令和3年度活動内容

107HR自由研究発表会の開催

 9月10日(金)と9月24日(金)午後の3時間を使って、夏期休業中の課題であった自由研究の発表会が開催されました。ほとんどの生徒がパワーポイントを用いての発表が初めてであり、スライドの作り方や発表の仕方に関して課題となる点も見受けられましたが、全員オリジナリティ溢れる研究がされており、生徒からも活発な質疑がありました。日常生活において「何故だろう」と感じたことから膨らませた研究はとてもフレッシュで、今後の課題研究が期待できそうです。実験の仕方や発表の工夫など様々なことを学ぶことのできた発表会であったと思います。

Science Introduction(化学・地学)

10月1日と8日の金曜日に応用数理科の授業科目「Science Introduction」で化学と地学の基礎実験を行いました。今回の実験の内容は以下のものになります。

【化学分野】ものの重さをはかろう!

 今回のテーマは「秤量」、すなわち薬品の重さをはかる練習をしました。電子天秤を用いて、ある重さの食塩をはかり取りました。はかり取った食塩は、水に溶かして食塩水とします。この一連の操作で、決まった濃度の溶液を調製する方法も学習しました。

【地学分野】単振り子の周期を用いた重力加速度の測定

 前回、物理分野で記録タイマーを用いて重力加速度の測定を行いました。地学分野ではさらに精度を上げるべく、単振り子の周期を用いた重力加速度の測定を行いました。重力は万有引力と遠心力の合力であるため、極付近で最大、赤道付近で最小となります。重力異常の話も混ぜながら、できるだけ誤差を減らす工夫をして実験を行い、重力加速度の大きさを9.8に近付けました。生徒は、周期の測定方法の工夫、ノギスの使い方などを学習しました。

 

 

 

8月6日化石採集フィールドワーク

令和3年8月6日、応用数理科1年生を対象に化石採集フィールドワークを実施しました。

今回は、徳島県那賀町臼ヶ谷周辺で層孔虫化石の採集に取り組みました。

講師に徳島化石研究会会長の鎌田誠一さんをお招きし、採集できる化石や採集方法の説明をしていただきました。

層孔虫類は古生代オルドビス紀(約4億9000万~4億4300万年前)に出現し、デボン紀にかけて世界中の海に広がった造礁性生物で、暖かく水の静かな礁原や礁湖内に多く生息し、中生代白亜紀末(約6500万年前)に絶滅しました。ここでは、中生代ジュラ紀~白亜紀の地層が見られ、層孔虫類の化石が産出するそうです。

生徒たちは一生懸命探し回り、化石を採集していました。107HRの担任の近藤先生が大きな層孔虫化石を見つけ、生徒が驚いていました。

これを機に地球史について興味を持ち、将来、地球科学を専攻する学生が出てきてくれると嬉しいです。

講師の鎌田先生、本日はありがとうございました。

今回の化石採集フィールドワークについては、以下の化石研究会のHPにも掲載されております。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~fossil-kamada/sub6.html

化石発掘体験ツアーin臼ヶ谷

 8月6日(金)に、応用数理科1年30名と教員3名で那賀町の臼ヶ谷(うすがだに)へ行きました。ここは中生代の石灰層が発達していて、層孔虫や二枚貝などの化石が含まれています。よいフィールドワークの体験ができそうです。当日は大変蒸し暑いにも関わらず欠席者なし。全員がこの日を心待ちにしていました。

 バス2台に分乗して、途中のもみじ川温泉で徳島化石研究会の鎌田さんと合流し、そこから30分で目的地に着きました。徒歩で山道を分け入って杉林の中に白い塊が見られたら、それが化石を含んだ石灰層です。コケに覆われてわかりにくいですが、確かに何かの化石が含まれています。各自のリュックを降ろしてハンマーを取り出し、タオルを首に掛けると行動開始です。

 まずは石灰岩の見極めです。石灰岩は白いと思い込んでいますが、実際には灰色やかなり黒い物まであります。鎌田さんの話を熱心に聞いていました。範囲はそう広くありませんが高低差があり、上方の石灰層まで200mくらいあります。しかし、さすがに十代だけあって体力や筋力は抜群です。あれよあれよという間に急斜面を上り、鎌田さんをうならせるだけの一級標本を見つけてきました。

 あちらこちらでハンマーを振るう音が聞こえます。まるで火がついたかのように参加者全員が熱心に活動していました。昼を挟んで3時間くらい経ちました。そろそろ引き上げどきです。成果は3分の2くらいでしたが採れなくても充分楽しめたと思います。鎌田さんから全員にお土産を頂きました。富山産のカシパンウニの化石です。1つだけ生存中に自己修復を行った個体があり、それを受け取った生徒は当たりとしてダオネラも頂きました。ありがとうございました。

