令和3年度活動内容

令和3年度徳島県SSH生徒研究合同発表会

 3月19日(土)に令和3年度徳島県SSH生徒研究合同発表会が開催されました。今年はコロナ禍の影響により,初めてバーチャルオフィス(仮想オフィスをアバターで移動しコミュニケーションをとることができるソフト)上で発表会となりました。過去最多となる県内高校8校が参加し,68作品の発表がありました。本校からは応用数理科1,2年生が参加し,2年生は11の研究班全てが課題研究発表に臨みました。バーチャルでの発表に戸惑いもありましたが,参加生徒は他校の発表に触れたり,審査の先生方からアドバイスをいただくなど,大いに刺激を受けたようです。いただいたアドバイスは研究の最終的なまとめに生かしていきます。企画いただきました幹事校脇町高校の先生方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。審査結果については、「水を媒体とした酢酸インドキシルからのインジルビンの合成」が最優秀賞、「シオマネキのウェービングが誘発される要因」が優秀賞をいただきました。

 

 

 

京都大学サイエンスフェスティバル・ポスターセッション参加

 3月12日(土)、京都大学でサイエンスフェスティバル・ポスターセッションが開催され、口頭6本・ポスター42本の発表がなされました。本校からは「糸電話の糸の状態による音の伝わり方の違い」を研究しているグループが、徳島県代表として口頭発表に臨みました。初めての全国規模の発表会ということで少し緊張していた様子でしたが、自分たちの研究を参加者に伝え、質疑にもうまく対応することができました。後半のポスターセッションでは、各々が興味のあるポスター発表を聞き県外生徒との交流も深めることができました。この経験を活かし、さらに研究が深まることを期待します。

 

 

第2回課題研究及び科学部研究研修会

日時 2022年2月21日(月)16:20~19:20
場所 城南高校(ホスト),徳島大学,城北高校,徳島市立高校,富岡西高校,城ノ内高校,小松島高校
 本校SSHではミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学理工学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て「徳島県SSH高等学校課題研究および科学部研究研修会」を実施しております。
 昨年度に引き続き、城南高校をホストにオンライン形式での開催となりました。過去最高の参加校となる県下6校より41グループ154名の参加があったため、6ブースを開設し、各研究グループが2回発表できる形態を取りました、3ブースは徳島大学の先生方から指導・助言をいただける会場、残り3ブースは参加した学校間での質疑や交流の会場を設定しました。また、事前に課題研究計画書を作成して徳島大学に送付したものについて、コメントやアドバイスを記入していただきました。
 全てのグループが、大学の先生方から専門性の高いアドバイスいただくことができました。また、県教委・県総合教育センター皆様、引率教員・参加生徒も各班発表の質疑に参加し、おかげさまで非常に活発な研修会となりました。今回いただいたアドバイスを今後の課題研究に是非生かしていきます。
 ご協力いただきました徳島大学の先生方、県教委・県総合教育センターの皆様、各校でブースのお手伝いをいただきました先生方に心から感謝申し上げます。

    

207HR課題研究最終発表会実施

 2月16日(水)の午後、207HRの課題研究最終発表会を開催しました。今年度もコロナ禍の影響を受け、校外の発表会のいくつかが中止となりましたが、校内においては例年を上回る5回の発表会を実施しました。今回がその最終の発表会となります。十分研究をやり遂げたとは言えませんが、なんとか1年間の課題研究の報告をすることができました。スライド作りやプレゼンの技術ではかなりの成長が見られます。しかし、1月・2月の臨時休校や分散登校の影響で、考察部分に十分でない班が多いように感じます。今回いただいた指導・助言を参考に、3月19日の県合同発表会や来年度の県外での発表会、また論文作りに取り組み、研究がまとめられることを期待します。

207HR課題研究英語発表会実施

 応用数理科2年生は、1月19日(水)・26日(水)の午後2週にわたり、Science EnglishⅡの一環として、英語による課題研究の中間発表会を実施しました。時間的に厳しい中ではありましたが、英語科・理科の先生方やTravis先生にご指導をいただき、放課後の時間を活用しながら11班全てが英語発表にこぎ着けました。どの班もよく頑張ったと思います。今年初めて徳島大学の留学生にもオンラインで同時発表をし、留学生からの質疑にも対応しました。生徒たちは例年より緊張感が大きかったように感じましたが、発表後には全体の感想もいただくことができ、有意義な時間を過ごすことができました。各先生からも研究や発表についてのアドバイスをいただき、一ヶ月後の最終発表会に向け、実験や発表会の準備に取り組んでいきます。

