令和4年度 活動内容
日本天文学会第24回ジュニアセッションの参加について
2022年3月19日(土)に東京都の立教大学で行われた日本天文学会第24回ジュニアセッションで本校の応用数理科2年生が課題研究の発表をしてきました。
脈動変光星の変光周期による体積変化について研究を行ってきました。3人とも堂々とした様子で口頭発表とポスターセッションを行いました。他校でも天文に関する様々な分野の研究が発表され、とても良い経験になりました。
ジュニアセッションでは、専門家の方からのアドバイスなどもいただくことができ、今後の研究に役立てていけたらと思います。
今回のジュニアセッションの予稿集などは以下のサイトで閲覧できます。
令和4年度 徳島県SSH生徒研究合同発表会について
令和5年3月18日(土)に徳島県SSH生徒研究合同発表会が行われました。オンデマンドによる動画発表と代表生徒によるオンラインでの口頭発表の両方で行われました。本校からは応用数理科11グループ、28人が参加しました。結果は、動画発表の部では「ナミウズムシの摂食行動」が優秀賞、口頭発表の部では「跗節による昆虫の分類」が優良賞に選出されました。本校が参加したすべてのグループが最終的な結論・考察まで至っており、今後は考察に対する深みが増し、自身の研究の面白さを伝えたいという気持ちがますます深まることを期待しています。
令和4年度 四国地区SSH生徒研究発表会について
4月9日、高知県小津市の高知小津高校にて四国地区SSH生徒研究発表会が行われました。高知小津高校の体育館には、四国地区の全SSH校の生徒たちが集まり、それぞれが1年以上かけて行ってきた課題研究についての、ポスターセッションが行われました。本校からは、11グループ、28人の2年生応用数理科の全生徒が参加しました。生徒たちは、自分たちの研究について、自信を持って発表し、お互いに評価し合い、積極的な質疑応答を行っていました。このような発表の機会が、生徒達に対し新たな気付きを生むと共に、これからの問題解決に向かう姿勢につながると考えます。目の前の現象に課題を見つけ、答えのない問いに対してあきらめずに検証実験を繰り返すことは、イノベーターとして必要な能力であります。今回の発表会は、そのような資質の育成に大きく関与すると感じました。このような機会を提供してくださった高知小津高校の先生方を始め、関係者の皆様に感謝いたします。
一般社団法人Glocal Academy 第八回高校生国際シンポジウムの参加について
一般社団法人Glocal Academy 第八回高校生国際シンポジウムにおいて、本校2年生の「ナミウズムシの摂食行動とその再生」が書類審査を通過し、令和5年2月21日(火)および2月22日(水)の日程で宝山ホール(鹿児島県文化センター)にて参加・発表してきました。
1日目の基調講演を皮切りに、午後から口頭発表を行いました。口頭発表では、どの発表も動機から結果・考察までの流れが鋭く、生徒達にとても良い刺激になったと感じています。2日目は優秀賞に選ばれた、代表生徒の発表が行われました。人文や数学など、様々な分野の代表生徒の発表は多方面からの学びがありました。さらに、審査員の方との交流会や過去に国際シンポジウムへ参加された先輩達の意見交換などに触れ、非常に良い学びがありました。今後のますます研究に対しての情熱を持ち、未来のイノベーターとして、能力を伸ばして欲しいと思いました。
冬の天体観測会2023
2月17日(金)の夕方、本校からバスで阿南市科学センターへ向かいました。3年ぶりの天体観測をするためです。月齢は29日くらいとほぼ新月だったので、月の明るさに悩まされることもありません。星を見るには絶好のコンディションです。期待を膨らませて応用数理科から39名が参加しました。
エントランスで夕食をとった後、天文館のシアタールームへ移動しました。最初に館長補佐の堀さんからスライドショーと講演がありました。その中で、氏は「南天病(なんてんびょう)」にかかっていることを告白されました。日食の観測のため初めて南半球を訪れたとき、平原で見た星空に圧倒されました。日本では見られない大小マゼラン星雲やエータカリーナ、太陽系に最も近い星のアルファ・ケンタウリやエリダヌス座のアケルナルなど、そしてそれらを取り巻くように流れる天の川の美しさに魅せられたそうです。それ以降すっかり南天のすべての星々(サザンオールスターズ)にはまってしまい、毎年のように出かけているとのことです。生徒たちも話にのめり込んで熱心に聞いていました。
いよいよこれから星空を見に行きます。3階に設置している113cm反射望遠鏡は口径が四国最大で、全国でも6番目に大きいそうです。一昨年に反射鏡を磨き直したので解像度もよくなりました。学芸員の今村さんから望遠鏡の説明があり、ドーム内の電灯が消されました。まずは木星からです。今日は4個のガリレオ衛星がよく見えました。衛星とは惑星の周りを公転している天体で、木星には現在92個も確認されています。お月様だらけの夜空とはどういうものなのでしょうか。ちょっと興味がわきました。次に、オリオン座の小三つ星の下にある星雲を見ました。トラペジウム(不等辺四角形)という4個の星がきれいです。他にもいくつかの星団を見せていただきました。
生徒たちは望遠鏡をのぞきながら楽しそうでした。人工衛星を見つけた人もいました。また、スマホで星雲の写真を撮ってメールで誰かに送ったり、待ち受け画面にしている人もいました。後から行ったアンケートでも好評で、このような体験を積んで将来の自分の進路を決めて欲しいです。
