令和6年度活動内容

課題研究アオサ班 徳島文理大学研修

207HR 課題研究 アオサ班は9月12日(木)に徳島文理大学 山本博文先生の研究室を訪問し、依頼していた4つの河川の成分分析データを受け取り、今後研究方針について話し合いをしてきました。

1学期にアオサ班はどの川の水が完全陸上養殖に適した水なのか調査しました。その結果、吉野川の水だけ大きく成長するとともに、吉野川以外の川では(特に神田瀬川では)仮根の形成が起きました。その原因を分析するために、徳島文理大学のICPマスという分析機械をお借りし、吉野川、今切川、勝浦川、神田瀬川の水の成分分析を行いました。そして今回その結果データをいただきました。

データから、吉野川が大きく成長したのは硝酸態窒素が多かったからだと考えれます。大きな川である勝浦川が成長しなかったのは、アンモニウム態窒素が多いのですが、おそらく硝化菌が少なく、硝酸態窒に変化してなく、アオサの成長にプラスの要因とならなかったと考えれます。

また、生徒たちは神田瀬川で育てたアオサが縮れているのを発見し、その形態変化は神田瀬川の成分によるものと仮説を立て、次の検証実験は

「アオサの仮根形成および形態変化が起こる原因はどのような金属イオンによるものか」

というテーマで実験をしてくこととなりました。他の河川より多く存在する5つの金属イオンに注目し、それぞれの金属イオンの濃度差を作った河川水で養殖を行い、どのような形態変化が起こるか見ていきます。

これらのことは研究者があまり注目していない分野で、結果がでれば非常に面白いものになると山本先生はおっしゃっていました。

いよいよ研究という感じになってきました。初めに疑問を持ち、問いを立て、仮説を考え、検証実験を行い、その結果を分析し、そこから新たな仮説を立て、検証実験に向かう。どんどん深い内容になってきています。ここからは結果がどのようになるか分からない世界。結果が出ないことがあるかと思いますが、試行錯誤し、新たな発見をする喜びを味わってもらったらと感じます。私自身試行錯誤しながら新たな発見に向かうプロセスにワクワクしております。生徒と共に、研究を楽しみたいと思います。

0

第48回全国総合文化祭「清流の国ぎふ総文2024」自然科学部門への参加について

83日(土)~5日(月)岐阜協立大学で行われました第48回全国総合文化祭「清流の国ぎふ総文2024」自然科学部門に応用数理科3年生3名が参加しました。83日(土)には、口頭発表が行われ、「単弾性振り子」の発表を行いました。堂々とした発表で、審査員の方から非常に興味深い研究内容であるとの評価をいただきました。84日(日)も引き続き口頭発表が行われ、見学しました。2日間にわたり行われた発表は、さすが全国発表、どの発表も的を得た検証実験と鋭い考察が行われていました。午後からは巡検研修が実施され、私たちは岐阜かかみがはら航空宇宙博物館の見学を行いました。人類初の動力飛行に成功したライト兄弟のライトフライヤーをはじめとする、航空機産業の歴史について学び、ISS日本実験棟「きぼう」の実物大模型に触れながら、航空宇宙産業について実学を通して学びを深めることができました。総文祭自然科学部門に参加して、岐阜県の方々、特に岐南工業高校の方々のおもてなしに感動しました。そして、全国の方々と一緒になって課題研究を頑張っていこうと思いました。

0

「ようこそ先輩 研究室からこんにちは」

8月10日(土)14:00から化学室にて、1年生から3年生の希望者を対象に、城南高校卒業生で研究者になられた方をお迎えし、研究者や研究について話をしてもらう「ようこそ先輩 研究室からこんにちは」を行いました。講師として、森俊夫先生をお迎えしました。森先生は城南高校を1997年(平成9年)に卒業され、現在、大阪大学 量子情報・量子研究センターで、量子コンピューターの研究開発を行っておられます。量子コンピューターは、昨年、理化学研究所が国産初号機を公開し、大阪大学も国産3号機を公開しました。先生はその両方の開発チームで、現在運用も行っておられます。また、理化学研究所の『スーパーコンピュータ「富岳」と量子コンピュータ「叡」の連携利用を実証』についても行っておられます。
テーマは「量子コンピュータについて」「研究職になるためには」です。初めに、「量子コンピューターについて」お話しいただきました。量子コンピューターとは、量子の振る舞いを用いたコンピューターで、これから開発が加速し、より量子ビット数が多くノイズ補正ができる量子コンピューターが開発されてくるとのことでした。量子の世界で見られる重ね合わせや量子もつれなど基本的内容を説明してただき、実際シュミレーションを用いて量子コンピューターの仕組みについて教えていただきました。難しい内容でしたが、物理分野である「量子の振る舞い」が情報分野である「情報処理」に利用される最先端科学に触れ、生徒達は不思議な世界観に引き込まれると共に新たな発見をしているようでした。