J-Linkツアーin関西2年ぶりの開催

 昨年度のJ-Linkツアーはコロナ禍のため直前で中止となりました。今年度はオミクロン株感染拡大による第6波が心配される状況でありましたが、1月6日(木)に普通科・応用数理科の1・2年41名が参加し、なんとか2年ぶりの開催となりました。訪問先は、兵庫県佐用町の理科学研究所放射光科学研究センターと姫路市科学館です。放射光科学研究センターでは、放射光普及棟にてSPring8及びSACLAの説明を受け、その後3班に分かれて施設内の案内・説明をしていただきました。当日は数少ない運用休止中の時期であり、SACLAのビームライン700mに沿って見学することもできました。最後にSACLAの研究員である犬伏雄一先生より「研究者とはなんぞや」とのご講演をいただき、課題研究や探究にもつながる貴重な体験ができました。午後には姫路市科学館を訪問し、プラネタリウムでブラックホールが発見される経緯を学んだり、学芸員の方から常設展示の説明を受けました。この経験を機に最先端の科学技術に興味を持ち、研究者や技術者として活躍できる人材が育ってくれることを期待します。

第78回科学経験発表会について

本年度の科学経験発表会が10月31日に徳島県教育会館にて行われました。

新型コロナウイルスの感染予防の観点から入場制限があり,会場では発表グループと審査員のみでしたが,生徒たちは審査員からの質疑応答により新たな視点に気付いたり自信をもったりすることができたようでした。

また,「酢酸インドキシルからの水溶液中でのインジルビンの選択的合成」が最優秀賞を,「シオマネキのウェービングを引き起こす要因」が特選を受賞しました。

徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所出前授業

 12月13日(月)午後、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から先生方をお迎えし、応用数理科1年生の出前授業が開催されました。理事の佐々木先生より徳島大学の紹介をいただき、メインは徳島大学大学院産業理工学研究部助手の高島祐介先生から授業を受けました。高島先生は阿南市のご出身で、生徒の年齢とも近く、研究者を身近に感じることができました。講義内容は、研究者になっていく経緯、ご専門とする研究のコンセプトなどを説明いただいた後、先生が造られたGaAs-LEDとGaP-LEDの発光実験や、LEDで別のLEDを発光させる実験を体験しました。最後に「実験から得られる情報を見落とさない」「”高い装置がないと測定できません”は×」とお言葉をいただき、これから課題研究を始める生徒たちにとって大変有意義な時間を過ごすことができました。佐々木先生、高島先生を初め、実験をお手伝いいただいた先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

Science Introduction(物理・生物)

10月15日(金)と10月22日(金)にScience Introductionの授業で

107HRの生徒に物理と生物の基礎実験を行いました。

【物理分野】乾電池の電流と電圧の関係を調べてみよう
 物理分野では乾電池の電流と電圧を調べる実験をしました。すべり抵抗と呼ばれる抵抗値を変化させることのできる抵抗を使用し、回路の抵抗値が変化するときに電池に流れる電流や電圧が変化することを実験で確かめました。始めは生徒のなかには乾電池の電圧が1.5Vであることを知らない生徒もいましたが、実際に実験してみると1.65V程度の電池もあり、生徒達の理解も深まったようです。その後、古くなった電池(マンガン電池なので時代感がかなりありました。)を用いて実験すると電流や電圧の変化が違っていることも確かめることができました。
 実験結果をグラフにするときには、変化の大きなレンジを大きく表す工夫などが見られました。3人の実験班で工夫や気付きを共有して有意義な時間となり、実験スキルも習得することができました。

 

 

【生物分野】永久組織と分裂組織の観察 

 ニンニクの根端を用い、分裂組織と永久組織を観察し、分化した細胞と未分化の細胞の比較を行いました。分裂組織は一点であり、そこから場所が離れるほど、永久組織に分化していくことを理解しました。どの細胞群が細胞周期を抜け分化した細胞となっているのか、それぞれの形から想像を膨らませ、考えを巡らせました。分裂組織においては、体細胞分裂における分裂期の各時期が観察でき、永久組織においては、道管のらせん模様がなどが観察できました。また、教科書で習う細胞分裂における個数と時間の関係も実際の観察から理解しました。

 

 

 

 

城南塾SSH特別講演会

 11月18日(木)の午後、令和3年度の城南塾講演会を実施しました。社会で活躍されている本校のOBやOGの方をお招きして、在校している後輩たちに講演をして頂くもので、毎年秋から冬に行っています。今回は本校OBで東京農工大学副学長の中川正樹先生にご講演頂きました。また、コロナ流行が心配されたのでZoomを用いて本校と東京を結び、「手書きをデジタルに」という演題で行いました。