J-Linkツアーin関西報告
1月6日(金)にJ-Linkツアーin関西を開催し、応用数理科1年25名が研修に参加しました。研修先は、兵庫県佐用町の理科学研究所放射光科学研究センターと姫路市科学館です。放射光科学研究センターでは、放射光普及棟にてSPring8及びSACLAの説明を受け、その後施設内の案内・説明をしていただきました。当日は数少ない運用休止中の時期であり、SACLAのビームライン700mに沿って見学することもできました。最後にドイツ出身の研究員であるゲーレ クリストフ先生より研究内容についてのご講演をいただき、課題研究や探究にもつながる貴重な体験ができました。午後には姫路市科学館を訪問し、プラネタリウムでブラックホールが発見される経緯を学んだり、学芸員の方から常設展示の説明を受けました。この経験を機に最先端の科学技術に興味を持ち、研究者や技術者として活躍できる人材が育ってくれることを期待します。
108 HR高大連携授業(香川大学笠先生)実施
応用数理科1年生は、12月19日(月)午後、香川大学教育学部の笠先生からオンラインで、課題研究に関する高大連携授業を受けました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、導入では冷たい水を入れたガラスコップに水滴が生じる現象の複数の説明モデルについて、それぞれの検証実験を考えさせました。次に理科と探究活動の違いを考え、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「実験を計画する」(気柱が発する音について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや研究計画などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。
ある日の化学実験「石炭からのタール抽出」
期末試験が終わってほっとしたある日の放課後、化学実験室に生徒有志が集まって何やら実験をしていました。今日のテーマは「石炭」です。石炭の産地と言えば北海道の夕張や釧路の太平洋炭鉱、九州の三池炭鉱や山口県の宇部とか茨城県の常磐などが有名です。ところが、余り知られていませんが徳島県下にもいくつか炭鉱があったのです。
先週の休日に有志の一部がバスに乗って、現地へ赴いて石炭を採集してきました。それをお披露目していると、ついでだから燃やしてみようという話になったのです。細かくした破片を試験管に入れ、バーナーで熱してみました。すると、真っ黒な煙が上がり粘性のある黒い液体ができました。コールタールです。初めて見る者がほとんどで興味深そうにしていました。
コールタールは、大正から昭和にかけて石炭産業が隆盛だった時代に道路の舗装として用いられました。真夏の炎天下の道路でコールタールが融け、ベトベトして運動靴の裏にくっついてなかなか取れませんでした。他にも公園の遊具の接着や防腐剤の代わりに使われていたこともあります。そうした昔のことを話してみると、彼らは面白そうに聞いていました。
年号が2回も変わって昭和はすでに遠くなりました。私たち教員の中にも平成生まれの方が増えてきました。そして、今ここにいる生徒たちはこれからの時代を背負って立つ者たちです。彼らの興味や関心をもっとかき立てて、視野の広い研究をして欲しいです。
皆既月食の観察
11月8日(火)の夕方から始まった皆既月食を観察しました。天候は晴れの予報でしたが、途中から雲が出てきて途切れ途切れにしか見えませんでした。皆既中は完全に見えなくなるのではなく、茶色い赤銅(しゃくどう)色と表現できるような色合いになりました。上手く撮影できなかったのが残念ですが、次の機会にまたチャレンジします。
他にも流星群や月に惑星が近づくなどの天体ショーが目白押しです。皆さんも一緒に見ませんか?
サイエンスキャッスルin岡山 ポスター発表について
12月10日(土) 岡山コンベンションセンターで行われたサイエンスキャッスルにて、本校207HR生徒2グループ6名が課題研究のポスター発表を行いました。サイエンスキャッスルは単なる探究活動の発表会から、「研究の登竜門として参加した中高生の研究を本気で加速させるための場」とすることを目的としています。
基調講演では株式気社ウィズレイ代表取締役 森山 圭 氏より「イノベーションは経験からしか得られない」「情熱を持って社会の仕組みを変えていって欲しい」とのメッセージをいただきました。その後、事前発表の選考で選ばれた研究による口頭発表が行われました。どの発表も興味深い内容が多く、プレゼンテーションの技術も非常に高かったです。
午後からはポスター発表が行われました。どのポスター発表も自分の研究に自信を持っており、パッションあふれるものばかりでした。本校生徒も、自分たちの研究内容を、聞いてくれる人に熱心に伝え、見ている人たちからも積極的な質疑応答が行われました。今後の研究に対して、良い意見をもらえたと思います。閉会式では、「皆さんの研究はだれにやらされたわけでもない。目の前の現象を不思議と感じる好奇心から課題を見出し、課題解決へ仮説検証を繰り返す人こそ研究者だ」というメッセージを受け取り、非常に良い経験になったと感じました。これからも多くの刺激を受け、未来のイノベーターとしての資質・能力を磨いていって欲しいと感じました。
地学野外研修(活断層と地層)
