令和4年度 活動内容
Advanced Science 地球・天体科学①
6月21日(火)応用数理科3年生に学校設定科目「Advanced Science(地球・天体科学)」を行いました。
今回は「恐竜の歩行速度の計算」を行いました。生徒に50mの距離を歩いたり走ったり一定の速度で走行してもらい、そのときに得た平均の歩幅と速度から相対歩幅と無次元速度の関係を導き出します。
オーストラリアのクイーンズランドで得られた獣脚類の足跡の情報から相対歩幅を計算し、相対歩幅と無次元速度の関係から歩行速度を計算してもらいました。
よく映画で取り上げられている恐竜の歩行速度は正確なものなのか?大学の古生物学研究室で使われている手法を体験してもらいました。将来、地球・天体科学の道に進む学生が出てきてもらえると嬉しいです。
尚、今回使用した実験プリントとレポート課題は以下からダウンロードできます。
Advanced Science(物理科学)発展実験①
応用数理科3年生のAdvanced Scienceでは、先週まで課題研究の追加実験・論文等のまとめを行っていましたが、今週から2週にかけて各科目において発展実験を実施します。物理科学は5名の生徒が選択しており、今週のテーマは「豆電球の電流ー電圧特性の測定」「赤色LED・青色LEDの電流ー電圧特性の測定」です。生徒たちは、直流電源装置の電圧を変化させながら、豆電球・赤色LED・青色LEDに流れる電流の値をサイエンスキャプチャー(電子式の電流計・電圧計)を用い測定しました。その後、それぞれの実験結果からI-Vグラフを作成し、グラフが直線にならない理由や、赤色青色の光のエネルギーの違いも学びました。今回はLEDに触れるのも目的の一つです。生徒たちは実際に触れることで多くの気づきがあったようです。
課題研究 中間発表Ⅰ
6月15日(水)5~7限の3時間を通して、応用数理科2年生の課題研究中間発表Ⅰが行われました。
現時点での研究成果を11の研究班が発表し、お互いの研究についての情報共有や先生やクラスメートからのアドバイスを受け、今後の研究を深化させることが目的です。理科教員の他、英語科の先生、ALT、6限には本校運営指導委員の先生方にもご参加いただきました。生徒も最初は緊張がありましたが、徐々に雰囲気にも慣れ、生徒同士でも大変活発な意見交換ができました。テーマの選定に苦慮し、実験データが十分に得られていない研究班もありますが、今回いただいた質問やアドバイスを今後の糧とし、研究が進み成果が得られることを期待します。次回は、ルーブリック・ポートフォリオをもとに各研究グループと面談を行い、今後の研究方針を詰めていきます。
Science EnglishⅠ(スピーチ発表)
6月17日(金)の1・2時間目に応用数理科1年生のScience EnglishⅠで初めての英語スピーチ発表会を行いました。
ほとんどの生徒が緊張しながらも初めてとは思えない堂々としたスピーチを見せてくれました。英語の発音や伝え方にも工夫するともっと相手に伝わるスピーチになるのではないかとALTの先生や英語教員からアドバイスがありました。来年は課題研究の英語発表もあり、今後もっとスピーチが上手くなっていくでしょう。そんな期待ができるスピーチでした。
今回のテーマは「自分の行ってみたい場所」。その場所がいかに魅力的であるかを聴き手にアピールしていました。発表後、生徒一人ひとりルーブリック評価を行い、自分のスピーチについて自己評価しました。
将来、世界に羽ばたくような科学者が出てきてくれると嬉しいです。
Science Introduction(実験の設定)
6月10日(金)のScience Introductionで課題研究の一連の流れを学習する実験を行いました。
研究課題は「温泉たまごの研究」です。目的の設定、仮説の立て方、実験方法の設定、結果のまとめ方、考察と結論、それぞれ課題研究を行う上で重要な要素であり、生徒たちはグループで話し合いながら一人ひとりが考え、活動を行っていました。応用数理の生徒たちが来年度「理数探究」で課題研究を行う上で必要な知識や技能を身に付けることができたと思います。各グループのデータを集約し、これを用いて、きれいな温泉たまごができたグループがありました。さて、温泉たまごは何℃の温度条件で、どのくらいの時間でできるのでしょうか。
今回使用した実験プリントは以下からダウンロードできます。
Science Introduction(物理・生物)
5月13日(金)と5月27日(金)に応用数理科1年生のScience Introductionで基礎実験を行いました。
今回は物理分野と生物分野の基礎実験です。実験内容は以下のものになります。
【物理分野】重力加速度の測定