 留学から帰国してすぐに東京農工大学に助手として就職され、計算機システムの学生指導の傍らでオンライン手書き文字認識の研究をされていました。そこで多くの成果を上げることができましたが、なかなか市場が広がらず研究も縮小されていきました。しかし、大学発ベンチャー企業・アイラボを設立した後、MetaMojiやサムスン電子などに採用され、スマホやタブレットでも利用されるようになりました。こうしたものすごい経歴をお持ちです。一方で、誘われて始めた釣りにこり出したことや学生時代のやんちゃな出来事など、とても面白くてそちらにも関心を持って聴かせて頂きました。

 生徒たちからも多くの質問が出ました。例年なら2~3人ですが、今回は各教室で行ったこともあり、10人以上の質問がありました。時間をやや超過するまで質問は続きました。大変有意義な時間を過ごせました。後日、中川先生より著作の「弱みを強みに 手書きをデジタルに」という本を頂き、これらは質問した生徒に抽選して渡しました。大変喜んでいました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。お世話になりました。

 

課題研究及び科学部研究研修会実施

日時 11月25日(木)16:30~19:15
場所 城南高校をホストに各校に配信
 本校SSHのミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学理工学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て、毎年「徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会」を実施しております。例年は徳島大学で対面での研修会を行っていましたが、今年もコロナ禍の影響もあり、本校をホストに各校に配信する形で実施しました。本校を含め、4校から140名の生徒参加があり、各校とも数名の教員が指導に当たりました。各校で6名程度のグループをつくり、「研究テーマの選び方と研究のすすめ方」について、ブレーンストーミングとKJ法によってアイデアをまとめていくという手法を体験的に学びました。研修は3つのパートに分かれ、①興味があること、②分かっていない解明されていないと思われること、③どのようにしたら調べる(明らかにする)ことができるかいう各テーマについて班ごとに活発な話し合いが行われました。この研修をきっかけとして、12月・1月に各校で課題研究のテーマ決めと班編制および研究の進め方について考えていきます。
 なお2月下旬予定の第2回研修では、各校各研究班で課題研究テーマ・仮説・研究方法・予想される結果などをまとめ、事前提出レポート1枚とオンラインで5分程度のプレゼンにまとめて発表し、大学の先生方からアドバイスをいただくという内容で行う予定です。第1回に参加できなかった学校も参加可能です。この企画が本校だけでなく、県内高校の課題研究の向上に少しでも役立てば幸いです。

107HR高大連携授業(香川大学笠先生)実施

 応用数理科1年生は、11月26日(金)午後、香川大学教育学部の笠先生からオンラインで、課題研究に関する高大連携授業を受けました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、理科と探究活動の違いを考えることから始まり、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「実験を計画する」(気柱が発する音について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
 応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや目的などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。

第1回天体観測会(部分月食)

11月19日(金)に月の98%が地球の影によって隠れる部分月食が起こりました。

本校の科学部地学班において、学校にある天体望遠鏡を用いて観測会を実施しました。

生徒たちは「科学への誘い」などのイベントで望遠鏡の使い方を学習しているため、スムーズに準備を進め、観測することができました。部分月食のポイントは、「地球の影が月に映っているため、真っ暗になるわけではない」ということです。

古代ギリシャのアリストテレスもこの部分月食で、地球の影が円形であることを根拠の1つとして地球が球形であることを示しました。是非、この機会に夜空を見上げて星の魅力を知ってもらえると嬉しいです。

 

  

地学野外研修(活断層と地層)

 11月19日(金)の午後、応用数理科1年生30名と引率教員3名で、淡路島の北淡町震災記念公園へ行きました。生徒たちは先週、徳島大学の村田明広先生の講義を受けており、今回は現地での研修となりました。
 バスに揺られて50分くらいで記念公園に到着し、野島断層保存館を見学しました。ここには1995年に発生した阪神淡路大震災で動いた野島断層が保存されています。記念館の方と村田先生から断層の説明があり、生徒たちは熱心に聞きながらメモを取っていました。圧巻は断層の断面を見られるようにした場所で、地中に隠されて見えない断層を間近で観察できました。また、断層の真上にあったメモリアルハウスを見学したり、起震装置に乗って大地震の揺れを体験しました。
 そこからバスで15分ほど走って道の駅「あわじ」に行きました。村田先生の説明を受けながら、明石海峡大橋を支える主塔やアンカレッジなどを遠くから見学しました。当時建設中の橋の真下でも断層が横滑りし、主塔間の距離が1m伸びたおかげで橋の長さは最終的に1m長くなったそうです。生徒たちの地学への興味関心が高まった非常に良い機会であったと思います。
 最後に、徳島大学の村田先生には大変お世話になりました。厚く御礼申し上げます。