その後「研究職になるためには」では、自分の道を行くために、「とりあえずやってみる」ことや、人が遊びでやるようなことでも「ガチる」ことの大切さを説明していただきました。30代で、懸命に取り組んできたことが実を結んだという森先生の言葉は実感があり、一生懸命取り組むことの大切さを実感したようでした。

これからも、研究職に就かれている先輩から研究についてお話しいただける会ができればと考えております。メンターとして今の生徒達にお話しいただける先輩がおいでましたら、ぜひご連絡ください。

これからも生徒達に、研究や最先端科学に触れる良い機会が与えられるような機会を提供していきたいと思います。

量子コンピューターについて説明していただいてます   多くの生徒が残って質問していました

0

J-LINKツアーin関西(SPring-8 SACLA・理化学研究所計算科学研究センター)

 8月6日(火)夏休みを利用して、応用数理科・普通科の希望者がJ-LINKツアーin関西として、SPring-8・SACLA及び理化学研究所計算科学研究センター:スーパーコンピューター「富岳」の見学研修に行きました。

 最初の研修先はSPring-8・SACLAの見学研修です。初めに、SPring-8・SACLAの概要説明をしていただきました。生徒達は、X線については、なんとなく分かっていますが、X線がどうすれば発生し、どのように利用するのか十分に分かっていません。分かりやすい説明をしていただき、X線の発生方法やX線を利用することで物質の分子構造や原子の種類が分かることに驚いていました。次は、SPring-8・SACLAの見学です。すごい磁力を生み出しているアンジュレーターや電子を放出する電子銃、電子を加速させる加速装置など、それぞれ説明を受けながら見学することで、理解を深めていました。最後は、SPring-8・SACLAで研究員をしている犬伏先生から、研究者についてやご自身の研究について説明していただきました。犬伏先生は、X線を測る装置の開発などを行われており、生徒達は見学してきた総まとめとして、お話しを聞かせていただき、非常に興味を惹かれているようでした。最後の質疑応答では、多くの質問が出て、研究者についてやX線の利用についての理解が深まったと思います。犬伏先生は徳島県のご出身ということで、生徒達は犬伏先生を非常に身近に感じ、最後までお話しをしておりました。

X線の発生と利用、施設の概要説明をしていただきました SPring-8の説明を受けながら見学しています

SACLAの見学です               磁場を作り出す装置は非常に強力な磁力を持つので、

(加速器で電子を高速まで加速します)      アルミがゆっくりと落ちます

      犬伏先生の講演です                最後に記念写真

 次に、神戸市に移動し、理化学研究所計算科学研究センターのスーパーコンピューター「富岳」の見学研修に行きました。初めに「富岳」の概要説明を受け、その後「富岳」の見学、質疑応答がなされました。実際に「富岳」を目の前にしての質疑応答で、生徒達も気持ちが上がり、時間いっぱい積極的に質問がなされました。利用法についての質問が多く、様々な自然現象についてシミュレーションを行い、現象の分析に活用されていることが理解できたと思います。最後は展示スペースで教員と一緒にディスカッションをしながら見学しました。自然科学現象の分析は、その仕組みを把握した後、シミュレーション等が必要になります。天気予報など、そのシミュレーションを「富岳」で行っていることを知り、科学技術に対し、理解が深まったと感じました。

 実際に見ることに勝る学習はありません。経験や感動による学びを増やし、科学技術人材としての種を増やしていきたいと思います。

   「富岳」を目の前に解説を聞きます       たくさんの質問に答えていただきました

展示スペースで教員と一緒にディスカッション        最後に記念撮影

0

第2回電子顕微鏡操作実技研修に参加して

 前回に引き続き、7月28日(日)に再び電子顕微鏡操作実技研修を行いました。今回は男子4名が参加しました。

 分析する対象物は「隕石」です。コンドライトという石質隕石のうち、熱変性をほとんど受けていない未分化の隕石を分析しました。ケイ酸分が多く、マグネシウムやアルミニウムも検出されました。また、鉄分が多くて隕鉄に近い隕石ではやはり鉄が多く含まれ、他にもナトリウムや硫黄、マンガンなども検出されました。想像していなかった元素も含まれているとわかり、大変貴重な体験ができました。ありがとうございました。

