2018年11月の記事一覧
平成30年度 第1回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会
11月23日(金・祝)午後,本年度の第1回徳島県SSH高等学校課題研究及び科学部研究研修会が,徳島大学を会場にして開かれました。本校からは,応用数理科1年生38名が参加しました。他にも城北,徳島市立の2校からも参加があり,3校合わせて81名の高校生が集まりました。
まず,高校生は13の班に分かれて席に着き,この日の日程等の説明を受けた後,各班ごとのグループ活動を行いました。各班には,徳島大学の学生さんにティーチングアシスタント(TA)として輪に交じっていただきました。そして,話し合いや作業がスムーズに進められるようにお手伝いをしていただきました。
最初のテーマは「自己紹介」。他校生と班を組んでいるということで,たがいに自己紹介を行い,和やかな雰囲気づくりをしました。続いて「(数学や理科などで)興味のあることは何か?」という質問に対して,自分の意見を思いつくままに付箋紙に綴り,一定の時間内に多くの意見をたがいに出し合いました(ここまでの活動が,「ブレーンストーミング」とよばれます)。こうして提示された多くの意見について,関連性を見いだしながら,いくつかのグループに分類し,共通性などを班員どうしで検討して,最終的に班で1つの内容に絞り込み,各班ごとに発表していきました(この多くの意見を集約する手法は,「KJ法」とよばれています)。以後,「先に挙げた事柄に関して,分かっていない,あるいは解明されていないと思われるものは何か?」,「その解明されていないことをどのようにしたら明らかにできると考えるか?」という質問が順番に掲げられ,同じようにブレーンストーミングとKJ法を活用して,班で意見を集約していきました。数時間ではあったものの,生徒たちはこれらの活動を通して,研究対象の設定と現状として存在する問題点を見つけ,さまざまな情報を調査・収集・集約し,それを解決に導くための方法について検討し,的確な研究手法を選択するという一連の研究の進めていく流れを会得しました。これから生徒たちは,2月に行われる第2回研修会までに,自分たちで考えたテーマに基づいて,事前レポートや発表用資料をまとめていく作業を進めていくこととなります。
なお,会場等のご準備や研修会全般にわたってご指導いただいた徳島大学の8名の先生方とTAとしてご協力いただいた13名の学生の皆さん,サポートとしてご参加いただいた県教育委員会ならびに県立総合教育センター5名の先生方,生徒さんを引率していただいた各高校の先生方,そして当日参加された高校生の皆さん,お疲れ様でした,そして,ありがとうございました。では,しっかりしたレポート等を携え,2月にまたお目にかかり,「大変だったけど楽しかった」と言えるような時間を一緒に過ごしましょう。
サイエンスダイアログ
平成30年度城南高校サイエンスダイアログを実施しました。
この事業は世界各国より日本の大学・研究機関へ滞在している優秀な若手外国人研究者に,自身の研究や出身国に関する講義を英語で受けることで世界で活躍するための科学力や視点を養う目的で毎年おこなわれています。
今年度は地元徳島大学大学院医歯薬学研究部よりMahadi Mohammad HASAN先生を招いて講演をおこないました。出身のバングラデシュの文化や歴史,著名人の紹介やご自身が研究されている薬学のお話を写真や図を用いてご紹介いただきました。趣味の写真では徳島の各地の風景や滞在されていた京都の紹介もしてくださり,生徒たちも熱心に講演に聴き入っていました。
こちらの手違いで講演時間が余る一幕もありましたが講義補助としてお越しいただいていた徳島大学大学院医師薬学研究部の木暮先生が丁寧に補足の説明をしてくださいました。講演後は生徒たちから多数の質問(バングラデシュのことや研究内容など)がありHASAN先生や木暮先生が温かく対応してくださり大変充実した研修になりました。HASAN先生,木暮先生大変ありがとうございました。
第38回近畿総文祭自然科学部門参加