 

 

課題研究中間発表会Ⅱ開催

 11月24日(水)5~7限の3コマ通しで、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅱが行われました。今年は水曜日の祝日や行事が多く、例年より1ヶ月遅れの実施となりました。各研究グループとも課外時間も活用し研究をすすめ、現時点での研究成果を発表しました。発表会には、理科教員、英語科教員、「探究」担当教員の他、ALTのTravis先生にもご参加いただきました。まだまだデータ分析や考察の面では不十分な点もありますが、お互いの研究についての情報共有をおこない、先生方からアドバイスをいただきました。生徒からも活発な質疑がなされ、時間もかなり超過しましたが、充実した発表会となりました。最後に参加された先生方全員からご講評をいただき、発表会は終了しました。3か月後の最終発表会に向け、今回いただいた質問やアドバイス活用し、研究が深まることを期待します。

SSH研究成果発表会を開催いたしました

 11月17日(水)13:00~16:20、本校大会議室および多目的ホールにてSSH研究成果発表会を開催いたしました。今年は対面参加及びオンライン参加のハイブリッド実施し、徳島県教育委員会や徳島県立総合教育センターの方々、県内中学高校教育関係者14名にご参加いただきました。主な実施内容は以下のとおりです。
(1)実践及び成果報告(SSH事務局)
(2)課題研究ポスター発表(応用数理科3年生:12件)
   課題研究中間ポスター発表(応用数理科2年生:11件)

「探究」中間ポスター発表(普通科2年生:24件)
(3)課題研究口頭発表(応用数理科3年生:3件)
(4)情報交換会(参加者による協議・意見交換など)

 SSH研究成果発表会は、従来は応用数理科の成果発表の場でしたが、今年初めて応用数理科課題研究と普通科「探究」との合同発表会の形式で実施しました。応用数理科3年生が課題研究の最終発表、応用数理科・普通科2年生が課題研究中間発表をおこない、1年生は今後の探究活動に生かすため参加しました。コロナ禍で発表会が減る中、初めてのポスター発表形式を体験し、発表者・参加者共に有意義な時間が過ごせたと思います。3年生は高校での口頭・ポスター発表を行うのはこれが最後となります。この経験が今後に活かされることを期待します。
 また、ご指導の先生方や参加された方々からは、生徒の課題研究や本校のSSH事業全般について、様々なご質問、ご意見やご助言を賜りました。いただいたご意見・ご助言は今後の課題研究やSSH事業にぜひ活かしていきたいと思います。お越しいただいた皆様、本当にありがとうございました。

Science Introduction(地学・化学)

10月29日(金)と11月5日(金)にScience Introductionの授業で

107HRの生徒に地学と化学の基礎実験を行いました。

【地学分野】フズリナ化石の転写実験

 今回は、石灰岩からフズリナを浮き上がらせ、シリコン樹脂を使って型取り転写を行いました。生徒一人1つフズリナ石灰岩を配布し、表面を水ペーパーで磨き、塩酸で腐食させました。さらにシリコンクロスで磨いて表面をピカピカにし、酢酸でさらに腐食させました。また、フズリナの断面をスケッチし、内部構造や当時の環境についても考察しました。塩酸で石灰岩が泡を出している様子やフズリナが大量に含まれる様子を観察することにより、フズリナの特徴について深く知ることができたと思います。今回使用したフズリナ石灰岩は全員にプレゼントしました。

 

 

【化学分野】“謎の物体 X”の正体を探れ!