0

応用数理科2年生課題研究アオサ班 徳島文理大学研修

7月30日(火)応用数理科2年生課題研究アオサ班が、中間発表までの研究内容の報告と水の成分分析をするため、文理大学薬学部山本 博文先生のところを訪問しました。現在、アオサノリは地球温暖化の影響もあり、河川での養殖が難しくなってきています。そこで、山本博文先生は陸上養殖に必要な葉状体形成因子を発見し、完全陸上養殖を可能にしています。アオサ班は山本先生の研究に興味を持ち、指導を受けながら、課題研究を進めています。

アオサ班は、現在までに、吉野川、今切川、勝浦川、神田瀬川の4つの川の水でアオサの葉状体を1ヶ月間養殖し、成長の様子を記録しました。1ヶ月間の養殖後、4つの川の中で最も吉野川が成長し、今切川、勝浦川、神田瀬川の3つの川の水ではそれぞれ成長に変化がないという結果を得ました。

これから、徳島文理大学でそれぞれの川の水の成分分析をしていただき、どのような成分の違いで成長の違いが出たのか考察すると共に、それぞれの川の水で仮根のでき方が異なっていることに注目し、どのような塩類が仮根の成長に関与するのか調べていくことになりました。

最初はどのような目標を目指すべきなのか分かりませんでしたが、実際に研究を進めてみると、調べることがどんどん出てきます。研究機関である大学のお力をお借りしながら、より発展的な課題研究に取り組めるようにしていきたいです。

 課題研究について指導していただいています    水の塩類成分等を分析する機器を説明してくれています

0

徳島大学 遺伝子組換え実験講習会への参加について

7月25日と26日の2日間、徳島大学蔵本キャンパス先端酵素学研究所で行われた高校生向けの遺伝子組換え実験講習会に応用理科2年生1名が参加しました。2日間で行う実験は、「①大腸菌の形質転換実験」「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」です。

「①大腸菌の形質転換実験」は、抗生物質耐性遺伝子とGFPタンパク質遺伝子を持つプラスミドをヒートショックにより大腸菌内に入れ、大腸菌を形質転換させる実験です。GFPタンパク質は紫外線照射で光り、araCタンパク質により、転写が調節され、アラビノースが培地にあるときにのみ発現するように調節してあります。

「②DNAからお酒に強い遺伝子を持つか調べよう」では、髪の毛から自分のDNAを取得し、PCRで増幅、その後制限酵素で処理すると、お酒に強い遺伝子を持つ場合は切断され、そうでない遺伝子の場合は切断されないことを利用し、その後電気泳動することで、どの遺伝子を持つか分かります。

最後は、実験の結果分かったことを発表しました。堂々と発表している姿を見て、多くの活動を通して、思考力や表現力が育っていると感じました。

また、これらの実験はどちらも、現在の生物学で非常に大切な分子生物学の分野の実験です。どのようなことがマイクロピペットの中で起こっているのか、しっかりイメージしながら、分子生物学の理解を深めて欲しいと思います。さらに現在城南高校が全県の生徒に向けて行っている行っている、かずさDNA研究所と連携し実施しているJonan Science Labでの「お酒に強い遺伝子を持つか調べよう」と方法が少し違っているのが面白いと思いました。高大連携で主体的学びを促進すると共に、体験的学びを全県的に広げていきたいです。

