@パンフレット写真(城南)

「一球一心 ~心はひとつ~」

本校は徳島県における野球発祥校です。

1887(明治20)年に、本校の前身である旧制徳島中学校の学生が、体操伝習所で新式体操として野球を教わったとされる旧制徳島中学校教師の森萬吉氏、岩佐直氏により野球の手ほどきを受けたと伝えられています。このことが、徳島県における野球の始まりであると云われています。

それから10年あまり経った1898(明治31)年。徳島中学校に徳島県内初となる野球部が創設されたことをきっかけに、徳島県に野球の文化が広まりました。

その後、校名は徳島第一高校、城南高校と変遷し、強豪として名を馳せた時期もあれば低迷期もありましたが、たったボール3個から徳島県における野球文化の発展に尽力した先輩方の熱い思いは、現在に至るまで引き継がれています。

その思いが実を結び、ついに2011(平成23)年の第83回選抜高等学校野球大会では21世紀枠で選出され、創部113年目にして初の甲子園出場を果たしました。1回戦では兵庫県の強豪・報徳学園高校に8-5で勝利し、100年を超える甲子園の歴史に名を刻んだことでも知られています。

徳島県内で最も長い歴史と伝統を誇る城南高校硬式野球部の生徒たちは、徳島県における野球文化の先駆者としての責任と常に自覚した行動を心がけて、日々の生活に有意義に取り組んでおります。

本校の「自主自立」という校風のもと、創部以来の伝統である「文武両道」の精神を大切にし、学校生活においても生徒会長をはじめ、各種委員会やクラス委員長などのリーダーを務める者が多く、名実ともに学校を牽引する存在としてグラウンド以外の場面でも活躍しております。

部活動、学習のどちらにも全力で取り組む部員たちは、受験においても実力を発揮し、各個人が理想とする最善の進路を獲得しております。卒業後は城南高校での生活、硬式野球部での経験を活かし、良き社会の形成者として実力を発揮し、世界や地域の幅広い分野において活躍しております。

日々の練習では、限られた時間の中で自らの課題に真摯に向き合いながら、効率よく工夫された多彩な練習メニューをこなすだけでなく、自主練習にも主体的に取り組むことにより、お互いを高め合っています。

チームは2021年度の秋季大会以降、春夏秋すべての主要大会において初戦を突破しており、昨年夏の選手権では9年ぶりとなるベスト4進出を果たしております。今年度のチームも秋季大会ベスト8といった実績を挙げておりますが、さらに上位進出を目指すことのできる潜在能力を持っており、今後の躍進が期待されます。

「一球一心 ~心はひとつ~」のチームスローガンのもと、部員一人ひとりが城南高校硬式野球部の一員であることに誇りとプライドを持ち、野球が出来ることの喜びと感謝、応援してくださる方々の熱い想いを胸に全力で戦い抜きます。

チーム、卒業生はもとより、城南高校硬式野球部に関わるすべての方の悲願である次の甲子園出場、そして甲子園での2勝目を達成し、次の世代においても徳島県の野球文化の発展に貢献する存在であり続けたいと思います。

城南高校硬式野球部の活動に対する皆様のご支援、誠にありがとうございます。今後とも応援よろしくお願いします。

野球部活動報告

第75回徳島県高等学校野球秋季大会2回戦

2022年9月27日 00時00分 [管理者]

春季大会準決勝以来の再戦・令和の「徳島の早慶戦」

~「一球一心」の挑戦者として、

勝利を目指して全力で戦い抜くチームの「心はひとつ」~ 1664668996227

9月25日(日)、鳴門市の鳴門オロナミンC球場で、第75回徳島県高等学校野球秋季大会2回戦が行われました。

本校は第1シードの徳島商業高校と対戦しました。

春季大会準決勝以来、今年二度目となった令和の「徳島の早慶戦」は、最終回まで両校の執念がぶつかり合う好ゲームとなりました。1664668996708

《バッテリー》

 (城南)神戸,馬詰-上原(徳島商)森(煌)-滝上

《長打》

  ▽三塁打 (徳島商)森口

1回表、この日1番に起用された炭谷が内野安打で出塁し、盗塁でチャンスを広げます。しかし、この好機で後続を打ち取られ無得点に終わりました。

1回裏、徳島商の先頭打者を安打で出し、死球で一死一・二塁。4番打者を捕邪飛に打ち取り二死としますが、5番打者に左前への安打を打たれ先制を許します。なおも二死一・二塁で6番打者に左前への安打を許しますが、本塁に突入する二塁走者を左翼蔭山からの好返球によって本塁でタッチアウトに仕留め、追加点を阻止し、最少失点に抑えます。

2回裏には1番打者に右翼炭谷の頭上をはるかに超える三塁打を打たれ、リードを2点に広げられます。以降も再三にわたりピンチを作りますが、エース神戸は2けた四死球と絶不調で精彩を欠いた1回戦とは違い、強打者が続く徳島商業打線を相手に、要所を締める粘りの投球を展開します。

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高校野球において、試合の流れが最も変わりやすいと云われている、グラウンド整備後の6回の攻防。

円陣の中心に立った副主将の上原が、全員に掲げた後半戦のテーマは「大和魂」。

反撃を期して臨んだ6回表、城南は1番炭谷からの好打順でしたが3者凡退に打ち取られます。

逆に6回裏、先頭打者である徳島商の4番打者が放った強烈な打球が二塁への強襲安打となり、犠打とバント安打で一死一・三塁。7番打者への2球目に盗塁を許し、二・三塁と局面が変わりカウント2-0からの3球目。ここでボークを取られ、最終的には決勝点となる手痛い1点を献上します。さらに走者を三塁に残した局面が続き、3-0から投じた球が暴投(打者は四球)となり、走者がもう一人生還。リードを4点に広げられます。その後、遊撃の失策で二死一・三塁となり、打順はこの日2安打の1番打者。一塁走者が盗塁し二・三塁と局面が変わり、ここで安打が出たら下手をすると7回コールドになりかねない状況で、ベンチは申告故意四球を選択。この作戦が功を奏し、二死満塁から2番打者を三振に打ち取り、これ以上の追加点を許しませんでした。