 コンブを焼いて灰化したものを“謎の物体 X”と称して、コンブに含まれるヨウ素の検出実験を行いました。始めは練習として、ヨウ化カリウムを市販の酸素系漂白剤と反応させ、得られるヨウ素をデンプンで検出しました。この実験では、反応後の溶液が褐色を呈するため、その時点でデンプンを用いなくてもヨウ素が存在するであろうという見当がつきます。そして、ヨウ化カリウムの代わりにコンブの灰を用いても、反応溶液に目立った色調の変化は見られません。しかし、この溶液をデンプンと混ぜると、ヨウ素デンプン反応によって青色に呈することが確認できます。

 今回の実験を通して、試料中に含まれるヨウ素の検出、コンブなどの海藻類にヨウ素が多く含まれること、ヨウ素が微量でも、デンプンとの呈色反応で確認ができることを勉強しました。

 

 

科学への誘い-advanced-(地学分野)

11月5日(金)に徳島県立総合教育センターにて開催された

科学技術アカデミー中高生向け講座「科学への誘い-advanced-」に参加してきました。

本校からは6名の生徒が参加しました。

テーマは「屈折赤道儀で天体を観測してみよう!」でした。

まず、実験室で本日観測できる惑星や星座についての講義を聞き、望遠鏡の使い方などを学びました。

その後、テラスに出て望遠鏡を設置し、天体を観測しました。

今回は木星を観測することができ、木星の衛星であるガリレオ衛星も発見することができました。

生徒たちは、自分のスマートフォンで木星とその横に並ぶ4つの衛星の写真を撮影していました。

後半は少し雲がかかってしまったのですが、とても良い経験になったと思います。

これを機に、将来、地球科学を研究する学生が出てきたら嬉しいです。

 

応用数理科2年サイエンスダイアログ

 10月27日(水)14:00~15:50の日程で、本校の大会議室にて行いました。これは毎年2年生を対象とする活動で、外部の研究者の方を招いてその最先端の研究についてレクチャーして頂くものです。今回は岡山大学資源植物科学研究所のDr.David WARI先生をお招きして、「Plant-Microbe-Insect(PMI)interactions(for healthy plants)」と題した講義をして頂きました。先生はパプアニューギニアのご出身で、農学・環境学・植物保護科学が専門であり、特に昆虫共生微生物を基盤とした植物抵抗性誘導因子の新機軸スクリーニングを研究されています。少し緊張した雰囲気の中で講義が始まりました。

 まずはパプアニューギニアの話から入って、少し打ち解けてきた頃合いで専門的な内容になりました。植物はどのような昆虫によって害されているのか、その過程を明らかにすると共に植物が害虫に打ち勝とうとする対応について詳しく教えて頂きました。できるだけ農薬を使わずに、植物の秘めた能力を利用して農作物を害虫から守ることは、これからの農業にとって必要なことだと思います。一方で、ワサビに含まれるカラシ湯配糖体やジョチュウギクのピレストロイドなどの二次代謝物の研究にも関心を持ちました。

 先生はとても気さくに話しかけられて、和やかな雰囲気の中で講義を聴くことができました。また、生徒の質問にも終始にこやかな感じで対応して頂きました。昆虫が苦手な生徒も多いですが、このような研究の観点から学習して関心を持った者もいました。本日は大変お忙しいなか、ありがとうございました。

 

中学生対象理科実験教室(オンライン)開催

 10月3日(日)13:00から、本校主催の中学生対象理科実験教室を開催いたしました。本年度もコロナ禍の影響を受け、オンラインでの実施となりましたが、県内7校から20名の中学生に参加いただきました。実験教室を担当するのは講師役を希望する本校応用数理科1・2年生24名です。参加者には事前に実験キットを送付し、学校長あいさつ・学校紹介の後、3ブースに分かれ3つの実験を体験してもらいました。実験内容は以下の通りです。

 物理・・・簡易分光器を製作し、太陽や蛍光灯・液晶画面に含まれる光を観察する。
 化学・・・電池を製作し、金属のイオン化傾向を調べた。無機物質のゲルを作った。
 生物・・・ギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、味の受容の仕組みを理解した。
 地学・・・岩石の密度測定の方法について調べ、地球内部構造について考えた。

 本校生にとっては、実験手順の説明を工夫したり、その仕組みを理解してもらえるスライドを製作するなど、主体的に探究するスキルの向上につながりました。また参加した中学生にとっても高校理科の内容に触れることができ、winwinの有意義な時間が過ごせました。参加された中学生が本校に入学し講師役を務める事例は数年続いており、このことが来年も続いてくれることを期待しています。

   

 

107HR自由研究発表会の開催

 9月10日(金)と9月24日(金)午後の3時間を使って、夏期休業中の課題であった自由研究の発表会が開催されました。ほとんどの生徒がパワーポイントを用いての発表が初めてであり、スライドの作り方や発表の仕方に関して課題となる点も見受けられましたが、全員オリジナリティ溢れる研究がされており、生徒からも活発な質疑がありました。日常生活において「何故だろう」と感じたことから膨らませた研究はとてもフレッシュで、今後の課題研究が期待できそうです。実験の仕方や発表の工夫など様々なことを学ぶことのできた発表会であったと思います。

Science Introduction(化学・地学)

10月1日と8日の金曜日に応用数理科の授業科目「Science Introduction」で化学と地学の基礎実験を行いました。今回の実験の内容は以下のものになります。

【化学分野】ものの重さをはかろう!

