令和6年度活動内容

令和6年度第2回小・中学校対象 地域フィールドワークin勝浦

2024年12月26日 11時36分 [管理者]

 12月8日(日)に第2回地域フィールドワークを実施しました。今回の活動は化石採りです。昨年と同じように募集したところ、わずか5日間で20名の定員が埋まるほどの活況でした。産地は前回と同じアンモナイトが採れる場所です。当日キャンセルがあったものの今回も9家族24名の参加があり、スタッフを含めて37名の大所帯になりました。

 まずは軽く肩慣らしからです。昨年に谷から引き上げていた化石入りの泥岩がまだ残っていました。それにはシダ類やソテツなどの植物化石が含まれます。そこに案内すると各グループが思い思いの場所に陣取って石を割っていきました。クラドフレビスというシダの仲間やニルソニアというソテツの祖先などが多く見つかりました。キャプチャ

 次は本番のアンモナイトです。事前の調査でアンモナイトが産出する地層がわかっていたので、そこまで全員を案内しました。スタッフには斜面直下や道端の小さい子に注意するように促して採集を始めました。すぐに「見つけた!」という声が上がりました。持ってきたので確認すると、確かに殻に突起のあるアンモナイトです。小さいけれどなかなか見事な標本でした。その後もあちこちで興奮した声が上がり、順調に採集できているようです。丸い形状ばかりでなく折れ曲がった異常巻きも見つかりました。小さい子もいましたが、アンモナイトの小さい破片をしっかり拾っていました。

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 採集開始から2時間半が経過し、全体的に何となく(主に大人の)疲れが見えてきました。時刻は正午少し前で、気温は5℃くらいととても寒く風花が舞っていました。そろそろ終了することをスタッフに伝え、さらに参加者全員に伝達して谷から駐車場へ移動しました。今回も皆さんが何らかの成果を上げられたようです。アンケートを提出して頂き、お土産として宇部炭鉱の琥珀入り石炭を渡して今日の日程が終わりました。

 後日アンケート結果から、また機会があれば参加したいことやどちらかと言えば日曜日が望ましいこと、化石ツアーをもっと開催して欲しいが水晶ツアーもできないかなど様々なご意見を頂きました。高校生と児童や一般の方が一緒になって楽しめるような企画を続けていこうと思っています。本日の参加者の皆様、ありがとうございました。また、今回参加できなかった方は次回の案内を楽しみにお待ちください。今後ともよろしくお願いします。

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SSH台湾海外研修5日目

2024年12月20日 00時00分 [管理者]

12月20日 SSH台湾海外研修5日目です。無事に研修をやり遂げ、帰路につくこととなりました。これまで多くの研修に関わってくれた人々に感謝いたします。バスで桃園国際空港に移動し、無事に出国手続きを終え、関西国際空港に到着しました。離陸が遅れた関係で、遅くなってしまい、学校に着いたのは22時過ぎでしたが、多くの先生方が待っていて下さり、解団式を行いました。解団式では、竹南高級中学でいただいた交流証書を一人ずつ手渡した後、校長先生や教頭先生から、挨拶をいただきました。校長先生からは、「今回学んだことを海外研修に参加しなかった生徒にもほしい」とのメッセージを、教頭先生からは「世界中で英語や科学に対して学習に励んでいる人たちがいることを知り、今後の英語学習はもちろん、その他の学習への励みにしてほしい」とのメッセージをいただきました。多くの見聞や交流を通じて、文化や言語が異なる人々の価値観や考え方を受容する力や、コミュニケーションをとる力が向上したのではないでしょうか。さらに今後の学習に対するモチベーションの向上につながったと思います。今回は2回目の台湾への海外研修であり、前回よりも研修の質を向上することができたと感じます。事後アンケートでは研修への満足度は肯定的意見ばかりであり、生徒達は満足のいく研修であったのではないでしょうか。今後、教育プログラムとして、改善を重ね、よりよい海外研修へ発展させていきたいと思います。

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以下生徒のレポートより一部抜粋

「私が今回の研修で1番心に残っているのは竹南高級中学や大学生の方その他大勢の人達と交流したことです。私自身英語を喋ることは得意ではないし、海外にも行ったことがなかったのでとても不安でしたが、会う人全てが優しくて温かかったので台湾が大好きになりました。私が交流から得た一番大きな学びは積極的に人と関わって行く態度です。綺麗な文章ではなくても伝わるし、うまく話せない、聞き取りにくい時でもしっかりと相手の方は耳を傾けてくれました。だから、まずは話してみることで言語の壁は簡単に乗り越えることができるのだと感じました。この経験を通して私の意識も変わったし、英語力、コミュニケーション能力についての新しい考え方が身に付いたと感じます。」