11月25日(金)午後に「Science Introduction」で淡路島の北淡町震災記念公園へ行きました。生徒たちは先週、徳島大学名誉教授の村田明広先生の講義を受けており、今回は現地での研修となりました。バスに揺られて50分くらいで記念公園に到着し、野島断層保存館を見学しました。そこからバスで15分ほど走って道の駅「あわじ」に行きました。村田先生の説明を受けながら、明石海峡大橋を支える主塔やアンカレッジなどを遠くから見学しました。当時建設中の橋の真下でも断層が横滑りし、主塔間の距離が1m伸びたおかげで橋の長さは最終的に1m長くなったそうです。生徒たちの地学への興味関心が高まった非常に良い機会であったと思います。
最後に、徳島大学名誉教授の村田先生には大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。
Science Introduction(物理・地学)
10月21日(金)と11月11日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。
今回は物理分野と地学分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。
【物理分野】乾電池の電流と電圧の関係を調べてみよう
新しい乾電池と古い乾電池を可変抵抗に接続し、乾電池を流れる電流と電圧の関係を調べてました。回路を組むことに苦戦しつつも、乾電池の電圧が変化することに疑問を感じたようでした。実験データについては、実験ノート形式のプリントにどのように記載するかを各々が工夫し、乾電池の電流-電圧特性について理解と古い乾電池はなぜ使えないのか考察をしました。
【地学分野】単振り子の周期を用いた重力加速度の測定
単振り子の周期を用いて重力加速度を測定しました。平面を振動する振り子の周期は重力の平方根に反比例します。この関係式を使って、重力加速度を求めました。重力は万有引力と遠心力の合力であるため、極付近で最大、赤道付近で最小となります。さらに、地面から離れれば離れるほど自転軸からの距離が大きくなるため、遠心力が大きくなり、重力は小さくなります。今回はこれを検証すべく、1階から4階までの実験室で実験を行い、自分の班が求めた値は妥当な数値なのか考察しました。また、今回の実験の過程において、何が誤差の要因となっているのかを考え、レポートにまとめました。来年度の課題研究では、自らが行った実験の誤差要因を分析し、判断する能力が求められます。今回の実験が来年度の課題研究に役立ってもらえたらと思います。生徒は他にも、周期の測定方法の工夫、ノギスの使い方など実験の基本操作についても学習しました。
課題研究科学部研究研修会開催
日時 11月22日(火)16:30~19:30
場所 城南高校をホストに各校に配信
本校SSHのミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学理工学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て、毎年「徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会」を実施しております。例年は徳島大学で対面での研修会を行っていましたが、今年もコロナ禍の影響があり、本校をホストに各校に配信する形で実施しました。徳島大学から城南高校で3名、オンラインで4名の先生方にご指導いただきました。県内4校から150名の生徒参加があり、各校とも数名の教員が支援に当たりました。各校で6名程度のグループをつくり、「研究テーマの選び方と研究のすすめ方」について、ブレーンストーミングとKJ法によってアイデアをまとめていくという手法を体験的に学びました。研修は3つのパートに分かれ、①興味があること、②分かっていない解明されていないと思われること、③どのようにしたら調べる(明らかにする)ことができるかいう各テーマについて班ごとに活発な話し合いが行われました。この研修をきっかけとして、12月・1月に各校で課題研究のテーマ決めと班編制および研究の進め方について考えていきます。
なお2月下旬予定の第2回研修では、各校各研究班で課題研究テーマ・仮説・研究方法・予想される結果などをまとめ、事前提出レポート1枚とオンラインで5分程度のプレゼンにまとめて発表し、大学の先生方からアドバイスをいただくという内容で行う予定です。第1回に参加できなかった学校も参加可能です。この企画が本校だけでなく、県内高校の課題研究の向上に少しでも役立てば幸いです。
第79回科学経験発表会について
11月3日(木)徳島県教育会館にて第79回科学経験発表会が行われました。城南高校応用数理科からは、1年生1グループ1人、2年生6グループ18人が発表をしました。審査員からは、活発な質疑や提案がなされ、これからの研究の改善点や参考になる点も多く、この経験を通じて、ますます研究が深まると感じました。
結果は
特選:虫のふ節による分類(最優秀)、高知県唐浜で採集した貝化石の研究、糸電話でできた楽器,ストリ
ングラフィーの波の特性 、様々な光環境における豆苗の生育と栄養成分の変化について
入選:新しいコンピューターについての提案①ローマ字打ちでの日本語入力に特化した新しいキーボード案についての研究②視線入力インターフェースとその実用化、脈動変光星の研究、チョークの粉の再利用を目指して
となり、特選5点の内、城南高校が最優秀を含む4点となりました。
今後、必要なデータを集め、ますます深みのある研究を行ってほしいです。
科学部員,徳島中学校に突撃!
