平成31・令和元年度

第43回全国高等学校総合文化祭自然科学部門に参加して

 令和元年7月27日(土)~29日(火)、佐賀県で開催された総文祭に生徒2名が参加しました。4月までの校内選抜の結果、本大会には地学部門に「江川湧水の異常水温と水位との関係」を発表することになりました。江川湧水は日本の名水百選にも選ばれており、吉野川の伏流水が湧き出したものです。本流の水温と比較すると、5~6ヶ月遅れて水温が変化します。ところが、近年このズレの期間が短くなっているということが言われ出したので、それを調べてみました。

 初日は5時40分の始発便で現地へ向かい、受付終了間際の11時40分に到着しました。早々と夕立の洗礼を受け、衣服を濡らしながらも会場の佐賀大学に走り込みました。開会式の後、13時から発表が始まりました。私たちの発表はこの日の最後です。それまでは他校の発表を聞いたり、自分たちの発表の練習をしました。想定される質問に対して回答を考えたり、説明をわかりやすくするため文言を変えたりしました。そして5時間が経過しました。18時が過ぎてようやく出番です。当初は少し緊張していましたが、声を出しているうちにだんだん度胸がついてきて、終わったときにはすっかり落ち着いていました。結論から言えば、ズレの期間は従来と変わらず5ヶ月以上でした。審査員の方から、長期にわたって欠かさず記録したことを評価して頂きました。

 次の日は午前中にポスター発表を見学し、午後から各地へ巡検に出向きました。私たちは九州シンクロトロン光研究センターと中富くすり博物館を訪ねました。スプリング8より小型ですが、県の機関であり産業に直結するような研究がなされていました。また、くすり博物館では置き薬の説明や原料などについて説明がありました。ゴキブリみたいな昆虫や動物の頭蓋骨も使われているそうで、実物を見てしまうとちょっと飲めないかもしれないと思いました。

 最終日はニホニウム発見にまつわる講演会と生徒交流会、表彰式と閉会式がありました。ビスマスと亜鉛の原子を衝突させ毎日実験を繰り返すと、90日くらいでニホニウムが2個見つかりました。ところが、審査の基準を満たすには3個が必要で、それを見つけるのに300日もかかったそうです。大変面白い話でした。また、他校生と協力してお題目の問題を解いたり、活動の様子など様々な情報交換を楽しみました。13時に全ての日程が終了し、再び6時間以上かけて徳島に帰りました。残念ながら入賞できませんでしたが、高校生活においてとても貴重な体験ができました。