2015年8月の記事一覧

会議・研修 全国SSH交流会支援教員研修 報告

 筑波大学附属駒場中・高等学校(筑駒)の数学科は、世田谷区の校舎や他県にて教員研修会を開催しています。そして本校数学科教員が筑駒の研修会に参加して交流があったことや、本校がSSH校であったことなどからお声がけいただき、今夏は本校を会場として、県内外の高校現場の先生方をお招きした研修会を共同開催しました。

 

全国SSH交流会支援教員研修 数学科教員徳島研修会(SSH研究成果発表及び研究協議会)

開催日:平成27年8月26日(水)
主 催:筑波大学附属駒場中・高等学校数学科

共 催:徳島県立城南高等学校

会 場:城南高校大会議室 ※通常の教室では参加者が入りきらないため、研究授業も大会議室で実施

 

午前中の研修では、本校応用数理科の1,2年生がモデルクラスとして研究授業に参加しました。2年生は筑駒の須田先生による図形と方程式を題材とする授業でした。お客様を迎えた大会議室で、授業者の須田先生と初顔合わせでいきなりの授業ということで、最初はかなり緊張していましたが、よく似たシチュエーションは高大連携授業で経験しているので、だんだんいつもの雰囲気を取り戻していました。1年生は本校の長瀬教諭による2次不等式を題材とする授業でした。こちらは概ねいつもの積極的な様子でした。どちらの授業も、特に筑駒の先生方は授業観察をしながら、結構自由に生徒にアドバイスしてくださるなど、半ばティームティーチングのような生徒との交流場面がありました。参加した生徒にとって数学への興味関心を高める良い機会となったようです。

本校教員にとっても、筑駒数学科の取組や開発した教材の発表、香川県立観音寺第一高等学校の石井先生によるアクティブラーニング型授業の発表など、学ぶことの多い研修でした。そして筑駒の先生方や観一の石井先生ともSSH校同士として教員交流や情報交換を大いに深めることができました。

また本校SSHでは「地域における科学の中核校」をミッションの一つに掲げております。今回の研修が、ご参加いただいた他校の先生方に少しでもお役に立てば幸いです。
配布資料日程抜粋.pdf

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 応用数理科2年生は8月11日に、午前中は高輝度光科学研究センター、午後は神戸大学で研修を行いました。
☆高輝度光科学研究センター(SPring-8&SACLA):兵庫県佐用郡佐用町光都1丁目1-1
 現地に到着すると、まずSACLA(SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser)の実験研究棟で、技術者の方から施設の概要をDVDと講義で学びました。それから、点検中の実験ハッチを見学しながらレクチャーを受けました。それからバスでSPring-8(Super Photon ring 8 GeV)の中央管理棟に移動し、幸いこの日は施設が休止中だったため、普段は入れない放射線管理区域内の実験ホールを見学させていただきました。一周1400m超の実験ホールを約4分の1周し、様々な装置を見ることができました。そこから再びSACLAの実験研究棟に戻り、タンパク質の研究を行っている理化学研究所の研究員の方、施設の運営管理を行っている事務職員の方からお話を伺いました。技術者(工学系)・研究者(理学系)・事務職員という異なる立場からのお話をお聞きして理解が深まりました。生徒からは日本の技術力に感心したという意見や、将来この施設を活用するような研究者を目指したいといった意見が寄せられました。お世話になった皆様にこの場を借りて厚く御礼申し上げます。

☆神戸大学
 生徒各自の進路志望等により、工学部・農学部オープンキャンパス及び吉本先生研究室に分かれて研修を行いました。
・大学院システム情報学研究科教授 吉本雅彦先生 研究室訪問
 7名の生徒が、本校の卒業生である吉本先生の研究室を訪問させていただき、「コンピューターの高性能化により社会が変わる」というテーマで講義を拝聴しました。まずコンピュータのアーキテクチャの基本的概要と半導体デバイスの微細化、それに伴う高性能化の推移について教わりました。そしてそれが私たちの社会をどう変えていくのか(Cyber Physical SystemによるSmarter World)、そして先生が予測する2020~2045年に起こるIT技術革新のお話がありました。そしてIT技術革新に伴う社会の大変革の時期と、現在の高校生が社会人になる時期が重なること、だから大学合格が最終目標でなく、その先を見据えて自分の進路や人生を考えて欲しいと熱く語ってくださいました。
 その後、助教の和泉先生、研究室の学部4回生、大学院生の方々に研究室のことやご自分の研究内容のデモ、大学生活などについて、親切に質問に答えていただきました。
 午前中のオープンキャンパスに引き続き、本校応用数理科生徒のために研修会を開催してくださいました吉本先生をはじめ、研究室の皆様に厚く御礼申し上げます。

