平成31・令和元年度

高校生向け「組換えDNA実験講習会」に参加してきました!

日 時 令和元年7月25日(木)・26日(金)
場 所 徳島大学蔵本キャンパス 先端酵素学研究所

 本校の2年生1名が参加してきました。応募者多数で抽選で参加が決まった1名です。
講習会ではDNAの基本的な知識から遺伝子組み換え技術に関する講義を聴いた後、実際に2つの実験に取り組みました。
 実験1では大腸菌にプラミスドを用いて,GFP遺伝子やアンピシリン耐性遺伝子を組み込むことでうまく遺伝子が導入されたかを
確認する方法を学びました。紫外線を照射し,緑色に光る大腸菌が確認されると実験室に「うわーっ!」という歓声が響いたのが
印象的でした。

 実験2では自分の頭髪からとったDNAのMCT118という遺伝子領域をPCRを用いて増幅させ,電気泳動することで個人の違いを
確認する手法を学びました。なかなかうまく結果が出ず,多くの生徒が残念がっていました。

 考察の時間は遺伝子が組換えられた大腸菌を選別する仕組みを考察し,プラスミドに組み込まれた遺伝子の働きをしっかり
考えました。また実験2がうまくいかなかったことについて,考えられる原因を考察しました。実験でうまくいかなかった原因を考える
ことが,次の実験に生かされるという大切なことも学びました。

 2日間を通して,遺伝子組換えの知識や基本的なスキルを身につけることができ,充実した時間を過ごすことができました。
この場をお借りして,実験を指導していただいた徳島大学の方々にお礼を申し上げます。

「科学への誘い」地学分野に参加しました。

 7月24日水曜日の18:00~21:00、徳島県立総合教育センターで実施された科学への誘い『太陽系と恒星の世界を探究してみよう!』に応用数理科1年生1名が参加しました。講義①では「宇宙に用いられる単位について~宇宙の広がり」を学び、アクティビティとして700億分の1スケールの太陽系を廊下に再現し、光速の100倍の速さの旅を体感しました。講義②では「天体観測入門」として、望遠鏡の仕組みと使い方について学びました。観測会では雲が多くほぼ星が見えない状況でしたが、3Fテラスにおいて、実際に10cm屈折望遠鏡を調整し、地上の物体を望遠鏡の視野内に入れる体験をしました。その後5F天体観測室に移動し、20cm屈折望遠鏡での天体観測に臨みました。時折雲間から現れる木星や4大衛星をなんとか観測でき、参加した生徒からは歓喜の声が上がっていました。講義をいただきました秋山先生、ご準備いただきました総合教育センターの方々に、この場を借りて御礼申し上げます。

「科学への誘い」に行ってきました

2019年7月20日(土) 徳島県立総合教育センターで開催された「科学への誘い」に,本校より応用数理科2年生の2名が,参加してきました。
この日は午前に物理分野,午後に化学分野の2講座が行われました。

【午前:物理分野】「光の性質を体験してみよう!」 
 担当:徳島大学 理工学部 講師  久田 旭彦 先生

 ☆講座の概要について説明を受けた後,まずはプリズムを用いて,光の色調(波長)の違いによる屈折のしかたの違いについて,照射する
  光の色や角度を変えながら,検証しました。

 ☆簡易分光器を組み立て,窓から指す太陽光,蛍光灯の光,白熱電球の光,LED電球の光を,それぞれ観察しました。その後に,
  光源によるスペクトルの違いについて検証しました。

 ☆吸水性ポリマーを膨潤させて作った球状のゲルを,透明の容器に入れた水中に沈め容器の側面から観察すると,ゲルの姿が見えなくなる
  現象を基に,屈折について参加者で考えてみました。

【午後:化学分野】「スプーンに含まれる銅を調査してみよう!」
 担当:徳島県立総合教育センター 学校経営支援課 研究支援担当 班長  平田 義明 先生

 ☆どこの家庭にもあるスプーンについて,それがどのような材料からつくられているのかを知るために,用意された3本のスプーンに対して,
  1本ずつ磁石を近づけてみました。その中で,1本だけくっついたものがありました。金属製スプーンは材料として,「ステンレス」,
  「洋白」,「銀」がよく知られているそうです。すなわち,磁石についたものは,鉄を主成分とする合金の「ステンレス」製であることが
  分かりました

 ☆あとの2本は,「洋白」製のものと,「洋白」製のものの表面を銀でめっきしたものでした。「洋白」とは,銅を主成分とする合金で,
  「洋銀」や「ニッケルシルバー」の別名でもよばれます。日常では,500円硬貨として見かけることができます。この後は,調製済みの
  スプーンを削り取った金属粉の溶液を用いて,スプーンに使われていた洋白中の銅を定量する一連の操作を,実際に行ってみました。

(下の写真は,原子吸光分析装置を操作しているところです。)

午前・午後ともに,同じ実験台で他校の生徒さんとお互いに協力しながら,作業を進めていくことを通して,少しですが交流することもできました。
また,参加した生徒たちは,9月に行われる「科学への誘いーadvancedー」にも参加したいという気持ちで,総合教育センターを後にしました。
最後に,企画・運営に携わっていただいた多くの先生方に感謝申し上げます。ありがとうございました。

園瀬川総合科学調査

 本年度は梅雨空が続き実施が危ぶまれましたが、7月16日(火)の午後に応用数理科1年生によって園瀬川総合科学調査が実施できました。園瀬川総合科学調査はSSHに指定された平成15年度より実施されており、「上流」「中流」「下流」に分かれて調査が継続されています。主な調査内容は「流速」「透明度調査」「パックテスト」「水生昆虫の採取」です。水生昆虫については、水量が多い時期が続きやや少ない状況でしたが、参加した生徒は、科学調査の基本を学ぶことができました。これらの体験が今後の探究活動につながることを期待します。

【上流】

【中流】

【下流】

ある日の授業で化学実験

 応用数理科では、学校の授業においても多くの実験や実習をしています。課題研究など自分たちが興味のあることだけを学ぶのではなく、将来研究者として活躍するためにも様々な経験を積むことも大切なのです。物理・化学・生物・地学といった垣根を取り払い、関心の薄い分野にも関わってみました。
 今日は理数化学の授業を使って、モール法を用いた塩分濃度の測定です。塩化銀とクロム酸銀の溶解度の違いを利用した滴定法で、高校では余り行われていません。しかし、中和滴定に慣れている生徒にとってはたやすいものでした。試料として吉野川河口で採取した水を用いました。海水は3.5%くらいですが、淡水の混じった汽水域では濃度が低くなるはずです。結果は各班とも2.2~2.6%の範囲になりました。妥当な数値だと思われます。
 今後も機会があればこうした実験を行い、生徒の意欲と関心を引き出し、研究者としての人材を育成したいです。