 

令和3年度SSH生徒研究発表会参加

 8月4日に神戸国際展示場で令和3年度SSH生徒研究発表会が開催されました。今年度はコロナ感染症対策のため,物理・工学,地学,生物・情報分野は4日の発表,化学,生物は5日に発表し,参加校はどちらか1日に最大3名までで参加することとなります。この日の参加は全国のSSH校の約半分にあたる102校です。本校からは「トライアングルに含まれる音について」研究をすすめた3名が参加しました。
 9時からの開会行事の後,9時15分よりポスター発表をしました。45分×3を1セットとし,発表・発表・見学を午前と午後で2回実施する形式が取られました。最初は緊張感していた生徒も発表を重ねるにつれ,実験器具等を使った演示を交えた効果的な発表ができ,質疑応答にも対応できるようになりました。また,見学の時間には他校の発表を聞き研究内容や研究の進め方について交流が行われました。15時15分からの全体会では,8月20日に行われる全体発表校3校が選出され,各分野の講評をいただきました。SSH最高峰の発表会であり,参加生徒にとっては大変貴重で成長につながる経験ができました。また,運営のスタッフや審査の方々など多くの人々に支えられた大会であることを強く感じ,発表会は終了しました。なお,8月20日には全体発表に選出された6校の発表がオンラインで開催されます。

第45回全国高等学校総合文化祭自然科学部門参加

 7月31日(土),和歌山県の近畿大学生物理工学部で開催された総文祭自然科学部門に本校生徒2名が参加しました。校内での選抜の結果,本大会には物理部門に「温度によって水の音の振動数はことなるのか」を発表することになりました。今年度はコロナ感染症対策のため発表者2名の人数制限があり,研究をすすめた4名のうち2名での参加となります。お茶をコップに注ぐとき熱いお茶と冷たいお茶では音が異なることに気づき,どのような条件下で違いが生じるかの研究です。
 10:00に受付・機器確認をし,11:00から開会式・記念講演の後,12:00~15:00に口頭発表12分・質疑4分に臨みました。審査員から突っ込んだ質疑がありましたが,なんとか対応することができました。15:30~16:30は巡検で近畿大学生物理工学部の3つの研究室(機能生体分子研究室・医療機器学研究室・植物育種学研究室)でそれぞれ1時間研修を受けました。スーパーコンピューターの仕組み体験,エクモ等の医療機器についての説明やパルスオキシメーターでの酸素濃度の測定,イネの突然変異や電子顕微鏡の操作体験など貴重な経験をすることができました。非常にハードな1日でしたが,コロナ禍の高校生活のなかとても貴重な体験ができました。

Advanced Science 物理科学(6月29日)

 先週に引き続き、Advanced Science 物理科学では電磁気実験をおこないました。実験テーマは「豆電球・LEDの電流-電圧特性」です。
 前半は電圧によって抵抗値が変化する豆電球の特性を、直流電源装置とサイエンスキャプチャーを用いて測定し、I-Vグラフを作成しました。演習では10Ωの抵抗と豆電球を直列につないだ回路に流れる電流を計算と実験の両方から求め、その差を検証しました。 後半はLED(発光ダイオード)の電流-電圧特性を調べました。ダイオードの整流作用を確認するとともに、豆電球と同様にI-Vグラフを作成しました。使用したLEDは赤色と青色の2種類です。赤色・青色2つのグラフの違いを検証し、波長の違いによる光のエネルギーの差についても考察を深めました。

Advanced Science 地球・天体科学(6月29日)

Advanced Science 地球・天体科学(6月29日)

今回は、「地球と太陽の大きさの測定」を行いました。地球の大きさは、紀元前230年頃にギリシャのエラトステネスが2つの地点での緯度差と距離から計算しています。また、太陽の大きさは視半径(視直径)と太陽までの距離から求めることができます。今回はGPSを使って、同一経線上の距離と緯度差を用いて地球の半径を求め、太陽の視半径を測定することで、太陽と地球の平均距離(1天文単位)から太陽の半径を求めてもらいました。一般に、太陽の大きさは地球の109倍といわれていますが、皆さんの計算ではどうなったでしょうか?