去る11月14日(月),「突撃!隣の科学部」と称した出前実験講座を行うために,本校科学部員有志11名が徳島市徳島中学校に突撃!しました。新型コロナウイルス感染拡大の懸念から,ここ数年は,小学生や中学生と対面でふれ合う機会を設けることができませんでした。しかし,県内の感染に関する動向をみながら,かつ十分な感染防止対策を行うことで,今回の企画が実施できる運びとなりました。
今回は「酸化還元反応」をテーマにして,化学反応がおこる度に,反応溶液の色合いが次々と変化する実験を,科学部員で企画しました。中学生と直接お話しするのは,ほぼ初めての生徒ばかりで,中学生のみなさんより,むしろ緊張した雰囲気で講座が始まりました。しかし,時間が進むにつれて,どの実験台も和やかなムードの中,楽しく活動ができているように感じました。
この度の企画を実施するにあたり,賛同し受け入れてくださった徳島中学校の先生方,また,日の入りも早くなったこの時期の放課後にもかかわらず,参加してくれた徳島中学校の生徒のみなさんに厚く感謝申し上げます。初めての試みであり,至らない点も多くあったことと思います。併せて,お詫び申し上げます。
今回の反省点を改善し,第2回,第3回,……と今後もこの企画を続けていきたいと考えています。次は,あなたの通う中学校に突撃!…するかもしれません。
サイエンスダイアログの実施
11月2日(水)6、7限目に207HR生徒を対象に、大会議室にてサイエンスダイアログが行われました。岡山大学資源植物科学研究所からDr. Peitong WANG(ペイトン・ワン)さんをお招きして、大学で研究されている「イネのヒ素集積に関与する遺伝子の同定について」英語で発表していただきました。
生徒たちは事前学習していたとはいえ、英語の研究発表を聞くのは初めてだったので、戸惑いもありましたが、最初は、自己紹介で出身である中国の説明を行っていただきました。その後、場が和んでから、研究について、わかりやすいスライドを使い丁寧に説明していただき、生徒たちは興味を持って、発表を聞いていました。私自身は、輸送体の遺伝子を同定し、コントロールすることにより、ヒ素を米に蓄積させない方法について、非常に興味をひかれました。
発表後は積極的な質疑応答が行われ、交配に使われているイネの品種であるmuhaに対する質問や根から吸収したヒ素を葉と種子に振り分けるトランスポーターについての質問など発表内容について活発な意見交換がなされました。
放課後は、Peitong WANGさんを囲んで、座談会が行われ、自分の名前を中国語で書くとどのような読み方になるのかについて、説明してもらい、盛り上がっていました。
英語論文や英語での研究発表は世界へつながる、大切なツールであることが理解でき、今後の英語学習のモチベーションアップにつながったと感じました。様々な経験を経て、世界で活躍する科学技術人材になっていって思います。
課題研究中間発表Ⅱ
10月19日(水)5,6、7限目に、大会議室にて課題研究中間発表Ⅱが行われました。207HR生徒が発表を行い、理科教員、サイエンスイングリッシュ担当者が発表を聞きルーブリックにて評価を行いました。中間発表Ⅰに比べ、研究が進んだ班が多く、興味深い内容が多かったです。今回、新たに出てきた疑問に対し、どのような方法で調べ、考察につなげていくのか、探究活動を通して、大切なことを学んでほしいと思います。最終発表に向け、ますます取り組みを深めてくれると期待しています。
課題研究のテーマとグループ生徒は以下の通りです。
昆虫の跗節による分類
立石桃 藤原由望 林 心羽 堀北 明李
脈動変光星~みずがめ座CY星 測光観測~
江淵仁尊 中岸奏登 村上裕紀
複合災害から命を守るために
安原 愛登 山引 晴菜
チョークの粉の再利用を目指して
笹川 善正 岡本 陸 樫原 寛人
さまざまな光環境における豆苗の生育と栄養成分の変化について
阪東 歩華 武富 心雪 宮本 和果
クモの巣を張らせない枠の作成
大野 閃斗 富原 瑞葵 藤原 凪希 柳本 隼門
プラナリアの摂食行動
池田 あやみ 上野 佳那子
ゼブラフィッシュの性格の判断の仕方
井上 陽央里 黒川 杏莉
ローマ字打ちでの日本語入力に特化した新しいキーボード案についての研究
住友 七海
糸電話でできた楽器ストリングラフィーの波の特性
相原 悠汰 奥田 陽介 新居 千鈴
視線入力インターフェースと実用化
小池 麻悠子
Science Introduction(化学・生物)
9月30日(金)と10月7日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。
今回は化学分野と生物分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。
【化学分野】バーナーによる加熱法
今回はガスバーナーの正しい使用方法と薬品の調整方法、化学実験におけるにおいの確認方法など、基本的な実験の操作方法について学びました。まずは中学生の時にも学習したガスバーナーの点火がきちんとできるかを確認しました。火や薬品を使う化学実験は、危険な場面が多くあります。これをしっかり理解した上で、来年度の課題研究に取り組んでほしいです。他にもメタノールを赤熱した銅線で参加して、ホルムアルデヒドをつくる操作や水酸化鉄(Ⅲ)のコロイド溶液をつくる操作について学習しました。それもとても面白い実験で楽しく操作方法を学習することができました。
【生物分野】細胞周期の理解 ~永久組織と分裂組織の観察を通して~
ニンニクを発根させ、固定・解離した根端を使い、分裂組織を観察しました。発根して3日くらいの根端では、非常に多くの分裂像が観察できるので、観察しやすく、全ての生徒で分裂像が観察出来ました。その後、根の上側の細胞を観察し、細胞周期にある細胞との比較を行い、分裂組織と永久組織の違いを確認しました。永久組織では、道管のらせん構造も観察でき、生徒たちは分裂組織と永久組織の細胞の形の違いに驚いた様子でした。実際に違いを見ることで、細胞周期や分裂組織、分化など理解を進めることができたと感じました。事後レポートでは、分裂組織の写真を見て、個数が時間に比例する関係から、細胞周期における、分裂期にかかる時間を計算することが出来ました。
中学生対象理科実験教室(オンライン)実施
