平成26年度
高大連携講座(数学)の開催
鳴門教育大学の成川公昭先生,松岡隆先生が講師として来校してくださり,数学の高大連携講座を開催しました。
応用数理科2年生は成川先生による「極値問題」と題し,身近に起こる現象について数学的に考察し,数学の良さである一般化や抽象化について理解を深めました。「シャボン玉はなぜ球体なのか?」といった何気ない日常の事象について考えたり,ベルヌーイの最速降下問題と2次曲線の関係について成川先生の発問により意見を交換していくといった活動をしました。
また,応用数理科1年生は松岡先生による「図形の対称性と立体万華鏡」と題し,正多面体が見える立体万華鏡作りに挑戦しました。数学というと,何か難しい話なのかと構えていた生徒たちも講義が始まると,製作活動から考えを深めるアプローチに好奇心をかき立てられたようでした。
生徒からは,「おもしろく数学に興味を持った」「身のまわりで起こる現象を数学を用いて証明できるようになりたい」「想像以上に美しく,感動した」といった感想が多数寄せられました。
成川先生,松岡先生,そしてお手伝いいただいた鳴門教育大学の院生の方,本当にありがとうございました。
「図形の対称性と立体万華鏡」
「極値問題」
Science Dialogueの開催
サイエンス・ダイアログとは、(独)日本学術振興会JSPSのフェローシップ制度により来日している外国人研究者(JSPSフェロー)有志が、近隣の高等学校等において、英語で研究に関するレクチャーを行う機会を提供するプログラムです。
今年のサイエンスダイアログは、高知大学医学部の菅沼成文先生の研究室から、Muzenbo Andre博士(コンゴ民主共和国ご出身)が講師としてご来校くださり、応用数理科2年生に対して講義をしていただきました。
Muzenbo先生はコンゴ民主共和国では数少ない肺疾患の専門家で、レクチャー内容はご自分の研究内容はもちろん、コンゴ民主共和国のことや、ご自分の夢など、様々なことをお話しくださいました。
現在研究されている“じん肺”全般、そして、まだ発症メカニズムが完全に解明されていない“インジウム肺(Indium Lung Disease)”については、事前に詳しいAbstractやkey words をお送りいただいていたので、英語科及びWood,Travis両先生のご指導をいただき、Science English Ⅱの時間を用いて、グループワークによる事前学習を行いました。
生徒にとって、専門分野の内容はやや難解でしたが、事前学習のおかげでかなり理解できたようです。また基本的にはAll English でしたが、途中で日本語を交えてくださったので、それも理解の一助になったようです。
講義の途中では、気分転換にみんなでJAMBO Dance を踊ったり、“Are you married?”という質問にお子様の写真を示して家族の話をしてくださるなど気さくな雰囲気でのレクチャーでした。英語の勉強法の質問には、とにかく一生懸命勉強したし、今も毎日勉強している(先生の母国の公用語はフランス語)とのことでした。
生徒からは「難しいところもあったが面白かった」「科学や研究に対する関心が高まった」「DanceやSmileが良かった」といった旨の感想が多数寄せられました。
Musenbo先生、菅沼先生、そして機会を与えてくださったJSPSに感謝いたします。
☆事前学習
☆Science Dialogue
日本学生科学賞徳島県審査表彰式
12月25日に徳島県教育会館にて、第58回日本学生科学賞徳島県審査の表彰式があり、代表生徒5名が参加しました。審査結果は以下の通りです。
最優秀賞(知事賞) 「燃料電池の携帯化」 応用数理科3年 長船裕輝 阿比留一智
優秀賞(教育長賞) 「アルコール発酵の促進に関する研究」 応用数理科3年 神尾匠真 井上駿 鈴木巧海
優秀賞(教育長賞) 「細菌に対する阿波番茶の殺菌効果」 応用数理科3年 藤野真希 三木仲七海 住友嵐
入賞 「レーザー雨量計」 応用数理科3年 松田映 森日向子
入賞 「生野菜は本当に健康食か?」 応用数理科3年 尾崎巧海 美保祐太 木内敬司
入賞 「色素増感型太陽電池の作製」 応用数理科3年 水野功一 遠藤誠也
入賞 「魚のうろこの成分と活用法」 応用数理科3年 西條早紀 松浦礼奈 美濃越彩希
高校・高専「気象観測機器コンテスト」 最終審査に参加しました
行事名 「第3回 高校・高専『気象観測機器コンテスト』」
場 所 元南極観測船SHIRASE5002(千葉県船橋港)
参加者 応用数理科2年 嶋田 西本 長谷原 府殿
日 時 平成26年12月21日(日)
11:00 現地集合・準備・船内見学
昼食
13:00 ポスターセッション事前準備