第38回近畿高等学校総合文化祭徳島大会が、11月10日(土)~25日(日)の日程で「藍色の空へ羽ばたけ文化の翼」をテーマに開催されます。自然科学部門は11日(日)に文化の森総合公園(徳島県立21世紀館)に於いて、近畿1府4県で自然科学に関する研究・観察に取り組んでいる高校生20グループが研究成果を発表しました。本校からは、吉野川市鴨島町にある「江川湧水」の「異常水温」に関する先行研究から、現在の江川湧水の水温・湧水量・水位を記録し、吉野川水温に対する位相の遅れがどのようになっているのかを調査しているクループが参加し、奨励賞をいただきました。また、生徒実行委員長をはじめとして本校応用数理科2年生が、開・閉会行事および、発表の運営に携わりました。各府県で熱心に自然科学部等の活動に関わっている生徒の発表を聞き、本校参加者も大きな刺激を受け、今後の探究活動がさらに充実するものと期待しています。生徒の皆さんは、前日準備も含め2日間お疲れ様でした
107HR高大連携講座(香川大学・笠先生 第2回)
応用数理科1年生は6月に引き続き、11月2日(金)午後、香川大学教育学部の笠先生をお招きして、課題研究に関する高大連携授業を行いました。
はじめに「証拠の信頼性と妥当性」についての講義があり、信頼性のある証拠、妥当性のある証拠とは何かについて、聴き手に信用してもらう証拠を示すことの重要性についてお話いただきました。
次に、「溶けていく氷」についての演示実験を行いました。アルミ・アクリルの上に氷を置いた場合どちらが先に溶けるか仮説を立て、実験結果について考察しました。ちなみに生徒の仮説は、アルミ17・アクリル21・同時1でした。また、日常的に使用する「冷気」「冷たさ」が伝わるは科学的な用語でないことも学びました。
最後に「あなたはよい科学者か」をテーマに科学者の倫理について考えるアクティビティを行いました。今後課題研究を進めるに当たっての意識付けができました。
応用数理科1年生は、笠先生の高大連携講座、そして本校と徳島大学が共同開催する、課題研究のテーマ設定を主要な目的とする徳島県SSH高等学校課題研究および科学部研究研修会で学んだことを活用し、自分たちで研究班を形成し課題研究テーマや実験計画などを決めていき、3学期から課題研究を本格的にスタートさせます。
「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山
10月31日(水)~11月1日(木)に和歌山県和歌山ビッグホエールにて「世界津波の日」2018高校生サミットin和歌山が開催され,応用数理科の2年生3名が参加しました。今年で3回目の開催であり,本校は2度目の参加となりました。今回は海外48か国,国内49校の参加があり,約400名の高校生が活発に議論を行いました。このサミットは,11月5日の「世界津波の日」に合わせ,日本を含む世界各国の高校生を招き,防災分野における将来のリーダーを育成するとともに,災害から世界中の人々の命を守ることを目的に開催されています。
※11月5日の「世界津波の日」は,津波の脅威と対策について理解と関心を深めることを目的に,2015年12月の国連総会において,日本が提唱し,我が国をはじめ142か国が共同提案を行い,全会一致で採択されたものです。この日が「世界津波の日」とされたのは,安政元年(1854年)11月5日,安政南海地震による津波が現在の和歌山県広川町を襲った際,和歌山県の先人である濱口梧陵が稲むらに火をつけ,津波から逃げ遅れた村人を高台へ導いて,多くの命を救った故事にちなんだものです。
10月31日(水)
午前:分科ブリーフィング 午後:開会式・記念植樹・分科会・レセプション
分科会ではICチップなどを活用し,大切な物を津波による流出から守るアイデアを発表しました。開催前から,生徒が考えたアイデアを海外4か国国内4校で形成された分科会(グループJ)で堂々と英語で発表を行いました。他校も様々なアイデアや防災に関する取り組みについて発表を行っていました。
11月1日(木)
午前:分科会 午後:津波防災講演会・総会・閉会式
分科会では昨日の発表についてディスカッションを行い,グループとしての意見をまとめました。午後からは,津波防災に関する講演会の後,分科会で出された意見をグループごとに発表を行い,その意見をまとめた,「稲むらの火 継承宣言」が採択され,閉会しました。
世界各国から集まった高校生と交流ができ,津波防災について考える事が出来たこの2日間は大変貴重な時間となりました。本校においても,防災に関する意識を高めていけるように頑張りたいと思います。最後に,開催をしていただいた関係者の皆様,この場をお借りし御礼申し上げます。