10月2日(日)13:00から、本校主催の中学生対象理科実験教室を開催いたしました。本年度もコロナ禍の影響を受け、オンラインでの実施となりました。科学イベントや学校行事等と重なった影響のためか、例年より少なめの県内7校から7名の中学生に参加となりました。実験教室を担当するのは講師役は科学部員や普通科で教員志望のボランティア等17名です。参加者には事前に実験キットを送付し、学校長あいさつ・学校紹介の後、3ブースに分かれ3つの実験を体験してもらいました。実験内容は以下の通りです。
物理・・・発音体の振動を学び、ストロー笛の振動数を実験で検証した。
生物・・・ギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、味の受容の仕組みを理解した。
地学・・・偏光の仕組みを学び、鉱物を通過する光の特性を学んだ。
本校生にとっては、実験手順の説明を工夫したり、その仕組みを理解してもらえるスライドを製作するなど、主体的に探究するスキルの向上につながりました。また参加した中学生にとっても高校理科の内容に触れることができ、winwinの有意義な時間が過ごせました。参加された中学生が本校に入学し講師役を務める事例は数年続いており、このことが来年も続いてくれることを期待しています。
Science Introduction(自由研究発表会)
9月16日(金)のScience Introductionの時間に夏期休業中の課題であった自由研究の発表会が開催されました。物理教室と地学教室で2つの教室に分けて行いました。複数人の理科教員が自由研究の発表を聞いてジャッジを行うという生徒にとっては初めての経験だったと思います。すごく緊張しながらも自分の行った研究に対してしっかりと発表ができていました。高校生のピュアな視点からの自由研究は聞いていてとても面白かったです。科学用語の使い方やスライドの見せ方など課題はありましたが、来年度から行う課題研究の発表のために良い経験となったと思います。
とうきょう総文2022自然科学部門参加
8月2日(火)から4日(木)まで3日間開催されました、第46回全国高等学校総合文化祭東京大会自然科学部門に科学部の生徒3名が参加しました。第1日目と2日目は「鉄腕ダッシュ」で有名になった東京富士大学におきまして、口頭発表とポスター発表がありました。本校生は2日目に「糸電話の糸の状態による音の伝わり方の違い」について口頭発表をし、会場からの質疑にもよく対応することができました。3日目は東京文教大学本郷キャンパスにおきまして、生徒交流会・記念講演会・閉会行事が実施されました。生徒交流会では無作為に作られたグループで、会場で用意されたゲーム等をとおして他県の生徒と交流を深めることができました。2日目午後に予定されていました巡検研修はコロナ禍で中止となりましたが、3日間を通して参加生徒は多くの経験を積むことができました。今後の進路において活かしてくれることを期待します。
徳島大学主催 海外の卓越した研究者による「海外特別講演会」を教材とした高校生向け出張講義「The Revolution of Personalized Medicine(個別化医療)」
令和4年8月22日(月)徳島大学 先端酵素学研究所所長教授・副学長福井清先生をお招きし、本校1~3年生の受講希望者10名に対して、出張講義を実施していただきました。
講義内容は、徳島大学にて昨年10月に開催されたテクニオンーイスラエル工科大学Aaron Ciechanover教授の「The Revolution of Personalized Medicine(個別化医療)」を教材としたものです。
Ciechanover教授は、「ユビキチン依存性たんぱく質分解機構の発見」により、ノーベル化学賞を共同受賞しているほか、「ATP依存性タンパク質分解ファクター-1(APF-1)」の発見でも知られています。
現在は、同じ病名であれば、同じ医療(pajamas medical)が実施されているのですが、現在の治療法とは異なる個々の患者に適合した(tailored)治療を行うPersonalized Medicine(個別化医療)について、解説していただきました。これからの病(disease)、患者(patient)、治療(treatment)の定義が変わっていくという内容が非常に印象的でした。
講義終了後の質疑応答では、遺伝子レベルでの個人情報についてや、医療倫理の観点からの問題について、熱意ある意見交換が行われました。生徒たちは積極的に質問し、予定時間を超えて、質疑応答が実施されました。これからも、国際的に活躍できる科学技術人材となれるよう、科学界でのトップランナーやトップレベルの科学技術に触れ、未来を切り開く革新者(innovator)としての資質を身につけていってほしいと思います。
化石ツアーin唐浜
7月29日(金)、ついに化石ツアーの本番です。従来は県南の那賀町や香川県高松市などを訪れていましたが、今回は初の高知県です。徳島市から110km先の室戸岬、そしてそこから30km先の安田町唐浜(とうのはま)が目的地です。バスをチャーターして、朝7時に学校を出発しました。
宍喰で休憩した後、山と海に挟まれた海岸線をずっと走ります。天気が回復して海に日が差し込んできました。すると、海の色が徳島とは違います。岸辺は薄い青色ですが、沖に行くに従ってグラデーションのように少しずつ色が濃くなります。そして、ほとんど黒に近い青色になりました。これが黒潮なのですね。皆が何となく感動していました。
10時半頃に室戸岬に到着しました。ここではタービダイトという砂岩と泥岩の互層が見られます。教科書でも取り上げられているほど有名な場所です。思ったほど暑くないので、バスから降りて野外で昼食をとりました。その後は定時まで自由散策して、遊歩道を歩いたり展望台に登ったり地層や植物を観察したりしました。
12時に室戸岬を出発し、唐浜に向かいました。全国的にも有名な場所で、260万年前の新生代化石を産出します。化石が出る土手を保存しており、事前に町役場に許可を申請しておくとそこで採集できます。今回は化石を産出する現地とバス駐車用に多目的広場をお借りしました。
