2021年10月の記事一覧

応用数理科2年サイエンスダイアログ

 10月27日(水)14:00~15:50の日程で、本校の大会議室にて行いました。これは毎年2年生を対象とする活動で、外部の研究者の方を招いてその最先端の研究についてレクチャーして頂くものです。今回は岡山大学資源植物科学研究所のDr.David WARI先生をお招きして、「Plant-Microbe-Insect(PMI)interactions(for healthy plants)」と題した講義をして頂きました。先生はパプアニューギニアのご出身で、農学・環境学・植物保護科学が専門であり、特に昆虫共生微生物を基盤とした植物抵抗性誘導因子の新機軸スクリーニングを研究されています。少し緊張した雰囲気の中で講義が始まりました。

 まずはパプアニューギニアの話から入って、少し打ち解けてきた頃合いで専門的な内容になりました。植物はどのような昆虫によって害されているのか、その過程を明らかにすると共に植物が害虫に打ち勝とうとする対応について詳しく教えて頂きました。できるだけ農薬を使わずに、植物の秘めた能力を利用して農作物を害虫から守ることは、これからの農業にとって必要なことだと思います。一方で、ワサビに含まれるカラシ湯配糖体やジョチュウギクのピレストロイドなどの二次代謝物の研究にも関心を持ちました。

 先生はとても気さくに話しかけられて、和やかな雰囲気の中で講義を聴くことができました。また、生徒の質問にも終始にこやかな感じで対応して頂きました。昆虫が苦手な生徒も多いですが、このような研究の観点から学習して関心を持った者もいました。本日は大変お忙しいなか、ありがとうございました。

 

中学生対象理科実験教室(オンライン)開催

 10月3日(日)13:00から、本校主催の中学生対象理科実験教室を開催いたしました。本年度もコロナ禍の影響を受け、オンラインでの実施となりましたが、県内7校から20名の中学生に参加いただきました。実験教室を担当するのは講師役を希望する本校応用数理科1・2年生24名です。参加者には事前に実験キットを送付し、学校長あいさつ・学校紹介の後、3ブースに分かれ3つの実験を体験してもらいました。実験内容は以下の通りです。

 物理・・・簡易分光器を製作し、太陽や蛍光灯・液晶画面に含まれる光を観察する。
 化学・・・電池を製作し、金属のイオン化傾向を調べた。無機物質のゲルを作った。
 生物・・・ギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、味の受容の仕組みを理解した。
 地学・・・岩石の密度測定の方法について調べ、地球内部構造について考えた。

 本校生にとっては、実験手順の説明を工夫したり、その仕組みを理解してもらえるスライドを製作するなど、主体的に探究するスキルの向上につながりました。また参加した中学生にとっても高校理科の内容に触れることができ、winwinの有意義な時間が過ごせました。参加された中学生が本校に入学し講師役を務める事例は数年続いており、このことが来年も続いてくれることを期待しています。

   

 

107HR自由研究発表会の開催

 9月10日(金)と9月24日(金)午後の3時間を使って、夏期休業中の課題であった自由研究の発表会が開催されました。ほとんどの生徒がパワーポイントを用いての発表が初めてであり、スライドの作り方や発表の仕方に関して課題となる点も見受けられましたが、全員オリジナリティ溢れる研究がされており、生徒からも活発な質疑がありました。日常生活において「何故だろう」と感じたことから膨らませた研究はとてもフレッシュで、今後の課題研究が期待できそうです。実験の仕方や発表の工夫など様々なことを学ぶことのできた発表会であったと思います。

Science Introduction(化学・地学)

10月1日と8日の金曜日に応用数理科の授業科目「Science Introduction」で化学と地学の基礎実験を行いました。今回の実験の内容は以下のものになります。

【化学分野】ものの重さをはかろう!

 今回のテーマは「秤量」、すなわち薬品の重さをはかる練習をしました。電子天秤を用いて、ある重さの食塩をはかり取りました。はかり取った食塩は、水に溶かして食塩水とします。この一連の操作で、決まった濃度の溶液を調製する方法も学習しました。

【地学分野】単振り子の周期を用いた重力加速度の測定

 前回、物理分野で記録タイマーを用いて重力加速度の測定を行いました。地学分野ではさらに精度を上げるべく、単振り子の周期を用いた重力加速度の測定を行いました。重力は万有引力と遠心力の合力であるため、極付近で最大、赤道付近で最小となります。重力異常の話も混ぜながら、できるだけ誤差を減らす工夫をして実験を行い、重力加速度の大きさを9.8に近付けました。生徒は、周期の測定方法の工夫、ノギスの使い方などを学習しました。