2019年8月の記事一覧
第21回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会参加
8月19日(月)・20日(火)、山口県健康づくりセンターで実施された第21回中国・四国・九州地区理数科高等学校課題研究発表大会に,本校から「グラスハープの振動数の変化」を研究した3年生3名が参加しました。
初日は,ステージ発表のリハーサルと59グループのポスター発表(物理分野14グループ・化学分野16グループ・生物分野18グループ・地学分野8グループ・数学分野3グループ)がありました。審査については発表4分・質疑4分とかなり短く,研究を要点をまとめ,質疑にも簡潔に答えました。また発表は90分×2の2交代制であったため,発表をおこなっていない後半には,他校の独創性の高い研究や実験・考察を聞いて質疑をおこない,アドバイスシートを提出するなど有意義なひとときを過ごしました。
2日目は各県を代表する16グループのステージ発表があり,それぞれ発表10分・質疑5分で実施されました。会場の高校生から活発な質疑があり,今後の大学生活や探究活動に大きな指針をいただきました。講評では,新しい問題・課題を見つけることができるかは日ごろからの積み重ねによることが大きいとご指示いただきました。
残念ながら,ポスター発表・ステージ発表で受賞することはできませんでしたが,参加生徒にとっては非常に貴重な経験ができました。現2年生は次期大分大会に向け研究を進めていきます。
J-Linkツアーin関西(応用数理科2年生)
応用数理科1年生は8月7日(水)に、午前中は姫路市科学館、午後は高輝度光科学研究センターで研修を行いました。
☆姫路市科学館
姫路市科学館は、自然、科学、宇宙をテーマにした常設展示と、世界最大級のプラネタリウムがある施設です。今年度初めて研修に入れた施設であり、常設展示を中心に見学・体験しました。2階「地球と郷土の自然」では昆虫・鳥・きのこなどの標本を観察したり、「化石タッチング」を体験しました。3階「身のまわりの科学」では、物理・科学に関する現象を実験装置を使って体験したり、「びゅんびゅんふわふわ空気パワー」と題されたサイエンスショーを観覧しました。4階「私たちの宇宙」では、地球に落ちた隕石や宇宙の果ての映像、それらを調べる観測装置などを見学しました。また、世界第5位大型プラネタリウムで星空案内を体験する生徒もおり、それぞれの生徒が興味のある分野への知識理解を深めることができました。
☆高輝度光科学研究センター(SPring-8&SACLA)
SPring-8&SACLAでは、はじめにX線自由電子レーザー施設であるSACLA(SPring-8 Angstrom Compact free electron LAser)の実験研究棟で、技術者の方から施設の概要をDVDと講義で学び、実験ブースを見学しながらレクチャーを受けました。その後、この日は年2回実施される保守点検のため施設が休止中であり、普段は入れない放射線管理区域内の実験ホールを見学させていただきました。SAKURAの加速器棟に入ることができ、ビームライン(BL)に沿って700m歩くことができました。次にSPring-8(Super Photon ring 8 GeV)に移動し、一周1400m超の実験ホールを約1/4周し、ニュース等でも話題となった小惑星イトカワの微粒子分析を行ったBL、和歌山毒物カレー事件のヒ素解析が行われたBLなどを見学しました。最後に分子の接着接合の研究をしている研究者の方からお話があり、生徒からの熱心な質疑を通して、最先端の研究の一端を体感することができました。
令和元年度SSH生徒研究発表会
8月6日から8日にかけて神戸国際展示場で開催された令和元年度SSH生徒研究発表会に科学部の生徒3名が参加しました。