0

科学へのいざないへの参加について

7月20日(土)午前 本校応用数理科1年生4名が徳島県立総合教育センターで行われた科学へのいざない(生物分野)に参加しました。テーマは『植物の「緑色」について探究してみよう!』です。3つのセッションからなり、初めのセッションではシロツメグサ・ナズナ・ホウレンソウから光合成色素を抽出し、TLC(薄層クロマトグラフィー)分離しました。綺麗に分離でき、様々な色の光合成色素を確認することができました。2つめのセッションでは、分光器を作り、光の分散を確認した後、入射光に先ほどの光合成抽出液をかざすとどうなるかを確認しました。生徒たちは分光に少し苦労していました、教員がサポートし、しっかり確認できました。最後のセッションは講義で、光合成では緑色の光は表面の細胞を透過しますが、透過した光は葉の内部の細胞で屈折しながら、吸収され、光合成に使われているとのことでした。表面ですべての光を吸収するのではなく、緑色の光を吸収しないことにより、葉の内部での光合成を可能にしているとのことです。3時間の講座でしたが、葉の「緑色」をテーマに話が展開され、生徒たちも興味を持ちながら、最後まで一生懸命に学んでいました。一つのテーマを軸にした科目横断的な授業は、私にとっても勉強になりました。学校でも、科目横断的な教材開発により、生徒の科学的なものの見方や考え方を養いたいと思いました。

TLCで光合成色素を分離します      抽出液を透過した光を分光器で見ると・・・

0

園瀬川総合科学調査について

7月11日(木)午後、応用数理科107HR生徒たちに対し、園瀬川総合科学調査の事前研修を行いました。事前研修では、まず川幅や流速などの測定方法を説明しました。その後、水生生物の採取法を教えると共に、「カゲロウの幼虫」や「カワゲラ」などの指標生物の説明に加えて、園瀬川に多く生息する「ハグロトンボのヤゴ」や「ヒゲナガトビケラ」の形態と生息場所について説明しました。最後にパックテストの説明を行い4種類の水に対してpHのパックテストを実施しました。準備はバッチリです。当日、梅雨明けを迎え晴れて園瀬川総合科学調査が実施できることを期待しています。

 

パックテストで調べる項目の説明です     パックテストの練習です      水生生物採取の方法を教えました

 

7月17日(水)午後、応用数理科1年生によって園瀬川総合科学調査を実施しました。無事に梅雨が明け、快晴の中の実施です。「上流」「中流」「下流」3か所の調査場所に分かれて調査を行います。主な調査内容は「流速の計測」「透明度調査」「岩石調査」「水質パックテスト」「水生生物の採取並びに指標生物を用いた水質調査」です。川での調査に生徒たちは童心に帰り、楽しんでいました。特に水生生物の採取では、事前学習の効果もありどんどん川に入っていき、多くの水生生物が採取できました。種の同定は指標生物表を用いると共に、載っていない種についてはグーグルレンズを用い行いました。総合的な水質の判定はきれいな川とやや汚れた川の中間くらいです。実際に見てみてやってみることに勝る学習はありません。フィールドワークや実験等の体験や経験から学ぶ主体的な学びを経験し、科学的なものの見方や考え方を育み、科学技術人材としての資質能力を身に付けてほしいと思います。

玄関に集まり、上流・中流・下流に移動します       パックテストを行います

    水生生物を採取して        種の同定を行い、水質を判断します    ヒゲナガトビケラです

0

第1回電子顕微鏡操作実技研修に参加して

 7月15日(月・祝)に、神戸市立工業高等専門学校のご厚意で実施しました。生徒4名と教員2名が参加しました。

 走査型電子顕微鏡(SEM)は大変高価な機器であり、高校生が手軽に扱える機会はまずありません。しかし、今日はそれに触れて実際に元素分析できるので、軽い緊張感の中で実習を行いました。まず、電子顕微鏡を起動して真空ポンプを稼働させ試料室内を真空にします。そして、上部のフィラメントから電子線を試料に照射して、表面から飛び出した二次電子を検出器で読み取ります。このデータをPC上で加工して使える状態にするのです。

 今回は、地元の眉山で採取した金属のような黒色物質と、岐阜県根尾谷の菊花石をライン分析しました。画面上のラインに沿って電子線が当たると、そこに含まれていた元素が判明します。定量分析を行えば組成式を求めることもできます。最初は四苦八苦していましたがすぐに慣れてきて、分析も半ばを過ぎる頃には手回し良く準備・分析・保存ができるようになりました。

 貴重な体験をさせていただきましてありがとうございました。

 

0

Science Introduction(SI)【実験の設定(温泉卵をつくろう)】

7月12日(金)5限目のScience Introduction(SI)では「実験の設定(温泉卵をつくろう)」を実施しました。本校応用数理科1年生では自由研究を宿題としてます。自由研究において実験を計画する際、変数(独立変数)を決めその値の設定し、結果(従属変数)がでるという考え方を知っておくことが大切です。実験おける大切な考え方を育成し、論理的に実験の計画が立てられるように、この授業を計画しました。

