令和4年度 活動内容

Science Introduction(物理・生物)

5月13日(金)と5月27日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。

今回は物理分野と生物分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。

【物理分野】重力加速度の測定

 物理分野の1回目の基礎実験は重力加速度の測定です。初めに加速度の定義の説明を受け、どのような量を測れば求められるのかを考えました。実験では鉄製スタンドに取り付けた記録タイマーで磁気テープに運動を記録をさせて加速度を求めます。生徒達はどのようにすれば精度の高い実験データが得られるのかを話し合いながら、何度もおもりをつけた磁気テープを落下させていました。今回は、すべて質量の異なるおもりを用意したため、おもりの質量による実験への影響も検証できました。実際の重力加速度を知らされると、どうして誤差が出たのか、ほかにどのような工夫をすれば実際の値に近くなるのかなど活発に意見を述べ合う姿がありました。実験精度を高める意識も向上し、生徒達の収穫は大きかったようです。

 

 

【生物分野】オオカナダモ(レッドオニオン)とネンジュモのミクロメーターによるサイズの測定

 ミクロメーターの使い方について理解し、オオカナダモ(レッドオニオン)やネンジュモの細胞のサイズ測定を行いました。ただ、最初の顕微鏡を使う実習でしたので、対物ミクロメータ―と接眼ミクロメータ―の合わせ方に戸惑い、時間がかかってしまいました。時間が足りなかった分は理数生物探求で続いて実習を行いました。実際に大きさを数値化したことで、真核細胞と原核細胞のサイズの違いを実感できたようでした。

 

 

 

Science Introduction(化学・地学)

4月22日(金)と5月6日(金)の5時間目にScience Introductionの基礎実験を行いました。

今回は化学分野と地学分野の基礎実験です。生徒たちはとても楽しそうに実験に取り組んでいました。

【化学分野】

 化学分野では、ピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを量りました。量が少ないため、薬さじに採り過ぎていきなり数値を超えてしまった生徒もいましたが、今度はもっと上手くいくでしょう。次に、ピペットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸を加えているときとそうでないときの変化を各班で確かめました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べました。化学実験の経験が少ないようでしたが、興味を持って実験できていたと思います。これからも色々な実験や観察などを体験してもらいましょう。

 

 

【地学分野】

 地学分野では、岩石の密度測定を通して地球の内部構造について考えました。地球の内部は、地殻・マントル・核の3層構造になっています。大陸地殻の上部は花こう岩、下部は斑れい岩、上部マントルはかんらん岩、核は主に鉄でできていると考えられています。今回はこれらの試料を用意し、アルキメデスの原理を用いて密度を測定してもらいました。これらの値と地球の平均密度とを比較し、地球の内部がどのような密度の物質でできているか考察してもらいました。今回の実験を通して、少しでも地球科学に興味を持ってもらえると嬉しいです。

 

 

Science Introductionオリエンテーション

4月15日(金)の5時間目にScience Introduction(SI)のオリエンテーションを行いました。

まずは、課題研究のお世話をする理科教員、実習助手の自己紹介・専門分野の紹介を行いました。その後、SIの授業計画と高大連携事業の紹介、成績評価などについての説明を行いました。

この授業では「実際に体験する」ということが重要であるということで、マイクロスコープを使って、様々な細胞を観察するという実習をしてみました。生徒たちはとても意欲的に細胞を観察し、色々な気づきや発見をしていました。このような活動を通して、実際に体験することの価値を知り、探究心を持って、日々過ごしていくことを期待します。 

 

第10回四国地区SSH生徒研究発表会

 4月10日(日)の午後、四国地区の各SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校による生徒研究発表会が行われました。生徒相互の科学的なコミュニケーションの場を設け、科学を探究するために必要な資質の向上や課題研究の取り組みの活性化を促す目的で毎年実施しており、今年でちょうど10回目になります。コロナ渦の前は幹事校に他県を含めた全てのSSH校が集まり、直接ポスター発表していましたが、ここ3年間は自分の高校から配信しています。今回の参加校は高知県1校・愛媛県3校・香川県2校と、徳島県から本校を含む4校の合わせて10校でした。Zoomにより各校代表の1チームがライブ配信し、他のチームはYouTubeにて動画をオンデマンド配信しました。

 当日は旧207HR(現307HR)の生徒全員が学校に集合し、代表者の配信を見守りました。本校からは地学分野において「固有振動を利用した風速計の製作」をテーマに発表しました。この研究は、アクリル棒に風が当たると振動することを利用して、それを風速計に応用できないかと考えたことから始まりました。風洞内で何度も実験し、棒の長さと最大の揺れ幅の関係をデータにまとめました。その結果、特定の風速では共振を起こしていることがわかりました。今後は風速計の実用化を目指し、風速を可視化すること目標とします。

 来場された大学や企業の先生方から様々なご指摘やご助言をいただきました。感謝申し上げます。また、思った以上に他校からも多くの質問や意見が出てきて大変活発なやりとりが繰り広げられました。今後もこうした活動を地道に続けていきます。