令和6年度活動内容

第1回電子顕微鏡操作実技研修に参加して

 7月15日(月・祝)に、神戸市立工業高等専門学校のご厚意で実施しました。生徒4名と教員2名が参加しました。

 走査型電子顕微鏡(SEM)は大変高価な機器であり、高校生が手軽に扱える機会はまずありません。しかし、今日はそれに触れて実際に元素分析できるので、軽い緊張感の中で実習を行いました。まず、電子顕微鏡を起動して真空ポンプを稼働させ試料室内を真空にします。そして、上部のフィラメントから電子線を試料に照射して、表面から飛び出した二次電子を検出器で読み取ります。このデータをPC上で加工して使える状態にするのです。

 今回は、地元の眉山で採取した金属のような黒色物質と、岐阜県根尾谷の菊花石をライン分析しました。画面上のラインに沿って電子線が当たると、そこに含まれていた元素が判明します。定量分析を行えば組成式を求めることもできます。最初は四苦八苦していましたがすぐに慣れてきて、分析も半ばを過ぎる頃には手回し良く準備・分析・保存ができるようになりました。

 貴重な体験をさせていただきましてありがとうございました。

 

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Science Introduction(SI)【実験の設定(温泉卵をつくろう)】

7月12日(金)5限目のScience Introduction(SI)では「実験の設定(温泉卵をつくろう)」を実施しました。本校応用数理科1年生では自由研究を宿題としてます。自由研究において実験を計画する際、変数(独立変数)を決めその値の設定し、結果(従属変数)がでるという考え方を知っておくことが大切です。実験おける大切な考え方を育成し、論理的に実験の計画が立てられるように、この授業を計画しました。

授業ではまず温泉卵の定義と、変数(独立変数)とその値並びに結果(従属変数)について説明しました。その後、変数(独立変数)を温度と加熱時間とし、班内で話し合い、温泉卵を作るための値を決めました。クラス内のすべてのデータを集め、温泉卵ができる条件を考察することとしました。その場合、複数種存在する卵の種類はどうすればいいかや加熱する際の水の量、またどれくらい水につけるかなど、制限変数についても考える機会としました。

結果は、短い時間で80℃以上に設定した班は白身だけ固まり、60℃~80℃に10分程度設定した場合、白身と黄身がやや固まる状態になっていました。50℃以下に設定した場合は時間に関わらず、白身も黄身も固まっていません。このデータを受けて、温泉卵を作るにはどのようにすればいいか実験の計画を立てることを宿題としました。実験データを分析し、創造力を持って新たな実験の計画を立ててほしいと思います。

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応用数理科308HR ScienceEnglishⅢ(making ice cream)

7月10日(水)応用数理科308HR ScienceEnglishⅢの授業で全員が英語論文を提出できたお祝いとして、Science experiment【Making ice cream】を行いました。まず今回のテーマである【Heat of solution:溶解熱(吸熱反応)】と【Freezing point:凝固点】について説明した後、【Recipe:レシピ】について説明、【Milk:牛乳】と 【Fresh cream:生クリーム】の量の調整は、調整できるようにしました。さて、食べてみると、とっても美味しい。作り立てのアイスクリームは優しい味でした。アメリカではアイスクリームマシンがあり、お家で作るそうです。少し量が多かったかなと思いましたが、全員完食しました。

また、本日は、ALTであるParker先生最後の授業でした。3年間の城南高校の勤務を終え、アメリカに帰られます。308HRは入学時からお世話になりました。308HRの生徒たちから感謝の気持ちをこめ、花と色紙のプレゼントをしました。Parker先生から「失敗を恐れず世界へチャレンジしてほしいと」のメッセージをいただきました。卒業後留学希望の生徒もいて、ぜひパーカー先生のメッセージを受けて、国際的に活躍できるグローバル人材へと成長してほしいと思います。

 

  Recipe:レシピを説明し、アイスを作ります           Parker先生お世話になりました

  Travis先生も加わってくれ、Experimentの実施です

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応用数理科107HR 高大連携授業【徳島大学pLEDフォトニクス研究所】

6月28日(水)6、7限目に応用数理科107HRにおいて、徳島大学pLEDフォトニクス研究所から、片山哲郎先生をお招きして高大連携授業を実施しました。

最初は研究者になった経緯と現在の研究、そのやりがいについて自己紹介と合わせて、説明していただきました。大学4年生での卒研では分光装置を作る研究を行ったそうですが、あまり教えてくれず、自分で論文を読み推論し、作成したそうです。その経験から「勉強は暗記だけではなく、経験や考察も勉強である」とおっしゃっていました。また、ずっと信号が見えなかった分光装置で初めて信号が見えたとき、「推論が正しいことを知り鳥肌が立つくらいの喜び」を得たそうです。今でも年に数回あるこの体験が研究者の喜びであるとおっしゃっていました。