 今回のテーマは「秤量」、すなわち薬品の重さをはかる練習をしました。電子天秤を用いて、ある重さの食塩をはかり取りました。はかり取った食塩は、水に溶かして食塩水とします。この一連の操作で、決まった濃度の溶液を調製する方法も学習しました。

【地学分野】単振り子の周期を用いた重力加速度の測定

 前回、物理分野で記録タイマーを用いて重力加速度の測定を行いました。地学分野ではさらに精度を上げるべく、単振り子の周期を用いた重力加速度の測定を行いました。重力は万有引力と遠心力の合力であるため、極付近で最大、赤道付近で最小となります。重力異常の話も混ぜながら、できるだけ誤差を減らす工夫をして実験を行い、重力加速度の大きさを9.8に近付けました。生徒は、周期の測定方法の工夫、ノギスの使い方などを学習しました。

 

 

 

8月6日化石採集フィールドワーク

令和3年8月6日、応用数理科1年生を対象に化石採集フィールドワークを実施しました。

今回は、徳島県那賀町臼ヶ谷周辺で層孔虫化石の採集に取り組みました。

講師に徳島化石研究会会長の鎌田誠一さんをお招きし、採集できる化石や採集方法の説明をしていただきました。

層孔虫類は古生代オルドビス紀(約4億9000万~4億4300万年前)に出現し、デボン紀にかけて世界中の海に広がった造礁性生物で、暖かく水の静かな礁原や礁湖内に多く生息し、中生代白亜紀末(約6500万年前)に絶滅しました。ここでは、中生代ジュラ紀~白亜紀の地層が見られ、層孔虫類の化石が産出するそうです。

生徒たちは一生懸命探し回り、化石を採集していました。107HRの担任の近藤先生が大きな層孔虫化石を見つけ、生徒が驚いていました。

これを機に地球史について興味を持ち、将来、地球科学を専攻する学生が出てきてくれると嬉しいです。

講師の鎌田先生、本日はありがとうございました。

今回の化石採集フィールドワークについては、以下の化石研究会のHPにも掲載されております。

http://www7b.biglobe.ne.jp/~fossil-kamada/sub6.html

化石発掘体験ツアーin臼ヶ谷

 8月6日(金)に、応用数理科1年30名と教員3名で那賀町の臼ヶ谷(うすがだに)へ行きました。ここは中生代の石灰層が発達していて、層孔虫や二枚貝などの化石が含まれています。よいフィールドワークの体験ができそうです。当日は大変蒸し暑いにも関わらず欠席者なし。全員がこの日を心待ちにしていました。

 バス2台に分乗して、途中のもみじ川温泉で徳島化石研究会の鎌田さんと合流し、そこから30分で目的地に着きました。徒歩で山道を分け入って杉林の中に白い塊が見られたら、それが化石を含んだ石灰層です。コケに覆われてわかりにくいですが、確かに何かの化石が含まれています。各自のリュックを降ろしてハンマーを取り出し、タオルを首に掛けると行動開始です。

 まずは石灰岩の見極めです。石灰岩は白いと思い込んでいますが、実際には灰色やかなり黒い物まであります。鎌田さんの話を熱心に聞いていました。範囲はそう広くありませんが高低差があり、上方の石灰層まで200mくらいあります。しかし、さすがに十代だけあって体力や筋力は抜群です。あれよあれよという間に急斜面を上り、鎌田さんをうならせるだけの一級標本を見つけてきました。

 あちらこちらでハンマーを振るう音が聞こえます。まるで火がついたかのように参加者全員が熱心に活動していました。昼を挟んで3時間くらい経ちました。そろそろ引き上げどきです。成果は3分の2くらいでしたが採れなくても充分楽しめたと思います。鎌田さんから全員にお土産を頂きました。富山産のカシパンウニの化石です。1つだけ生存中に自己修復を行った個体があり、それを受け取った生徒は当たりとしてダオネラも頂きました。ありがとうございました。

 

