学校長からのメッセージ

学校長からのメッセージ

令和6年度 第3学期 始業式 式辞

努力しても損はしない

 今日から3学期が始まりました。2学期の終業式で「3学期は1年間の総決算、3年生にとっては高校生活の総決算」という話をしましたが、3学期は総決算であるとともに、新年度に向けての準備期間にもなります。年度の節目となる時期ですので、一日一日を大切に過ごしてください。

 さて、皆さんは、これまで入学試験や定期考査など、様々な試験を受けてきたと思います。また、部活動においても大会やコンクールなど、様々な試合に出てきたと思います。これまでも試験や試合などで結果を出すために努力をしてきたと思いますが、改めて努力することの大切さについて考えてみましょう。

〇努力して結果が出ると、自信になる。
 努力して結果が出ると、それまでの取組が成功体験となり、自分の能力や行動を信じることにつながります。努力するモチベーションにもなります。

〇努力せず結果が出ると、傲り(おごり)になる。
 努力しなかったのに偶然にも結果が出ると、自分は優れていると勘違いして油断することにつながります。課題を軽く見るので努力しなくなります。

〇努力せず結果も出ないと、後悔が残る。
 努力していないので結果が出ないことは、よくあることです。努力しなければ結果は出ません。努力しておけばよかったと後で悔やむことになります。

〇努力して結果が出ないとしても、経験が残る。
 努力した結果が出なかったとしても、次のチャレンジにつながる経験が残ります。失敗した経験が、成功に到達するための重要なヒントになります。

 努力すれば結果が出ることが多くなり、出た結果が次の努力につながります。努力と成功がつながっていく好循環になります。努力しないで運よく結果が出ても、傲り(おごり)になり、努力しなくなるのでやがて結果も出なくなります。怠惰と失敗がつながっていく悪循環になります。

 結果を出すためには、努力が必要です。しかし、仮に結果が出なくても、努力すれば一生懸命に取り組んだ経験が残ります。そして、その経験から知恵や新たな発想が生まれて、次のチャレンジで成功する可能性が高まります。

 皆さんは、これからも試験や試合などを数多く経験することになります。また、社会に出て働き始めても、自分の力が試される機会に多く出会うと思います。その時、立ち向かって努力をするか、避けて努力をしないかの選択をすることになりますが、皆さんはどちらを選択しますか。

 努力しても結果が自分の思いどおりにならないこともあります。しかし、経験は残るので、「努力しても損はしない」と思います。最後まで諦めずに努力を続ける3学期としてください。

徳島県立城南高等学校長 佐山 哲雄

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令和6年度 第2学期 終業式 式辞

取り組む姿勢や心掛け

 1年間の学校生活において、最も長い2学期も今日で終えようとしています。そして、今年も残りわずかです。これまで自分が取り組んできたことを振り返ってみてください。教科等の学習、学校行事、部活動など、精一杯取り組んできましたか。

 学校生活に限らず、日々の生活の中でも、物事に取り組む姿勢や心掛けによって、その後の状況が大きく変わってしまうことがあります。このことに関連した言葉があります。それは、「一生懸命だと知恵が出る。中途半端だと愚痴が出る。いい加減だと言い訳が出る。」という言葉です。

 一生懸命な取組を心掛けると、物事を多面的に見たり、先を見通して行動したりするようになります。その結果、視野や考え方が広がり、知恵や新たな発想が生まれて、成功する可能性が高まるようになります。また、成功することで、主体性や自己肯定感の向上にもつながります。

 一方で、中途半端な取組では上手くいかないことが多くなります。こういう時は得てして、愚痴や不満が出るようになります。その結果、物事がなかなか進まなくなります。また、主体性が失われてしまうので、他人の行動や考えに依存したり、誰かの指示を待ったりするようになります。

 さらに、いい加減な取組となってくると、失敗につながってしまうのは当然ですが、そのいい加減さが故に、その失敗にさえもきちんと向き合わなくなってしまいます。つまり、言い訳をすることで、失敗の原因を他人に転嫁したり、問題そのものから逃避したりするようになります。