ご自身が行っている研究は「新しい発想からの分子のふるまいを見る装置の開発」だそうです。現在は分子のふるまいを見るために、過渡吸収スペクトル測定法が用いられており、最初に光を当て分子を励起状態にし、次の光の反射率を時間経過ごとに見ることで、光が当たった後、どのように分子が変化していくかを見る方法が一般的です。片山先生は「ファーストペンギンになれ」との言葉に感銘を受け、現在の「光や電子パルスを用いた反応トリガーが超高速化学反応計測には必要という常識」を破壊し、新規高速反応計測装置の開発を目指す研究をしておられます。こちらの装置開発が成功すると、ノーベル賞は間違いないとのことを聞き、生徒たちはすごい研究であることに驚いていました。研究については、難しい内容ですが、研究内容について休憩時間に積極的に質問に行く生徒たちが多くみられました。生徒たちの主体的に学ぶ姿勢に感動しました。

 

  研究の面白さやご自身の研究についての説明           休憩時間に積極的に質問を行っていました

休憩をはさんで、実験を行いました。ケミルミネッセンスを用いた光の実験です。造花に溶液をかけ、その後反応液を掛けることで化学反応が起き、そのエネルギーが蛍光色素に移動して光る現象です。様々な色に光る造花を見て、生徒たちは「励起状態」や「化学反応」と「光」の関係について、興味を惹かれているようでした。

現在、活躍されている研究者の考え方や研究の面白さを知ることで、研究に対する理解を深めると共に、実際に体験する実験等で科学に対する興味関心を伸ばしてほしいです。高大連携授業で感じることは、最前線で活躍されている方のお話は面白く、迫力があります。生徒たちが本物と出会う機会をより提供し、多くのことを学ぶ機会を提供していきたいです。

 

  造花に溶液をかけておきます          反応液を掛けると、鮮やかに光ります

 

 こちらの班では青色に光っています         興味を持って話を聞いていました

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海外研修説明会について

7月5日(金)18:00~海外研修説明会を実施しました。40名弱の生徒及びその保護者が参加しました。現在、JSTに海外研修計画を提出しており、認められると実施することとなります。昨年度より、海外研修の研修先を改め、日本から近く移動時間と費用が抑えられ、豊かな自然や固有の歴史・文化があり、半導体やICT分野などで優れた技術力を持つ台湾を研修先と選定しています。現在、継続した国立竹南高級中学との交流を行っており、今年度も国立竹南高級中学を訪問し、課題研究や探究活動の英語発表や英語での理科実験教室を行う予定です。

説明会では、海外研修で得られる効果や目的を説明し、昨年度研修の内容やアンケート結果を説明しました。今年度は、昨年度の取り組みを継続しつつ、よりよい研修になるよう計画したいと思います。

 

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応用数理科207HR ScienceEnglishⅡ「Water balloon drop」の実施

7月10日(水)5限目 207HR ScienceEnglishⅡの授業で「water balloon drop」を実施しました。ALTであるパーカ―先生とトラビス先生、それと理科教員が中心に授業を計画しました。授業では、グループで持っている25$で7種類のmaterial(材料)を購入し、water balloon(水風船)を2階から落とした際、割れない構造物を作ることが目的です。

まずは、key word:Air resistance、Shock absorption、Action and reaction force 、Ground contact area について説明し、どのFactorを増やす(もしくは減らす)ことを目的にするのか明確にしてから、構造物のデザインをしました。構造物のデザインは、25$で買うものを考えながら進めていきます。

実際に落とす前に、どのFactorを増やす(減らす)ために、どのようなデザインにしたのか発表しました。英語で発表した後、体育館への通路から落としました。昨年度は、water balloonに水を多く入れ、ほとんどの班が失敗でしたため、今年度は水を少なくした結果、ほとんどの班で成功しました。最後は、ALTが投げたwater balloonを割らずにキャッチできるか挑戦しましたが、すべての生徒で失敗しました。非常に楽しい実験授業で、大盛り上がりの一時間でした。授業でのワークシートを載せておきます。

water balloon drop.pdf

$25で買う7種類のmaterial(材料)の説明です   実際に作ります             Let's Drop

 