物理分野の1回目の基礎実験は重力加速度の測定です。初めに加速度の定義の説明を受け、どのような量を測れば求められるのかを考えました。実験では鉄製スタンドに取り付けた記録タイマーで磁気テープに運動を記録をさせて加速度を求めます。生徒達はどのようにすれば精度の高い実験データが得られるのかを話し合いながら、何度もおもりをつけた磁気テープを落下させていました。今回は、すべて質量の異なるおもりを用意したため、おもりの質量による実験への影響も検証できました。実際の重力加速度を知らされると、どうして誤差が出たのか、ほかにどのような工夫をすれば実際の値に近くなるのかなど活発に意見を述べ合う姿がありました。実験精度を高める意識も向上し、生徒達の収穫は大きかったようです。
【生物分野】オオカナダモ(レッドオニオン)とネンジュモのミクロメーターによるサイズの測定
ミクロメーターの使い方について理解し、オオカナダモ(レッドオニオン)やネンジュモの細胞のサイズ測定を行いました。ただ、最初の顕微鏡を使う実習でしたので、対物ミクロメータ―と接眼ミクロメータ―の合わせ方に戸惑い、時間がかかってしまいました。時間が足りなかった分は理数生物探求で続いて実習を行いました。実際に大きさを数値化したことで、真核細胞と原核細胞のサイズの違いを実感できたようでした。
Science Introduction(化学・地学)
4月22日(金)と5月6日(金)の5時間目にScience Introductionの基礎実験を行いました。
今回は化学分野と地学分野の基礎実験です。生徒たちはとても楽しそうに実験に取り組んでいました。
【化学分野】
化学分野では、ピペットと電子天秤の使い方を元に化学実験を行いました。まず、電子天秤を用いて炭酸ナトリウムを量りました。量が少ないため、薬さじに採り過ぎていきなり数値を超えてしまった生徒もいましたが、今度はもっと上手くいくでしょう。次に、ピペットで水や薬品を量りとり、試験管の溶液に加えてみました。これも量が1mLと少なかったですが、上手く量りとれたようでした。過マンガン酸カリウム水溶液に過酸化水素水を加えて、硫酸を加えているときとそうでないときの変化を各班で確かめました。また、カルシウムと亜鉛に水や塩酸を加えて反応するかどうかを調べました。化学実験の経験が少ないようでしたが、興味を持って実験できていたと思います。これからも色々な実験や観察などを体験してもらいましょう。
【地学分野】
地学分野では、岩石の密度測定を通して地球の内部構造について考えました。地球の内部は、地殻・マントル・核の3層構造になっています。大陸地殻の上部は花こう岩、下部は斑れい岩、上部マントルはかんらん岩、核は主に鉄でできていると考えられています。今回はこれらの試料を用意し、アルキメデスの原理を用いて密度を測定してもらいました。これらの値と地球の平均密度とを比較し、地球の内部がどのような密度の物質でできているか考察してもらいました。今回の実験を通して、少しでも地球科学に興味を持ってもらえると嬉しいです。
Science Introductionオリエンテーション
4月15日(金)の5時間目にScience Introduction(SI)のオリエンテーションを行いました。
まずは、課題研究のお世話をする理科教員、実習助手の自己紹介・専門分野の紹介を行いました。その後、SIの授業計画と高大連携事業の紹介、成績評価などについての説明を行いました。
この授業では「実際に体験する」ということが重要であるということで、マイクロスコープを使って、様々な細胞を観察するという実習をしてみました。生徒たちはとても意欲的に細胞を観察し、色々な気づきや発見をしていました。このような活動を通して、実際に体験することの価値を知り、探究心を持って、日々過ごしていくことを期待します。
第10回四国地区SSH生徒研究発表会
4月10日(日)の午後、四国地区の各SSH(スーパーサイエンスハイスクール)校による生徒研究発表会が行われました。生徒相互の科学的なコミュニケーションの場を設け、科学を探究するために必要な資質の向上や課題研究の取り組みの活性化を促す目的で毎年実施しており、今年でちょうど10回目になります。コロナ渦の前は幹事校に他県を含めた全てのSSH校が集まり、直接ポスター発表していましたが、ここ3年間は自分の高校から配信しています。今回の参加校は高知県1校・愛媛県3校・香川県2校と、徳島県から本校を含む4校の合わせて10校でした。Zoomにより各校代表の1チームがライブ配信し、他のチームはYouTubeにて動画をオンデマンド配信しました。
当日は旧207HR(現307HR)の生徒全員が学校に集合し、代表者の配信を見守りました。本校からは地学分野において「固有振動を利用した風速計の製作」をテーマに発表しました。この研究は、アクリル棒に風が当たると振動することを利用して、それを風速計に応用できないかと考えたことから始まりました。風洞内で何度も実験し、棒の長さと最大の揺れ幅の関係をデータにまとめました。その結果、特定の風速では共振を起こしていることがわかりました。今後は風速計の実用化を目指し、風速を可視化すること目標とします。
来場された大学や企業の先生方から様々なご指摘やご助言をいただきました。感謝申し上げます。また、思った以上に他校からも多くの質問や意見が出てきて大変活発なやりとりが繰り広げられました。今後もこうした活動を地道に続けていきます。