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7回からは、ここまで力投を続けてきた神戸が三塁に回り、ベンチで声を出しチームを鼓舞し続けながら出番を待望していた1年生の馬詰が登板します。こちらも故障明け初のマウンドとなりましたが、勢いのある投球で走者を出しながらも要所を締め、2イニングを無失点に打ち取り、9回表を迎えます。

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今こそ「大和魂」を発揮すべき時だ。何もできずに負けるわけにはいかない。一点ずつ積み重ね、絶対に逆転する!

9回表は2番から始まる好打順。

一死から主将の3番大村が右前への安打で出塁し、4番神戸の死球、5番島の内野安打で一死満塁のチャンスを作ります。ここで6番蔭山の遊ゴロの間に三塁走者大村が生還し、やっと1点が入ります。

なおも二死一・三塁、好救援を見せた7番馬詰が左前に安打を放ち、三塁走者神戸が生還。点差を2点に詰めます。

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こで、代打に起用された中山が四球を選び、なおも二死満塁のチャンス。9番川丘の打球は高いバウンドのゴロとなりましたが、遊撃手の好守に阻まれ、一塁走者中山が二塁フォースアウトとなり、反撃もここまで。

2対4で敗れ、残念ながら2年連続のベスト8進出を逃しました。

~私たちは聖地で心技体を磨き、負けない力を身につけて春を迎える~

今大会ナンバーワン投手との呼び名も高い徳島商業のエース・森投手とは、春季大会準決勝以来の対戦となりました。

そのときと比べてさらに威力が増した常時140km台のストレートを中心に、制球が少し高めに浮きながらも押してくる投球スタイルに序盤から苦しめられ、なかなか攻撃の糸口をつかむことができませんでした。

しかし、1回戦の名西戦までに多かったフライアウトを減らし、低い打球を意識した攻撃を徹底することができました。

好投手を擁するチームから勝機をつかむためには、まず自分のできることを徹底し、低く速い打球を打っていくことが大切です。ただコンパクトに、タイミングを早く、というのではなく、振り負けないようにする。そこが一歩及ばなかったのが課題であり、鋭いスイングができる体力を全員が身につけることこそ、攻撃面における冬の課題であると痛感しています。

加えて、大量得点が見込みにくい展開の試合では、出してはいけない走者を出塁させ、本塁に返すという「絶対に取られてはいけない失点」が命取りになります。

この試合ではボークと暴投が決勝点となりましたが、その伏線には守り切れなかったことがあります。

記録が強襲安打になった打球、送球が間に合わなかった内野安打、これらはアウトにできなかっただろうか。このような記録に表れないエラーもことごとく失点につながった事実を受け止め、次に同じような思いをすることがないよう、練習で鍛えてどのような打球も処理する対応力と守備範囲、送球力を身につけることが望まれます。守備は信念を持って練習し続けることで必ず成長します。勝ち切るためには、まず「負けない」ことがベースになります。

この大会で、1年生もスタメン4名をはじめ、8名が出場しました。今大会で存在感を示す活躍を見せた者も、そうでない者も15名全員、平等にレギュラー獲得のチャンスがあります。

この秋、冬で様々な経験と鍛練を積み、自分の武器を明確にしてそのクオリティーを向上させ、もう一回り大きくなって今度は必ず先にリズムをつかみ、勝つことができるよう取り組んでいきたいと思います。春にはより多くの戦力が台頭することを、スタッフも楽しみにしています。

今年の徳島県は、まさに戦国模様。2回戦で敗れたという結果は悔しいですが、この試合内容からも決して甲子園には手が届かないものではない、ということを実感した秋でもありました。

そして、体調不良者の続出による新人ブロック大会途中棄権、その後の極度の不振、投手陣の相次ぐ故障、と他校以上に多くの試練を乗り越えてきたことによって、コンディション管理の難しさと重要性に気づき、困難から逃げずに戦い抜くことのできる、目に見えない力をつけることができた秋になったとも実感しています。

冬を越したときには、他のチームもレベルアップし、さらに戦国模様が顕著になるものと見込まれます。この期間に、徳島県のどのチームよりも成長し、春に花を咲かせるための一歩を踏み出す準備として、試合の翌日は1日をかけて、部員・スタッフ全員で私たちの「聖地」である練習場の環境整備に取り組みました。

2年生が甲子園を目指して戦うことができるのも、来夏の第105回全国高等学校野球選手権徳島大会を残すのみとなりました。

「今ありて未来も扉を開く 今ありて時代は連なり始める」

ここからは、日々の取り組みに後悔を残さないことが大切になります。

2023(令和5)年に創部125周年を迎える城南高校硬式野球部。

先輩方が築き上げた伝統をより発展させ、夏の選手権初出場という形で125年目の夏を迎えることは、城南の総意です。

日々の練習におけるこの一球、この一本が成長につながると信じ、「一球一心 ~心はひとつ~」のチームスローガンのもと、負けないチームを目指して成長できるよう取り組んで参ります。

皆様、今大会もそれぞれの場所から応援いただき、誠にありがとうございました。今後ともよろしくお願いします。

 

《文責》尾形