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応用数理科2年生(207HR)課題研究中間発表Ⅰ

6月26日(水)13:00~化学室にて、応用数理科2年生が「理数探究」で実施している課題研究の中間発表Ⅰがありました。第一回目の発表であり、かつ修学旅行から帰ってきてからすぐの発表ということで、発表準備に苦労していました。代休日である前日に学校に来てまとめをしている班が多くあり、結果のまとめや考察について、担当教員と一緒に考え、発表スライド・発表原稿を作成していました。

当日の発表では、まだ研究計画の段階の班もあり、検証実験はまだまだですが、それぞれテーマ決定への着眼点は面白く、動機や目的には興味を惹かれるものが非常に多かったです。また当日は運営指導委員会も合わせて行われ、大学の先生や企業の方々に参観していただきました。本校教員や大学の先生、企業の方々からの鋭い質問に対し、自分たちの考えをまとめ一生懸命に答えていました。まだまだ、発表に自信がなく、まとめや考察に関しても十分ではないですが、発表会を経験してくことで、自信を持って発表や質疑応答が行えるようになります。課題研究における一連の経験で論理的思考力が育成され、問題解決能力、プレゼンテーション能力、実験計画能力やコミュニケーション能力が向上されると考えます。我々教員も一生懸命サポートします。ぜひ、応用数理科での経験から科学技術人材としての資質能力を身に付けてください。

今年度の研究班は11班で、発表テーマは以下の通りです。

物理分野:長距離での糸電話、摩擦によるドミノの転倒速度の違い、グラスハープの規則性

化学分野:廃棄される柚香の再利用、クロスカップリング反応を用いた化合物の合成

生物分野:オオカナダモの紅葉条件、柚香非可食部での和紙作りとその効果の検証、アオサノリの陸上養殖に適した条件の検証、枯草菌における芽胞形成と温度条件について
地学:徳島市における夜空マップの作成、耐震構造による家屋の揺れの違い

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応用数理科Advanced Science 生命科学

6月25日(火)Advanced Science 生命科学分野を実施しました。今回のテーマは、「金属イオンがゾウリムシの繊毛運動に与える影響」です。慶応義塾大学の実験を参考にさせていただきました。

すべての真核生物の繊毛は、中心に2本の微小管とその周囲に9本の二連微小管から形成されています。この二連微小管に結合するダイニンがATPを分解し、隣り合う二連微小管上を滑ることで繊毛が動きます。繊毛の動きは、ダイニンのATP解酵素活性と深く関係しており、この酵素は、Mg2+(マグネシウムイオン)やCa2+(カルシウムイオン)で活性化され、Ni2+(ニッケルイオン)で阻害されます。Ni2+により停止した繊毛運動が、他の金属イオンを用いることで回復するかどうか遊泳行動を観察して調べることで、各種金属イオンの繊毛運動に与える効果を考察することを目的としました。

実験では、まず100 mMのNiSO4水溶液を作成し、それを希釈することで0.5 mM、0.3 mM、0.1 mM、0.02 mMのNiSO4水溶液を作成しました。次にマイクロピペッターでゾウリムシ懸濁液を75μLを時計皿に取り、実体顕微鏡で観察し動きを確認しました。その後、0.02mMのNiSO4水溶液を75μLを加え、3分間は連続で観察をおこない、その後は、3分おきに12分まで観察しました。遊泳速度や泳ぎ方の変化に注意して観察すると共にゾウリムシの半数が遊泳を停止した時間を記録できるようにしました。また、0.1 mM、0.3 mM、0.5 mMの濃度のNiSO4水溶液で同じ操作を行い、観察を行いました。

 結果は、0.02 mMでは、動きがゆっくりになり、0.1 mMではくるくる回る本来の動きがなくなり、同じところを行ったり来たりする動きになり、0.3 mMや0.5 mMでは、3分でほとんどの個体が動かなくなりました。

Ni2+(ニッケルイオン)の濃度により、動きの変化や時間により動かなくなっていくゾウリムシを観察し、顕微鏡を見ながら「動かなくなった」「動きが変わった」と声を発するほど、生徒たちは興味を惹かれていました。 

次に、ゾウリムシ懸濁液75μLを時計皿に取り、0.2mM NiSO4を75μLを加え、すべてのゾウリムシの動きを止め、100mMのCaCl2、MgCl2、BaCl2、並びに蒸留水を75μL加え、3分までは連続観察し、その後は、6分後、10分後の様子を観察・記録し、動いていたゾウリムシの割合を記入しました。

