城南高校は、県内で最も古い歴史と伝統(平成17年で130周年、ファイアーストームの存在など)を持つ高校である。

そして、今また、その歴史と伝統を踏まえつつ、新たな発展を遂げようとしている(スーパーサイエンスハイスクール

の指定、部活動の活性化、新校舎の建築と新しい制服の採用など)。そこで、この機会に改めて、その足跡を絵・写真・

書及び文章でたどってみる。
 

 「始まる 城南新世紀」―城南高校生が、130年を超える輝かしい歴史と伝統を受け継ぐ者としての誇りと自信を深め、

新たなる発展の一歩を踏み出すために。

 

絵文字:星城南歴史ミニギャラリー

1.「旧徳中風景」(三木文夫氏筆)

 この絵に描かれている校舎は、明治18年9月から昭和8年5月まで、

当時の富田浦町東富田(現在の万代町)にあった。当時は、校舎前に川が

流れており、その富田川にはボートを漕いでいる生徒たちやボートを格納する

艇庫が描かれている。現在、この地には県庁が建っており、その前庭の一角には

「徳島縣立徳島中學校跡」の石碑が建っている。

2. 城南高校の旧校舎の写真(平成14年8月6日撮影の航空写真)

 今は取り壊されることになっているが、この写真の校舎も、昭和39年に一部が

竣工したときには、それまでの木造から、初めて鉄筋化されたモダンなものであった。

その当時、グラウンドの南西の一角には、写真に見られるように、飛び込み台を備えた

プールもあった。

3. 新校舎の完成予想図

 平成19年5月現在、この図の東から3分の2ほどが完成している。西の3分の1に

ついては、これから建設にかかる。校舎をグラウンドに建設し、完成後に旧校舎敷地を

グラウンドにするという一般的なやり方ではなく、旧校舎の間の中庭に新校舎を建設する

という方式を採ったため、新校舎建設中も旧校舎やグラウンドを使うことができた。

完成後は、新校舎の前後にある旧校舎を解体するので、今よりグラウンドが広がるとともに、

駐車場を広げるスペースも生まれる。ただし、以前のような中庭はなくなるが。

4.「開校記念日の歌(明治)」(小神野芳太郎作詞、作曲者不詳)

 城南高校には、「校歌」と呼べるものが3つあると言ってもよい。そのうち、

この歌は、明治35年本校創立記念日を祝して作られたもので、当時国語・作文担当の

小神野芳太郎教諭が作詞したものである。昭和8年に「旧徳島中学校校歌」ができる

までの間、徳中生に、校歌に準ずるものとして歌い継がれていた。大正13年には歌詞

の一部が変更され、「開校記念日の歌(大正)」として歌い継がれたようである。

(渦の音復刊13号参照)
 書は、現職員の宮城明子教諭の筆による。

5. 旧徳島中学校校歌(宮本村雄作詞、山田耕筰作曲)

 昭和8年に作られ、「城南高等学校校歌」が昭和25年にできるまでの間、校歌と

して歌われた。作詞者は当時国語の教諭であった宮本村雄氏、作曲者は作曲界の

巨匠山田耕筰氏であった。なお、この歌ができた昭和8年には、現在地に新校舎が

落成し、東富田から移転してきている。書は、作詞者の宮本村雄氏その人の筆による。

6. 城南高等学校校歌 (山口義広作詞、石桁真礼生作曲)

 昭和25年に作られた。歌詞は、教師・生徒から募集し、当時第3学年に在籍

していた山口義広氏のものが採用された。「城南高等学校校歌」「旧徳島中学校校歌」

「開校記念日の歌(明治)」の3つの歌は、城南高校ホームページのうちの同窓会の

ページに、その歌詞が載っており、歌の演奏も聞けるようになっている。

さらに、「校歌集」としてCDも出されている。 書は、吉本道子氏の筆による。

7.「校門改修イメージ」

 昭和60年6月28日、創立110周年記念事業の一環として校門周辺拡張・整備が

行われ、そのイメージをスケッチとして描いたもの。絵の左の方(旧校舎の東)

には旧の体育館が見られる。

8. 校門から続くケヤキ並木と「アババイ像」

 ケヤキ並木の間に「アババイ像」(流政之氏作、昭和60年に創立110周年記念事業

の一環として制作されたもの)が見えていることから、7の絵より後に描かれたもの

であることが分かる。「アババイ像」については、「季節により時刻により、みる者

の心により、さまざまな変化を示すアババイ像は城南の伝統と未来への飛躍を象徴する」

(「新 城南の青春」)ものとなっている。

9.城南マスコットキャラクターのジョーくん・ミナミちゃん(陶板)

 昭和60年に誕生した「アババイ像」をモチーフに、平成18年3月1日には、

平成17年度卒業記念としてマスコットキャラクターが制作された。

(その後、デジタル化され、いろいろなバージョンが作られている。)

学校案内の表紙やポスターなどさまざまなところで活用されており、

最近のものでは、「始まる 城南新世紀」の幟にもプリントされている。

10. 校門前から望む「城南富士」(黒崎志郎氏筆)

 本校の美術の教諭だった黒崎志郎氏の作品。「城南富士」は、ファイアーストーム

で歌われる「城南健児の雄叫び」や「城南男前節」でもおなじみの、城南高校生に

とっては、よくその名を聞く山。以前は、生徒もよく登ったものである。

しかし、今の生徒は、実際の山がどこにあるのか、正式の山の名は何というのか、

などといったことは意外に知らないようである。
 この山は、校門前から望めば、ほぼ真北に、道路を隔ててすぐそこにある、

形の整ったまろやかな山で、国土地理院に確認したところ、

正式名は「勢見山(せいみやま)」で、高さは「109.3メートル」だという。