令和6年度活動内容

高大連携講座「課題研究へのアプローチ」

令和6年11月29日(金)の午後、香川大学教育学部の笠先生をお招きして、応用数理科1年生107HRを対象に,課題研究に関する高大連携授業を行いました。

導入では,理科の授業と探究活動の違いを考え、証拠を示すことの重要性、論理的思考や実験の計画について一緒に考えました。

課題研究についての意義や目的について説明してくれています  証拠を示すことの大切さ示してくれています

さらに「変数(variable)」を意識することで、探究活動がより楽になるとの説明をしていただきました。そこから、「変数とは何か」と問いかけて、様々な種類の本から変数を見つける活動や様々な図形の中の変数とその値を考え、さらに複数の変数の間における関連性を考える活動を行いました。

    様々な本の中で変数を見つけます              図形の中から変数を見つけます

その後、「アクリル板と金属板の上では氷の溶ける速度は変わるのか。またそれはなぜか?」について考え、理由を科学の言葉を使い説明することを求めました。そのアシストとして、図で説明してから、言葉で説明する練習をしました。私自身、論述の指導方法について新たな視点を得ることができました。

    実験を行った後、なぜそうなるのか科学の言葉で説明することを求めました

アクティブラーニング型授業であり、課題研究等で養われるゆっくりとした思考(スローシンキング)を求める授業でありました。じっくり考えることでより深い思考を体験し、科学技術人材に必要な思考力を高めて欲しいと思います。

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令和6年度SSH城南塾講演会

 11月21日(木)の午後、体育館にて城南塾講演会を開催しました。この行事は毎年11月頃に城南OBまたはOGを講師としてお招きして、1,2年生を対象に講師先生の研究や仕事などを中心にその生き様を語ったり、後輩にエールを送っていただいたりする場になっています。今回は東海大学医学部准教授で細菌学者の津川仁様に、「本質を見抜き生命科学に貢献する」という題目でご講演いただきました。

 目に見えるものが真実とは限らない、何が本当で何が嘘か・・・。

 病原細菌もヒトの細胞をだまして生体内に侵入してくる。それを阻止するために細菌学者は様々な方法を見い出さねばならないが、それには耐性菌や免疫力低下など臨床的な問題もある。私たちの身体には細胞数の10倍以上もの細菌が共生している。これらの共生細菌がどのようにして私たちの健康に貢献し、一方で害を与える存在になるかを明確にすることが重要である。細菌感染につながる生命現象の中から何が本当で何が嘘かを突き止めながら、感染症を制御する方法をどのように開発するかを考える。

 パワポを用いてわかりやすく説明していただき、身近な話でもあるので生徒も興味関心を持って聴いていました。講演終了後には、いつもなら余り挙手しない生徒からいくつも質問が飛び出し、それについても気さくな感じで回答されていました。この後に提出した感想文でも好評だった様子が伺われました。津川先輩、ありがとうございました。

 

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「第68 回日本学生科学賞」の県審査の結果について

科学研究の成果を競う 「第68 回日本学生科学賞」の県審査が 11月5日板野町の県立総合教育センターでありました。本校からは応用数理科3年生計11グループが出品し、2グループが優秀賞、2グループが入賞となりました。検証実験や考察に今まで一生懸命に取り組んできた成果だと思います。

優秀賞(教育長賞)  

魚類消化管に存在するマイクロプラスチックの検出方法とその結果 市川 花音 大家 百葉 日野 桧実 山本 真綺

 ばねを用いた振り子の動きについて~単弾性振り子と正弦波~ 長尾 光一朗  入山 志乃助  前田 大貴

 入賞

SEMを用いた砂鉄産地の特定  加藤開成  小泉千宗  友成亨太   登佐古翔也

電磁誘導を用いた波高観測装置の開発     後藤梨玖 永峰帆ノ香   西口舞 橋本愛美 

 

 なお、この内容は11月6日(水)の読売新聞朝刊に掲載されています。

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令和6年度 科学の甲子園徳島県予選に出場しました

今年度は9校22チームの出場で本校からは2チームが出場しました。

  

筆記試験では、教科書の内容を答えるのではなく、教科書や授業で習ったことを使いながらさらに深い知識を問う問題が出されました。

生徒たちは苦戦しながら、頭を悩ませながら一生懸命解く姿は頼もしいものでした。

筆記試験の後は昼食をはさんで午後から実技試験でした。

  

