令和6年度活動内容
令和6年度 科学の甲子園徳島県予選に出場しました
今年度は9校22チームの出場で本校からは2チームが出場しました。
筆記試験では、教科書の内容を答えるのではなく、教科書や授業で習ったことを使いながらさらに深い知識を問う問題が出されました。
生徒たちは苦戦しながら、頭を悩ませながら一生懸命解く姿は頼もしいものでした。
筆記試験の後は昼食をはさんで午後から実技試験でした。
どの学校もしっかりと考えられたものばかりで、教員の私も感心するような装置もあり、生徒の発想力は素晴らしいですね。
結果としては惜しいところでしたが、これからの学校生活等で今日まで頑張った経験値をいかしてほしいです。
阿南市科学センター主催の科学の祭典にてブースを開設します!
来たる11月23日(土)と24日(日)に、阿南市那賀川町にある阿南市科学センターにて、「青少年のための科学の祭典2024徳島大会」が開催されます。城南高等学校SSH推進課並びに科学部有志は、今年も徳島鉱石クラブと共催してブースを開設します。
昨年と同様に「宝石を探そう」と題して、黒砂から透き通ったペリドット(かんらん石)をピンセットで採り、小ビンに入れてストラップを作ります。今年はチケットが不要ですから、無料で作ることができます。およそ20分で、下記の小ビンくらいの量が採れます。同じ砂に含まれる水晶の欠けらを少しだけ混ぜるととてもきれいな色合いになり、光に透かして見ればキラキラと光ります。
ペリドットは8月の誕生石で太陽の石とも称され、幸福・希望・平和など明るさを持った石言葉があります。これをご覧の皆様、ぜひお越しください。スタッフ一同、お待ちしています。
第81回科学経験発表会に参加して
11月2日(土)、徳島県教育会館において科学経験発表会が開催されました。これは県内の小・中・高等学校の児童生徒たちが日頃の研究成果を一堂に発表する場です。本校から4つのグループが高等学校の部に出場しました。
発表会場は満員でした。所狭しとイスと机が並べられていて、通行するにも難儀しました。各班とも廊下に出て打ち合わせの真っ最中です。発表原稿を何度も見直していますが、気になる部分があってパワポの文言を修正したり、データのグラフや画像を差し替えたりしていました。そして、開会式の後に最初のグループから発表が始まりました。
発表の持ち時間は20分で、その後に質疑応答があります。物理・化学・生物・地学の各分野を代表する審査員から、生徒たちに容赦のない質問が飛び交います。しどろもどろになってしまったり、頭が真っ白になってなかなか答えられないときもありました。しかし、どのグループも詰まったりどもったりしながらも何とか回答を返すことができました。
参加したのは次のグループです。
(1)ゆこう非可食部の有効利用とその効果・・・ゆこうからフードペーパーをつくる
(2)アオサの生育と河川水の成分との関係・・・アオサノリの陸上養殖に適した水質を調べる
(3)オオカナダモの紅葉・・・クロロフィル量と光の関係を調べる
(4)摩擦によるドミノの転倒速度の違い・・・床板の材質とドミノの転倒速度の関係を調べる
予定時間を大幅に超過したため審査会は開かれず、後日に入賞者を各校に伝えることになりました。その結果、(2)のアオサノリが特選に選ばれ、他の3つも入賞しました。よく頑張ってくれました。次は来年に向けてさらなる研究に勤しんで、もっと素晴らしい成果を上げることでしょう。
中学生対象理科実験教室を開いて
10月20日(日)に、中学生を対象とした理科実験教室を開催しました。参加者は、中学生10名、スタッフの在校生14名、教員7名です。開会行事の後、前半は物理と生物の選択、後半は化学の実験を行いました。
物理分野では、静電気の発生実験や実体験をしました。ピリッという刺激があり、髪の毛が逆立つ様子も見られました。生物分野では、顕微鏡を見ながらゾウリムシの繊毛運動を観察しました。水中では高速で泳いでいるゾウリムシを観察しやすくするために、様々な試薬を加えて動きを遅くさせるなどのコントロールを行いました。
化学分野の実験では、いくつかの温泉の成分を体験しました。本県でも神山町にあった次郎銅山跡から酸性泉が湧き出ています。pH3くらいとかなりの強酸です。石灰石を加えるとCO2を発生し、人体の皮脂に見立てた脂に加えると分解されました。一方で、旧西祖谷山村(現在は三好市)の祖谷温泉では炭酸水素泉が湧き出ており、指を浸けると少しヌルヌルしました。他には、医薬品としても用いられるヨードホルムやサリチル酸メチルを合成しました。臭いをかげば、病院で治療時にぬられたり捻挫したときに貼られる薬品であるとわかりました。