「今回の交流では、相手校の生徒が日本語、英語を操るのに対し、私は会話ができる程度の英語が喋れなかったことが、恥ずかしく、悔しかったです。自分の英語力の不足を感じるとともに、台湾の方の言語力の高さに圧倒されました。私は以前から英語を学んでいますが、最近は英語を学び始めた時の『他言語圏の人とコミュニケーションをとるために、英語を学びたい』という気持ちを忘れて、入試で使うためだけに英語を学んでいました。しかし、今回の研修で台湾の生徒と交流をしたことで、初心を思い出すことができました。これからはこの気持ちを忘れず、英語学習に取り組んでいきます。」

「最初は台湾海外研修について、不安しかありませんでした。しかし、全日程がとても楽しく、学びになることばかりで、今では、台湾研修に行ってよかったな、と思っています。2日目の竹南高級中学との研修では、自分たちの英語での発表があったり、英語で実験の説明をしなければならなかったりと、とても不安でした。しかし、課題研究の発表も、台湾研修の前から練習してきた甲斐があって、スムーズに英語で発表することが出来ました。英語を使うことに対して前よりは自信がついたと思います。その反面、英語をもっと聞き取ったり話せたりしたら、もっと相手のことを理解することができ、そして自分が伝えたいことが言えるのかな、と思いました。 また、研修の中で、異文化に触れる機会が沢山ありました。異文化に触れたことで、新しい世界を知れることができたと思います。 英語を使ったり、異文化に触れた経験は、必ず将来の自分の役に立つと感じています。この経験を活かして、今後はさらに英語力を磨き、異文化に触れる大切さを知り、日本にとどまらず世界の人たちとも、多く交流をしていきたいと思います。」

SSH台湾海外研修4日目

2024年12月19日 00時00分 [管理者]

12月19日 SSH台湾海外研修4日目です。本日は午前中に国立故宮博物院で研修、午後から金瓜石周辺のフィールドワーク並びに黄金博物館での研修です。

故宮博物院では中国4000年の歴史を感じることができる歴代皇帝の至宝が収蔵されています。歴史を体感すると共に、象牙や翡翠を用いて詳細な加工がなされている作品を見ると、物作りにおける技術の素晴らしさを感じることができます。また、身近に利用されていた青銅器や釉薬により装飾を施された陶磁器の美しさに見惚れてしまいます。音声ガイドの解説を受けた後、事前研修で行っていた数学的デザインについて、美術品の中から見いだす研修を行いました。

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午後からは場所を移し、金瓜石周辺にやってきました。金瓜石周辺は北東からの強い季節風と開鉱、土壌の性質変化の影響により一部植生が破壊されておりながら、亜熱帯性多雨林とともに温帯の植生を持つ特徴的な場所になります。また、台湾はフィリピン海プレートとユーラシアプレートが複雑に衝突するところに位置し、多くの鉱床が存在し、金や銅の採掘が盛んであった場所です。フィールドワークでは、特徴的な植生が見られるポイントで説明した後、歩きながら、亜熱帯多雨林に特徴的な着生植物などの説明を行いました。その後、黄金博物館で台湾の特徴的な地形や鉱床や鉱石の学習を行いました。

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その後、夕食は九份周辺でとり、幻想的な夜の雰囲気を楽しみながら本日の研修を終えました。雨の中、少し寒かったですが、体調不良者もなく無事に研修を進めることができて何よりでした。

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以下生徒のレポートの一部抜粋です。

「数学的視点を意識しながら展示物を鑑賞しました。清朝などの時代から使用されている対称性やフラクタルを美術品の中に発見することで、私より以前に生きた人々もそれらを美しいと感じていたのだと実感しました。博物院では日本から中国王朝へ、中国王朝から日本へ送られた美術品が展示されていた。それらの美術品から、両国の歴史的交流についても理解できました。」

「植生が日本と大きく異なり、亜熱帯性の植生を実際に見ることができた。また風が強く季節風の影響だと分かった。地層については、フィリピン海プレートとユーラシアプレートが複雑に衝突することで、特徴的な地形が形成され、また、鉱石が多く取れることが知りました。実際に、このあたりでとれた特徴的な鉱石を博物館でを見ることができました。」

