平成28年度
「活断層と地震」講義および現地研修
昨年11月に徳島大学総合科学部教授の村田明広先生を講師にお招きして「活断層と地震」と題した講義と現地研修を実施しました。まず11月16日(水)に行われた出張講義では、熊本地震の解説を組み込んで講義内容を考えてくださり、1.熊本地震を引き起こした布田川・日奈久断層帯、 2.徳島県の中央構造線断層帯、3.兵庫県南部地震と野島断層、4.東日本大震災、5.南海トラフ地震の再来、という5つの項目で、豊富な写真や図を用いて、様々な内容をわかりやすくレクチャーしてくださいました。
11月30日(水)には、応用数理科2年生全員で貸し切りバスで淡路島まで行き、野島断層保存館等で現地研修を行いました。行きのバスの中では中央構造線や淡路島の活断層地形などについて村田先生が作成された立体画像を用いて、また現地では活断層露頭や震災に遭った住宅などを実地見学しながら先生にご説明をいただきました。震災体験館では震動台に交代で搭乗しリアルな疑似地震体験を行いました。その後、明石海峡大橋の松帆アンカレイジへ移動し、震源地の明石海峡を見ながらお話しをお聞きしました。
研修を通して、地震災害と防災に関する知識と意識を高めることが出来ました。
日本学生科学賞徳島県審査表彰式
12月27日に徳島県教育会館にて,第60回日本学生科学賞徳島県審査の表彰式があり,最優秀賞の代表制と1名が参加しました。審査結果は以下の通りです。
最優秀賞(知事賞)「橋の耐震性」
優秀賞「教育長賞)「空中電位の測定による降雨予測ーテザードローンを使用してー」
優秀賞「教育長賞)「効率が良い風力発電のプロペラ」
優秀賞「教育長賞)「ブルーボトル反応における溶液劣化の研究」
優秀賞「教育長賞)「飲料水が及ぼすチンゲンサイへの影響」
入賞「オオミジンコによる環境調査」
入賞「塩化リチウムとプラナリアの頭部再生」
入賞「クラフト飛行機の飛距離の変化」
入賞「ブロッコリースプラウトの成長と匂い物質の関連性」
入賞「簡易吸光度計の制作と利用」
「世界津波の日 高校生サミット」報告 その6 3日目・「黒潮宣言」他
6:40~ 7:10 朝食
施設清掃・片付け
9:00~ 退所→バスでJR土佐入野駅へ
9:31~ 南風12号で高知へ
・町長さんをはじめ町の人たちの見送り
※帰路のJRは阿波池田駅で特急乗り継ぎが接続していないため、高速バス利用で帰りました。
☆3日目は朝から断続的にやや強い雨が降るあいにくの天気でした。本校を含む土佐入野駅9:31発の南風12号利用組は最後の退所で、生徒達は玄関で先に退所する同室メンバーと別れを惜しんでいました。天候と相まって寂しさもひとしおでした。
南風12号利用組が土佐入野駅で列車を待っていると、大西町長さんをはじめ、住民の皆様がわざわざ雨の中見送りのためにお越しくださいました。そしてホーム~線路沿いに並んで見送ってくださいました。
高知駅では、高速バスの出発まで時間があったため、ひろめ市場まで路面電車で移動し、ささやかながら昼食兼打ち上げをしました。本校以外にも何校かひろめ市場でお目にかかりました。
最後となりましたが「世界津波の日 高校生サミット」では本校参加に当たり、本当に多くの皆様にお世話になりました。サミット参加の機会を与えていただいたことを光栄に思うとともに、今回の経験を今後の防災・減災の取り組みに生かしていきたいと思います。この場を借りて全ての皆様に心から感謝申し上げます。
同室だった和歌山県立日高高校の皆さんと宿舎ロビーにて | 土佐入野駅にて待機中 |
黒潮町の皆様、本当にお世話になりました。 | ひろめ市場にて。ものすごく混んでいました。 |
◎今後の取組(参加の成果等)
本校の課題研究の取り組みの蓄積や学校設定科目Science English の指導の成果を生かして、国内外への他校への情報発信をすることができました。本校の参加したB-1分科会はかなり先進的な高校が集まっており、今後の本校取組に大いに参考になる情報が得られました。特に韓国の発表は、日本の高校ではまだほとんど見たことがないPreziを使ったプレゼンで、流体力学的な研究内容も高度で驚かされました(ただしPreziを利用するには、Wi-Fi環境が整った会場でないと使えない、国内の発表会はほとんどの場合PowerPoint使用が指定されているといった問題はあります)。
今後は英語プレゼンの向上に努めるとともに、校内外の様々な場面で「黒潮宣言」の内容や経験したことを通して、地域の津波リスクや防災の啓発のための情報発信を積極的に行っていきたいと思います。校内では3学期の全校防災訓練で報告会を行う予定で、機会を捉えてサミットの成果をみんなに伝えていきたいです。
◎生徒や引率教員の感想
