2023年11月の記事一覧
第15回徳島県高等学校野球体力・技術向上研修会
~ 「阿南の空」に見た「明るき極み」のパフォーマンス発揮 ~
11月25日(土)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第15回徳島県高等学校野球体力・技術向上研修会が開催されました。
この研修会は、沖縄県で行われていた取り組みを参考に2009(平成21)年から開催されており、オフシーズンにおける能力強化へのモチベーションを高めることを目的としています。本校関係では昨年度、ベースランニング部門で大村豪くんが優勝、炭谷敦也くんが8位、ロングティー部門では神戸潤くんが9位入賞を果たしています。過去に遡りますと2020(令和2)年度のロングティー部門では川邊碧海君が歴代最高記録をマークするなど、毎年、高い身体能力を発揮した活躍が見られます。今年度は、部内の練習の一環で行われた記録会で各部門3位以内の記録をマークした8名の選手が、この記録会に乗り込みました。ここでは入賞した記録について紹介します。
《ベースランニング部門》
第1位 松尾 昭汰 記録:13秒97
《ロングティー部門》
第9位 馬詰 伸吾 記録:100.34メートル
新スピードスター・ここに降臨。松尾の快走が、ベースランニング部門2連覇をもたらしました。松尾は昨年度こそ出場権を逃したものの、日頃からスピード感あふれるプレースタイルを確立することを意識した練習の成果、部内記録会1位の走力を見事に披露しました。数少ない連続出場組の馬詰も、この日に照準を合わせコンディションを調整してきた成果、エースで主力打者の責任を果たす嬉しい初入賞となりました。入賞を果たしたのはもちろん本人の努力の賜物ですが、出場した他のメンバーの大多数がしっかり部内記録会以上の数字を出すことができ、改めて城南高校硬式野球部は「成長する環境」であることが実証されたように思います。
この研修会で得た自信をさらなる成長につなげるためには、冬の取り組みが重要となります。特に、今回入賞を果たした選手たちは他校からも警戒されるようになると思いますが、警戒されてもはるかに圧倒する力を発揮して活躍できるよう、さらに強化を目指して努力していこうというモチベーションの向上が見られました。また、今シーズンは後半にかけて故障者も発生しましたが、シーズンを通じて戦い抜く体力も並行して高めていきたいと思います。
惜しくもこの研修会への出場権を逃した選手たちは、この日は走り込みを中心とした厳しい練習に取り組み、残留組の1年生は絶対に来年こそ出場したいというモチベーションを持って取り組んでいたようです。
「盛り上がりが足りない」。2023年の日本中の応援シーンで話題となり、城南応援席でも声高に叫ばれたこのフレーズは、秋季大会以降のチームを象徴するようなものであったように思います。最後の見せ場で最高の盛り上がりを創出してくれた2人の活躍は、校歌の一節を借りて表現するなら「阿南の空の明るき極み」。来年に向けた最高のスタートダッシュとなります。チームとして今年の成績を上回り、夏の甲子園初出場という最高の盛り上がりを創出できるよう、この冬も全員がチーム力向上を目指した個々の能力向上をテーマに「一球一心 ~心はひとつ~ 」のチームスローガンのもと、日々の練習に取り組んでいきます。
この研修会の運営に携わっていただいた関係者の皆様、寒い中応援に来ていただいた皆様、大変お世話になりました。
《文責》尾形
2023年10月 硬式野球部活動報告(Liga Agresiva徳島)
~ 仲間とともに真剣に戦い、切磋琢磨し、野球を愉しむ ~
日頃は、本校硬式野球部の活動にご理解、ご協力いただき誠にありがとうございます。
今年も9月末から10月にかけて、恒例のリーグ戦「Liga Agresiva徳島」が展開されました。
これは全国各地で行われている『選手たちの未来にフォーカスした』リーグ戦形式の取組み「Liga Agresiva(リーガ アグレシーバ)」の一角をなすものであり、今年の夏に行われた第105回全国高等学校野球選手権大会の出場校では、見事に全国制覇を果たした慶応高校(神奈川)、ベスト8と躍進を果たしたおかやま山陽高校(岡山)など4チームが「Liga Agresiva」参加校であることが話題となり、新時代の高校野球を形成する画期的な取り組みとして全国的に注目を集めています。