最後に少し時間を取って、中学生と在校生との交流会をしました。互いに向き合ったり車座になって、学校のことや部活動のこと、志望理由や今日の実験のことなどを話し合いました。こうして和やかな雰囲気のまま終了しました。
小学生対象理科実験教室を開いて
9月29日(日)、本校の各理科実験室にて小学生とそのご家族を対象とした理科実験教室を開催しました。この日のために1ヶ月前から少しずつ準備を進めて、物品をそろえたり内容を吟味したり何度も練習を繰り返しました。そして、ようやく当日を迎えました。開設したブースは18、スタッフは生徒58名と教員15名です。
受付時刻よりかなり前から小学生を含むグループが来校しました。あわてて各所に開始を告げて実験教室が始まりました。2Fは化学分野、3Fは生物分野、4Fは物理分野と地学分野です。EVを使えば4Fからも行けますが、多くの方が2Fから回り始めました。化学実験では、定番のスライムやバスボム作り、気体の発生、二酸化炭素中のマグネシウムの燃焼などを行いました。
3Fでは生物実験として、ゾウリムシの観察やギムネマ茶による味覚の変化、ちりめんモンスターなどを行いました。本格的に顕微鏡を使うのは初めてという人もいて、とてもにぎわい充実した内容でした。
4Fでは、物理と地学の実験を行いました。波の伝わり方や1/10ピカチュウ、煙の砲撃、スチールウールの燃焼、シャボン玉など盛りだくさんの内容でした。来られた皆さんは、お子さんも保護者の方も楽しまれていました。理科に興味関心を持ってくれたようで、皆さんの今後のご活躍が楽しみです。来年もどうぞお越しください。
紫金山・アトラス彗星 校内ミニ観望会2
昨日はスーパームーンすら見えないベタ曇りでした。
10/18(金)も曇りの予報でしたが、夕方意外と雲が切れたので、ミニ観望会を行いました。
やはり少し雲があり、肉眼ではちょっと厳しかったです(でも短時間見えた気がします。)
双眼鏡ではよく見えました。またスマホでも結構写りました。
天気予報では日曜・月曜に観望チャンスがあるかもしれません。
肉眼でしっかり見えるといいですね。
スマホ撮影にチャレンジ
雲はありましたが、スマホで写りました。
追記 残念ながら、その後西空に晴れ間が現れることは全くありませんでした。
ほうき星を探して(紫金山・アトラス彗星 校内ミニ観望会)
今年初めから注目されていた紫金山・アトラス彗星は、夏の初め頃増光が鈍り、期待外れに終わると危惧されましたが、
太陽への最接近を生き延びて、夕方の西空にその勇姿を現しました。
西の低空までよく見える4階西廊下に双眼鏡等を設置し校内ミニ観望会を企画しましたが、なかなか天候に恵まれません。
10/16(水)の天気予報は曇りでしたが西空の雲が少し薄れたので、肉眼は無理でしたが双眼鏡で短時間見ることができました。
吟詠剣詩舞同好会の皆さんも練習の合間に
吟詠剣詩舞同好会の顧問の先生がスマホで撮影(写真右上に彗星)
2024年10月13日 18:28 徳島市内 PENTAX SMC200mmF2.8 & K-x
残念ながら来週にかけても天気はいまいちですが、しばらくは18~19時頃に観望会の準備を続けようと思います。
科学へのいざないAdvance(生物分野)
9月28日(土)徳島県教育委員会主催 科学へのいざないAdvance(生物分野)が徳島大学で行われ、本校生徒2名が参加しました。テーマは「制限酵素地図を作ろう」です。ご指導は 徳島大学教養教育院 渡部先生です。渡部先生にはいつも高大連携授業や課題研究の指導で大変お世話になっております。
制限酵素とは、DNAを特定の場所で切断する酵素です。この制限酵素は「遺伝子組換え生物」をつくる遺伝子工学において遺伝子を切り取る「はさみ」の役割をする非常に重要な酵素です。今回は2種類の制限酵素(EcoRⅤとEcoRⅠ)を用い、DNAのどの部分で、2種類の制限酵素がDNAを切り取るのか考察し、制限酵素地図を作成します。
まず、マイクロピペットの使い方の練習を行いました。10μLを1μLごと10回で取れるかどうかの練習です。
マイクロピペットの使い方を身に付け、いよいよ、実験です。4つのマイクロチューブにDNA溶液を20μL入れ、それぞれのマイクロチューブに①制限酵素入れない ②EcoRⅠを1μL入れる ③EcoRⅤを1μL入れる ④EcoRⅠ を1μL+ EcoRⅤを1μL 入れ、酵素がよく働く温度で処理をします。
