2016年6月の記事一覧

会議・研修 108HR高大連携講座(香川大学・笠先生)

 応用数理科1年生は、6月24日(金)午後、香川大学教育学部の笠先生をお招きして、課題研究に関する高大連携授業を行いました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「公正なテストを計画する」(音に関する簡単な現象について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
なお笠先生の講義の続きは年度後半にも予定されております。応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや目的などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。

理科・実験 Science Dialogueの開催

 サイエンス・ダイアログとは、(独)日本学術振興会JSPSのフェローシップ制度により来日している外国人研究者(JSPSフェロー)有志が、近隣の高等学校等において、英語で研究に関するレクチャーを行う機会を提供するプログラムです。
 今年のサイエンスダイアログから、開催時期を半年早めて2年1学期に設定しました。そして6月22日午後開催の今回は、岡山大学大学院環境生命科学研究科からChristopher J. VAVRICKA 博士(米国/専門:農芸化学)が講師としてご来校くださり、応用数理科2年生に対して講義と実験をしていただきました。また実験助手に、同じ研究室から本校OBの森さおりさんもお越しくださり、レクチャーのサポートをしてくださいました。

 事前に、ご講演のAbstractやkey words をお送りいただいていたので、生徒配付資料として印刷するとともに、英語科及びWood,Travis両先生のご指導をいただき、Science English の時間を用いて、ワークシートとグループワークによる事前学習を行いました。
 レクチャーでは、最初にドライイーストと砂糖による発酵と銀鏡反応の説明と演示実験が行われ、反応待ちの間に、VAVRICKA 博士の自己紹介(禅を好み、柔道は黒帯!)、大学時代の研究、その後の中国での漢方薬の研究や抗インフルエンザ薬の開発、日本での研究の様子のお話がありました。またアリストテレスやデモクリトスから、パスツールや華岡青洲らを経て現代に至る科学史のお話、そして科学史に登場する重要な実験や現代の研究最前線などのお話がありました。そして、4人一組の班で、VAVRICKA 博士や森さんのサポートをいただきながら、主に化学分野の様々な実験に取り組みました。
 後の生徒アンケートでは、英語レクチャーはやや難しかったようですが、実験実習を伴っていたので大変面白かったという意見が多く寄せられました。
 VAVRICKA先生、森さん、岡山大学大学院の清田先生、そして機会を与えてくださったJSPSに感謝いたします。
【森さんより】
この度は、このような貴重な機会を与えていただき、本当にありがとうございました。
懐かしい母校で若い学生さんたちと化学実験を通して楽しい時間を過ごすことができました。

当日はこちらの準備不足等で慌ただしく、先生方にも多数ご迷惑をおかけしてしまい申し訳ございませんでした。
担当させていただいた学生さんが二年生ということもあり、講演内容の難易度に少し不安もありましたが、みなさん意欲的に取り組んで下さりました。
これを機に更に化学に興味を持ち、勉学に励んでいただければ嬉しく思います。

 

 

 

ひらめき 応用数理科3年 高大連携講座 (徳島大学理工学部光情報システム)

◇理工学研究部 教授 陶山史朗 先生 ・ 講師 水科晴樹 先生
 6/21(火)午後、応用数理科3年生は物理・化学・生物の各分野に分かれて高大連携講座に参加しました。物理の生徒は徳島大学理工学部光情報システムの陶山先生の研究室で研修を行いました。
 研修前半では、陶山先生から光情報システムでの研究内容についてお話いただいた後、2班に分かれて、交替で2つの実験室にて大学院生の皆さんから、ご自分が行っている様々な研究内容について、わかりやすくご説明いただきました。参加生徒は、自らの課題研究体験を思い起こしながら熱心にお話を聞いていました。
 後半は再び陶山先生のご説明の後、「アーク3D(光の散乱を利用して立体画像を浮かび上がらせるもの)」作成の実習を行い、光と画像について楽しみながら体験的に学びました。
 熱心にご指導いただいた陶山先生、水科先生、大学院生の皆様に感謝申し上げます。

理科・実験 応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)

高大連携講座「徳島文理大学薬学部」H28.6.21(火)15:00~17:20
徳島文理大学薬学部21号館1F実験室
「アルドール縮合反応によるジベンザルアセトンの合成」
応用数理科3年 化学選択 男子2名女子13名合計15名参加
案内 薬学部公衆衛生学講座教授 鈴木 真也 先生 薬学博士 薬剤師
指導 薬学部薬化学講座教授   吉田 昌裕 先生 薬学博士 他2名

 挨拶とスタッフ紹介の後、ガイダンスとして、バイオ医薬品と低分子医薬品について、具体例を挙げながら簡単な説明があった。次に、今回の合成するジベンザルアセトンの構造がウコンのクルクミンに似ていることなどを構造式で示し、色などを予想するように指示があった。実験に使う薬品の危険性や操作上の注意点についても丁寧に説明があった。 実験操作を説明するに当たって、生徒が化学の授業で無機化学までしか学習して居らず、有機化学への理解が不十分であることを踏まえて、一度に説明する情報量を少なくするために実験を「反応をかける」「反応を処理する」の前後半に分けて、器具の名称も説明したり演示をしながらの説明を聞いては生徒が実際にやってみるという繰り返しで進められた。ナスフラスコで薬包紙を軽く巻いたコルクで栓をして反応開始から約10分で反応が完結するとのことであった。無色透明の原料を混合すると少し黄色になり、マグネティックスターラーで撹拌が始まると一挙に懸濁した。スターラーの回転速度により、クリーム状になったり、かさ高く液面から盛り上がったり、固体と液体が分離したりと見た目の差はありながらも全員十分の量の合成に成功した。ブフナーによる吸引ろ過を利用しながら蒸留水で洗い、大判ろ紙で水分を取ってから秤量し、粗収量,粗収率を求めた。100%を超えたのはどうしてなのか考えるように指示し、今回は省略したがその後に再結晶による精製が必要なことなど説明があった。生徒の粗収率は140%前後が多かった。片付けの後で、薬学部に関する情報提供があった。薬剤師資格取得に関する徳島大学との比較、特待生制度などガイダンスがあった。また、科研費を多く取得できていることからも研究分野の質にも注目して欲しいとのことであった。また、JSPS(日本学術振興会)の科研費補助事業である「ひらめき☆ときめきサイエンス」のアナウンスもあった。今後も化学区に興味を持って頑張るようにと、新品の薬さじ,スパチュラ,ピンセットなどを記念品で頂いた。

会議・研修 207HR課題研究中間発表Ⅰ

 6月15日の午後5~7限目3コマ通しで、応用数理科2年生は課題研究の中間発表(12の研究班)を行いました。現時点でのまとめと、お互いの研究についての情報共有、先生やクラスメートからのアドバイスなどが目的です。また今回は日本語での口頭発表でしたが、研究と平行してScience EnglishⅡで英語による課題研究プレゼンを行うことから、Wood先生やTravis先生、英語科の先生にもご参加いただきました。課題研究のテーマ設定には昨年度から取り組んでいましたが、今年は予想外に時間がかかり、予備実験の結果、最近テーマを変更した班もいました。今回いただいた質問やアドバイスを今後の研究の糧とし、遅れを取り戻して欲しいものです。