平成23年度

会議・研修 徳島県立博物館現地研修

 応用数理科108HRは11月16日(水)に本校の近くにある徳島県立博物館で現地研修を行いました。
 今回の研修では企画展「描かれた地震」を見学させていただきました。今回の企画展は、安政江戸地震の後に大流行した風刺画である「鯰絵」の貴重な実物をメインに、地震や震災、断層地形等に関する様々なパネル、兵庫県南部地震で出現した野島断層の断面はぎ取り標本や断層による破砕帯で特徴的な岩石の標本などで構成されていました。
 研修では、企画展担当の中尾賢一先生からお話を伺い、質疑応答にお答えいただきました。中尾先生によると、標本など形のあるものを展示する博物館において、企画展に実体のない「地震」を取り上げるのは大変珍しいそうです。また、今回の企画展は一年以上前から準備を進めていたそうで、東日本大震災の後の開催となったのは偶然だそうです。ちなみに会場には東日本大震災に関する特設コーナーが設けられ、津波で泥と海水に埋もれた陸前高田市の博物館の植物標本を徳島県立博物館で修復したもの等が展示されていました。生徒は中尾先生から展示内容について一通りレクチャーを受けた後、各自で会場を回り、見学した内容をワークシートにまとめていきました。中尾先生は会場で個別に補足説明をしていただいたり、質疑にお答えいただいたりしました。今回の現地研修で、地震や防災に関する知識や意識を高めることができました。
 なお、この見学に際して、中尾先生から様々なご教授を賜り、また授業での利用ということで博物館より観覧料の免除を賜りました。さらに会場での記録写真の撮影もご許可いただきました。この場を借りて厚く御礼申し上げます。

会議・研修 徳島大学出張講義「ニュートリノの世界 素粒子物理学の最前線」

 11月2日(水)、応用数理科108HR40名が、徳島大学総合科学部の伏見賢一先生をお迎えして、「ニュートリノの世界 素粒子物理学の最前線」というテーマの講義を受講しました。高校では陽子よりも小さな“素粒子”について詳しくは扱いません。今回の講義は、大学での講義を少しだけ垣間見せてくれるものでした。
 まず素粒子物理学の黎明期から現在までの大まかな流れと加速器や各種検出器の発達の歴史、そして反物質やクォークに関する内容では、2008年のノーベル物理学賞の対象となった小林・益川理論や“対称性の破れ”についてもお話がありました。
 そしてニュートリノについて、素粒子としての基本的な話から、ニュートリノの観測方法(カミオカンデ他)、超新星1987Aとノーベル賞、天文学上の謎とされてきた太陽ニュートリノ問題を解決したニュートリノ振動の観測、最近話題となった“光速を越えるニュートリノ”の話題まで、詳しいお話がありました。
 そして最後に伏見先生が挑戦している研究(宇宙暗黒物質/理論的に存在が予想される未発見の素粒子の観測)や研究者に必要な資質、高校時代に何を学び、どう過ごすべきか、さらに就職氷河期の中でも物理系の学生に対する企業のニーズは高く、就職率が非常に高いといったこともお話しくださいました。
 講義を聴いた生徒は、科学全般や物理学・天文学、大学での学びなどに大いに興味関心をかきたてられたようでした。

会議・研修 「活断層と地震」講義および現地研修

 10月に高大連携講座として「活断層と地震」と題した講義と現地研修を実施しました。講師は徳島大学の村田明広先生です。18日(火)に本校で行われた講義では、まず東日本大震災について、先生ご自身が現地入りして調査を行った時の写真を用いて、巨大地震と大津波の被害状況等に関するお話をお聞きしました。それから私たちが直面する南海地震について、発生のメカニズムや地震および津波の被害予想、中央構造線活断層および兵庫県南部地震について詳しくお話しいただきました。そして25日(火)には、応用数理科2年生全員で貸し切りバスにて淡路島まで行き、北淡震災記念公園等で校外研修を行いました。行きのバスの中では中央構造線や淡路島の活断層地形などについて、また北淡震災記念公園では、活断層露頭や震災に遭った住宅などを見学しながら先生にご説明をいただきました。そして明石海峡大橋の下では、断層運動によって巨大な橋脚が1m以上ずれたというお話しをお聞きしました。

会議・研修 平成23年度SSH生徒研究発表会報告

 スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の生徒が課題研究の成果を発表する「平成23年度スーパーサイエンスハイスクール生徒研究発表会」が、8月11日(木)、12日(金)の2日間の日程で、文部科学省及び(独)科学技術振興機構(JST)の主催により神戸国際展示場(ポートアイランド)において開催されました。来場者は、SSH 指定校を代表しての参加者(生徒・教員)のほか一般の方を含めて2千人を超えます。なお、例年は横浜で開催されますが、東日本大震災と原発事故の影響で電力受給の逼迫する今夏に、東京電力管内で大規模な大会を開くのが難しいと予想されたため、今年は西日本での開催となったそうです。
 本校からは応用数理科3年の武田君、中野君、六鹿君が「紙の落下の不思議」というテーマでポスター発表の部に参加しました。
 本校は前日10日に、高速バスとポートライナーを乗り継いで現地入りし、ポスター発表のブースセッティングとポスター発表リハを行いました。
 そして研究会1日目午前は,大阪大学免疫学フロンティア研究センター拠点長の審良静男先生の記念講演の後,指定3年目の平成21年度指定校9校と公募で選ばれた9校、中国・台湾・タイの招待校から3校の合計21校の生徒が6つの分科会に分かれて口頭発表を行いました。午後には4時間ぶっ通しで、SSH134校と海外招待校9校によるポスター発表が行われました。本校生徒もブースを訪れる他校の生徒、高校や大学の先生方、一般見学者を相手に、ポスターや動画を使いながら3人で協力して一生懸命実験内容の説明をしました。そしてポスター発表の後、口頭発表代表発表校3校の選出がありました。
 研究会2日目には,メイン会場で代表発表校3校が口頭発表を行った後,引き続きポスター発表が行われました。そして閉会全体会で講評、そして表彰が行われ、口頭発表校に文部科学大臣賞と科学技術振興機構理事長賞、ポスター発表校にポスター発表賞が授与されました。本校はポスター発表賞の獲得はなりませんでしたが、参加した3人にとっては、他校の優れた研究と発表の様子を知り、自らも研究内容を発表した今回の経験は、本当に貴重で今後に生かせるものとなったようです。

☆前日(ブース設営・発表リハ)

☆1日目

☆2日目