 

SSH台湾海外研修3日目

2024年12月18日 00時00分 [管理者]

 12月18日 台湾研修3日目です。本日は午前中は私立君毅高級中学校との交流、午後は国立陽明交通大学での授業並びに千年倫子さんとの交流です。

8:30に私立君毅高級中学に到着しました。到着後、歓迎会では本校生徒が日本の歌を歌い、交流しました。君毅高級中学の校長先生と本校の秋山教頭先生が挨拶し、お土産の交換等を行いました。

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ロボット教室に移動し、ロボット工学に関する授業を君毅高級中学の生徒と共に英語で受講しました。ロボット工学の授業を担当したいただいた林玉潔先生は、アメリカでロボット工学を学ばれ、ロボット工学と英語に精通されております。ロボットの作成について、林玉潔先生が英語が説明していただきながら、ロボットの作成を行いました。分からないところは現地高校生が教えてくれ、交流を取りながら進めていきました。

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午後からは、国立陽明交通大学に移動しました。国立陽明交通大学は台湾の理系トップ大学の1つです。最初に研究室の人からお話を聞き、その後、籔下篤史先生の講義を英語で受講しました。籔下先生は東京大学で博士課程を終えられ、その後国立陽明交通大学で研究を続けられています。初めは、先生がどのように研究者としての道を歩んでこられたかのお話をしていただき、グローバルに活躍する研究者に必要な資質能力について理解しました。その後「パルス波を用いたタンパク質の構造解析」について、説明していただきました。事前にスライドをいただき、事前学習していたこともあり、理解が進みやすかったです。短いパルス波を作り出すことができ、それにより、タンパク質の構造変化が時系列に分析できるとの内容でした。また、タンパク質の構造解析により、太陽光発電の仕組みが大きく変えられる可能性があるなど、今後どのように発展させられるかも合わせて説明してもらいました。この分野は、ノーベル賞も多く受賞している内容で、今後も発展を続けていく内容であると感じます。この研修を通じて、生徒たちに世界中で科学技術を発展のために、研究に取り組んでいることを理解してもらいたいです。

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その後、熊本の高校から国立陽明交通大学に進学された千年倫子さんとの交流会「こんにちは先輩」を行いました。千年さんから、困難の乗り越え方やチャレンジに対する好奇心などをスライドで説明していただいた後、留学や価値観をテーマにしたワークショップを行いました。生徒たちは、年の近い先輩ということもあり、積極的に発言し、価値観等について意見交換していました。

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夜には夕食を兼ねて、致理科技大学日本語学科の学生さん達と一緒に士林夜市に出かけました。平日の水曜日でありながら、すごい人と屋台の数でした。生徒達は、見るものすべてが新しい世界で、現地大学生との交流を行い、非常に有意義な時間になったのではないでしょうか。

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いよいよ研修も明日で最終日となります。海外での有意義な学びとなるよう、サポートしていきたいと思います。

以下生徒のレポートから一部抜粋

「君毅高級中学でロボットのプログラミングを行った際、以前日本でもプログラミングをやったことを思い出しました。今回の授業で行ったプログラミングと私が以前やったプログラミングはよく似ており、ロボット工学、プログラミングが世界的に学ばれ、研究されている学問であることを実感しました。」

「籔下先生は、自分が行っている研究の課題点もきちんと把握されており、自分の課題研究でも課題等も考える必要があると感じた。千年さんへの質問では価値観に関するものが多く、困難に対するモチベーションの保ち方など色々な考え方を教えてもらい、今後の人生において活かしていきたいと思った。」

「その地域で使われている言語を学び、自分が行っている研究を海外続けられていて、尊敬の気持ちを持った。高校を卒業したら海外に出てみるという視野を今まで持っていなかったので、その体験した人達の話を聞けて本当によかった。」

「籔下先生の研究発表を聞いて、ターゲットとする分子の変化を見るにはよりスパンが短く時間分解能が高いパルス光を使う、可視パルスにするにはカーレンズ効果、nopaで増幅するといったように、目的に対してどのような方法で解決するか突き詰めていくことでより深い実験になると感じた。色々な角度から検討することで結果が得られると分かった。実験だけでなく、結果を生かしてどのようなことに応用していくかを聞けたので興味が持てた。」