☆生徒
・サミットで学んだことを友達と共有し、地域に発信したい。
・防災の先進国である日本の高校生として世界に向けてアピールできた。国内外のレベルの高い発表を聞いて、自分たちも南海トラフ巨大地震に備えてもっと取り組まねば、と刺激を受けた。
・準備は大変だったが、他国や他校の生徒と同じ問題について話し合い、交流したことは素晴らしい経験だった。この経験をぜひ将来に生かしていきたい。
・アメリカ研修に参加したときも感じたことだが、さらに英語のコミュニケーション能力を高めたい。
☆引率教員
・サミットの趣旨等は理解していたが、それでも予想外の規模の大会で驚くとともに、思い切って参加して本当に良かったと思う。他国の発表を聞く機会は、SSH生徒研究発表会等で多少はあるが、一つの課題について直接小規模の分科会で発表し合い、意見交換するような機会は極めて珍しい。貴重な経験をすることができたと考える。
それから幡多青少年の家では他校の先生方と同室となり、各校の状況や様々な取り組みについて意見交換することができた。今回の参加校はSSHまたはSGH指定校がほとんどで、そうした点でも得ることが多かった。
「世界津波の日 高校生サミット」報告 その5 サミット2日目午後
13:10~ バス移動→大方あかつき館
13:35~ 記念植樹(本校からも代表1名参加)・全体写真撮影
☆昼食後、再び大方あかつき館へ移動しました。そこで、海外各国の招聘校代表者1名と日本の各校代表者1名のペアで記念植樹を行いました。その後、大方あかつき館の巨大な外階段を使って全体記念写真撮影を行いました。やはりたくさんのマスコミ関係者が撮影していました。
大方あかつき館南の空き地に記念植樹 | 本校は「韓国」の記念樹担当 |
協力して植樹 | この土地で木々が根付きますように |
クレーン車上のカメラマンにチーズ | 大方あかつき館の外階段にて |
14:10~ バス移動→体育館
15:00~15:05 総会開会宣言(高校生議長)
15:05~15:25 主催者(高知県知事)挨拶
来賓挨拶
・安倍総理大臣ビデオメッセージ
・潘 基文国連事務総長ビデオメッセージ
・松本 純 内閣府防災担当大臣挨拶
・二階 俊博 自民党幹事長挨拶
☆挨拶の顔触れを見て、改めて大会規模の大きさを実感しました。ちなみに会場近くにお住まいの本校生徒の祖父母が観覧にお越しくださいましたが、政府要人の出席ということで、一般観覧者に対するセキュリティチェックがかなり厳重だったそうです。
15:27~15:52 東日本大震災被災地からの報告
・高校生の「震災の語り部」
16:05~ 分科会報告(12分科会)
17:05~17:10 「黒潮宣言」採択
17:10~17:20 閉会宣言(高校生議長)
☆宮城県石巻高校の雁部さん、津田さん、石巻西高校の相澤さんから、それぞれの震災体験を拝聴しました。そして「被災地」から、「災間」そして「未災地」に生きる私たちへのメッセージを受け取りました。
各分科会発表からは、「1自然災害を知る」「2自然災害への備え」「3自然災害からの復興」の分科会テーマに沿った様々な話し合いの様子を知ることができました。
そして、高校生サミットの趣旨、参加各校が事前提出していた調査研究やアクションプラン、分科会討議を集約した「黒潮宣言」を全会一致で採択しました。こうしたプロセスに微力ながら参加することができて本当に光栄でした。
この後、参加者はフェアウェルパーティー会場へ移動しましたが、高校生議長など代表者は記者会見を行っていました
まもなく開会 | 開会宣言 |
安倍総理大臣ビデオメッセージ | 潘 基文国連事務総長ビデオメッセージ |
尾﨑高知県知事挨拶 | 松本内閣府防災担当大臣挨拶 |
二階自民党幹事長挨拶 | 震災の語り部 |
分科会報告代表者 | B-1分科会のChangseok君 |
高校生議長より「黒潮宣言」の提案 | 全会一致で採択 |
17:20~ バス移動→新ロイヤルホテル四万十
18:40~20:10 フェアウェルパーティー
・小田原外務大臣政務官挨拶
20:30~ 宿舎移動(幡多青少年の家)
※外務省報告
☆サミット日程の最後は外務省主催のフェアウェルパーティーが開催されました。開会挨拶までは会場内にマスコミ席が設置され、多数のテレビ局カメラや新聞記者が会場の様子を撮影していました。二階幹事長や各国大使館関係者もご出席で、会場はもとより、外のロビーも外務省の担当者等でごったがえしていました。
☆各分科会ごとに円卓3程度で座ることになりましたが、引率者の方で生徒が同じ学校で固まらないよう席を誘導し、交流が進むようにしました。生徒同士で活発な交流が行われました。フェアウェルパーティーでの交流はサミットをさらに思い出深いものにしてくれました。なお、パーティー会場を出る頃には小雨が降り始めていました。天候にも恵まれた行事でした。
