蓄電池製造実習」

2025年8月6日 13時01分

本校は徳島県が進める「徳島バッテリーバレイ構想 人材育成部門」に参加しており、応用数理科を対象にプログラムを実施ししております。昨年度は応用数理科1年生を対象に、今後の科学の発展にリチウムイオン電池がどのように関わるかについての講義を実施しました。

なお、この講義の様子はNHKや朝日新聞に取り上げられました。(以下、リンク先)

NHK https://www3.nhk.or.jp/lnews/tokushima/20250321/8020022671.html

朝日新聞デジタル https://www.asahi.com/articles/AST6C0V8FT6CPLXB004M.html?msockid=19ebcf3d768f6b5b2957d91e77046ad6

今年度は実習や見学を中心としたプログラムを実施していきます。

7月25日(金)に昨年度講義を受講した応用数理科2年生が、電池研究の最先端施設である産業技術総合研究所関西センター(大阪府池田市)を訪問し、小型電池製造実習を実施しました。

まずは、講義です。蓄電池は再生可能エネルギーを利用するために必要であると共に、高出力、高エネルギー密度、軽量化を目指し、常に研究開発を続けているとの説明を受けました。その後、本日のリチウムイオン電池製作実習に関する説明をしていただきました。

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蓄電池の可能性と本日の実習内容の説明です

いよいよ実習です。実習には4人グループに1人、指導助手の方がついてくれ、丁寧に教えてくれました。

まずは、負極電極の作製です。炭素電極が放電時では電子を放出する負極になります。ペーストにした炭素を薄い銅箔に塗っていきます。その後、乾燥、打ち抜き、出力端子の取り付けで完成です。

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ペースト状にした炭素を銅箔に塗りつけ、電極(負極)を作っていきます

その後は、電解液を注入していきます。リチウムイオン電池は水を嫌うので、真空乾燥を行い、電解液は非常に乾燥したドライチャンバー内で入れていきます。その後真空封入機で封入してセルが完成。セルを充電し、電池としての能力を確認します。

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   真空乾燥機で乾燥させ          ドライチャンバー内で電解液を注入します

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 真空封入機で電解液を封入しセルが完成        セルを充電します

充電している間は、研究施設の見学をさせていただきました。

これからどのような研究がなされようとしているのか説明していただき、その後電子顕微鏡装置などを見学しました。透過型の電子顕微鏡では原子が確認できました。原子の状態等を確認することで、電池における原子の状態を確認し、改善点を見つけることができるとのことでした。身近に存在する電池が、原子レベルの分析を行い、研究されていることに感動しました。

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電池のこれからの研究について説明していただきました  透過型電子顕微鏡です(原子が見えます)

充電が終わり、実際に電池の能力を確認します。電圧は約3.3V。また、リチウムイオン電池を用いて、プロペラモーターを回したり、ミニ四駆を走らせたりしました。さらに、作製したリチウムイオン電池を並列で繋いでいき、ミニ四駆を走らせると・・・。「すごい」「速い」などの驚きの声が上がっていました。実際

にはこれをいくつも並列や直列で繋ぐそうです。車が動かせるのも納得です。

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    電圧は3.3V           ミニ四駆を走らせます(並列に繋ぐと・・・)

最後は実習のまとめをしていただきました。電池作製において、多くの分野の学問が融合し、研究がなされていることを説明していただき、視野が広がったと感じました。

以下、生徒の感想です。

「電池という身近にあるものについて詳しく知ることができてとても楽しかった。また、講座があったことで実習のときの理解も深まった。」「電池を作ると聞いてすごく難しいと思っていたけれど、簡単にできてびっくりした。」

「普段見られない様々な機械を見れて興味深かった。実際に透過型電子顕微鏡で原子を見ることができて感動した。」

徳島大学 遺伝子組換え実験講習会への参加について

2025年7月24日 11時24分

7月24日と25日の2日間、徳島大学蔵本キャンパス先端酵素学研究所で行われた高校生向けの遺伝子組換え実験講習会に2年生2名が参加しました。2日間で行う実験は、「①大腸菌の形質転換実験」「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」です。

「①大腸菌の形質転換実験」は、抗生物質耐性遺伝子とGFPタンパク質遺伝子を持つプラスミドをヒートショックにより大腸菌内に入れ、大腸菌を形質転換させる実験です。GFPタンパク質は紫外線照射で光り、araCタンパク質により、転写が調節され、アラビノースが培地にあるときにのみ発現するように調節してあります。

「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」では、髪の毛から自分のDNAを取得し、PCRで増幅、その後制限酵素で処理すると、お酒に強い遺伝子を持つ場合は切断され、そうでない遺伝子の場合は切断されないことを利用し、その後電気泳動することで、どの遺伝子を持つか分かります。

最後は、実験の結果分かったことを発表しました。

また、これらの実験はどちらも、現在の生物学で非常に大切な分子生物学の分野の実験です。どのようなことがマイクロピペットの中で起こっているのか、しっかりイメージしながら、分子生物学の理解を深めて欲しいと思います。

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日本刀の分析結果

2025年7月18日 16時07分

 先輩からの継続研究の1つに「海部刀の原料はどこから来たか」があります。海部刀は鎌倉時代末期に海部氏𠮷(かいふうじよし)を祖とする刀匠により作られた刀剣です。戦国時代には、後に阿波藩主になる蜂須賀家がこの刀剣を用いて活躍したそうです。日本刀はたたら製鉄により作られた玉鋼を原料としていますが、その玉鋼の元になった砂鉄がどこからもたらされたのかが不明でした。そこで、国内各地の砂鉄を採取し、同時にその砂鉄から作られた玉鋼や刀剣を入手して、成分を調べて比較しようと思ったのです。

 しかし、砂鉄と玉鋼はある程度まとまった数のサンプルを入手できましたが、刀剣のサンプルがなかなか見つかりませんでした。あちらこちらに問い合わせてみましたが、刀剣の破片の入手はかなり難しいものでした。そうしたなかで、ある方からついに複数の刀剣の破片を頂くことができました。そこで、早速分析にかけてみました。

 結果は以下のとおりです。南北朝時代の越中(今の富山県)で作られた古宇多という刀剣です。宇多(うた)という刀匠の流派があるそうですが、それよりも古い時代なのでこのように呼ばれています。黄色が鉄で、赤色が酸素です。これを見ればかなり純度の高い刀剣であることがわかりました。

古宇多(南北朝)1

 残念なことにまだ海部刀の破片が入手できていません。それでもいつかは入手できると信じて研究を続けていきます。