野球部活動報告

2023(令和5)年度 徳島県高等学校野球新人ブロック大会

~ シード権獲得に向けて、2位じゃダメ! 一戦必勝で、優勝しかない! ~

8月3日(木)、鳴門渦潮高校で徳島県高等学校野球新人中央ブロック大会の組み合わせ抽選会が行われました。抽選結果は以下の通りです。

新人ブロック大会組み合わせ表(R5年度)_085558.pdf

本校の初戦は8月12日(土)10:00から鳴門オロナミンC球場で行われる準決勝第一試合で、城北高校と城ノ内中等教育学校、つるぎ高校、池田高校辻校の勝者と対戦します。

この大会は新チームになって最初の公式戦となりますが、 中央A、中央B、西部、南部の各ブロック大会における上位2校が、秋季大会のシード権獲得をかけて戦う新人中央大会に進出します。ただし、夏の選手権徳島大会を制し、甲子園に出場する学校に関しては新チーム移行への準備期間が短いため、所属ブロック2位扱いで自動通過となります。したがって、徳島商業高校が本校の入った中央Aブロックの2位扱いで中央大会進出が決定していることから、本校が新人中央大会に進出する条件は優勝以外にありません。

選抜高校野球も四国の出場枠は2校となり、夏の選手権に出られるのは徳島県で1校のみということを考えると、負けて良い公式戦などありません。2位や3位で通過してやろう、という浅はかな考えで甲子園に行けるはずがないので、勝ちにこだわるという意識は不可欠です。その意識を高めるために、負けが許されない状況を経験することは必ずプラスに働きます。

新チーム発足以降、多くの強豪校と練習試合を行う中で、勝負の厳しさを実感しつつ、課題克服とチーム力強化に努めています。いかに勝ち切ることが難しいかを知った私たちはまず、この大会を一戦必勝の意識を大切にし、頂点を目指して戦い抜きます。

皆様、新チームも応援よろしくお願いします。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権記念徳島大会2回戦

~ 最後のアウトを取られるまで諦めない これぞ城南野球の神髄 ~

7月18日(火)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権記念徳島大会の2回戦を戦いました。

対戦相手は春季大会優勝校の阿南光高校です。

《バッテリー》(城南)馬詰、神戸ー上原 (阿南光)吉岡ー井坂

《長打》▽本塁打(阿南光)福田 
    ▽二塁打(阿南光)直江、(城南)馬詰

《試合の概要》この試合のテーマは「守り勝つ」140KM台のストレートとスライダーのコンビネーションで春季大会を一人で投げ抜いた阿南光の2年生エース・吉岡投手を、どう攻略するか。とにかく、流れをつかむまではどんなに厳しい戦いになろうと耐え抜く。覚悟はしていましたが、想像以上に壮絶な試合展開となりました。

先攻の城南は7回表終了まで無安打に抑えられ、突破口を開くことはできませんでした。

一本出れば流れは変わる、そこまで守り切ろうと覚悟して戦う一方、阿南光に2点の先制を許します。

さらに、3回裏には内野手の失策から走者を出し、3番福田選手が放った右翼方向への大飛球はスタンドへ一直線の見事な本塁打となり、リードを4点と広げられます。

4回裏には、ここまで力投を続けてきたエース馬詰に代わり、1回戦で復活登板を果たした神戸がマウンドに上がります。試合当初の想定より早い登板となりましたが、神戸はエースの風格を見事に発揮し、この後8回裏まで5イニング1失点の好救援となりました。

 

その神戸が7回裏、無死一・二塁のピンチを迎えます。ここで右翼方向へのファールフライを右翼手の炭谷が懸命のスライディングキャッチ。二塁走者のタッチアップこそ許したものの、この気迫あふれるプレーはチームの士気を高めます。盗塁で一死二・三塁とピンチは拡大しますが、前進守備で1点も与えられないプレッシャーの中、次打者も遊ゴロに打ち取り、遊撃手の川丘が冷静に処理し二死とします。しかし、二塁走者の飛び出しが大きいと判断して投げた一塁からの送球が悪送球となり、その間に三塁走者が生還。リードを5点に広げられます。5点目の取られ方が悪かったため、無安打のままコールド負けという最悪の状況まで想定しないといけない状況に陥りましたが、ここで簡単に終わらないのが城南の底力です。次打者には中前への安打を打たれますが、この打球を処理した中堅手の大村主将が本塁へ見事なダイレクト送球を決めます。捕手の上原が体を張って本塁に突入する走者にタッチし3アウト目を取り、非常に厳しい局面を何とか1失点で乗り切りました。

