第78回徳島県高等学校野球秋季大会1回戦
2025年9月16日 11時32分 [教員25]~ チャンスを作る力だけでなく、必要なのはチャンスを活かして結果を出す力 ~
9月13日(土)、阿南市のアグリあなんスタジアムで第78回徳島県高等学校野球秋季大会の1回戦が行われました。対戦相手は城東高校です。
《バッテリー》(城南)挾谷ー宮本良 (城東)濵野ー谷口
《長打》▽三塁打 (城東)濵野 ▽二塁打 (城南)橋本歩2、宮本良
《試合の概要》城南は3回表までに7安打を集める活発な攻撃を展開しますが、走塁やバントのミスなどもあり本来取れるはずの得点が取れない厳しい展開となりました。3回表、城南は先頭の1番橋本歩が二塁打で出塁し、続く2番岡本の犠打を処理した相手投手の送球ミスの間に橋本歩が生還し1点を先制します。
城東はその裏一死から、9番打者の安打と1番打者のエンドランが決まり、2安打で一死一・三塁。2番打者への初球でスクイズを決められ同点となり、さらに安打で逆転を許します。
城南は厳しい場面で再三、強烈な打球を処理した三塁福島ら特に内野手の好守備が光り、粘り強く完投したエース挾谷を支えます。一方で打線は4回表以降2安打に終わり、走者を出しながらも本塁まで進めることができず、その力投に答えることはできませんでした。逆に城東は5回裏、8回裏にも得点し3点差と優位に試合を展開し、城南は苦しい戦いを強いられました。
このままでは終われない9回表。足をつりかけながらも最後まで挾谷をリードした6番宮本良の二塁ゴロが失策を誘い、無死の走者が出ます。走者は臨時代走の和泉に代わり、三塁まで進みますがあと一本が出ず試合終了。五年連続の初戦突破を果たすことはできず、無念の敗退となりました。
《試合の総括》ひとことで言えば、城南のやりたかったことはすべて城東にやられたといったイメージです。バントや走塁のミスで、せっかく走者を出しながらも得点につながらなかったことで、リズムをつかめなかったことが敗因です。
城南の選手は、安打などさまざまな形でうまく出塁しますが、ホームまでが遠いといった印象があります。練習試合でも、チャンスができるたび「まだ点は入ってないぞ!!」といった声がスタッフから飛ぶのですが、得点を取り切ってこそ、結果を出したと言えるのです。たとえ安打で出塁したとしても、走塁で得点につながらなければ、後続が打たなければ得点にはなりません。
また、守備も記録上は無失策で、ピンチを救う併殺など随所に好プレーが見られましたが、記録には出ていない送球のミスのような防げた失点もありました。厳しい状況であっても失点を防ぐこと、ワンプレーごと確実にやり切ることが求められます。
加えて、この試合に出場したのは10名。新人ブロック大会の総括でも言及しましたが、戦力の底上げが不可欠です。特に投手陣は夏以降の成長でマウンドに上がったエースで主将の挾谷が完投しましたが、本来は継投が望ましいと考えております。現代の野球では、緊張感のある状態で結果を出すことのできる投手が複数いなければ勝負になりませんので、2番手以降の成長が急務となります。
初日で姿を消しただけに、ここからは厳しく長い冬となります。ポジションも空席だらけです。本当に力のある選手がその空席を埋め、春季大会は部員もスタッフも絶対の信頼をおける布陣で戦いたいというのが願いです。チーム内競争の結果、レギュラーを取れなかった選手も勝負どころで起用できるような頼りになる選手へと成長することが求められます。消去法から、覚悟と勝負の起用へ。そのシフトを促すのは、部員たちの努力です。特に2年生にとっては、甲子園を懸けて戦えるのは夏の1回を残すのみです。さまざまな意味で、このまま終わるわけにはいきません。本物の強さを手に入れる必要があります。レギュラーも控えも、もう後がないと覚悟を決めて、自分に厳しい姿勢でここからの練習に取り組み、野球人として以上に人間的に大きく成長することにより、学校創立150周年で叶わなかった夢を叶えることにつながると信じています。
5年ぶりの主要大会負け越し、主要大会では13大会ぶりの初戦敗退。この屈辱的敗戦をどう強さに変えていくのか、今後の取り組みが重要な鍵を握ります。過去は変えられないので、目の前には未来しかありません。落ち込んでいる暇などなく、前進あるのみです。弱さと向き合い、真の強さを手に入れるべく、日々の練習に取り組んでいきます。
皆様、今大会もそれぞれの場所から応援していただきありがとうございました。
《文責》尾形