13:30 ポスターセッション・審査
14:45 表彰式
16:30 閉会・解散
応用数理科2年生は全員が課題研究に取り組んでおります。そのうち気象に関する研究を行っていた4名は、財団法人WNI気象文化創造センター主催の「第3回高校・高専『気象観測機器コンテスト』」にエントリーしておりました。そして11月の事前審査の結果、千葉県船橋市の港に係留されている元南極観測船「しらせ」内部のオーロラドーム(元のヘリコプター格納庫)で行われる最終審査(ポスターと実機によるプレゼン審査)に行くことになり、「ペーパー湿度計」と「レーザー雨量計MARKⅡ」の2つの発表で参加しました。
この日はウェザーニューズ社の「チャレンジングSHIRASE2014」というイベントも行われており、大学・企業など様々な専門家の方のみならず、一般の観覧客も訪れており、専門的な質問から子供達の素朴な質問まで様々な問いが寄せられました。
残念ながら賞の獲得はなりませんでしたが、生徒にとっては、貴重な経験となりました。また、他校の優れた研究を見ることができたことも生徒にとっては良い刺激となったようで、さらに研究を深めたいという意欲を見せていました
現地では本校OBでウェザーニューズ社の折野さんに |
徳島県高等学校課題研究および科学部研究研修会の開催
日時 2014年11月22日(土)13:00~17:00
場所 徳島大学総合科学部(共通教育5号館302-303教室)
本校SSHではミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学総合科学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て「高等学校課題研究および科学部研究研修会」を実施しております。他校にも呼びかけたところ、本校以外に4校の参加があり、当日は87名の生徒が総合科学部に集結しました。
集まった生徒は12の班に分かれ、物化生地4分野4名の先生方と、教員志望およびこうした活動に関心のある徳大生および徳大OBのTAの皆さん(本校応用数理科OBの先輩もいらっしゃいました)に、各班に付いてご指導いただきながら、「研究テーマの選び方と研究のすすめ方」について、ブレインストーミングとKJ法によってアイデアをまとめていくという手法を体験的に学びました。研修は3つのパートに分かれ、①研究対象の設定(何について調べるのか)、②研究目的(何のために調べるのか)、③実験方法の設定(どうやって調べるのか)という各テーマについて班ごとに活発な話し合いが行われました
本校応用数理科1年生は、3学期に課題研究の研究班とテーマを決める話し合いを行い、予備実験などをスタートさせ、2年次に本格的に研究を進めていきます。研究テーマの設定は最終的な課題研究の完成度や外部評価に極めて大きな影響を与えます。この企画が本校だけでなく、県内高校の課題研究の向上に少しでも役立てば幸いです。
最後となりましたが、ご協力いただきました徳島大学の先生方・学生さんやOBの方々、県教委・県総教センターの皆様、各校引率の先生方に心から感謝申し上げます。
高大連携講座「研究者の研究倫理について」の開催
応用数理科1年生を対象に、香川大学教育学部の笠潤平先生をお招きし、今後取り組むことになる課題研究に関わる内容の講義をお願いしました。
11月21日の講義では、英国物理学会(IOP)による「科学者としての研究における倫理的な行動規範」に関する教材を用いて、研究倫理について楽しく学びました。内容は次のようなものです。10の様々なシチュエーションが設定され、「その時あなたはどうしますか?」という問いに対してアンケート形式で3~4択から選択し、選択肢ごとに-2~+2の配点が付いているので、10問答えてその合計点を出すと、あなたはよい科学者かどうか判定できるという形式でした(例えば0点よりも下なら「あなたはよい科学者でないだけでなく、おそらくあまりよい人間ではないですね!・・・」という身も蓋もない評価、一方で14点以上はベタ褒めになります)。もちろん“bad”“very good”と評価して終わりではなく、議論の題材や呼び水としての意味合いがあります。良い選択と思った選択肢が意外と低評価だったり、その逆もあったりと、みんなでいろいろ考えさせられる内容でした。そして英国流「良い科学者の6つの条件」について深く知ることができました。
それから、STAP細胞の問題で一躍脚光を浴びるようになった「実験ノート」について、その必要性や書くべき内容、書き方と注意点などについてのお話を拝聴しました。
今日学んだことを肝に銘じて、今後の課題研究に誠実に取り組んでほしいですね。
科学の甲子園徳島県大会に優勝しました!