是非、これを機に、地球や遠く離れた天体の調べ方に興味を持ってもらえると嬉しいです。

応用数理科2年生課題研究中間発表Ⅰについて

 6月23日(水)5~7限の3コマ通しで、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。現時点での研究成果を11の研究班が発表し、お互いの研究についての情報共有や先生やクラスメートからのアドバイスを受け今後の研究を深化させることが目的です。理科教員の他、英語科の先生、ALTのTravis先生、6限には本校運営指導委員の先生方にもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、後半は生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。テーマ決めに苦慮し、実験データが得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。次週は、SSH指定4期で実施しているルーブリック・ポートフォリオをもとに各研究グループと面談を行い、今後の研究方針を詰めていきます。

 

 

Science introduction 第一回基礎実験(107HR)

前週のオリエンテーションに引き続き、4月23日(金)4週間にわたり、107HRのScience Introduction(SI)の第1回基礎実験が始まりました。きめ細やかな指導のため、物理・化学・生物・地学の各分野15人ずつで実験を行います。生徒たちは4週で全分野の実験から基礎技能を学び、今後の課題研究につなげていきます。以下は各分野の内容です。

【物理分野】

物理分野の一回目の実験は重力加速度の測定でした。最初にまだ習っていない加速度について、どのような量が分かれば求められるのか説明を受けました。

実験にはスタンドに取り付けた記録タイマーで磁気テープに記録をさせて加速度を求めます。生徒達はどのようにすれば精度の高い実験データが得られるのかを話し合いながら、何度もおもりをつけた磁気テープを落下させていました。

今回は、かなり質量の大きいおもりをいくつか用意したため、かなり精度の高い実験データが得られる班が多かったです。実際の重力加速度を教えられると、どうして誤差が出たのか、ほかにどのような工夫をすれば実際の値に近くなるのか、活発に意見を述べ合う姿がありました。

実験のスキルや誤差が出る場面をどのようにして減らすのか、生徒達の収穫は大きかったようです。

【生物分野】顕微鏡によるオオカナダモの観察と表皮細胞のミクロメーターによる測定

まず、オオカナダモのプレパラートを作り、光学顕微鏡で観察します。

その後、観察顕微鏡下でどのようにすれば大きさを測定できるか考えます。2種類のミクロメーターが必要であることに気づき、そこから実際の大きさの測定を行いました。生徒たちは、顕微鏡操作の技術も高く、スムーズに測定まで行うことができました。細胞質流動も観察でき、移動時間と距離を求めることで、速度の測定まで行うことができると感じました。

【化学分野】試験管となかよくなろう!
 今回は、試験官の使い方を学びました。液体を入れて振り混ぜるときの適切な量、固体を水に溶解させるときの試験官の振り方、ガスバーナー点火の手順も含め、ガスバーナーによる試験管の内容物の加熱、試験管ばさみの正しい使用法を順に学習しました。最後の再結晶には、急激な変化に生徒たちは驚いていました。試験管などのガラス器具を適切に使用できることは、化学実験においてとても大事なことです。
 

【地学分野】 岩石・金属試料の密度測定

地球の内部は、地殻・マントル・核の層構造になっています。大陸地殻上部は花こう岩、下部は斑れい岩、上部マントルはかんらん岩、核は主に鉄でできていると考えられています。今回はこれらの試料を用意し、アルキメデスの原理を用いて密度を測定してもらいました。これらの値と地球の平均密度とを比較し、地球の内部がどのような物質でできているか考察してもらいました。

 

Advanced Science 地球・天体科学(6月22日)

Advanced Science 地球・天体科学

6月22日(火)に第1回目の「地球・天体科学」のAdvanced Scienceを行いました。

今回は「恐竜の歩行速度の計算」を行いました。生徒に50mの距離を歩いたり走ったり一定の速度で走行してもらい、そのときに得た平均の歩幅と速度から相対歩幅と無次元速度の関係を導き出します。

オーストラリアのクイーンズランドで得られた獣脚類の足跡の情報から相対歩幅を計算し、相対歩幅と無次元速度の関係から歩行速度を計算してもらいました。

よく映画で取り上げられている恐竜の歩行速度は正確なものなのか?大学の古生物学研究室で使われている手法を体験してもらいました。是非、将来、地球・天文科学の道に進む学生が出てきてもらえると嬉しいです。

Advanced Science 物理科学(6月22日)

 応用数理科3年生のAdvanced Scienceでは、先週まで課題研究の追加実験・論文等のまとめを行っていましたが、今週から2週にかけて各科目において発展実験を実施します。物理科学は8名の生徒が選択しており、今週のテーマは「コンデンサーの充電・放電」です。今回は電気容量10F、耐電圧2.7Vのコンデンサーを使用しました。生徒たちはサイエンスキャプチャー(電子式の電流計・電圧計)を使い、コンデンサーの充電・放電の仕組みを学びました。また、コンデンサー放電時のI-tグラフからコンデンサーが蓄えていた電気量を求め、コンデンサーの公式Q=CVを理解するとともに、電流と電気量の関係も確認しました。コンデンサーを初めて見る生徒も多く、今回はコンデンサーを体感して身近に感じてもらうのも大きな目的の一つです。