給水タイム終了後の8回表。スタンドからは「流れ持ってこい!!」の大声援が聞こえてきます。

その声援が、本当に流れを城南に持ってきました。

先頭打者の5番島がこの試合のチーム初安打を放ち、ついに無安打を阻止します。続く6番上原も安打で出塁し、無死一・二塁。途中から二塁手で出場している7番松尾がバントを決め一死二・三塁。ここから、偉大な3年生の背中を追ってきた2人の2年生による連打で待望の得点を重ねます。8番大野が左中間に運び、島と上原が生還し、ついに2点を返します。さらに降板後、左翼手として出場していた先発投手の9番馬詰が右中間に二塁打を放ち、一塁走者の大野は本塁までの激走を見せ生還し、ついに点差を2点まで縮めます。

その裏の守備でも、右翼手の炭谷が再びファールゾーンへの決死のダイブでフライをつかむなど、流れと勢いは間違いなく城南という球場内の空気を味方につけ、9回表の攻撃を迎えます。一死から4番神戸、5番島が四死球で出塁し一打同点のチャンスを作りますが、後続が断たれ3対5で試合終了。残念ながら2回戦で敗退し、先輩方を超えるベスト8進出は果たせませんでした。

《総括》好投手を相手に無安打が続き、下手をすればコールド負けも想定される劣勢を強いられながらも、最後には観戦していた多くの方から「ナイスゲーム」と声を掛けられる、非常に充実した戦いを展開しました。終わってみれば今大会屈指の好ゲームになり、負けたという結果は悔しいですが、部員たちは本当によく頑張ったと思います。

3年生にとってはこの試合を持って引退となりますが、全員がしっかり実力を発揮した夏であったように思います。

俊足好打とリーダーシップで攻守にチームを引っ張ってきた大村主将、捕手として個性派投手陣をうまくリードしてきた上原、最後にベストピッチングを展開し、エースのあるべき姿を見せた神戸、高いポテンシャルとガッツでチームを鼓舞した炭谷、勝負どころで発揮される強肩・堅守と小技で見せた川丘。この5名の選手に加え、ベンチの主将とも呼べる敏腕仕事人・岡、チームに安心感と癒やしを与えるモチベーター・山田のマネージャー2名。彼らは監督・部長の就任した年度に入学し、選手10名の時代を共に乗り越えた苦しみと輝きを知る最後の学年です。

このメンバーと一緒に戦い、城南高校硬式野球部の新潮流を作り上げたことは私たちの誇りであり、チームの歴史に内容のしっかり詰まった1ページを刻んだことは間違いありません。3年生は、ここからは受験生になりますが、野球だけでなく学校生活、日常生活も含めた「フェアゾーン以外の270度」でのあり方も大切にしてきた部員たちは、360度どの角度からでも勝負できるので、あとは自信を持って人生の大一番を戦い抜いてほしいと思います。

一方で、この試合で悔やまれるミスをした2年生の選手は、悔しい経験を忘れずに日々の練習で実力を伸ばすことで、今後の野球人生における大きな成長へのステップとなるはずです。新チームにはスタメン4名をはじめ、7名の今大会出場者が残ります。翌日から再び、ポジションやキャリアに関係なくレギュラー争奪戦が始まりますが、今のところレギュラーは全席自由席となっております。そこを勝ち抜き、甲子園の舞台に立つことこそ先輩方への恩返しです。

ただし、甲子園に出場するためには今日対戦した阿南光の吉岡投手や春季大会で対戦し、今大会最速153KMをマークした生光学園の川勝投手らを筆頭に、他校にも能力の高い選手が多く残ることから、このような選手を擁する強豪校と対戦したときに「一撃で仕留める」強さが必要になります。その強さを持った熱いニューヒーローの出現を期待していますが、熾烈な競争を勝ち抜いてヒーローになるのは何年生でも良く、グラウンド上の争奪戦には先輩も後輩もありません。