 また、「努力する人は夢を語り、怠ける人は不満を語る。」という言葉もあります。これからの学習や部活動にどう向き合っていくか、そして、夢を語るようになるか不満を語るようになるかは、皆さんの決断と努力次第です。自分自身の将来を見据えて「これからどう生きるか」を考えてください。

 努力することの本当の意味は、努力することを通して自分をしっかりと見つめ、自分の持っている能力をたくさん見つけ、見つけた能力を最大限発揮させられるかにあると思います。

 3学期は1年間の総決算になります。そのためにも、この冬休みでこれまでの自分を振り返り、さらに伸ばすことや改善することを見つけて、次の飛躍につなげてください。特に、3年生にとって3学期は高校生活の総決算にもなります。また、大学入学共通テストも控えています。ぜひ気持ちも新たに新年を迎えてください。

徳島県立城南高等学校長 佐山 哲雄

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令和6年度 第2学期 始業式 式辞

                    社会に出て成功する7つの条件
 
 今日から2学期が始まりました。1学期の終業式で「心をマネジメントすること」について話をしましたが、有意義な夏休みとすることができたでしょうか。悔いの残る夏休みだった人も、新たな気持ちで2学期をスタートさせてください。

 さて、社会では、様々な分野で活躍して成功している人が多くいます。以前、企業に長く勤めていた方から、社会に出て成功している人の条件について、話を聞いたことがあります。その方の話では、成功している人の条件は7つあるそうです。

1 ゆるぎない強い志(思い)を持っていること
  自分自身の中に、掲げた夢や目標を実現するという「強い思い」がなければ、夢や目標の実現に近づくことはできません。

2 夢や目標の実現に向かって努力を続けること
  大学に入りたいとか、技術者になりたいとか思うだけでなく、夢や目標の実現に向かって「毎日努力する」ことが必要です。

3 常に反省(振り返り)をすること
  取り組んだことがうまくいかなかったり、周囲の人に迷惑をかけたりしたときは、自分自身を「振り返る」ことが大切です。

4 変化や区切りをチャンスと考えること
  新学期や新年度になったときなどを、「絶好のチャンス」と考えて生活を見直すことが、新たなスタートの第一歩になります。

5 相手の立場に立って行動すること
  自分と異なる考え方や意見を持つ人に対しても、耳を傾けて「一緒に考える」ことで、自分の考え方や視野が広がります。

6 感謝する気持ちを持っていること
  周囲の人が支えてくれていることへの「気づきと感謝の気持ち」が、自信につながり、毎日努力するエネルギーになります。

7 平凡なことをやり続けること
  周囲の人と関わる中で大切なことは、挨拶をする、約束を守る、遅刻をしないなど、当たり前のことを「続ける」ことです。

 社会に出て成功する条件と言いましたが、この条件は学校においても大切なことです。さらに、実際に社会に出て働き始めるといろいろな問題にぶつかることもあります。問題を解決するには工夫を生み出すための知恵が必要になります。
 
 学校は、社会に出るための準備の場になります。今日から7つの条件を心掛けながら、幅広く知識を習得して知恵を出すことができるように学びを深めてください。そして、有意義な2学期となることを期待しています。

徳島県立城南高等学校長 佐山 哲雄

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令和6年度 第1学期 終業式 式辞

心をマネジメントすること

 今日で1学期が終了しますが、この機会に4月からの学校生活を振り返ってみてください。1学期の学校生活を振り返ると、これまでの成果と課題が見えてくると思います。成果と課題が見えてくると、夏休みを有意義な時間とすることができ、2学期からのスタートがスムーズになります。

 さて、3年生にとっては、進路選択もいよいよ大詰めになります。夏は雌雄を決する天王山ですから、就職する人も進学する人も、悔いのないように全力で頑張りましょう。夢の実現のためには、大志を抱き、果敢に挑戦することが必要です。そのために自分の将来をイメージし、具体的な行動計画を立てなければなりません。

