令和7年度活動一覧

隕石の分析結果

2025年4月14日 08時22分

 私たちは大学や専門学校、その他様々な研究機関と連携して、高校では実施できないような研究にも取り組んでいます。その一つが物質の元素分析です。化学実験を行って炎色反応や沈殿反応を調べれば、その物質に何が含まれているかある程度はわかりますが、それらがどのくらいの量なのかまではわかりません。そこで、研究機関に赴いて分析機器を用いて詳しく調べることにしました。

 昨年度に入手した隕石の破片を分析しました。使用した機器は走査型電子顕微鏡(SEM)です。一般的な顕微鏡は対象物に可視光線を反射させて、レンズを通して見ることができますが、倍率は400~600倍くらいです。しかし、電子顕微鏡は対象物に電子線を当てて、反射してくる二次電子線を検出器で捉えることで解像度が高くなり、倍率は数千倍から数万倍になります。また、同時に発生するX線を検出することで、どのような元素が含まれているかがわかります。

 主に鉄などからなる隕石、すなわち隕鉄の分析結果は次のようになりました。黄色が鉄、赤色が酸素、橙色がケイ素で、少ししかない黄緑色がニッケルです。原始惑星のコアに含まれていた部分とのことで、ずっしりとした重量感がありました。なお、サンプルのサイズは1cmくらいです。

コンドライトE3

 今後もこのような分析を続けていきます。岩石だけでなく土壌や水質、野菜や果実などの有機物も対象です。地道な活動が新しい発見につながるのです。