13時頃から14時半まで活動しました。土手の西側に沿って、何十人もがハンマーを振るっている様子は壮観です。最初はどうやればよいかわからない人が多かったですが、慣れてくると土中から様々な化石を掘り出していました。ほとんどが白くなっている化石でしたが、中には色付きの物がありました。また、やや大型のキヌガサガイが複数見つかりました。きれいに形が残った二枚貝はまるで生きているようで、中身が詰まっているのではないかと錯覚しそうです。しかし、弘法大師さんの食わず貝伝説にあるように、そういうことはありません。
水分補給を怠りなくしていましたが、そろそろ体力的にも限界のようです。名残惜しそうにしている人もいましたが、今日はこれで打ち止めとしました。帰りは2箇所の道の駅に立ち寄り休憩や買い物をしました。次はどこへ行きましょうか。
後日、参加者にアンケートを実施しましたが、9割以上の人が内容的にちょうど良かったそうで、全員が普通以上に満足したと回答しました。また来年も楽しみにしておいて下さい。これをご覧の皆さんもぜひ城南に来られて、私たちと一緒に野外に繰り出しましょう。
末筆ながら、徳島化石の会と安田町役場・教育委員会の方々には大変お世話になりました。
プレ化石ツアーin藤川層
7月10日(日)、月末の化石ツアーを前に希望者だけで近くの化石産地を訪れました。城南から車で40分の勝浦郡上勝町は、恐竜発見地の勝浦町と並んで化石の有名な産地です。白亜紀の地層が広く分布し、シダ植物や三角貝(トリゴニア)などを産出します。また、変わったところでは強粘結性瀝青炭という石炭も出ます。しかし、今日の狙いはアンモナイトです。
正木ダムの湖面より少し標高が高い位置に藤川層が走っています。黒い泥岩からなり、乾燥するとタマネギ状に割れていきます。その岩を少しずつ削りながら丹念に見ていくと、平たい巻き貝のような物体がはさまっているのが見つかります。それこそが目的のアンモナイトなのです。デスモセラス・シコクエンスと称されます。大きさは5cm前後とかなり小型で、突起物もなくすべすべして丸まった貝のようです。いつもはなかなか見つからないのですが、今日は1時間くらいで4つも見つけました。
時間が余ったので、ついでにトリゴニアの産地も見に行きました。藤川層と違ってこちらは砂岩からなる地層です。ところが、化石を含む母岩が余り見つからないため採集できませんでした。ちょっと残念でした。
さあ次はツアーの本番です。このリベンジをしっかり果たしたいと思います。城南では、SSHや科学部を問わず野外活動を精力的に行っています。これを見ている皆さんも一緒に野外へ飛び出しませんか!
徳島大学主催 海外の卓越した研究者による「海外特別講演会」を教材とした高校生向け出張講義
令和4年7月14日(木)に、応用数理科2年 207HRを対象に、徳島大学 先端酵素学研究所客員教授 福井清 先生をお招きして、海外の卓越した研究者による「海外特別講演会」を教材とした出張講義を行っていただきました。
スタンフォード大学Thomas Byers教授『Technology Ventures』の授業を教材に、アントレプレナーシップの基礎を紹介していただきました。講演では、Byers教授が強調された、深い専門性だけでなく広い教養を持つ「T型人材」についての内容が印象に残っており、「起業」という視点だけではなく、大学生・社会人として今後学ぶべきこと、取り組むべきことに対する興味・関心を広げることができたと感じました。質疑応答では、自身の体験と合わせて、幅広い教養を持つことの意義について意見が出ていました。このような機会を通じて、広い視野を確保し、世界で活躍できる科学技術人材となっていってほしい思います。
令和4年度SSH生徒研究発表会参加
令和4年8月3日(水)・4日(木)に神戸国際展示場で令和4年度SSH生徒研究発表会が開催されました。本校からは「水を媒体とした酢酸インドキシルからのインジルビンの選択的合成」についての研究発表を行いました。
1日目となる8月3日には,SSH指定校及び過去に指定経験のある学校のうち参加を希望する学校(220校)の生徒が,ポスター発表を実施し,審査委員による審査を経て,代表校が選出されました。9時30分からの開会行事の後,9時45分よりポスター発表をしました。発表を行っていない時間には他の研究班の発表を見学し,様々な分野の研究に触れることができました。また,研究内容や研究の進め方について交流が行われました。大学などの研究機関の方からも質疑をいただき,新たな発見につながるような指摘を受けました。今後の研究のヒントとなる見識もいただきました。16時15分からの全体会では,8月4日に行われる全体発表校6校が選出され,各分野の講評をいただきました。
2日目となる8月4日には,午前中に6校による全体発表,午後からはポスター発表と全大会が行われました。全大会では表彰と全体公表が行われました。本校の発表はポスター発表賞を受賞することができました。
SSH最高峰の発表会であり,参加生徒にとっては大変貴重で成長につながる経験ができました。また,運営のスタッフや審査の方々など多くの人々に支えられた大会であることを強く感じ,発表会は終了しました。
徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所出前授業
6月30日(木)午後、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から先生方をお迎えし、応用数理科1年生の出前授業が開催されました。徳島大学大学院産業理工学研究部助手の高島祐介先生は阿南市のご出身で、生徒の年齢とも近く、研究者を身近に感じることができました。講義内容は、研究者になっていく経緯、ご専門とする研究のコンセプトなどを説明いただいた後、先生が造られたGaAs-LEDとGaP-LEDの発光実験や、LEDで別のLEDを発光させる実験を体験しました。最後に「実験から得られる情報を見落とさない」「”高い装置がないと測定できません”は×」とお言葉をいただき、これから課題研究を始める生徒たちにとって大変有意義な時間を過ごすことができました。最後には個別に生徒が先生と話す時間を設けていただき、先生の名刺をいただいてとても喜んでいる生徒もいました。高大連携事業を通して、生徒が研究者をより身近に感じてもらい、将来サイエンスの道を志し、より良い社会を作り出す革新者(イノベーター)となることを期待します。高島先生をはじめ、実験をお手伝いいただいた先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。