授業ではまず温泉卵の定義と、変数(独立変数)とその値並びに結果(従属変数)について説明しました。その後、変数(独立変数)を温度と加熱時間とし、班内で話し合い、温泉卵を作るための値を決めました。クラス内のすべてのデータを集め、温泉卵ができる条件を考察することとしました。その場合、複数種存在する卵の種類はどうすればいいかや加熱する際の水の量、またどれくらい水につけるかなど、制限変数についても考える機会としました。

結果は、短い時間で80℃以上に設定した班は白身だけ固まり、60℃~80℃に10分程度設定した場合、白身と黄身がやや固まる状態になっていました。50℃以下に設定した場合は時間に関わらず、白身も黄身も固まっていません。このデータを受けて、温泉卵を作るにはどのようにすればいいか実験の計画を立てることを宿題としました。実験データを分析し、創造力を持って新たな実験の計画を立ててほしいと思います。

0

応用数理科308HR ScienceEnglishⅢ(making ice cream)

7月10日(水)応用数理科308HR ScienceEnglishⅢの授業で全員が英語論文を提出できたお祝いとして、Science experiment【Making ice cream】を行いました。まず今回のテーマである【Heat of solution:溶解熱(吸熱反応)】と【Freezing point:凝固点】について説明した後、【Recipe:レシピ】について説明、【Milk:牛乳】と 【Fresh cream:生クリーム】の量の調整は、調整できるようにしました。さて、食べてみると、とっても美味しい。作り立てのアイスクリームは優しい味でした。アメリカではアイスクリームマシンがあり、お家で作るそうです。少し量が多かったかなと思いましたが、全員完食しました。

また、本日は、ALTであるParker先生最後の授業でした。3年間の城南高校の勤務を終え、アメリカに帰られます。308HRは入学時からお世話になりました。308HRの生徒たちから感謝の気持ちをこめ、花と色紙のプレゼントをしました。Parker先生から「失敗を恐れず世界へチャレンジしてほしいと」のメッセージをいただきました。卒業後留学希望の生徒もいて、ぜひパーカー先生のメッセージを受けて、国際的に活躍できるグローバル人材へと成長してほしいと思います。

 

  Recipe:レシピを説明し、アイスを作ります           Parker先生お世話になりました

  Travis先生も加わってくれ、Experimentの実施です

0

応用数理科107HR 高大連携授業【徳島大学pLEDフォトニクス研究所】

6月28日(水)6、7限目に応用数理科107HRにおいて、徳島大学pLEDフォトニクス研究所から、片山哲郎先生をお招きして高大連携授業を実施しました。

最初は研究者になった経緯と現在の研究、そのやりがいについて自己紹介と合わせて、説明していただきました。大学4年生での卒研では分光装置を作る研究を行ったそうですが、あまり教えてくれず、自分で論文を読み推論し、作成したそうです。その経験から「勉強は暗記だけではなく、経験や考察も勉強である」とおっしゃっていました。また、ずっと信号が見えなかった分光装置で初めて信号が見えたとき、「推論が正しいことを知り鳥肌が立つくらいの喜び」を得たそうです。今でも年に数回あるこの体験が研究者の喜びであるとおっしゃっていました。

ご自身が行っている研究は「新しい発想からの分子のふるまいを見る装置の開発」だそうです。現在は分子のふるまいを見るために、過渡吸収スペクトル測定法が用いられており、最初に光を当て分子を励起状態にし、次の光の反射率を時間経過ごとに見ることで、光が当たった後、どのように分子が変化していくかを見る方法が一般的です。片山先生は「ファーストペンギンになれ」との言葉に感銘を受け、現在の「光や電子パルスを用いた反応トリガーが超高速化学反応計測には必要という常識」を破壊し、新規高速反応計測装置の開発を目指す研究をしておられます。こちらの装置開発が成功すると、ノーベル賞は間違いないとのことを聞き、生徒たちはすごい研究であることに驚いていました。研究については、難しい内容ですが、研究内容について休憩時間に積極的に質問に行く生徒たちが多くみられました。生徒たちの主体的に学ぶ姿勢に感動しました。

 

  研究の面白さやご自身の研究についての説明           休憩時間に積極的に質問を行っていました

休憩をはさんで、実験を行いました。ケミルミネッセンスを用いた光の実験です。造花に溶液をかけ、その後反応液を掛けることで化学反応が起き、そのエネルギーが蛍光色素に移動して光る現象です。様々な色に光る造花を見て、生徒たちは「励起状態」や「化学反応」と「光」の関係について、興味を惹かれているようでした。