6日は移動と会場でのセッティングで次の日からの本番に備えました。7日は9時から開会行事と基調講演,10時30分よりお昼を挟んで17時までポスター発表でした。SSH校約220校が参加し,さらに海外からも10カ国23校が参加して活発な発表や交流が行われました。17時30分から講評と8日に行われる全体発表校による口頭発表の6校が選出されました。審査員の先生方の反応がよかったので期待していたのですが惜しくも口頭発表には選出されませんでした。
8日は前日に選出された6校の口頭発表を見学しました。どの分野の生徒も堂々と自分たちの研究を発表していました。発表後の質疑についても自信を持って答えている様子から発表内容だけではない深い考察がうかがえました。午後から1時間ほどポスター発表をしてから表彰式が行われました。講評の中で「初めて見る人でもよくわかるようなポスター作り」について話があったので研究だけでなく見せ方も工夫が必要であると感じました。口頭発表には選出されませんでしたが,次点となる奨励賞(各分野1校ずつ)を受賞しました。生徒たちの研究の成果が評価されて晴れやかな気持ちで会を終えることができました。今年の経験がまた来年の生徒たちに伝えられたらいいなあと思います。
非常に大きな大会で運営のスタッフや審査に参加された多くの方々,指導された先生方など多くの人々に支えられた大会であることを強く感じた3日間でした。皆様お世話になりました。
J-LINKツアーin関西(応用数理科1年生)
応用数理科1年生は、8月2日(金)に神戸ポートアイランドでの県外研修を行いました。
☆甲南大学フロンティアサイエンス学部生命化学科
甲南大学ポートアイランドキャンパスでは、生命科学科の西方敬人教授より「見てみよう・持って帰ろう自分の細胞」をテーマに
150分の演習(実験)をしていただきました。最初に実験に臨む姿勢に指摘を受けたことで、長い時間でしたが生徒は集中して実験に
取り組むことができました。5人の学部生TAの皆さんにも個別指導をしていただき、ほとんどの生徒が、自分の口腔粘膜上皮細胞
をとり、染色し固定することに成功しました。また、染色を待つ時間を用いて、5グループに分かれて、施設等の案内もしていただき
ました。ご指導くださった西方先生を初め、お世話をいただいた学生や事務室の皆さんに、この場をお借りして厚く御礼申し上げま
す。
☆理化学研究所生命機能科学研究センター(BDR)
生命機能科学センターは、生命システム研究センター・多細胞システム形成研究センター・ライフサイエンス技術基盤研究センタ
ーを前進とする昨年4月に発足した理研の新しいセンターです。生命科学に関する最先端研究を行っており、様々な研究分野の研究
者が国内外から集まっています。事前に「セントラルドグマ」及び「幹細胞」についてのレポートと2つ以上の質問の事前提出が義
務付けられており、事前研修をして研修に臨みました。
初めに、サイエンス・コミュニケーターの高橋さんから、理研全体の説明があり、続いてBDRの説明がありました。次に、事前学
習してきた「セントラルドグマ」と「幹細胞」についてのお話があり、「ES細胞」「iPS細胞」に関するお話やBDRの最新の研究成
果の紹介、事前にお送りした質問内容への回答をいただきました。その後、展示室と模擬実験室に会場を移し、2つの班に分かれて
見学させていただきました。生命科学や医学に興味関心をかき立てられる研修ができました。
☆理化学研究所 計算科学研究機構(スーパーコンピュータ京)
有名なスーパーコンピュータ「京」を運用している施設です。研究棟の5,6階の間にある階段状の見学者ホールに移動し、説明
を受けました。「京」が今月末で共用を終了し、後継機の名称がスーパーコンピュータ「富岳(ふがく)」に決定したことから始ま
り、建物の耐震構造、計算科学研究機構の役割、スパコンが何に利用されるのか、「京」でどんな研究が行われているかといったお
話がありました。ご説明の後、正面スクリーンが上がると、864台筐体がずらっと並んだ「京」本体が姿を現しました。有名な施設
を目の当たりにして、みんな興奮気味でした。「京」本体やステータスを示すモニター画面を見ながら質疑応答が行われ、生徒から
活発な質問が続いたことが印象的でした。その後1階の常設展示スペースに移動し、出発まで熱心に展示物を見学しました。