最後の晩餐 | 小田原外務大臣政務官挨拶 |
伝統的なよさこい節披露 | B-1分科会メンバーと(写真はミャンマー・韓国の生徒) |
みなさんもご一緒に | 現代のよさこい踊り披露 |
日本の高校生の呼びかけでみんなでPPAP | チリ代表によるパーティーの締めの言葉 |
B-1分科会メンバーと | B-1分科会メンバーと(横浜サイエンスフロンティア高校) |
その6に続く
「世界津波の日 高校生サミット」報告 その4 サミット2日目午前中
2日目午前中~昼食までのプログラムは、分科会AグループとBグループに分かれて同じ内容を交代で実施しました。我々の属するBグループは、午前中は早朝からフィールドワークや避難訓練などのアクティビティ、その後に分科会が実施されました。屋外の活動が多かったので、天候に恵まれたのは本当に幸いでした。各会場には既に多数の報道関係者が詰めかけていました。
6:40~ 7:10 朝食
7:20~ 8:05 バス移動 大方あかつき館駐車場へ
8:05~ 8:35 津波避難タワー、安政津波の碑 見学
☆まず複合文化施設である大方あかつき館に隣接する津波避難タワーに登り、その後近くの賀茂神社境内にある安政津波の碑を見学しました。安政津波では(東日本大震災と同様に)小規模な津波を伴う前震があったこと、津波は7回襲来し、第4波が最大だったことなどが克明に記され、後世に警告を伝えようとする先人の強い意志が伝わってきました。
宿舎から見た日の出前の太平洋 | 大方あかつき館前集合 |
まもなく移動開始 | 津波避難タワー見学 |
津波避難タワーの解説 | 大方あかつき館経由で賀茂神社へ |
黒潮町の安政の津波碑 | 津波碑についての解説 |
8:35~ 8:55 体育館へバス移動
国土交通省津波モデル実験ブース見学
9:15~10:25 フィールドワーク 高台避難訓練
☆体育館前の国土交通省のブースでは、水槽模型実験装置で3千トンクラスの防潮堤でも大津波で流されるというシミュレーションを体験しました。
それから地元で普段から防災訓練を行っている黒潮町立田ノ口小学校の先生方と小4~6年生の皆さんのご指導で、最寄りのコウジン山避難場所へ逃げる防災訓練体験を行いました。地元の住民の皆様の声援を受けながらみんなで息を切らせて山を駆け上がりました。
避難場所についての説明の後、分科会ごとに海に向かって大声で呼びかける「海への雄叫び」を行い、様々な恵みをもたらしてくれる海への感謝と津波に負けないという意識をみんなで共有しました。
メイン会場前にて | 待機中にKum Ho 高校の皆さんとお話 |
国土交通省の津波水槽モデル実験ブース | Kum Ho 高校引率の鄭校長先生も参加 |
田ノ口小学校の取組および避難訓練の説明 | 緊急地震速報の訓練用警報音で防御姿勢 |
コウジン山避難場所へ。最短津波到達予想時間はわずか8分。 | 民家の間の路地を抜けて正面の丘の上へ |
10分ほどかかってしまいました | B-1分科会の「海への雄叫び」 眼下に会場の体育館 |
下から見た避難場所 | 戻ったところで横浜サイエンスフロンティア高校の皆さんと |
10:25~12:25 分科会
☆私たちは特にこの分科会のために準備を重ねてきました。各校8分間の英語発表とその後で質疑応答を行い、分科会報告の総会報告のためのまとめ・意見集約、総会で採択する「黒潮宣言」に対する分科会検討を行いました。
本校は何とか準備してきた発表を行い、質疑応答、話し合いなども、英語に悪戦苦闘しながらではありましたがこなすことができました。
B-1分科会会場の様子 | 宮城県古川黎明中学・高校 |
横浜サイエンスフロンティア高校 | 徳島県立城南高校 |
Hainan Overseas Chinese Middle School | 錦湖(Kum ho)高校 |
Basic Education High School | 質疑応答・討議 |
質疑応答・討議 | 質疑応答・討議 |
質疑応答・討議 | 質疑応答・討議 |
質疑応答・討議 | 質疑応答・討議 |
12:25~13:10 昼食
☆活動中のインタビュー取材は自粛することになっていたので、分科会後~昼食中にマスコミ取材がありました。また昼食を取りながら分科会メンバー同士の交流を深めることができました。
テレビインタビュー取材 | テレビインタビュー取材 |
Hainan Overseas Chinese Middle School のメンバーと | Hainan Overseas Chinese Middle School のメンバーと |
その5に続く