現在、活躍されている研究者の考え方や研究の面白さを知ることで、研究に対する理解を深めると共に、実際に体験する実験等で科学に対する興味関心を伸ばしてほしいです。高大連携授業で感じることは、最前線で活躍されている方のお話は面白く、迫力があります。生徒たちが本物と出会う機会をより提供し、多くのことを学ぶ機会を提供していきたいです。

 

  造花に溶液をかけておきます          反応液を掛けると、鮮やかに光ります

 

 こちらの班では青色に光っています         興味を持って話を聞いていました

0

海外研修説明会について

7月5日(金)18:00~海外研修説明会を実施しました。40名弱の生徒及びその保護者が参加しました。現在、JSTに海外研修計画を提出しており、認められると実施することとなります。昨年度より、海外研修の研修先を改め、日本から近く移動時間と費用が抑えられ、豊かな自然や固有の歴史・文化があり、半導体やICT分野などで優れた技術力を持つ台湾を研修先と選定しています。現在、継続した国立竹南高級中学との交流を行っており、今年度も国立竹南高級中学を訪問し、課題研究や探究活動の英語発表や英語での理科実験教室を行う予定です。

説明会では、海外研修で得られる効果や目的を説明し、昨年度研修の内容やアンケート結果を説明しました。今年度は、昨年度の取り組みを継続しつつ、よりよい研修になるよう計画したいと思います。

 

0

応用数理科207HR ScienceEnglishⅡ「Water balloon drop」の実施

7月10日(水)5限目 207HR ScienceEnglishⅡの授業で「water balloon drop」を実施しました。ALTであるパーカ―先生とトラビス先生、それと理科教員が中心に授業を計画しました。授業では、グループで持っている25$で7種類のmaterial(材料)を購入し、water balloon(水風船)を2階から落とした際、割れない構造物を作ることが目的です。

まずは、key word:Air resistance、Shock absorption、Action and reaction force 、Ground contact area について説明し、どのFactorを増やす(もしくは減らす)ことを目的にするのか明確にしてから、構造物のデザインをしました。構造物のデザインは、25$で買うものを考えながら進めていきます。

実際に落とす前に、どのFactorを増やす(減らす)ために、どのようなデザインにしたのか発表しました。英語で発表した後、体育館への通路から落としました。昨年度は、water balloonに水を多く入れ、ほとんどの班が失敗でしたため、今年度は水を少なくした結果、ほとんどの班で成功しました。最後は、ALTが投げたwater balloonを割らずにキャッチできるか挑戦しましたが、すべての生徒で失敗しました。非常に楽しい実験授業で、大盛り上がりの一時間でした。授業でのワークシートを載せておきます。

water balloon drop.pdf

$25で買う7種類のmaterial(材料)の説明です   実際に作ります             Let's Drop

 

0

応用数理科2年生(207HR)課題研究中間発表Ⅰ

6月26日(水)13:00~化学室にて、応用数理科2年生が「理数探究」で実施している課題研究の中間発表Ⅰがありました。第一回目の発表であり、かつ修学旅行から帰ってきてからすぐの発表ということで、発表準備に苦労していました。代休日である前日に学校に来てまとめをしている班が多くあり、結果のまとめや考察について、担当教員と一緒に考え、発表スライド・発表原稿を作成していました。

当日の発表では、まだ研究計画の段階の班もあり、検証実験はまだまだですが、それぞれテーマ決定への着眼点は面白く、動機や目的には興味を惹かれるものが非常に多かったです。また当日は運営指導委員会も合わせて行われ、大学の先生や企業の方々に参観していただきました。本校教員や大学の先生、企業の方々からの鋭い質問に対し、自分たちの考えをまとめ一生懸命に答えていました。まだまだ、発表に自信がなく、まとめや考察に関しても十分ではないですが、発表会を経験してくことで、自信を持って発表や質疑応答が行えるようになります。課題研究における一連の経験で論理的思考力が育成され、問題解決能力、プレゼンテーション能力、実験計画能力やコミュニケーション能力が向上されると考えます。我々教員も一生懸命サポートします。ぜひ、応用数理科での経験から科学技術人材としての資質能力を身に付けてください。

