会議・研修 徳島大学出張講義「ニュートリノの世界 素粒子物理学の最前線」

 11月2日(水)、応用数理科108HR40名が、徳島大学総合科学部の伏見賢一先生をお迎えして、「ニュートリノの世界 素粒子物理学の最前線」というテーマの講義を受講しました。高校では陽子よりも小さな“素粒子”について詳しくは扱いません。今回の講義は、大学での講義を少しだけ垣間見せてくれるものでした。
 まず素粒子物理学の黎明期から現在までの大まかな流れと加速器や各種検出器の発達の歴史、そして反物質やクォークに関する内容では、2008年のノーベル物理学賞の対象となった小林・益川理論や“対称性の破れ”についてもお話がありました。
 そしてニュートリノについて、素粒子としての基本的な話から、ニュートリノの観測方法(カミオカンデ他)、超新星1987Aとノーベル賞、天文学上の謎とされてきた太陽ニュートリノ問題を解決したニュートリノ振動の観測、最近話題となった“光速を越えるニュートリノ”の話題まで、詳しいお話がありました。
 そして最後に伏見先生が挑戦している研究(宇宙暗黒物質/理論的に存在が予想される未発見の素粒子の観測)や研究者に必要な資質、高校時代に何を学び、どう過ごすべきか、さらに就職氷河期の中でも物理系の学生に対する企業のニーズは高く、就職率が非常に高いといったこともお話しくださいました。
 講義を聴いた生徒は、科学全般や物理学・天文学、大学での学びなどに大いに興味関心をかきたてられたようでした。