どの学校もしっかりと考えられたものばかりで、教員の私も感心するような装置もあり、生徒の発想力は素晴らしいですね。

 

結果としては惜しいところでしたが、これからの学校生活等で今日まで頑張った経験値をいかしてほしいです。

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SSH野島断層フィールドワーク事前講座・現地実習

11月15日(金)と11月22日(金)に、淡路島の野島断層に関する講義と現地実習を行いました。これは応用数理科の1年生を対象に毎年実施している行事で、地学への興味関心を高め防災減災の意識を持たせるとともに、現地調査の意義を知ってもらうことを目的にしています。

 

  

徳島大学名誉教授の村田明広先生を講師としてお招きして、107HR生徒全員で現地へ行きました。

 1995年1月17日午前5時46分に発生した阪神淡路大震災で、史上初の震度7が記録されました。そのとき動いたのが淡路島北部を南西から北東に走る野島断層でした。その一部が野島断層記念館に保存されています。生徒たちにとっては生まれる前のことなので余り実感がないようですが、館内で村田先生の説明を受けそのパネルから垣間見える惨状に言葉を失っていました。

  

  

  

断層の説明を受けた後、被災した住宅内部を見学しました。当時は断層のすぐ横にあった家屋で、柱がずれて傾いたり台所に食器が散乱したりしていました。外周でもコンクリの塀が割れていたり、生け垣がずれていたりしたそうです。再び館内に戻って、過去の地震災害や地震が起こるモデルなどを見学しました。災害がいつ起こるかわからない。だからこそこうした研修が必要だと実感しました。

  

  

  

  続いて、明石大橋の淡路島側のアンカレッジまで移動しました。大震災のときに橋脚(橋を支える柱)が動いて、橋長が1mも伸びました。その様子はここからではわかりませんが、橋桁ができる前だったので計算をやり直して建造し開通したそうです。また、途中で震災公園も車窓見学しました。ちょうど防波堤の継ぎ目から断層が海峡に沈んでいました。災害発生のメカニズムを知ることで防災減災の施策につなげていくことの大切さを知りました。有意義なフィールドワークでした。

  

 その後、1月1日午後4時10分に石川県能登半島を中心とする大地震が発生したり、8月8日午後4時42分に日向灘沖地震が発生しました。8月には、南海トラフ地震臨時情報が発表され、生徒たちもかなり気になっているようでした。本県でも南海トラフによる大地震の懸念が高まっています。いざというときのためにどういった準備をしておくべきか、そのときはどのように行動すれば良いのか、自分で考えて行動することが求められています。

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阿南市科学センター主催の科学の祭典にてブースを開設します!

 来たる11月23日(土)と24日(日)に、阿南市那賀川町にある阿南市科学センターにて、「青少年のための科学の祭典2024徳島大会」が開催されます。城南高等学校SSH推進課並びに科学部有志は、今年も徳島鉱石クラブと共催してブースを開設します。

 昨年と同様に「宝石を探そう」と題して、黒砂から透き通ったペリドット(かんらん石)をピンセットで採り、小ビンに入れてストラップを作ります。今年はチケットが不要ですから、無料で作ることができます。およそ20分で、下記の小ビンくらいの量が採れます。同じ砂に含まれる水晶の欠けらを少しだけ混ぜるととてもきれいな色合いになり、光に透かして見ればキラキラと光ります。

 ペリドットは8月の誕生石で太陽の石とも称され、幸福・希望・平和など明るさを持った石言葉があります。これをご覧の皆様、ぜひお越しください。スタッフ一同、お待ちしています。

 

 

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第81回科学経験発表会に参加して

 11月2日(土)、徳島県教育会館において科学経験発表会が開催されました。これは県内の小・中・高等学校の児童生徒たちが日頃の研究成果を一堂に発表する場です。本校から4つのグループが高等学校の部に出場しました。

 発表会場は満員でした。所狭しとイスと机が並べられていて、通行するにも難儀しました。各班とも廊下に出て打ち合わせの真っ最中です。発表原稿を何度も見直していますが、気になる部分があってパワポの文言を修正したり、データのグラフや画像を差し替えたりしていました。そして、開会式の後に最初のグループから発表が始まりました。