今年度の研究班は11班で、発表テーマは以下の通りです。

物理分野:長距離での糸電話、摩擦によるドミノの転倒速度の違い、グラスハープの規則性

化学分野:廃棄される柚香の再利用、クロスカップリング反応を用いた化合物の合成

生物分野:オオカナダモの紅葉条件、柚香非可食部での和紙作りとその効果の検証、アオサノリの陸上養殖に適した条件の検証、枯草菌における芽胞形成と温度条件について
地学:徳島市における夜空マップの作成、耐震構造による家屋の揺れの違い

0

応用数理科Advanced Science 生命科学

6月25日(火)Advanced Science 生命科学分野を実施しました。今回のテーマは、「金属イオンがゾウリムシの繊毛運動に与える影響」です。慶応義塾大学の実験を参考にさせていただきました。

すべての真核生物の繊毛は、中心に2本の微小管とその周囲に9本の二連微小管から形成されています。この二連微小管に結合するダイニンがATPを分解し、隣り合う二連微小管上を滑ることで繊毛が動きます。繊毛の動きは、ダイニンのATP解酵素活性と深く関係しており、この酵素は、Mg2+(マグネシウムイオン)やCa2+(カルシウムイオン)で活性化され、Ni2+(ニッケルイオン)で阻害されます。Ni2+により停止した繊毛運動が、他の金属イオンを用いることで回復するかどうか遊泳行動を観察して調べることで、各種金属イオンの繊毛運動に与える効果を考察することを目的としました。

実験では、まず100 mMのNiSO4水溶液を作成し、それを希釈することで0.5 mM、0.3 mM、0.1 mM、0.02 mMのNiSO4水溶液を作成しました。次にマイクロピペッターでゾウリムシ懸濁液を75μLを時計皿に取り、実体顕微鏡で観察し動きを確認しました。その後、0.02mMのNiSO4水溶液を75μLを加え、3分間は連続で観察をおこない、その後は、3分おきに12分まで観察しました。遊泳速度や泳ぎ方の変化に注意して観察すると共にゾウリムシの半数が遊泳を停止した時間を記録できるようにしました。また、0.1 mM、0.3 mM、0.5 mMの濃度のNiSO4水溶液で同じ操作を行い、観察を行いました。

 結果は、0.02 mMでは、動きがゆっくりになり、0.1 mMではくるくる回る本来の動きがなくなり、同じところを行ったり来たりする動きになり、0.3 mMや0.5 mMでは、3分でほとんどの個体が動かなくなりました。

Ni2+(ニッケルイオン)の濃度により、動きの変化や時間により動かなくなっていくゾウリムシを観察し、顕微鏡を見ながら「動かなくなった」「動きが変わった」と声を発するほど、生徒たちは興味を惹かれていました。 

次に、ゾウリムシ懸濁液75μLを時計皿に取り、0.2mM NiSO4を75μLを加え、すべてのゾウリムシの動きを止め、100mMのCaCl2、MgCl2、BaCl2、並びに蒸留水を75μL加え、3分までは連続観察し、その後は、6分後、10分後の様子を観察・記録し、動いていたゾウリムシの割合を記入しました。

結果は、Ca2+(カルシウムイオン)では、6分後には動きが活発になり、10分後には本来の動きに戻る場合が多く、 Mg2+(マグネシウムイオン)では動きは回復するんものの、10分後に本来の動きになる個体は半分程度でした。Ba2+(バリウムイオン)では、やや回復するものの動きが戻った個体は20%~30%でした。

金属イオンにより動きの回復がみられるものの、金属イオンの種類により回復の様子が異なっており、生徒たちは金属イオンの影響を非常に面白く感じていました。

この実験は動きの違いや時間による変化が見られ、生徒の興味関心を惹くことができ、金属イオンが代謝に与える影響についての導入実験になると感じました。今後、他の原生生物で実験を行うなど新たな教材開発に挑戦してみたいです。

ゾウリムシについて説明しています      マイクロピペットを扱います    ゾウリムシの動きがよく分かります

0

応用数理科Advanced Science 高大連携授業 生命科学

6月18日(火)Advanced Science 高大連携授業 生命科学分野として、先週に引き続き徳島大学教養教育院 教授 渡部 稔 先生の所へ訪問させていただきました。本日のテーマは「電気泳動にてお米のDNA断片を分析しよう」です。先週PCR法にて増幅したDNA断片を本日は電気泳動にてDNA断片の長さに応じて分離し、分析します。初めに、先週増幅したDNA断片をDNA分子マーカーと共に電気泳動にかけました。すべての生徒がアガロースゲルのウェルに流し込むことに成功し、電気を流しました。通電してるかどうかは、電極を見れば分かります。+極には酸素、-極には水素が泡となって発生していると電気が流れている証拠です。通電している間に、電気泳動の仕組みを説明していただくと共に、2つ目の実験を用意していただいていました。