この2試合のためにスタンドで声を枯らし応援してくれた硬式野球部以外の生徒たち、休暇を取るなど調整してまで球場へ応援に来ていただいた保護者会・OB会をはじめとした関係者の皆様、それぞれの場所から様々な形で観戦、応援していただいた全国の皆様への感謝は尽きません。改めて、たくさんの方に応援していただけるチームになったことをチーム一同、感動しており、心から御礼申し上げます。

創部125周年の夏は今日で終わりましたが、次の照準は秋季大会。来年の春には13年ぶり2回目の選抜出場という形で恩返しできるよう、全力で取り組んでいきますので、今後とも応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形 

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会1回戦

~ 何日かかろうと、俺たちは必ず勝つ! 勝負を決めた1点への執念 ~

7月15日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の1回戦を戦いました。

バッテリー》(阿波)小川和,栗栖-多田   (城南)馬詰,神戸-上原

《長打》    ▽二塁打  多田(阿波) 大村(城南)

《試合の概要》

当初、7月10日(月)に行われる予定だった1回戦は天候不順により5日延び、時間帯も変更になったことからコンディションとモチベーションをどのように高めるかが課題となりました。

この日の先発は、総体からエースナンバーをつける2年生の力投派・馬詰。勢いのあるストレートと変化球のコンビネーションで「レッドウェーブ極打線」を標榜する阿波の強力打線を7回2失点に抑え、バックの堅い守備に盛り立てられエースの責任をしっかりと果たしました。

少しでも馬詰を楽にしてやりたいと全員攻撃で臨む城南は3回裏、先頭打者の1番大村の左前への安打と4番神戸の四球で二死一・二塁とし、勝負強さに定評のある5番島が中前に安打を放ち、1点を先制します。

さらに4回裏には渋く内野の間を抜く安打で出塁した7番中山を8番大野が手堅くバントで送り、9番馬詰が四球で歩き一死一・二塁。1番大村の放った右中間への打球は二塁打となり二塁走者の中山が生還し、なおも一死二・三塁。2番川丘がスクイズを決め、三塁走者の馬詰も生還しリードを3点に広げます。

 

5回裏には5番島が安打で出塁し、6番上原の内野ゴロの間に進塁し二死二塁。7番中山がしぶとく転がした打球は一・二塁間を抜け島が一気に生還。前半戦を4点リードで折り返します。

後半戦は相手の継投もあり、攻守ともに押され気味の展開となります。7回表は失策と安打、四球で一死満塁。阿波の1番打者に左前に運ばれ1点を返されます。この打球を処理した左翼手の中山が両足を攣り、担架で救護室へ運ばれるというアクシデントに見舞われ、試合は5分間中断します。その後、中山はトレーナー・看護師の的確な手当てにより見事に回復し、守備に戻ります。再開後、2番打者の犠飛で2点目を取られ二死一・三塁。ここで回ってきた強打の3番打者から馬詰が気迫の力投で三振を奪い、この最大のピンチをしのぎました。

そして8回表。誰もが、この男の復活を待っていた。この回から春までのエースで、ここまで二塁手として出場していた3年生の神戸が満を持してマウンドに上がります。

神戸はベンチの期待に応える安定感抜群の投球で2回をきっちりと抑えます。9回表にはこの試合好調の1番打者を三振に仕留めて試合終了。2年連続の初戦突破を果たしました。

 不完全燃焼で敗退した総体協賛ブロック大会については散々な書き方をしましたが、この試合についてはこれぞ城南野球といえるナイスゲームでした。苦しみながらも最後まで相手にリードを許さず勝ち切る、見事な戦いを展開しました。その裏側には何日かかろうと勝つ、1点への執念を強く持って戦うという強い意識が現れたと言えます。特に3年生は高校野球に後悔を残さないことが大切であり、1点でも多く取る、1点たりとも無駄に失わないという意識は共通テストや入試でも必ず活きる思考です。

