令和4年度 活動内容

日本天文学会第24回ジュニアセッションの参加について

2022年3月19日(土)に東京都の立教大学で行われた日本天文学会第24回ジュニアセッションで本校の応用数理科2年生が課題研究の発表をしてきました。

脈動変光星の変光周期による体積変化について研究を行ってきました。3人とも堂々とした様子で口頭発表とポスターセッションを行いました。他校でも天文に関する様々な分野の研究が発表され、とても良い経験になりました。

ジュニアセッションでは、専門家の方からのアドバイスなどもいただくことができ、今後の研究に役立てていけたらと思います。

今回のジュニアセッションの予稿集などは以下のサイトで閲覧できます。

https://www.asj.or.jp/jsession/2023haru/25th.html

令和4年度 徳島県SSH生徒研究合同発表会について

令和5年3月18日(土)に徳島県SSH生徒研究合同発表会が行われました。オンデマンドによる動画発表と代表生徒によるオンラインでの口頭発表の両方で行われました。本校からは応用数理科11グループ、28人が参加しました。結果は、動画発表の部では「ナミウズムシの摂食行動」が優秀賞、口頭発表の部では「跗節による昆虫の分類」が優良賞に選出されました。本校が参加したすべてのグループが最終的な結論・考察まで至っており、今後は考察に対する深みが増し、自身の研究の面白さを伝えたいという気持ちがますます深まることを期待しています。

令和4年度 四国地区SSH生徒研究発表会について

4月9日、高知県小津市の高知小津高校にて四国地区SSH生徒研究発表会が行われました。高知小津高校の体育館には、四国地区の全SSH校の生徒たちが集まり、それぞれが1年以上かけて行ってきた課題研究についての、ポスターセッションが行われました。本校からは、11グループ、28人の2年生応用数理科の全生徒が参加しました。生徒たちは、自分たちの研究について、自信を持って発表し、お互いに評価し合い、積極的な質疑応答を行っていました。このような発表の機会が、生徒達に対し新たな気付きを生むと共に、これからの問題解決に向かう姿勢につながると考えます。目の前の現象に課題を見つけ、答えのない問いに対してあきらめずに検証実験を繰り返すことは、イノベーターとして必要な能力であります。今回の発表会は、そのような資質の育成に大きく関与すると感じました。このような機会を提供してくださった高知小津高校の先生方を始め、関係者の皆様に感謝いたします。

 

一般社団法人Glocal Academy 第八回高校生国際シンポジウムの参加について

一般社団法人Glocal Academy 第八回高校生国際シンポジウムにおいて、本校2年生の「ナミウズムシの摂食行動とその再生」が書類審査を通過し、令和5年2月21日(火)および2月22日(水)の日程で宝山ホール(鹿児島県文化センター)にて参加・発表してきました。

1日目の基調講演を皮切りに、午後から口頭発表を行いました。口頭発表では、どの発表も動機から結果・考察までの流れが鋭く、生徒達にとても良い刺激になったと感じています。2日目は優秀賞に選ばれた、代表生徒の発表が行われました。人文や数学など、様々な分野の代表生徒の発表は多方面からの学びがありました。さらに、審査員の方との交流会や過去に国際シンポジウムへ参加された先輩達の意見交換などに触れ、非常に良い学びがありました。今後のますます研究に対しての情熱を持ち、未来のイノベーターとして、能力を伸ばして欲しいと思いました。

冬の天体観測会2023

 2月17日(金)の夕方、本校からバスで阿南市科学センターへ向かいました。3年ぶりの天体観測をするためです。月齢は29日くらいとほぼ新月だったので、月の明るさに悩まされることもありません。星を見るには絶好のコンディションです。期待を膨らませて応用数理科から39名が参加しました。

 エントランスで夕食をとった後、天文館のシアタールームへ移動しました。最初に館長補佐の堀さんからスライドショーと講演がありました。その中で、氏は「南天病(なんてんびょう)」にかかっていることを告白されました。日食の観測のため初めて南半球を訪れたとき、平原で見た星空に圧倒されました。日本では見られない大小マゼラン星雲やエータカリーナ、太陽系に最も近い星のアルファ・ケンタウリやエリダヌス座のアケルナルなど、そしてそれらを取り巻くように流れる天の川の美しさに魅せられたそうです。それ以降すっかり南天のすべての星々(サザンオールスターズ)にはまってしまい、毎年のように出かけているとのことです。生徒たちも話にのめり込んで熱心に聞いていました。

  いよいよこれから星空を見に行きます。3階に設置している113cm反射望遠鏡は口径が四国最大で、全国でも6番目に大きいそうです。一昨年に反射鏡を磨き直したので解像度もよくなりました。学芸員の今村さんから望遠鏡の説明があり、ドーム内の電灯が消されました。まずは木星からです。今日は4個のガリレオ衛星がよく見えました。衛星とは惑星の周りを公転している天体で、木星には現在92個も確認されています。お月様だらけの夜空とはどういうものなのでしょうか。ちょっと興味がわきました。次に、オリオン座の小三つ星の下にある星雲を見ました。トラペジウム(不等辺四角形)という4個の星がきれいです。他にもいくつかの星団を見せていただきました。

 生徒たちは望遠鏡をのぞきながら楽しそうでした。人工衛星を見つけた人もいました。また、スマホで星雲の写真を撮ってメールで誰かに送ったり、待ち受け画面にしている人もいました。後から行ったアンケートでも好評で、このような体験を積んで将来の自分の進路を決めて欲しいです。