令和3年度SSH生徒研究発表会参加

 8月4日に神戸国際展示場で令和3年度SSH生徒研究発表会が開催されました。今年度はコロナ感染症対策のため,物理・工学,地学,生物・情報分野は4日の発表,化学,生物は5日に発表し,参加校はどちらか1日に最大3名までで参加することとなります。この日の参加は全国のSSH校の約半分にあたる102校です。本校からは「トライアングルに含まれる音について」研究をすすめた3名が参加しました。
 9時からの開会行事の後,9時15分よりポスター発表をしました。45分×3を1セットとし,発表・発表・見学を午前と午後で2回実施する形式が取られました。最初は緊張感していた生徒も発表を重ねるにつれ,実験器具等を使った演示を交えた効果的な発表ができ,質疑応答にも対応できるようになりました。また,見学の時間には他校の発表を聞き研究内容や研究の進め方について交流が行われました。15時15分からの全体会では,8月20日に行われる全体発表校3校が選出され,各分野の講評をいただきました。SSH最高峰の発表会であり,参加生徒にとっては大変貴重で成長につながる経験ができました。また,運営のスタッフや審査の方々など多くの人々に支えられた大会であることを強く感じ,発表会は終了しました。なお,8月20日には全体発表に選出された6校の発表がオンラインで開催されます。

第45回全国高等学校総合文化祭自然科学部門参加

 7月31日(土),和歌山県の近畿大学生物理工学部で開催された総文祭自然科学部門に本校生徒2名が参加しました。校内での選抜の結果,本大会には物理部門に「温度によって水の音の振動数はことなるのか」を発表することになりました。今年度はコロナ感染症対策のため発表者2名の人数制限があり,研究をすすめた4名のうち2名での参加となります。お茶をコップに注ぐとき熱いお茶と冷たいお茶では音が異なることに気づき,どのような条件下で違いが生じるかの研究です。
 10:00に受付・機器確認をし,11:00から開会式・記念講演の後,12:00~15:00に口頭発表12分・質疑4分に臨みました。審査員から突っ込んだ質疑がありましたが,なんとか対応することができました。15:30~16:30は巡検で近畿大学生物理工学部の3つの研究室(機能生体分子研究室・医療機器学研究室・植物育種学研究室)でそれぞれ1時間研修を受けました。スーパーコンピューターの仕組み体験,エクモ等の医療機器についての説明やパルスオキシメーターでの酸素濃度の測定,イネの突然変異や電子顕微鏡の操作体験など貴重な経験をすることができました。非常にハードな1日でしたが,コロナ禍の高校生活のなかとても貴重な体験ができました。

Advanced Science 物理科学(6月29日)

 先週に引き続き、Advanced Science 物理科学では電磁気実験をおこないました。実験テーマは「豆電球・LEDの電流-電圧特性」です。
 前半は電圧によって抵抗値が変化する豆電球の特性を、直流電源装置とサイエンスキャプチャーを用いて測定し、I-Vグラフを作成しました。演習では10Ωの抵抗と豆電球を直列につないだ回路に流れる電流を計算と実験の両方から求め、その差を検証しました。 後半はLED(発光ダイオード)の電流-電圧特性を調べました。ダイオードの整流作用を確認するとともに、豆電球と同様にI-Vグラフを作成しました。使用したLEDは赤色と青色の2種類です。赤色・青色2つのグラフの違いを検証し、波長の違いによる光のエネルギーの差についても考察を深めました。

Advanced Science 地球・天体科学(6月29日)

Advanced Science 地球・天体科学(6月29日)

今回は、「地球と太陽の大きさの測定」を行いました。地球の大きさは、紀元前230年頃にギリシャのエラトステネスが2つの地点での緯度差と距離から計算しています。また、太陽の大きさは視半径(視直径)と太陽までの距離から求めることができます。今回はGPSを使って、同一経線上の距離と緯度差を用いて地球の半径を求め、太陽の視半径を測定することで、太陽と地球の平均距離(1天文単位)から太陽の半径を求めてもらいました。一般に、太陽の大きさは地球の109倍といわれていますが、皆さんの計算ではどうなったでしょうか?

是非、これを機に、地球や遠く離れた天体の調べ方に興味を持ってもらえると嬉しいです。

応用数理科2年生課題研究中間発表Ⅰについて

 6月23日(水)5~7限の3コマ通しで、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。現時点での研究成果を11の研究班が発表し、お互いの研究についての情報共有や先生やクラスメートからのアドバイスを受け今後の研究を深化させることが目的です。理科教員の他、英語科の先生、ALTのTravis先生、6限には本校運営指導委員の先生方にもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、後半は生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。テーマ決めに苦慮し、実験データが得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。次週は、SSH指定4期で実施しているルーブリック・ポートフォリオをもとに各研究グループと面談を行い、今後の研究方針を詰めていきます。