度重なる順延の結果、試合が土曜日になったことにより、スタンドで応援してくださる方がいつも以上に多く、盛り上がったことは城南にとって大きな追い風になりました。例えば今年の3月に卒業し、全国へ巣立った硬式野球部の卒業生もこの日のために夜行バスなどあらゆる方法を活用して球場へ駆け付け、ほぼ全員集合となりました。ベンチ入り外の選手はボールパーソンを含めて4名、マネージャーも記録員を除くと5名ということで、部員だけで歌いながら応援するのは難しい人数ではありましたが、卒業生や部員のクラスメイトが大きな声で歌って盛り上げ、スタンドは例年にない活気に充ち溢れました。校歌斉唱の後にスタンドを見渡すと、非常に多くの方が応援に駆けつけてくれたことに気付き、チーム一同、本当に感謝の思いは尽きません。改めて硬式野球部は愛される存在であり、勝つことこそ最大の恩返しであるとの認識を強めました。野球を通じて人生を豊かにするという発想を大切に、次戦も「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと全力で戦い抜きます。

2回戦は7月18日(火)の13時30分から行われる第一試合で、阿南光高校と対戦します。

春季大会優勝の実力校であり、厳しい戦いとなることは予想されますが、相手はこの夏の初戦。どこのチームでも初戦は戦いにくいものですが、私たちが苦しみながらも初戦を勝ち抜いたという経験は必ずプラスに働き、そこに勝機があると考えております。

皆様の応援のおかげをもちまして、1回戦を勝つことができました。2回戦も全力で戦い抜きますので、応援よろしくお願いいたします。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会 日程変更について

~ 日程が変わろうと 一球一心 一戦必勝へ向けて 心はひとつ ~

7月13日(木)に行われる予定だった試合が中止になったことに伴い、今後の大会日程は以下のように変更となりました。

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会やぐら(0713変更1)-1.pdf

本校の初戦は7月15日(土)の8時30分から行われる、第一試合に変更となりました。時間帯や試合順が当初の予定と変更されていますので、応援に来られる際にはご注意ください。なお、今大会の会場はすべて鳴門オロナミンC球場です。

なお、この日程変更によって残念ながら応援に来ることができなくなった方には、ケーブルテレビでの中継・再放送、「バーチャル高校野球」サイト内でのライブ配信もあります。

球技大会でケガ人が出ることもなく、連日の中止・順延となりましたが、連日の猛暑による体力が消耗しやすい状況下においてコンディションを万全に整えるには十分な期間となりました。

私たちは、初戦を待たされているとは思っていません。何日かかっても、勝てば良いのです。そして、土曜日に変更されたことによってより多くの皆様に応援していただけると思えば、この雨は絶対に城南を後押ししてくれています。様々なイレギュラーにもしなやかに対応し、一戦必勝で戦い抜きます。皆様、それぞれの場所から応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形

第105回全国高等学校野球選手権徳島大会開会式

~ 最高の仲間と共に戦う、熱い夏の始まり ~

7月8日(土)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で第105回全国高等学校野球選手権徳島大会の開会式が行われました。新型コロナウィルス感染拡大の影響で、開会式の開催は4年ぶりとなりますが、入場行進を見ると本当に球児たちの夏が帰ってきたんだな、という非常に感慨深いものがあります。

鳴門オロナミンC球場は大規模リニューアル工事のためこの秋に解体され、現在の姿で夏の選手権を行うのは今年が最後となりますが、徳島県の野球関係者としてこの姿の最後に開会式を行うことができ、本当に良かったと心から思います。選手入場では前年度優勝校の鳴門高校を先頭に、抽選番号順の逆から各校が入場し、城南高校は岡楓マネージャー、大村豪主将を先頭に勇ましい入場行進を披露しました。

学校へ帰着後、保護者会主催の壮行式が行われました。冒頭に流したマネージャー作成の応援動画は硬式野球部員以外の生徒や卒業生による激励のメッセージが集められたものであり、部員はもちろん私たちスタッフや保護者の皆様にとってもいかに城南高校硬式野球部は愛されるチームであるかを実感することができ、一緒に見たすべての者が感動する、非常に素晴らしい作品でした。

続いて保護者会の皆様が作成した二千羽鶴が、マネージャーからは千羽鶴とお守りが贈呈されました。それぞれにこの夏に懸ける思いが詰まっており、グラウンドに立っている者だけでなく支えてくれている人も一緒に戦っているということを知った私たちは、この3学年で一日でも長く戦おう、という思いを全員で共有できました。 

関係者の皆様におかれましては、本日は非常に暑い中、ご協力いただき誠にありがとうございました。

私たち城南高校硬式野球部は、125年目の躍進を目指し「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、一戦必勝で戦い抜き頂点を目指します。皆様、この夏も応援よろしくお願い致します。

《文責》尾形