第4回科学の甲子園徳島絵県大会に2年生7名1チームが参加しました。
出場生徒 応用数理科2年 井上 太田 林 結城 片岡 倉良 普通科 武内
競技は物・化・生・地・数学・情報の筆記試験と実験競技で行われました。昨年の雪辱を見事はたし、徳島県で優勝しました。このメンバーは3月に茨城県つくばで行われる全国大会に出場します。
徳島県立博物館現地研修
応用数理科1年生は11月14日(金)に本校の近くにある徳島県立博物館で現地研修を行いました。今回の研修では部門展示「四国南東部の地形と地質」と常設展示、企画展を見学させていただきました。学芸員の中尾賢一先生から、部門展示で展示されている海部郡内や室戸市の海岸の立体写真(アナグリフ画像)や地形図、露頭写真、標本等、それから常設展示入り口の実物大漣痕模型などを用いて、この地域の地形と地質についていろいろご説明いただき、質問にお答えいただきました。
それから自由時間を取り、各自で興味のあるところを見学してもらいました。中尾先生には生徒の移動について回っていただきました。また希望する生徒は、企画展「空海の足音 四国へんろ展〔徳島編〕」も見学させていただきました。参加した生徒からは、県南で多様な地形・地質があることに興味を持ち、是非見に行ってみたいという旨の感想が多数寄せられました。
なお、この見学に際して、中尾先生から様々なご教授を賜り、また授業での利用ということで博物館より観覧料の免除を賜りました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。
「活断層と地震」講義および現地研修
10月下旬と11月初めに徳島大学総合科学部教授の村田明広先生を講師にお招きして「活断層と地震」と題した講義と現地研修を実施しました。まず10月22日(水)に行われた出張講義では、1.東日本大震災、2.南海地震の再来、3.兵庫県南部地震と野島断層、4.徳島県の中央構造線断層帯、という4つの項目について、発生のメカニズム、地震や津波による被害状況および今後の予想や対策などのご説明をいただき、マグニチュードと震度、モーメントマグニチュード、室戸岬の海岸段丘とヤッコカンザシのことなど様々な内容について幅広く学びました。
11月5日(水)には、応用数理科2年生全員で貸し切りバスで淡路島まで行き、野島断層保存館等で現地研修を行いました。行きのバスの中では中央構造線や淡路島の活断層地形などについて村田先生が作成された立体画像を用いて、また現地では活断層露頭や震災に遭った住宅などを実地見学しながら先生にご説明をいただきました。そして明石海峡大橋の松帆アンカレイジでもお話しをお聞きしました。
研修を通して、地震と防災に関する知識と意識を高めることが出来ました。
科学技術憲章・制定記念シンポジウムに参加しました
徳島県では、わたしたちを取り巻く様々な課題を解決するために「産・学・民・官」が一体となって「県民総ぐるみ」で科学技術を推進すべく、今年10月7日に「徳島県科学技術憲章」を施行しました。そして「とくしま科学技術の日(10月31日→徳島・サイエンス)」を控えた10月27日(月)14時から、徳島県庁隣のホテルで「科学技術憲章・制定記念シンポジウム」が開催され、本校応用数理科1年生が高校の代表としてご招待いただきました。
〈第1部〉
基調講演「京都大学における科学技術研究最前線」
京都大学理事(産官学連携担当)・iPS細胞研究所顧問 阿曽沼 慎司 氏
〈第2部〉
パネルディスカッション「未来を切り拓く科学技術について」
・コーディネーター 徳島大学長・徳島県科学技術県民会議会長 香川 征 氏
・パネリスト 株式会社アスカ取締役社長 田中 義浩 氏
徳島活性化委員会代表 内藤 佐和子 氏
株式会社本家松浦酒造場代表取締役社長 松浦 素子 氏
四国大学・四国大学短期大学部学長 松重 和美 氏
飯泉嘉門 徳島県知事
シンポジウムに参加した生徒の中から、将来徳島県の科学技術の発展に貢献し、世界に羽ばたく人材が現れることを期待したいと思います。
なおシンポジウムの後、徳島県庁広報の取材収録を受けた生徒がおりました。11月中~下旬放送予定の徳島県の広報番組「週刊あわのかわらばん」(四国放送)に使われるかもしれません。
飯泉知事から生徒にお声がけいただいたので、県庁に急いで戻られるところをお引き留め
して記念撮影させていただきました。お忙しいところ誠にありがとうございました。