令和3年度活動内容

令和3年度徳島県SSH生徒研究合同発表会

 3月19日(土)に令和3年度徳島県SSH生徒研究合同発表会が開催されました。今年はコロナ禍の影響により,初めてバーチャルオフィス(仮想オフィスをアバターで移動しコミュニケーションをとることができるソフト)上で発表会となりました。過去最多となる県内高校8校が参加し,68作品の発表がありました。本校からは応用数理科1,2年生が参加し,2年生は11の研究班全てが課題研究発表に臨みました。バーチャルでの発表に戸惑いもありましたが,参加生徒は他校の発表に触れたり,審査の先生方からアドバイスをいただくなど,大いに刺激を受けたようです。いただいたアドバイスは研究の最終的なまとめに生かしていきます。企画いただきました幹事校脇町高校の先生方にこの場をお借りしてお礼申し上げます。審査結果については、「水を媒体とした酢酸インドキシルからのインジルビンの合成」が最優秀賞、「シオマネキのウェービングが誘発される要因」が優秀賞をいただきました。

 

 

 

京都大学サイエンスフェスティバル・ポスターセッション参加

 3月12日(土)、京都大学でサイエンスフェスティバル・ポスターセッションが開催され、口頭6本・ポスター42本の発表がなされました。本校からは「糸電話の糸の状態による音の伝わり方の違い」を研究しているグループが、徳島県代表として口頭発表に臨みました。初めての全国規模の発表会ということで少し緊張していた様子でしたが、自分たちの研究を参加者に伝え、質疑にもうまく対応することができました。後半のポスターセッションでは、各々が興味のあるポスター発表を聞き県外生徒との交流も深めることができました。この経験を活かし、さらに研究が深まることを期待します。

 

 

第2回課題研究及び科学部研究研修会

日時 2022年2月21日(月)16:20~19:20
場所 城南高校(ホスト),徳島大学,城北高校,徳島市立高校,富岡西高校,城ノ内高校,小松島高校
 本校SSHではミッションの一つとして「地域における科学の中核校」を掲げており、その一環として徳島県の課題研究のレベル向上を図るべく、徳島大学理工学部の全面的なご協力と、徳島県立総合教育センターや徳島県教育委員会のご助力を得て「徳島県SSH高等学校課題研究および科学部研究研修会」を実施しております。
 昨年度に引き続き、城南高校をホストにオンライン形式での開催となりました。過去最高の参加校となる県下6校より41グループ154名の参加があったため、6ブースを開設し、各研究グループが2回発表できる形態を取りました、3ブースは徳島大学の先生方から指導・助言をいただける会場、残り3ブースは参加した学校間での質疑や交流の会場を設定しました。また、事前に課題研究計画書を作成して徳島大学に送付したものについて、コメントやアドバイスを記入していただきました。
 全てのグループが、大学の先生方から専門性の高いアドバイスいただくことができました。また、県教委・県総合教育センター皆様、引率教員・参加生徒も各班発表の質疑に参加し、おかげさまで非常に活発な研修会となりました。今回いただいたアドバイスを今後の課題研究に是非生かしていきます。
 ご協力いただきました徳島大学の先生方、県教委・県総合教育センターの皆様、各校でブースのお手伝いをいただきました先生方に心から感謝申し上げます。

    

207HR課題研究最終発表会実施

 2月16日(水)の午後、207HRの課題研究最終発表会を開催しました。今年度もコロナ禍の影響を受け、校外の発表会のいくつかが中止となりましたが、校内においては例年を上回る5回の発表会を実施しました。今回がその最終の発表会となります。十分研究をやり遂げたとは言えませんが、なんとか1年間の課題研究の報告をすることができました。スライド作りやプレゼンの技術ではかなりの成長が見られます。しかし、1月・2月の臨時休校や分散登校の影響で、考察部分に十分でない班が多いように感じます。今回いただいた指導・助言を参考に、3月19日の県合同発表会や来年度の県外での発表会、また論文作りに取り組み、研究がまとめられることを期待します。

207HR課題研究英語発表会実施

 応用数理科2年生は、1月19日(水)・26日(水)の午後2週にわたり、Science EnglishⅡの一環として、英語による課題研究の中間発表会を実施しました。時間的に厳しい中ではありましたが、英語科・理科の先生方やTravis先生にご指導をいただき、放課後の時間を活用しながら11班全てが英語発表にこぎ着けました。どの班もよく頑張ったと思います。今年初めて徳島大学の留学生にもオンラインで同時発表をし、留学生からの質疑にも対応しました。生徒たちは例年より緊張感が大きかったように感じましたが、発表後には全体の感想もいただくことができ、有意義な時間を過ごすことができました。各先生からも研究や発表についてのアドバイスをいただき、一ヶ月後の最終発表会に向け、実験や発表会の準備に取り組んでいきます。