「Liga Agresiva徳島」特別ルールの一例として
・ 1試合7イニング制で延長戦なし、5回7点差(2023年、5点差から改正)でコールドゲーム成立
※ クライマックスシリーズのみ無死満塁からのタイブレーク適用
・ 打者は低反発(新規格)バットもしくは木製バットを使用
・ バントは禁止
・ 投手は変化球の投球禁止(ただし、クライマックスシリーズでは2ストライクから投球可)
・ ストライクの見逃しは1球目でもアウト(見逃し三振扱い) などが挙げられます。
なお、球審を含む審判やボールボーイなどは試合をしていないチームが行い、生徒が主体となって運営にあたります。
本校は2021(令和3)年から参加しており、3度目のシーズンを迎えました。
初年度は選手10名でリーグ優勝、クライマックスシリーズ準優勝、昨年度は選手15名でリーグ準優勝、クライマックスシリーズ優勝と輝かしい成績を残しておりますが、まだ完全優勝には届いておりません。
今年は選手が19名となり、より選手一人ひとりの出場機会を拡大し、経験値を高めることを目指して2年生10名を「ジョー」、1年生9名を「ミナミ」と2チームに分割して出場しました。今年度の結果は以下の通りです。
リーグ戦
9月30日(土)
ジョー ⚪ 5 - 3 城北
ミナミ ⚪ 9 - 2 連合(つるぎ・城ノ内・池田辻・阿波西)
ミナミ ⚫ 0 - 7 城北
ジョー ⚪ 14 - 6 連合
10月8日(日)
ジョー △ 6 - 6 徳島科学技術
ミナミ ⚪ 6 - 0 連合(つるぎ・城ノ内・池田辻・阿波西)
ミナミ ⚪ 13 - 5 徳島科学技術
ジョー ⚪ 5 - 0 連合
10月14日(土)
ジョー ⚪ 2 - 1 徳島科学技術
ミナミ ⚪ 2 - 1 城北
ジョー ⚪ 7 - 4 小松島西
ジョー △ 2 - 2 小松島西
10月15日(日)
ジョー ⚪ 14 - 0 吉野川
ミナミ ⚪ 5 - 1 吉野川
ジョー ⚪ 7 - 1 ⚫ ミナミ
《結果》
1位 ジョー 8試合 7勝 0敗 1分
4位 ミナミ 8試合 5勝 2敗 1分
《個人タイトル》
本塁打王、打点王:蔭山凜太郎(ジョー)
最多安打:中山昌也(ジョー)
最多勝利投手:大川太陽(ジョー)
最多奪三振投手:池田晃誠(ミナミ)
クライマックスシリーズ
10月28日(土)
1回戦 ミナミ ⚫ 2 - 3 城北
2回戦 ジョー ⚪ 8 - 0 吉野川
10月29日(日) クライマックスシリーズ
準決勝 ジョー ⚫ 0 - 3 三本松
今年も残念ながら完全優勝は逃しましたが、選手全員がスタメン出場し実戦経験を積むことによって経験値を高めることができました。また、個人タイトルも打撃二冠の蔭山をはじめ4名が獲得するなど、成果を挙げています。一発勝負のトーナメントでは負けたら終わりですが、リーグ戦は負けても次の試合があり、反省を活かす機会があります。その試行錯誤の過程こそ、逆にトーナメントで発揮するために必要な力をつけるためには不可欠です。そういう意味でも、リーグ戦は選手としての成長を引き出すには絶好の取り組みであるように思います。
高校野球界では、2024(令和6)年度から金属バットの規格が変更され、現行の物より金属の厚みがあり、0.3mmほど細い低反発バットの使用が義務付けられます。高校野球自体が大きく変わる可能性がある中、打球感はこのリーグ戦で経験する状況に近いものとなるため、参加校はいち早く新規格への対応を始めていることになります。私たちはここでの学びを活かし、来年こそは甲子園の夢を実現できるよう課題をしっかり乗り越えていきたいと思います。
今年も運営に尽力していただいた先生方や、共に戦った仲間への感謝とともに、徳島県はもとより全国の参加校の皆様と、これからも野球文化を発展させるグッドフェロー(良き仲間)であり続けたいと心から願っております。
《文責》尾形