 発表の持ち時間は20分で、その後に質疑応答があります。物理・化学・生物・地学の各分野を代表する審査員から、生徒たちに容赦のない質問が飛び交います。しどろもどろになってしまったり、頭が真っ白になってなかなか答えられないときもありました。しかし、どのグループも詰まったりどもったりしながらも何とか回答を返すことができました。

  参加したのは次のグループです。

(1)ゆこう非可食部の有効利用とその効果・・・ゆこうからフードペーパーをつくる

(2)アオサの生育と河川水の成分との関係・・・アオサノリの陸上養殖に適した水質を調べる

(3)オオカナダモの紅葉・・・クロロフィル量と光の関係を調べる

(4)摩擦によるドミノの転倒速度の違い・・・床板の材質とドミノの転倒速度の関係を調べる

 予定時間を大幅に超過したため審査会は開かれず、後日に入賞者を各校に伝えることになりました。その結果、(2)のアオサノリが特選に選ばれ、他の3つも入賞しました。よく頑張ってくれました。次は来年に向けてさらなる研究に勤しんで、もっと素晴らしい成果を上げることでしょう。

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先輩ようこそ!進路相談(医学部)

 11月中旬のある日の放課後、化学室に医学部志望の生徒が集まりました。平成時代に本校を卒業して医学部医学科に入り、この度県外の病院に就職することが決まった先輩が来校しました。そこで、この機会に将来の「お医者さん」を目指す生徒に対して、医学部のことや医者になるために必要なことなどをレクチャーして頂きました。

 先輩からは医学部とはどういうところか、医者になるというのはどういうことか、どのような苦労をしたかなどを教えてもらいました。在校生からの質問として、医学部に合格するためにどのような学習方法をとったのか、医者としての生活はどうのような感じかなど、予定時間を超過してまで熱心なやりとりがありました。

 先輩に尋ねると、実家にはまだ帰らず先に本校に直接来られたとのでした。後輩のためにそこまでして頂いて感謝しかありません。ありがとうございました。後輩諸君はこれを機により一層精進して勉強を頑張ってください。

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中学生対象理科実験教室を開いて

 10月20日(日)に、中学生を対象とした理科実験教室を開催しました。参加者は、中学生10名、スタッフの在校生14名、教員7名です。開会行事の後、前半は物理と生物の選択、後半は化学の実験を行いました。

 物理分野では、静電気の発生実験や実体験をしました。ピリッという刺激があり、髪の毛が逆立つ様子も見られました。生物分野では、顕微鏡を見ながらゾウリムシの繊毛運動を観察しました。水中では高速で泳いでいるゾウリムシを観察しやすくするために、様々な試薬を加えて動きを遅くさせるなどのコントロールを行いました。

 化学分野の実験では、いくつかの温泉の成分を体験しました。本県でも神山町にあった次郎銅山跡から酸性泉が湧き出ています。pH3くらいとかなりの強酸です。石灰石を加えるとCO2を発生し、人体の皮脂に見立てた脂に加えると分解されました。一方で、旧西祖谷山村(現在は三好市)の祖谷温泉では炭酸水素泉が湧き出ており、指を浸けると少しヌルヌルしました。他には、医薬品としても用いられるヨードホルムやサリチル酸メチルを合成しました。臭いをかげば、病院で治療時にぬられたり捻挫したときに貼られる薬品であるとわかりました。

 最後に少し時間を取って、中学生と在校生との交流会をしました。互いに向き合ったり車座になって、学校のことや部活動のこと、志望理由や今日の実験のことなどを話し合いました。こうして和やかな雰囲気のまま終了しました。

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海外研修事前研修(徳島大学の留学生をお招きして)

11月11日(月)徳島大学総合科学部教授 村上敬一先生のコーディネートで海外研修の事前研修として、徳島大学の中学からの留学生と交流会を行いました。海外研修の内容を発表した後、中国語の自己紹介や挨拶などを教えてもらいました。その後、お互い写真を見せあいながら興味関心のあることを話し合い、最後は、中国語で挨拶をしました。実際に対面で交流すると非常に楽しそうに交流しており、海外研修での交流も非常に楽しみです。ぜひ、人と人がつながることで、様々な人たちと協働できる人材になってほしいです。

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