Advanced Science(物理科学)高大連携授業
6月28日(火)の午後、Advanced Scienceで物理科学を選択している生徒5名で徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所を訪問させていただきました。約3年ぶりとなる大学での高大連携授業であり、江本顕雄先生を初めとして、関係の先生方や学生の方から電磁波(紫外線からテラヘルツ帯)の講義や説明を受け、実際に物質の吸収スペクトルを測定しスペクトルグラフを作らせてもらいました。少し難しく感じた生徒もいたようでしたが、大学レベルでの研究に触れる貴重な2時間となりました。これらの経験が今後の進路選択につながってくれるとうれしく思います。
園瀬川総合科学調査
7月13日(火)の午後に応用数理科1年生・普通科1年生によって園瀬川総合科学調査を実施しました。園瀬川総合科学調査はSSHに指定された平成15年度より実施されており、「上流」「中流」「下流」に分かれて調査が継続されています。主な調査内容は「流速」「透明度調査」「パックテスト」「水生昆虫の採取」です。透明度調査に関しては、非常に透明度が高く、水底まで見通せるほどでした。参加した生徒は、科学調査の基本を学ぶことができました。これらの体験が今後の探究活動につながることを期待します。
【上流】
【中流】
【下流】
Advanced Science 地球・天体科学②
6月28日(火)応用数理科3年生に学校設定科目「Advanced Science(地球・天体科学)」を行いました。
今回は、高大連携事業として、鳴門教育大学の米延仁志先生に来ていただき、「過去を探る科学」というタイトルで古環境学の基礎を学びました。米延先生は、年輪年代測定の研究をされており、実際に樹木のサンプルをお持ちいただき、ノギスを使って年輪幅を測定しました。年輪幅からグラフを作成し、古環境を推定するところまで進めることができました。米延先生、今回はとても貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました。
Advanced Science 地球・天体科学①
6月21日(火)応用数理科3年生に学校設定科目「Advanced Science(地球・天体科学)」を行いました。
今回は「恐竜の歩行速度の計算」を行いました。生徒に50mの距離を歩いたり走ったり一定の速度で走行してもらい、そのときに得た平均の歩幅と速度から相対歩幅と無次元速度の関係を導き出します。
オーストラリアのクイーンズランドで得られた獣脚類の足跡の情報から相対歩幅を計算し、相対歩幅と無次元速度の関係から歩行速度を計算してもらいました。
よく映画で取り上げられている恐竜の歩行速度は正確なものなのか?大学の古生物学研究室で使われている手法を体験してもらいました。将来、地球・天体科学の道に進む学生が出てきてもらえると嬉しいです。
尚、今回使用した実験プリントとレポート課題は以下からダウンロードできます。
Advanced Science(物理科学)発展実験①
応用数理科3年生のAdvanced Scienceでは、先週まで課題研究の追加実験・論文等のまとめを行っていましたが、今週から2週にかけて各科目において発展実験を実施します。物理科学は5名の生徒が選択しており、今週のテーマは「豆電球の電流ー電圧特性の測定」「赤色LED・青色LEDの電流ー電圧特性の測定」です。生徒たちは、直流電源装置の電圧を変化させながら、豆電球・赤色LED・青色LEDに流れる電流の値をサイエンスキャプチャー(電子式の電流計・電圧計)を用い測定しました。その後、それぞれの実験結果からI-Vグラフを作成し、グラフが直線にならない理由や、赤色青色の光のエネルギーの違いも学びました。今回はLEDに触れるのも目的の一つです。生徒たちは実際に触れることで多くの気づきがあったようです。
課題研究 中間発表Ⅰ
6月15日(水)5~7限の3時間を通して、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。
現時点での研究成果を11の研究班が発表し、お互いの研究についての情報共有や先生やクラスメートからのアドバイスを受け、今後の研究を深化させることが目的です。理科教員の他、英語科の先生、ALT、6限には本校運営指導委員の先生方にもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。テーマの選定に苦慮し、実験データが十分に得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。次回は、ルーブリック・ポートフォリオをもとに各研究グループと面談を行い、今後の研究方針を詰めていきます。
Science EnglishⅠ(スピーチ発表)
6月17日(金)の1・2時間目に応用数理科1年生のScience EnglishⅠで初めての英語スピーチ発表会を行いました。
ほとんどの生徒が緊張しながらも初めてとは思えない堂々としたスピーチを見せてくれました。英語の発音や伝え方にも工夫するともっと相手に伝わるスピーチになるのではないかとALTの先生や英語教員からアドバイスがありました。来年は課題研究の英語発表もあり、今後もっとスピーチが上手くなっていくでしょう。そんな期待ができるスピーチでした。
今回のテーマは「自分の行ってみたい場所」。その場所がいかに魅力的であるかを聴き手にアピールしていました。発表後、生徒一人ひとりルーブリック評価を行い、自分のスピーチについて自己評価しました。
将来、世界に羽ばたくような科学者が出てきてくれると嬉しいです。
Science Introduction(実験の設定)
6月10日(金)のScience Introductionで課題研究の一連の流れを学習する実験を行いました。