J-Linkツアーin関西報告

 1月6日(金)にJ-Linkツアーin関西を開催し、応用数理科1年25名が研修に参加しました。研修先は、兵庫県佐用町の理科学研究所放射光科学研究センターと姫路市科学館です。放射光科学研究センターでは、放射光普及棟にてSPring8及びSACLAの説明を受け、その後施設内の案内・説明をしていただきました。当日は数少ない運用休止中の時期であり、SACLAのビームライン700mに沿って見学することもできました。最後にドイツ出身の研究員であるゲーレ クリストフ先生より研究内容についてのご講演をいただき、課題研究や探究にもつながる貴重な体験ができました。午後には姫路市科学館を訪問し、プラネタリウムでブラックホールが発見される経緯を学んだり、学芸員の方から常設展示の説明を受けました。この経験を機に最先端の科学技術に興味を持ち、研究者や技術者として活躍できる人材が育ってくれることを期待します。

 

 

 

 

 

108 HR高大連携授業(香川大学笠先生)実施

 応用数理科1年生は、12月19日(月)午後、香川大学教育学部の笠先生からオンラインで、課題研究に関する高大連携授業を受けました。まだ課題研究に着手していない1年生のため、導入では冷たい水を入れたガラスコップに水滴が生じる現象の複数の説明モデルについて、それぞれの検証実験を考えさせました。次に理科と探究活動の違いを考え、「変数(variables)」をテーマに、「変数とは何か」(変数を見つけ、複数の変数間の関連性を考えるアクティビティ)、「実験を計画する」(気柱が発する音について、何をどのように調べるか実験計画を立て、実験を行うアクティビティ)など、「アクティブラーニング」のお手本となる授業で、生徒は楽しみながら思考と理解を深め、参加していた教員にも大いに参考となる内容でした。
 応用数理科1年生は、笠先生に教わったことなどを参考に、今年度中には各自で課題研究のテーマや研究計画などを決定し、3学期~2年次にかけて課題研究に取り組んでいくことになります。

 

 

 

ある日の化学実験「石炭からのタール抽出」

 期末試験が終わってほっとしたある日の放課後、化学実験室に生徒有志が集まって何やら実験をしていました。今日のテーマは「石炭」です。石炭の産地と言えば北海道の夕張や釧路の太平洋炭鉱、九州の三池炭鉱や山口県の宇部とか茨城県の常磐などが有名です。ところが、余り知られていませんが徳島県下にもいくつか炭鉱があったのです。

 先週の休日に有志の一部がバスに乗って、現地へ赴いて石炭を採集してきました。それをお披露目していると、ついでだから燃やしてみようという話になったのです。細かくした破片を試験管に入れ、バーナーで熱してみました。すると、真っ黒な煙が上がり粘性のある黒い液体ができました。コールタールです。初めて見る者がほとんどで興味深そうにしていました。

 コールタールは、大正から昭和にかけて石炭産業が隆盛だった時代に道路の舗装として用いられました。真夏の炎天下の道路でコールタールが融け、ベトベトして運動靴の裏にくっついてなかなか取れませんでした。他にも公園の遊具の接着や防腐剤の代わりに使われていたこともあります。そうした昔のことを話してみると、彼らは面白そうに聞いていました。

 年号が2回も変わって昭和はすでに遠くなりました。私たち教員の中にも平成生まれの方が増えてきました。そして、今ここにいる生徒たちはこれからの時代を背負って立つ者たちです。彼らの興味や関心をもっとかき立てて、視野の広い研究をして欲しいです。

皆既月食の観察

 11月8日(火)の夕方から始まった皆既月食を観察しました。天候は晴れの予報でしたが、途中から雲が出てきて途切れ途切れにしか見えませんでした。皆既中は完全に見えなくなるのではなく、茶色い赤銅(しゃくどう)色と表現できるような色合いになりました。上手く撮影できなかったのが残念ですが、次の機会にまたチャレンジします。

 他にも流星群や月に惑星が近づくなどの天体ショーが目白押しです。皆さんも一緒に見ませんか?

サイエンスキャッスルin岡山 ポスター発表について

 12月10日(土) 岡山コンベンションセンターで行われたサイエンスキャッスルにて、本校207HR生徒2グループ6名が課題研究のポスター発表を行いました。サイエンスキャッスルは単なる探究活動の発表会から、「研究の登竜門として参加した中高生の研究を本気で加速させるための場」とすることを目的としています。

 基調講演では株式気社ウィズレイ代表取締役 森山 圭 氏より「イノベーションは経験からしか得られない」「情熱を持って社会の仕組みを変えていって欲しい」とのメッセージをいただきました。その後、事前発表の選考で選ばれた研究による口頭発表が行われました。どの発表も興味深い内容が多く、プレゼンテーションの技術も非常に高かったです。

 午後からはポスター発表が行われました。どのポスター発表も自分の研究に自信を持っており、パッションあふれるものばかりでした。本校生徒も、自分たちの研究内容を、聞いてくれる人に熱心に伝え、見ている人たちからも積極的な質疑応答が行われました。今後の研究に対して、良い意見をもらえたと思います。閉会式では、「皆さんの研究はだれにやらされたわけでもない。目の前の現象を不思議と感じる好奇心から課題を見出し、課題解決へ仮説検証を繰り返す人こそ研究者だ」というメッセージを受け取り、非常に良い経験になったと感じました。これからも多くの刺激を受け、未来のイノベーターとしての資質・能力を磨いていって欲しいと感じました。