制限酵素を働かせた後、電気泳動法でDNAの長さを確認します。電気泳動法とは、DNAは負の電荷を持つので、電流を流せば、+極に泳動するのですが、アガロース(寒天)の中を泳動する関係で、DNAの長さが長いと泳動しにくく(寒天の成分に引っかかる)、短いと泳動しやすい(寒天の成分に引っかかりにくい)特徴から、DNAの長さを分析する方法です。
電気泳動層のくぼみ(ウェル)に、それぞれの溶液を流し込んでいます。(上手です)
流し込んだ後、電流を流し、泳動します。
結果は以下の通りです。
①制限酵素入れない 場合はDNAが切断されておらず、1600塩基対のままです。
②EcoRⅠを1μL入れた場合はDNAが切断され 1000塩基対と600塩基対の断片となっています。
③EcoRⅤを1μL入れた場合はDNAが切断され 700塩基対と900塩基対の断片となっています。
④EcoRⅠ を1μL+ EcoRⅤを1μL入れた場合は、300塩基対、600塩基対、700塩基対の3つの断片となっています。
この結果から、
1600塩基対のDNAはどのような場所で切断されたのかをグループで考察しました
EcoR1
1000塩基対 600塩基対
上の様にEcoR1が切断すると、EcoRⅤはどの場所になるか分かるでしょうか。
最後は、考察した内容を発表しました。
講義では、白のアフリカツメガエルと黒のアフリカツメガエルを交配したら、どのようなオタマジャクシが生まれるか実験したお話しや、黒色の胚(個体ができるまでの細胞群)と白いとの胚を切って、合わせて個体を作ると半分は黒、半分は白の個体を作ったお話、さらにはゲノム編集を行ったお話しなど、実際に実験した内容を話してくれ、非常に興味深くお話しを聞いていました。
また、イベリアトゲイモリやアフリカツメガエルなどを見せていただき、生徒達は大学での学びに胸を膨らませていました。
応用数理科 課題研究 細菌班 徳島文理大学薬学部研修
本校、207HRの3名が課題研究で細菌について興味を持ち、研究をしています。特に、枯草菌(納豆菌)が熱や紫外線、化学物質等に強くなる芽胞を形成することに興味を持ち、どのような条件で芽胞が形成されるのか調べています。30℃のインキュベーターで24時間培養すると、芽胞が形成されるとの論文を発見し、培養をした後、染色液で芽胞を染色し観察しましたが、十分に確認できません。
そこで9月24日(火)の放課後、細菌学がご専門である徳島文理大学 薬学部 微生物学研究室 阪口義彦 先生に芽胞の染色法や芽胞形成について、お話を聞きに行きました。
実験技術である火炎固定や油浸オイルによる対物レンズ100倍での光学顕微鏡の使用法などの学び、ビクトリアブルーで染色し、芽胞を観察しました。菌体の中に芽胞ができるのですが、菌は青く染まり、芽胞が染まらないので青の中に透明に抜けることで観察できます。手法について学び、本校でも実験できる技術を身に着けました。これで、芽胞の形成を調べることができます。また、ご専門である腸内細菌や芽胞の活用法など知り、研究の背景について、非常に知識が深まりました。
さらに、この研究班は最初、音と微生物培養の関係について調べようとしていた話をしていると、芽胞形成と音の関係を調べると面白いとのご意見を伺いました。
培地のpHや温度などと芽胞形成の関係についての論文はあっても、音などの物理的刺激と芽胞形成について調べている例はなく、高校生ならではの面白い着眼になるとおっしゃっていました。
生徒たちも、枯草菌の芽胞形成と音などの物理的刺激との関係について興味を持ち、ぜひやってみたいとのことでした。これからの研究計画についての展望が広がり、生徒たちは非常にワクワクした様子でした。今後も連絡を取りながら研究を進めていきたいと思います。高大連携の仕組みを強化してくことで、課題研究の質を高めていき、生徒たちの主体的で教科横断的な学びを深めていきたいと思います。
火炎固定、プレパラート作成をしています 阪口先生が培養した納豆から培養した枯草菌です
すべての菌体で芽胞が形成されています。
本校研究班が30℃24時間培養したものです。 対照実験(コントロール)として、自然状態で培養したもの
7割くらいの菌体内で芽胞が形成されています。 です。芽胞が形成されている菌体はありませんでした。
R6 科学部卒業生による 課題研究等のレクチャー
9月14日(土) 13:00~ 化学室にて 卒業生による課題研究等の進め方講座がありました。 内定を貰っている大学4年生と大学2・1年生より 以下について説明がありました。 ①研究の進め方のアドバイス ②大学での授業や研究・生活面での参考例 ③高校生のうちにしておいた方がよかったと思った事など。 ④その他 |