バス J-Linkツアーin関西 企業・大学研修107HR

 応用数理科1年生は8月7日に、午前中は新日鐵住金広畑製鐵所、午後は甲南大学フロンティアサイエンス学部にて県外研修を行いました。
☆新日鐵住金株式会社広畑製鐵所(姫路市)
 鉄スクラップなどの冷鉄源からSMP法で鋼材を作り出す製鋼所や、様々な用途の高品質薄板鋼板を作り出す工場群、また環境省と共同開発した施設で、日本国内で年間約百万トン発生する古タイヤを溶解炉の熱源や鉄源にしたり、熱分解してガスや油、鉄ワイヤーなどに分離して再資源化するタイヤガス化リサイクル施設などを有する会社です。
 見学センターで広畑製鐵所に関する概況説明とビデオ上映のあと、作業服・ヘルメット・軍手を着用して、バスで製鐵所敷地と熱延ライン、タイヤガス化リサイクル施設の見学に行きました。非常に広大な敷地には工場だけでなく、線路・道路・橋・港湾施設などがありました。熱延ラインは点検中で1200℃に熱せられた鋼材(スラブ)が高速で移動する様子は見られませんでしたが、点検修理中の作業員との比較で、機械の巨大さを実感しました。また車窓からでしたが、タイヤガス化リサイクル施設の中心である外熱式ロータリーキルンが稼働する様子や工場内の火力発電所等を見学しました。(広報センター以外は写真撮影等禁止でした。)
 ご説明・ご案内いただきました広畑製鐵所OBの生原さん・中村さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

☆甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科(神戸市中央区)
 甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科では、発生生物学・分子生物学・細胞生物学がご専門の西方敬人先生(徳島県ご出身)と、4人の院生・学部生TAの皆さんのご指導の下、「生命の単位・細胞を調べる」というテーマで、3~4人一班で自分の口腔粘膜上皮細胞を染色して観察する一連の実験実習を行いました。最初に実験内容と操作に関する説明をお聞きした後、実験実習に取りかかりました。今回の研修で、マイクロピペット・双眼生物顕微鏡・遠心分離器の基本操作、メイグリンワルド染色液とリン酸緩衝液を用いた細胞染色法を学ぶことができました。また同時に、細胞を調べるとどんなことが分かり何に役立つのかといった内容や、高校と大学の学びの違いや高校教科書と本物の違い、大学での学問とはどういうものか(西方先生流学部生の鍛え方)など多岐にわたる興味深いお話を聞くこともできました。
 ご指導くださった西方先生を初め、お世話をいただいた学生や事務室の皆さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

理科・実験 化石採集フィールドワーク

実施日:2015年8月4日(火)
採集地:香川県香南町香東川河畔(三豊層群・新生代第四紀更新世)

 応用数理科では1年生の夏休み中に、徳島化石研究会会長の鎌田誠一先生を講師にお招きして、希望者を対象に化石採集のフィールドワークを実施しています。昨年夏は台風による増水でやむを得ず中止となりましたが、今年は無事実施することができました。ということで、昨年参加できなかった応用数理科2年生も3名参加しました。
 この日は高温注意情報が出るほどの猛暑で、熱中症に注意しながらの活動でした。先日の台風による増水で河畔の崖が削られて新たな露頭が現れていましたが、枝や樹皮などの材化石はたくさん出るものの、目標だったヒメバラモミ球果化石はあまり採れず、ちょっと残念でした。猛暑の中、現地で熱心にご指導いただいた鎌田先生に厚く御礼申し上げます。なお、鎌田先生から産地や地層が異なるものの、全員にヒメバラモミ球果化石をお土産にいただきました。
※鎌田誠一古代ロマン博物館

会議・研修 第39回全国高総文祭(滋賀びわこ総文)自然科学部門参加報告

 第39回全国高等学校総合文化祭自然科学部門が7月30日~8月1日まで滋賀県で開催されました。本校生物部門の口頭発表には生徒3名(片岡・松岡・杉内)教員1名が参加しました。発表テーマは「広石谷川に生息するコケ類及び藻類と重金属の関係」です。初日と2日目は開会行事の後、ポスターセッションや物理・化学・生物・地学の各分科会に分かれて口頭発表がありました。理研や企業の展示もありました。記念講演の後の交流会では、琵琶湖の葦について学んだ後、葦笛を製作しました。3日目は琵琶湖を航行する4階建ての客船ビアンカ船上にて、 立体顕微鏡によるプランクトン観察・琵琶湖のDVD視聴・パックテストによる水質検査などの研修を行いました。司会や研修のプレゼンテーション・道案内などの運営等、地元の高校生が大活躍でした。全国の仲間と交流や情報交換ができ、大いに勉強になりました。思い出深い3日間でした。