J-Linkツアーin関西2年ぶりの開催

 昨年度のJ-Linkツアーはコロナ禍のため直前で中止となりました。今年度はオミクロン株感染拡大による第6波が心配される状況でありましたが、1月6日(木)に普通科・応用数理科の1・2年41名が参加し、なんとか2年ぶりの開催となりました。訪問先は、兵庫県佐用町の理科学研究所放射光科学研究センターと姫路市科学館です。放射光科学研究センターでは、放射光普及棟にてSPring8及びSACLAの説明を受け、その後3班に分かれて施設内の案内・説明をしていただきました。当日は数少ない運用休止中の時期であり、SACLAのビームライン700mに沿って見学することもできました。最後にSACLAの研究員である犬伏雄一先生より「研究者とはなんぞや」とのご講演をいただき、課題研究や探究にもつながる貴重な体験ができました。午後には姫路市科学館を訪問し、プラネタリウムでブラックホールが発見される経緯を学んだり、学芸員の方から常設展示の説明を受けました。この経験を機に最先端の科学技術に興味を持ち、研究者や技術者として活躍できる人材が育ってくれることを期待します。

第78回科学経験発表会について

本年度の科学経験発表会が10月31日に徳島県教育会館にて行われました。

新型コロナウイルスの感染予防の観点から入場制限があり,会場では発表グループと審査員のみでしたが,生徒たちは審査員からの質疑応答により新たな視点に気付いたり自信をもったりすることができたようでした。

また,「酢酸インドキシルからの水溶液中でのインジルビンの選択的合成」が最優秀賞を,「シオマネキのウェービングを引き起こす要因」が特選を受賞しました。

徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所出前授業

 12月13日(月)午後、徳島大学ポストLEDフォトニクス研究所から先生方をお迎えし、応用数理科1年生の出前授業が開催されました。理事の佐々木先生より徳島大学の紹介をいただき、メインは徳島大学大学院産業理工学研究部助手の高島祐介先生から授業を受けました。高島先生は阿南市のご出身で、生徒の年齢とも近く、研究者を身近に感じることができました。講義内容は、研究者になっていく経緯、ご専門とする研究のコンセプトなどを説明いただいた後、先生が造られたGaAs-LEDとGaP-LEDの発光実験や、LEDで別のLEDを発光させる実験を体験しました。最後に「実験から得られる情報を見落とさない」「”高い装置がないと測定できません”は×」とお言葉をいただき、これから課題研究を始める生徒たちにとって大変有意義な時間を過ごすことができました。佐々木先生、高島先生を初め、実験をお手伝いいただいた先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

Science Introduction(物理・生物)

10月15日(金)と10月22日(金)にScience Introductionの授業で

107HRの生徒に物理と生物の基礎実験を行いました。

【物理分野】乾電池の電流と電圧の関係を調べてみよう
 物理分野では乾電池の電流と電圧を調べる実験をしました。すべり抵抗と呼ばれる抵抗値を変化させることのできる抵抗を使用し、回路の抵抗値が変化するときに電池に流れる電流や電圧が変化することを実験で確かめました。始めは生徒のなかには乾電池の電圧が1.5Vであることを知らない生徒もいましたが、実際に実験してみると1.65V程度の電池もあり、生徒達の理解も深まったようです。その後、古くなった電池(マンガン電池なので時代感がかなりありました。)を用いて実験すると電流や電圧の変化が違っていることも確かめることができました。
 実験結果をグラフにするときには、変化の大きなレンジを大きく表す工夫などが見られました。3人の実験班で工夫や気付きを共有して有意義な時間となり、実験スキルも習得することができました。

 

 

【生物分野】永久組織と分裂組織の観察 

 ニンニクの根端を用い、分裂組織と永久組織を観察し、分化した細胞と未分化の細胞の比較を行いました。分裂組織は一点であり、そこから場所が離れるほど、永久組織に分化していくことを理解しました。どの細胞群が細胞周期を抜け分化した細胞となっているのか、それぞれの形から想像を膨らませ、考えを巡らせました。分裂組織においては、体細胞分裂における分裂期の各時期が観察でき、永久組織においては、道管のらせん模様がなどが観察できました。また、教科書で習う細胞分裂における個数と時間の関係も実際の観察から理解しました。

 

 

 

 

城南塾SSH特別講演会

 11月18日(木)の午後、令和3年度の城南塾講演会を実施しました。社会で活躍されている本校のOBやOGの方をお招きして、在校している後輩たちに講演をして頂くもので、毎年秋から冬に行っています。今回は本校OBで東京農工大学副学長の中川正樹先生にご講演頂きました。また、コロナ流行が心配されたのでZoomを用いて本校と東京を結び、「手書きをデジタルに」という演題で行いました。

 留学から帰国してすぐに東京農工大学に助手として就職され、計算機システムの学生指導の傍らでオンライン手書き文字認識の研究をされていました。そこで多くの成果を上げることができましたが、なかなか市場が広がらず研究も縮小されていきました。しかし、大学発ベンチャー企業・アイラボを設立した後、MetaMojiやサムスン電子などに採用され、スマホやタブレットでも利用されるようになりました。こうしたものすごい経歴をお持ちです。一方で、誘われて始めた釣りにこり出したことや学生時代のやんちゃな出来事など、とても面白くてそちらにも関心を持って聴かせて頂きました。

 生徒たちからも多くの質問が出ました。例年なら2~3人ですが、今回は各教室で行ったこともあり、10人以上の質問がありました。時間をやや超過するまで質問は続きました。大変有意義な時間を過ごせました。後日、中川先生より著作の「弱みを強みに 手書きをデジタルに」という本を頂き、これらは質問した生徒に抽選して渡しました。大変喜んでいました。この場を借りまして厚く御礼申し上げます。お世話になりました。