 

 

Science introduction 第一回基礎実験(107HR)

前週のオリエンテーションに引き続き、4月23日(金)4週間にわたり、107HRのScience Introduction(SI)の第1回基礎実験が始まりました。きめ細やかな指導のため、物理・化学・生物・地学の各分野15人ずつで実験を行います。生徒たちは4週で全分野の実験から基礎技能を学び、今後の課題研究につなげていきます。以下は各分野の内容です。

【物理分野】

物理分野の一回目の実験は重力加速度の測定でした。最初にまだ習っていない加速度について、どのような量が分かれば求められるのか説明を受けました。

実験にはスタンドに取り付けた記録タイマーで磁気テープに記録をさせて加速度を求めます。生徒達はどのようにすれば精度の高い実験データが得られるのかを話し合いながら、何度もおもりをつけた磁気テープを落下させていました。

今回は、かなり質量の大きいおもりをいくつか用意したため、かなり精度の高い実験データが得られる班が多かったです。実際の重力加速度を教えられると、どうして誤差が出たのか、ほかにどのような工夫をすれば実際の値に近くなるのか、活発に意見を述べ合う姿がありました。

実験のスキルや誤差が出る場面をどのようにして減らすのか、生徒達の収穫は大きかったようです。

【生物分野】顕微鏡によるオオカナダモの観察と表皮細胞のミクロメーターによる測定

まず、オオカナダモのプレパラートを作り、光学顕微鏡で観察します。

その後、観察顕微鏡下でどのようにすれば大きさを測定できるか考えます。2種類のミクロメーターが必要であることに気づき、そこから実際の大きさの測定を行いました。生徒たちは、顕微鏡操作の技術も高く、スムーズに測定まで行うことができました。細胞質流動も観察でき、移動時間と距離を求めることで、速度の測定まで行うことができると感じました。

【化学分野】試験管となかよくなろう!
 今回は、試験官の使い方を学びました。液体を入れて振り混ぜるときの適切な量、固体を水に溶解させるときの試験官の振り方、ガスバーナー点火の手順も含め、ガスバーナーによる試験管の内容物の加熱、試験管ばさみの正しい使用法を順に学習しました。最後の再結晶には、急激な変化に生徒たちは驚いていました。試験管などのガラス器具を適切に使用できることは、化学実験においてとても大事なことです。
 

【地学分野】 岩石・金属試料の密度測定

地球の内部は、地殻・マントル・核の層構造になっています。大陸地殻上部は花こう岩、下部は斑れい岩、上部マントルはかんらん岩、核は主に鉄でできていると考えられています。今回はこれらの試料を用意し、アルキメデスの原理を用いて密度を測定してもらいました。これらの値と地球の平均密度とを比較し、地球の内部がどのような物質でできているか考察してもらいました。

 

Advanced Science 地球・天体科学(6月22日)

Advanced Science 地球・天体科学

6月22日(火)に第1回目の「地球・天体科学」のAdvanced Scienceを行いました。

今回は「恐竜の歩行速度の計算」を行いました。生徒に50mの距離を歩いたり走ったり一定の速度で走行してもらい、そのときに得た平均の歩幅と速度から相対歩幅と無次元速度の関係を導き出します。

オーストラリアのクイーンズランドで得られた獣脚類の足跡の情報から相対歩幅を計算し、相対歩幅と無次元速度の関係から歩行速度を計算してもらいました。

よく映画で取り上げられている恐竜の歩行速度は正確なものなのか?大学の古生物学研究室で使われている手法を体験してもらいました。是非、将来、地球・天文科学の道に進む学生が出てきてもらえると嬉しいです。

Advanced Science 物理科学(6月22日)

 応用数理科3年生のAdvanced Scienceでは、先週まで課題研究の追加実験・論文等のまとめを行っていましたが、今週から2週にかけて各科目において発展実験を実施します。物理科学は8名の生徒が選択しており、今週のテーマは「コンデンサーの充電・放電」です。今回は電気容量10F、耐電圧2.7Vのコンデンサーを使用しました。生徒たちはサイエンスキャプチャー(電子式の電流計・電圧計)を使い、コンデンサーの充電・放電の仕組みを学びました。また、コンデンサー放電時のI-tグラフからコンデンサーが蓄えていた電気量を求め、コンデンサーの公式Q=CVを理解するとともに、電流と電気量の関係も確認しました。コンデンサーを初めて見る生徒も多く、今回はコンデンサーを体感して身近に感じてもらうのも大きな目的の一つです。