研究課題は「温泉たまごの研究」です。目的の設定、仮説の立て方、実験方法の設定、結果のまとめ方、考察と結論、それぞれ課題研究を行う上で重要な要素であり、生徒たちはグループで話し合いながら一人ひとりが考え、活動を行っていました。応用数理の生徒たちが来年度「理数探究」で課題研究を行う上で必要な知識や技能を身に付けることができたと思います。各グループのデータを集約し、これを用いて、きれいな温泉たまごができたグループがありました。さて、温泉たまごは何℃の温度条件で、どのくらいの時間でできるのでしょうか。
今回使用した実験プリントは以下からダウンロードできます。
Science Introduction(物理・生物)
5月13日(金)と5月27日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。
今回は物理分野と生物分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。
【物理分野】重力加速度の測定
物理分野の1回目の基礎実験は重力加速度の測定です。初めに加速度の定義の説明を受け、どのような量を測れば求められるのかを考えました。実験では鉄製スタンドに取り付けた記録タイマーで磁気テープに運動を記録をさせて加速度を求めます。生徒達はどのようにすれば精度の高い実験データが得られるのかを話し合いながら、何度もおもりをつけた磁気テープを落下させていました。今回は、すべて質量の異なるおもりを用意したため、おもりの質量による実験への影響も検証できました。実際の重力加速度を知らされると、どうして誤差が出たのか、ほかにどのような工夫をすれば実際の値に近くなるのかなど活発に意見を述べ合う姿がありました。実験精度を高める意識も向上し、生徒達の収穫は大きかったようです。
【生物分野】オオカナダモ(レッドオニオン)とネンジュモのミクロメーターによるサイズの測定
ミクロメーターの使い方について理解し、オオカナダモ(レッドオニオン)やネンジュモの細胞のサイズ測定を行いました。ただ、最初の顕微鏡を使う実習でしたので、対物ミクロメータ―と接眼ミクロメータ―の合わせ方に戸惑い、時間がかかってしまいました。時間が足りなかった分は理数生物探求で続いて実習を行いました。実際に大きさを数値化したことで、真核細胞と原核細胞のサイズの違いを実感できたようでした。
Science Introduction(化学・地学)
4月22日(金)と5月6日(金)の5時間目にScience Introductionの基礎実験を行いました。
今回は化学分野と地学分野の基礎実験です。生徒たちはとても楽しそうに実験に取り組んでいました。
【化学分野】
化学分野では、ピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを量りました。量が少ないため、薬さじに採り過ぎていきなり数値を超えてしまった生徒もいましたが、今度はもっと上手くいくでしょう。次に、ピペットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸を加えているときとそうでないときの変化を各班で確かめました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べました。化学実験の経験が少ないようでしたが、興味を持って実験できていたと思います。これからも色々な実験や観察などを体験してもらいましょう。
【地学分野】
地学分野では、岩石の密度測定を通して地球の内部構造について考えました。地球の内部は、地殻・マントル・核の3層構造になっています。大陸地殻の上部は花こう岩、下部は斑れい岩、上部マントルはかんらん岩、核は主に鉄でできていると考えられています。今回はこれらの試料を用意し、アルキメデスの原理を用いて密度を測定してもらいました。これらの値と地球の平均密度とを比較し、地球の内部がどのような密度の物質でできているか考察してもらいました。今回の実験を通して、少しでも地球科学に興味を持ってもらえると嬉しいです。
Science Introductionオリエンテーション
4月15日(金)の5時間目にScience Introduction(SI)のオリエンテーションを行いました。
まずは、課題研究のお世話をする理科教員、実習助手の自己紹介・専門分野の紹介を行いました。その後、SIの授業計画と高大連携事業の紹介、成績評価などについての説明を行いました。
この授業では「実際に体験する」ということが重要であるということで、マイクロスコープを使って、様々な細胞を観察するという実習をしてみました。生徒たちはとても意欲的に細胞を観察し、色々な気づきや発見をしていました。このような活動を通して、実際に体験することの価値を知り、探究心を持って、日々過ごしていくことを期待します。
第10回四国地区SSH生徒研究発表会
4月10日(日)の午後、四国地区の各SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校による生徒研究発表会が行われました。生徒相互の科学的なコミュニケーションの場を設け、科学を探究するために必要な資質の向上や課題研究の取り組みの活性化を促す目的で毎年実施しており、今年でちょうど10回目になります。コロナ渦の前は幹事校に他県を含めた全てのSSH校が集まり、直接ポスター発表していましたが、ここ3年間は自分の高校から配信しています。今回の参加校は高知県1校・愛媛県3校・香川県2校と、徳島県から本校を含む4校の合わせて10校でした。Zoomにより各校代表の1チームがライブ配信し、他のチームはYouTubeにて動画をオンデマンド配信しました。
当日は旧207HR(現307HR)の生徒全員が学校に集合し、代表者の配信を見守りました。本校からは地学分野において「固有振動を利用した風速計の製作」をテーマに発表しました。この研究は、アクリル棒に風が当たると振動することを利用して、それを風速計に応用できないかと考えたことから始まりました。風洞内で何度も実験し、棒の長さと最大の揺れ幅の関係をデータにまとめました。その結果、特定の風速では共振を起こしていることがわかりました。今後は風速計の実用化を目指し、風速を可視化すること目標とします。
来場された大学や企業の先生方から様々なご指摘やご助言をいただきました。感謝申し上げます。また、思った以上に他校からも多くの質問や意見が出てきて大変活発なやりとりが繰り広げられました。今後もこうした活動を地道に続けていきます。