結果は、Ca2+(カルシウムイオン)では、6分後には動きが活発になり、10分後には本来の動きに戻る場合が多く、 Mg2+(マグネシウムイオン)では動きは回復するんものの、10分後に本来の動きになる個体は半分程度でした。Ba2+(バリウムイオン)では、やや回復するものの動きが戻った個体は20%~30%でした。

金属イオンにより動きの回復がみられるものの、金属イオンの種類により回復の様子が異なっており、生徒たちは金属イオンの影響を非常に面白く感じていました。

この実験は動きの違いや時間による変化が見られ、生徒の興味関心を惹くことができ、金属イオンが代謝に与える影響についての導入実験になると感じました。今後、他の原生生物で実験を行うなど新たな教材開発に挑戦してみたいです。

ゾウリムシについて説明しています      マイクロピペットを扱います    ゾウリムシの動きがよく分かります

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応用数理科Advanced Science 高大連携授業 生命科学

6月18日(火)Advanced Science 高大連携授業 生命科学分野として、先週に引き続き徳島大学教養教育院 教授 渡部 稔 先生の所へ訪問させていただきました。本日のテーマは「電気泳動にてお米のDNA断片を分析しよう」です。先週PCR法にて増幅したDNA断片を本日は電気泳動にてDNA断片の長さに応じて分離し、分析します。初めに、先週増幅したDNA断片をDNA分子マーカーと共に電気泳動にかけました。すべての生徒がアガロースゲルのウェルに流し込むことに成功し、電気を流しました。通電してるかどうかは、電極を見れば分かります。+極には酸素、-極には水素が泡となって発生していると電気が流れている証拠です。通電している間に、電気泳動の仕組みを説明していただくと共に、2つ目の実験を用意していただいていました。

2つ目の実験は「プラナリアの再生実験」です。プラナリアは驚異の再生力を持ち、小さく切り刻んでもそれぞれから再生し、新たな個体が生まれてきます。プラナリアが再生する仕組みは、磁石のN極S極の仕組みと同じで、小さく切断されれば、新たな位置情報が発生し、位置情報から体の部分が作り直されるとのことです。生徒達は不思議な再生能力を持つプラナリアに興味を惹かれ、プラナリアをどのように切断するか思考をめぐらせていました。実際の切断では、手慣れた手さばきで上手に切断できていました。再生の結果は、後日写真を送ってくれるとのこと。生徒の興味関心を惹き、じっくり考えることができる非常に面白い教材であると感じました。また、学校でも実施してみたいと思いました。

さて、電気泳動はすべての生徒で成功。お米の品種分析は完璧でした。高大連携授業を通じて、大学での学びについて理解でき、さらに生命現象について、じっくりと考え、検証していく面白さを分かってもらったのではないでしょうか。引き続き、生命現象を教材として科学的な物の見方や考え方を育んでいきたいです。

PCRで増幅したDNA断片をアガロースゲル 通電させ、泳動させます  プラナリアを実体顕微鏡で見ながら切断します

のウェルに入れています。

氷の上にろ紙を置き、動きを止めます       上手く切断できました

                      プラナリアは大きくなると自然に切断され、2匹になるそうです

このように切り刻むと          10日後 合計10匹のプラナリアができました(全部目があります)

紫外線を照射し、アガロースゲル上のDNAのバンドを見る   A:2つのDNA断片のバンドがあるもの(ひとめぼれ)

装置です                         B:長いDNA断片のバンドがあるもの(あきたこまち)

                             C:短いDNA断片のバンドがあるもの(コシヒカリ)

 

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台湾 国立竹南高級中学203HRとのオンライン交流(2回目)について

6月17日(月)日本時間13:30~15:00、本校応用数理科207HRと台湾国立竹南高級中学の203HR(BiomedicalClass)生徒と第2回目オンライン交流を行いました。

今回はEndemic Species(固有種)についての発表です。Microsoftチームズでそれぞれのブレイクアウトルームに分かれ、グループごとに発表を行いました。前回の反省を生かし、事前準備としてEndemic Species(固有種)について、それぞれのグループで調べ、スライドの作成を行い、発表練習を行ってきました。また、Microsoftチームズを使った発表練習を行い、準備をしてきました。通信やグループ分けのトラブルもありましたが、何とか発表できました。次は、海外研修に参加する人の紹介と現地で発表する課題研究の内容を説明を行う予定です。オンラインでの交流を継続して、より効果の高い12月の海外研修が実施できるよう取り組みを進めていきます。さらに今後は共同研究の実施や合同発表、また課題研究の手法の伝達など、サイエンスや探究活動を通じた国際交流を実施できればと考えています。

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