2023年7月の記事一覧

応用数理科3年 高大連携講座(徳島文理大学薬学部)

☆ 鈴木ー宮浦カップリング反応を使って炭素と炭素をつなぐ  ~ノーベル化学賞の化学反応をやってみよう~

   

 有機合成において重要なことは、原料物質には含まれない新規の炭素ー炭素結合を作ることです。しかし、炭素ー炭素結合は化学的に安定であるため、元々の結合を切り離すことは容易ではありません。また、切り離すことができたとしても、設計とは異なる結合を形成することがしばしばみられるために、有機合成には手間と時間がかかるのが当たり前でした。しかし、さまざまなカップリング反応が開発されるにしたがって、新規分子の設計や構築が、以前より楽になりました。当然、複雑な構造をもつ薬理活性物質の合成においても、重宝されています。中でも、今回の実験のテーマである「鈴木ー宮浦カップリング」は、2010年ノーベル化学賞を受け、世界的にも有名な有機合成手法の一つであります。

 6/27(火)午後、応用数理科3年生4名が、この講座に参加しました。この度、講座を担当していただいたのは、徳島文理大学薬学部 薬品物理化学研究室のみなさんです。概要説明と、お世話くださるスタッフの皆さんに自己紹介をしていただいた後、早速操作を進めていきました。 

 円滑に、かつ安全に実験が進められるように、工夫と配慮をしていただきました。そのおかげで、生徒たちも終始楽しい気持ちで、この日の講座を受講することができました。一連の操作において、「量る・加える・振り混ぜる・溶かす・ろ過する」、化学実験における基本的な動作が詰め込まれた内容でした。そして、合成した物質の収量を測定した後、NMRスペクトルによって、合成反応がきちんと進んでいるかどうかを確認し、未反応物や副生成物もなく、合成がうまくできていることが分かりました。高校生がもつ化学的知識では、合成反応や分析法の原理を知るには、若干難しい部分もありますが、今後勉強を重ね理解を深めるという目標が見出せたのではないかと感じています。

 改めまして、久保先生をはじめ、薬品物理化学研究室のみなさんには、この講座のために、貴重なお時間をいただきまして、誠にありがとうございました。

 お礼の言葉とともに、城南高校のSSH事業に対しまして、今後もますますのご支援、ご協力賜りますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

 

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Science Introduction(SI)【基礎実験(生物・化学)】

基礎実験が始まりました。

きめ細やかな指導のため、物理・化学・生物・地学の各分野15人ずつで実験を行っていきます。4週で4分野の実験を行い、基本的な実験の技術を身につけていくこととなります。

 

【基礎実験(生物・化学)】4月28日(金)5月12日(金)5限目

【生物分野】オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)のミクロメーターによる細胞サイズの測定

ミクロメーターの使い方については、パワーポイントで説明しながら進めていき、スムーズに理解を深めらるよう工夫しました。

その後、接眼ミクロメーターを使い、オオカナダモの表皮とネンジュモ(イシクラゲ)の細胞の大きさを測定しました。真核細胞と原核細胞の大きさの違いを、実際に見て測定することで、細胞についての理解が深まったと感じました。

また、ネンジュモ(イシクラゲ)については、グランドの横に生息しており、身近なところに教科書の生き物がいることに、驚いていました。

やはり、「百聞は一見にしかず」。実際に見ることで、新たな気づきが生まれ、科学的な見方や考え方の育成につながると感じました。

 

 【化学分野】
 化学分野では、昨年に引き続いてピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを0.10g 量りました。葉さじの使い方や薬包紙の取り扱いなどを習得しました。次に、ピベットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。
 過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸酸性下にあるときとそうでないときの変化を各班で確かめました。酸性ではほぼ無色に近い溶液になり、中性下では黒色の沈殿が生成する様子を観察しました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べ、どちらの金属がイオンになりやすいか調べました。まだまだ実験の経験が少ないようですが、生徒たちは興味・関心を持って取り組んでいました。

 

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Science Introduction(SI)【オリエンテーション】

応用数理科1年生(107HR)での、Science Introductionが始まりました。

1年生Science Introduction(SI)は、2年生での理数探究(課題研究)、3年生のAdvanced Scienceへと発展させていくため、 基礎的な実験手法の獲得や、高大連携授業・大学研究者との交流による研究・学習意欲の向上が目的です。

 

【オリエンテーション】4月21日(金)5限目

これからお世話をさせていただく理科教員の紹介を行った後、応用数理科で身につけてほしい資質や能力について伝えました。

「夢や目的を持つためには、何事にも興味を持って、まず知ることが大切」であることをお話しました。

 その後、SSH生徒研究発表会 文部科学大臣表彰の研究を動画で見て、良い研究とは何か考えました。

 

身近な現象から疑問を見つけ、検証実験を行い、考察を得る。その中で新たな疑問が生じ、再び検証実験を行う。

課題研究に向かう姿勢を理解すると共に、主体的で深い学びは本当に面白いものであることを、少しでも理解してもらったらと思います。これからは基礎実験・高大連携授業が始まります。

 

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Advanced Science(物理科学)高大連携授業

令和5年6月27日(火)、応用理数科3年生5名がポストLEDフォトニクス研究所(pLED)を訪問しました。

まず、pLED内の実験室を見学しました。矢野隆章教授や久世直也准教授がご自身の研究や実験機器を紹介してくださり、光に関する最先端の研究について学ばせていただきました。また、実験中の学生さんと交流する機会があり、大学でどのような研究や実験を行なっているか教えていただきました。大学生が実際に研究に取り組む姿を見て、学生生活のイメージが広がったことと思います。

次に「光検出器を作って目に見えない光を検出してみよう」という題目で、ブレッドボードでPD回路やAMP回路を作製し、実際に光を当てオシロスコープで確認する体験をしました。江本特任准教授に分かりやすく解説していただきながら回路を組み立て、最終的には回折格子で分光された可視光の両側にわずかに生じる目に見えない紫外光と近赤外光を、自作したPD+AMP回路で検出する実験も行いました。
実験を通して”試行錯誤”や”モノづくり”の楽しさを実際に体験することができました。

光センサーを用いた電子回路により「目に見えない波長帯の光を見つけ出せた」という事実に感動し、光に対する好奇心がより高まったと生徒たちも喜んでいました。

この場をお借りして、このような貴重な体験の機会を設けて下さったポストLEDフォトニクス研究所の関係職員の皆様へ厚く感謝申し上げます。

 

 

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