令和4年度 活動内容
サイエンスダイアログの実施
11月2日(水)6、7限目に207HR生徒を対象に、大会議室にてサイエンスダイアログが行われました。岡山大学資源植物科学研究所からDr. Peitong WANG(ペイトン・ワン)さんをお招きして、大学で研究されている「イネのヒ素集積に関与する遺伝子の同定について」英語で発表していただきました。
生徒たちは事前学習していたとはいえ、英語の研究発表を聞くのは初めてだったので、戸惑いもありましたが、最初は、自己紹介で出身である中国の説明を行っていただきました。その後、場が和んでから、研究について、わかりやすいスライドを使い丁寧に説明していただき、生徒たちは興味を持って、発表を聞いていました。私自身は、輸送体の遺伝子を同定し、コントロールすることにより、ヒ素を米に蓄積させない方法について、非常に興味をひかれました。
発表後は積極的な質疑応答が行われ、交配に使われているイネの品種であるmuhaに対する質問や根から吸収したヒ素を葉と種子に振り分けるトランスポーターについての質問など発表内容について活発な意見交換がなされました。
放課後は、Peitong WANGさんを囲んで、座談会が行われ、自分の名前を中国語で書くとどのような読み方になるのかについて、説明してもらい、盛り上がっていました。
英語論文や英語での研究発表は世界へつながる、大切なツールであることが理解でき、今後の英語学習のモチベーションアップにつながったと感じました。様々な経験を経て、世界で活躍する科学技術人材になっていって思います。
課題研究中間発表Ⅱ
10月19日(水)5,6、7限目に、大会議室にて課題研究中間発表Ⅱが行われました。207HR生徒が発表を行い、理科教員、サイエンスイングリッシュ担当者が発表を聞きルーブリックにて評価を行いました。中間発表Ⅰに比べ、研究が進んだ班が多く、興味深い内容が多かったです。今回、新たに出てきた疑問に対し、どのような方法で調べ、考察につなげていくのか、探究活動を通して、大切なことを学んでほしいと思います。最終発表に向け、ますます取り組みを深めてくれると期待しています。
課題研究のテーマとグループ生徒は以下の通りです。
昆虫の跗節による分類
立石桃 藤原由望 林 心羽 堀北 明李
脈動変光星~みずがめ座CY星 測光観測~
江淵仁尊 中岸奏登 村上裕紀
複合災害から命を守るために
安原 愛登 山引 晴菜
チョークの粉の再利用を目指して
笹川 善正 岡本 陸 樫原 寛人
さまざまな光環境における豆苗の生育と栄養成分の変化について
阪東 歩華 武富 心雪 宮本 和果
クモの巣を張らせない枠の作成
大野 閃斗 富原 瑞葵 藤原 凪希 柳本 隼門
プラナリアの摂食行動
池田 あやみ 上野 佳那子
ゼブラフィッシュの性格の判断の仕方
井上 陽央里 黒川 杏莉
ローマ字打ちでの日本語入力に特化した新しいキーボード案についての研究
住友 七海
糸電話でできた楽器ストリングラフィーの波の特性
相原 悠汰 奥田 陽介 新居 千鈴
視線入力インターフェースと実用化
小池 麻悠子
Science Introduction(化学・生物)
9月30日(金)と10月7日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。
今回は化学分野と生物分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。
【化学分野】バーナーによる加熱法
今回はガスバーナーの正しい使用方法と薬品の調整方法、化学実験におけるにおいの確認方法など、基本的な実験の操作方法について学びました。まずは中学生の時にも学習したガスバーナーの点火がきちんとできるかを確認しました。火や薬品を使う化学実験は、危険な場面が多くあります。これをしっかり理解した上で、来年度の課題研究に取り組んでほしいです。他にもメタノールを赤熱した銅線で参加して、ホルムアルデヒドをつくる操作や水酸化鉄(Ⅲ)のコロイド溶液をつくる操作について学習しました。それもとても面白い実験で楽しく操作方法を学習することができました。
【生物分野】細胞周期の理解 ~永久組織と分裂組織の観察を通して~
ニンニクを発根させ、固定・解離した根端を使い、分裂組織を観察しました。発根して3日くらいの根端では、非常に多くの分裂像が観察できるので、観察しやすく、全ての生徒で分裂像が観察出来ました。その後、根の上側の細胞を観察し、細胞周期にある細胞との比較を行い、分裂組織と永久組織の違いを確認しました。永久組織では、道管のらせん構造も観察でき、生徒たちは分裂組織と永久組織の細胞の形の違いに驚いた様子でした。実際に違いを見ることで、細胞周期や分裂組織、分化など理解を進めることができたと感じました。事後レポートでは、分裂組織の写真を見て、個数が時間に比例する関係から、細胞周期における、分裂期にかかる時間を計算することが出来ました。
中学生対象理科実験教室(オンライン)実施
10月2日(日)13:00から、本校主催の中学生対象理科実験教室を開催いたしました。本年度もコロナ禍の影響を受け、オンラインでの実施となりました。科学イベントや学校行事等と重なった影響のためか、例年より少なめの県内7校から7名の中学生に参加となりました。実験教室を担当するのは講師役は科学部員や普通科で教員志望のボランティア等17名です。参加者には事前に実験キットを送付し、学校長あいさつ・学校紹介の後、3ブースに分かれ3つの実験を体験してもらいました。実験内容は以下の通りです。
物理・・・発音体の振動を学び、ストロー笛の振動数を実験で検証した。
生物・・・ギムネマ茶とミラクルフルーツを使い、味の受容の仕組みを理解した。
地学・・・偏光の仕組みを学び、鉱物を通過する光の特性を学んだ。
本校生にとっては、実験手順の説明を工夫したり、その仕組みを理解してもらえるスライドを製作するなど、主体的に探究するスキルの向上につながりました。また参加した中学生にとっても高校理科の内容に触れることができ、winwinの有意義な時間が過ごせました。参加された中学生が本校に入学し講師役を務める事例は数年続いており、このことが来年も続いてくれることを期待しています。
Science Introduction(自由研究発表会)
9月16日(金)のScience Introductionの時間に夏期休業中の課題であった自由研究の発表会が開催されました。物理教室と地学教室で2つの教室に分けて行いました。複数人の理科教員が自由研究の発表を聞いてジャッジを行うという生徒にとっては初めての経験だったと思います。すごく緊張しながらも自分の行った研究に対してしっかりと発表ができていました。高校生のピュアな視点からの自由研究は聞いていてとても面白かったです。科学用語の使い方やスライドの見せ方など課題はありましたが、来年度から行う課題研究の発表のために良い経験となったと思います。