「大学生と一緒に話している時がとても楽しくてこの時間が終わってほしくないとばかり考えるほどにとても濃い時間になりました。」

SSH台湾海外研修2日目

2024年12月17日 00時00分 [管理者]

 12月13日、いよいよ台湾研修2日目です。本日から3日間の研修が始まります。本日は国立竹南高級中学校との交流です。朝食を済ませ、8時30分に国立竹南高級中学校に到着し、校長先生始め多くの先生方や今回交流していただく生徒40人からお迎えを受けました。

まず、図書館2階に移動して、歓迎会が行われました。2人の生徒がしっかりとした日本語で司会進行をしてくれました。歓迎会では、竹南高級中学の呂淑美校長先生と城南高校の秋山教頭先生がそれぞれ挨拶をし、お土産の交換を行いました。

今回の訪問の際、竹南高級中学と本校は姉妹校締結を行いました。本校も竹南高級中学もどちらもサイエンスを中心とした学校で、次年度は5月に竹南高級中学が本校に来校し、理科実験等と通じた交流を行う予定です。今後ますます交流が盛んになることが期待されます。

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その後2つの教室に分かれて、まずは竹南高級中学の先生から、液体窒素を使った実験を英語で行ってくれました。本校生徒と竹南高級中学が混じり、一緒に実験を行いました。一緒に感想を言い合ったり、実験について話をしたりと盛り上がっていました。その後、本校生徒主体で英語での理科実験(Science Experiment)を行いました。「ギムネマ茶とミラクルフルーツを使った味覚の不思議実験(How tastes works)」を行いました。パワーポイントを使い英語で説明しながら、丁寧に実験を進めることができました。

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その後、課題研究の英語発表を行いました。分かりやすく発表できるよう十分に準備してきました。生徒達はしっかりと発表し、英語での質疑応答にも丁寧に対応していました。この課題研究の英語発表に対し、応用数理科はどのように発表すれば内容が伝わるのか、難しい内容をどのように簡単に伝えることができるか工夫してきました。普通科ではこの発表の機会で、実際に見せるものを用意するなど、プレゼンテーションの準備をしてきました。応用数理科、普通科共に、英語力の向上のみならず、表現する力や探究する力の向上にとって、非常によい機会になったと感じました。また、プレゼンテーションの能力が高く、堂々と発表する竹南高級中学の生徒たちの姿を見て、本校生徒は良い刺激をもらったようでした。

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昼食は生徒同士一緒に取り、食後は一緒にグランドにて遊ぶ姿が見られました。高校生同士、すぐに仲良くなり、スムーズにコミュニケーションがとれていました。その姿を見て嬉しくなりました。

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午後からは、TSMC創新館に移動し、英語での説明を受けながら見学を行いました。半導体の進化や活用について知ることができると共に、国際的な視点や意識を高く持っていることに驚きました。

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なお、今回の竹南高級中学との交流は「竹南高級中学と城南高校姉妹校締結」というタイトルで、台湾版Yahoo!NEWSに掲載されました。多くのおもてなしに感謝します。

https://ynews.page.link/84p8X?soc_src=social-share&soc_trk=li

以下生徒の本日のレポートの一部です。

「竹南高級中学の皆さんと交流することが出来てとても楽しかったです!文化も言語も違っていたけれど、お互いがそれぞれ色々な方法(英語やインスタグラム交換、ジェスチャーなど)で仲良くなっていて、それがとても印象的でした。」

「竹南高級中学の生徒と実際に交流してみて、まず圧倒的なコミュニケーション能力の差を感じた。台湾の高校生達は自ら積極的にsnsのアカウントを聞いたり、自分から英語を用いてコミュニケーションを取ろうとしていたのに対し、自分たちはそのようなコミュニケーションにおける積極性に欠けているように感じた。また、そのようなコミュニケーション能力があるからこそ、彼らはとても上手な発音で英語を話したり、発表を行ったりできているのではないかと思った。」

「課題研究の英語発表では、伝わりやすいようにゆっくり説明した。もう少し聞く人の反応を見れたらよかったと思う。英語の発音をよくして今よりもスラスラと言えるようにしたい。」

「まず台湾が半導体に優れているということ、その技術力の高さを知ることができた。普段あまり意識していないところで様々な国が協力し、技術を合わせることでスマートフォン等を使えているのだなと感じた。」