 具体的な進学先、就職先、資格取得を考えたら、その目標のレベルと現在の自分がもっている力のギャップとを客観的に認識し、そのギャップを埋めるための努力をしなければなりません。この現状をしっかり把握し、目標とのギャップを埋めていくための行動を「マネジメント」といいます。

 目標の達成を目的とする「マネジメント」によって、様々な行動をコントロールして計画通りに進めることで、目標に対する考えや態度を変えたりモチベーション(やる気)を維持したりすることができ、行動様式を変えることもできます。そして、この「マネジメント」の原動力こそが、皆さんの「心」です。

 ですから、「現状をしっかり把握し、目標とのギャップを埋めていく」という基本を、皆さんの「心」の中に据えることが必要です。何ができていなくて、何ができるようになりたいのか、何が足りなくて、どこまで到達しなければならないのか、これらを「心」に訴えながら行動することが大切なのです。例えば、なりたい自分になるための言葉を声に出したり、書き出したりすることも有効だと思います。

 40日に近い夏休み、この時間を生かすも殺すも皆さんの「心」次第です。学習や資格取得に励む、部活動に頑張る、映画や芸術を堪能する、多くの本を読んで知識の獲得をする。今、皆さんはどんな夏休みを過ごそうと思っていますか。この時間を有意義に使うか、無為に過ごしてしまうかでは、大げさに言えば、この先の皆さんの未来を大きく変えることにもなります。

 他人と過去は変えることができませんが、「心をマネジメントすること」で、自分と未来は変えることができます。つまり、これからの自分の選択次第で、未来の自分を変えることができるということです。大きく変化する社会では、「マネジメント能力を持った人材」が求められています。だらだら過ごす夏休みではなく、目標に挑戦し続ける「チャレンジの夏」となるようにしてください。

徳島県立城南高等学校長 佐山 哲雄

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令和6年度 第1学期 始業式 式辞

志(こころざし)

 新年度が始まりました。今日は、新年度スタートの特別な日です。昨年度の成果や反省を基に、皆さんはこれからどのような学校生活を送ろうと考えていますか。3年生は進路の決定に向けて全力で取り組んでもらいたいと思います。また、2年生は学校の中核となる学年としての活躍を期待しています。

 新年度を迎えて、皆さんには「志」を持ってほしいと思います。では、「志」とは何か。辞書によると「ある方向を目指す気持ち、心に思い決めた目的や目標」とあります。従って、「目的や目標を決めよう」ということにもなります。学習、進路、部活動など、学校生活を送っている今だからこそ、「志」を持ってください。

 皆さんは、「Boys, be ambitious! (少年よ、大志を抱け!)」という言葉を聞いたことがありますか。北海道の札幌農学校(現在の北海道大学)に初代教頭として招かれたウィリアム・スミス・クラーク博士の言葉です。多くの学生たちに勇気と希望を与えました。現在もこの言葉は受け継がれています。

 それでは、「志」を持つためには何が必要でしょうか。それにはまず、これまでで良かったことや反省点を自覚する必要があります。さらに、「過去の自分を見つめ直し、今やるべきことを決め、未来の自分につなげる」というサイクルを作ることが大切になります。

 20世紀を代表する物理学者であるアルバート・アインシュタインの言葉に「Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow.(昨日から学び、今日に生き、明日に希望を持て)」という言葉があります。過去に失敗があったとしても、それを教訓に今後の生き方を決めて、胸を張り、希望を持って未来に向かいましょう。

 しかし、待っているだけでは「志」を実現することはできません。「志」を実現するためには、努力を続けることが必要です。第16代アメリカ合衆国大統領エイブラハム・リンカーンの演説の中の言葉に「Where there is a will, there is a way.(意志あるところに道は開ける)」という言葉があります。

 「道が開けた人とは、何かを成し遂げた人」であり、例外なく「強い意志をもち、努力を継続した人」だと思います。「継続は力なり」「努力なくして成功なし」という言葉にも通じることと思います。

 皆さんには、成し遂げたいことを「志」として持ち、なりたい自分を毎日強く思い、そして必要な行動を続ける1年間にしてもらいたいと思います。

徳島県立城南高等学校長 佐山 哲雄

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