2つ目の実験は「プラナリアの再生実験」です。プラナリアは驚異の再生力を持ち、小さく切り刻んでもそれぞれから再生し、新たな個体が生まれてきます。プラナリアが再生する仕組みは、磁石のN極S極の仕組みと同じで、小さく切断されれば、新たな位置情報が発生し、位置情報から体の部分が作り直されるとのことです。生徒達は不思議な再生能力を持つプラナリアに興味を惹かれ、プラナリアをどのように切断するか思考をめぐらせていました。実際の切断では、手慣れた手さばきで上手に切断できていました。再生の結果は、後日写真を送ってくれるとのこと。生徒の興味関心を惹き、じっくり考えることができる非常に面白い教材であると感じました。また、学校でも実施してみたいと思いました。

さて、電気泳動はすべての生徒で成功。お米の品種分析は完璧でした。高大連携授業を通じて、大学での学びについて理解でき、さらに生命現象について、じっくりと考え、検証していく面白さを分かってもらったのではないでしょうか。引き続き、生命現象を教材として科学的な物の見方や考え方を育んでいきたいです。

PCRで増幅したDNA断片をアガロースゲル 通電させ、泳動させます  プラナリアを実体顕微鏡で見ながら切断します

のウェルに入れています。

氷の上にろ紙を置き、動きを止めます       上手く切断できました

                      プラナリアは大きくなると自然に切断され、2匹になるそうです

このように切り刻むと          10日後 合計10匹のプラナリアができました(全部目があります)

紫外線を照射し、アガロースゲル上のDNAのバンドを見る   A:2つのDNA断片のバンドがあるもの(ひとめぼれ)

装置です                         B:長いDNA断片のバンドがあるもの(あきたこまち)

                             C:短いDNA断片のバンドがあるもの(コシヒカリ)

 

0

台湾 国立竹南高級中学203HRとのオンライン交流(2回目)について

6月17日(月)日本時間13:30~15:00、本校応用数理科207HRと台湾国立竹南高級中学の203HR(BiomedicalClass)生徒と第2回目オンライン交流を行いました。

今回はEndemic Species(固有種)についての発表です。Microsoftチームズでそれぞれのブレイクアウトルームに分かれ、グループごとに発表を行いました。前回の反省を生かし、事前準備としてEndemic Species(固有種)について、それぞれのグループで調べ、スライドの作成を行い、発表練習を行ってきました。また、Microsoftチームズを使った発表練習を行い、準備をしてきました。通信やグループ分けのトラブルもありましたが、何とか発表できました。次は、海外研修に参加する人の紹介と現地で発表する課題研究の内容を説明を行う予定です。オンラインでの交流を継続して、より効果の高い12月の海外研修が実施できるよう取り組みを進めていきます。さらに今後は共同研究の実施や合同発表、また課題研究の手法の伝達など、サイエンスや探究活動を通じた国際交流を実施できればと考えています。

0

応用数理科308HR 高大連携事業(物質科学分野3回目)

 6月18日(火)14時から17時にかけて、徳島文理大学薬学部にて北村圭先生並びに学生スタッフの方から、薬品合成実験としてアスピリンの合成を指導していただきました。高校の5限目が終了した後、生徒7名・教員1名が大学に移動しました。男女2つの班に分かれると簡単な自己紹介の後に実験の説明があり、サリチル酸からアセチルサリチル酸(アスピリン)を合成しました。

 サリチル酸を無水酢酸とじっくり反応させ、氷浴により冷却すると白色の結晶が得られました これを吸引ろ過して結晶を生成した後、再びエタノールに溶かして不純物を取り除くと真っ白な結晶になりました。収率は男子42%、女子が何と91%もありました。その後、塩化鉄(Ⅲ)により未反応のフェノールを確認したり、各磁気共鳴装置NMRを用いて物質の構造を確認しました。

 生徒たちにとってとても有意義な時間を過ごせました。ありがとうございました。

0